会社法の改正や金融証券取引法(J-SOX法)等の背景から、コンプライアンス内部統制に関わる仕組みが強化されるつつある一方、企業不祥事が後を絶たない状況にあります。


企業不祥事としてひと言で括ってもその中味は、千差万別ですが、テレビ等で取り上げられた会社のこととなるほどそれではまずいだろうと感じるとしてもこれで良いのかについてなかなか分からないのが自社の内部統制コンプライアンスの実際


本書の「はじめに」にも書かれていますが、不祥事を起こしてしまった企業のトップに共通する反省の弁がたいてい以下の内容になるとのこと。


「マニュアルや決まりはあったのだが、それを守っていく風土が会社の中にはなかった」


こうなると後の祭り。


コンプライアンスの重要性がこれだけ叫ばれているのに、なぜ不祥事がなくならないのかについて、それは、単なる規則やシステムといった「ハード」面からの取組みだけでは、会社は守れない。そのポイントは、「ソフト」面と述べています。


<<ポイント>>


コンプライアンス内部統制の仕事とは、単なるチェック体制づくりとか法令遵守だけではなく、会社の価値基準を明確にし、浸透させ、従業員の幸せな毎日を創り出すこと。このようなソフト面が大切。


コンプライアンス及びリスク管理の第一線で活躍する著者が「ハード」面と併せて焦点を当てるべきは意識や組織文化など「ソフト」面の対策であるとして、ソフトの部分に焦点をあてて、個人の意識や組織文化をどう制御していけばいいのかを解説している本を紹介します。


さらに不正の早期発見と対策、調査委員会の立ち上げ方なども含めて詳解しています。


本書:「それでも不祥事は起こる」です。


『価値浸透』が変えるコンプライアンスと内部統制」との副題が付いています。


本書は、著者:秋山 進 氏にて、2008年8月に日本能率協会マネジメント 出版情報事業 より発行されています。


本書は、日経BP社のサイト「経営とIT」の連載記事を中心に大幅に加筆されたものとのこと。


それでも不祥事は起こる
日本能率協会マネジメント 出版情報事業
発売日:2008-08-29
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:31988

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれています。


規則やシステムといった「ハード」面だけでは、会社は守れない

次にやるべきは、

ソフト面の対策だ!


また表紙カバーの折返し部には以下のように書かれています。


「社員の意識」や「企業の文化」というのは、

なかなか変わらない

だからこそ、コツコツと時間をかけて

着実に変化させる必要がある。

不祥事を「致命傷」にしないために!


本書は、6章から構成されています。ざっとした概要は、以下の通りです。


第一章では、「不祥事コンプライアンス」として、4節からなり、不祥事についての9つのタイプ分けから始まり、筆者のリクルート、カネボウ化粧品などでの体験を挙げ、不祥事は会社をよくするキッカケと述べています。またコンプライアンス体制を要求する6つの潮流として、「流動化する人材市場」から「グローバリゼーションへの巻き込まれ」までの動向を解説し、「管理部長のコンプライアンス」と「社長のコンプライアンス」 とを対比し、「社長のコンプライアンス」の重要性を説いています。


第二章では、「内部統制の理想と現実」として、最初に教科書的な対応が生む「合成の誤謬」として、本末転倒となってしまった内部統制対応の事例を紹介し、内部統制の正しい在り方を確認した上で、本来の内部統制がもたらす有効な側面について事例を交え解説しています。


第三章では、「経営理念と社会規範を統合せよ」として、コンプライアンスと経営の判断基準を整合させる方法、業務をマトリックスで考えた上でOBゾーンを明確にするリスクマネジメント的視点を解説し、会社の視点と社会の視点を軸にそれぞれ推奨行為、許容行為、禁止行為のマトリックスで価値基準を決める方法を解説しています。さらにこの価値基軸を浸透させていくためのコンプライアンス教育プログラムについて解説しています。


第四章では、「組織内の不正をいかに早く発見し対処するか」として、意図を持って対応される不正に対応する包括的なマネジメントの構築の必要性を強調しています。不正事例と不正の見つけ方から、捜査権の無い企業内での不正調査についてその留意ポイントから5つのステップによる方法などを解説しています。


第五章では、「不祥事後、調査委員会をいかに設置し運営するか」として、3つのフェーズの分けての危機レベルに見合った調査委員会の種類と危機レベル別の調査委員会の目的と役割、その設置・運用に関わる具体的なプロセスについて解説しています。


第六章では、「コンプライアンス教育の急所」として、不祥事を起こさないためのコンプライアンス教育の必要性について、Jリーグの警告数と成績のデータなど紹介しながら、コンプライアンス教育において、特に留意すべき視点、「意識」、「知識」、「常識」とのステップ、幹部向けに行うケーススタディなどコンプライアンス教育のポイントを解説しています。


<<本書で何が学べるか?>>


内部統制やコンプライアンスについてのこれまでの本には、そのシステム構築などのハード面に関するものがほとんどであったと思います。本書は、ソフト面の対策に焦点を当てて解説しています。


「社員の意識」や「企業の文化」などの風土は、一つの不祥事で脆くも壊れてしまいますが、なかなか一朝一夕には、築き上げることはできません。


企業の宝のようなものです。


しかしながら、そこをおろそかにして内部統制コンプライアンスの仕組みだけ整えたとしても機能しないと思われます。


まさに「ソフト」面の対策こそ内部統制コンプライアンスの画龍点睛のポイントと思われます。


そこを一冊の本で習得できるかとなると確かに容易ではないと思います。


この難しいポイントに対して特効薬を用意することは、極めて難しいことですが、本書では、筆者の経験やコンサルティングの実例をもとに説得力ある処方箋が説かれていると思います。


<<まとめ>>


本書は、コンプライアンス及びリスク管理の第一線で活躍する著者が「ハード」面と併せて焦点を当てるべきは意識や組織文化など「ソフト」面の対策であるとして、ソフトの部分に焦点をあてて、個人の意識や組織文化をどう制御していけばいいのかを分かり易く解説しています。


本書は、企業経営からマネジメントに関わるビジネスパースンに是非とも読んでい頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第一章 不祥事とコンプライアンス
第一節 不祥事の9つのタイプ
第二節 私の不祥事体験
第三節 コンプライアンス体制を要求する6つの潮流
第四節「管理部長のコンプライアンス」と「CEOのコンプライアンス」
第二章 内部統制の理想と現実
第一節 教科書的な対応が生む「合成の誤謬」
第二節 内部統制の正しい在り方
第三節 内部統制の効用
第三章 経営理念と社会規範を統合せよ
第一節 価値判断基軸はつながっている
第二節 業務をマトリックスで考える
第三節 価値基軸を決め浸透させる
第四章 組織内の不正をいかに早く発見し対処するか
第一節 今こそ不正対応のマネジメントを確立せよ
第二節 不正事例と不正の見つけ方
第三節 不正を調査する方法
第五章 不祥事後、調査委員会をいかに設置し運営するか
第一節 調査委員会の種類と3つのフェーズ
第二節 危機レベル別調査委員会の目的と役割
第三節 調査委員会を設置・運営する具体的プロセス
第六章 コンプライアンス教育の急所
第一節 コンプライアンス教育は本当に必要なのか
第二節 コンプライアンス教育で注意すべきポイント
第三節 「意識」「知識」「常識」の3ステップ






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