5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)について、理論・理屈は、簡単だとしても、実践がなかなか難しいものとして、また一度、5Sを構築したとしてもそれを継続することがなお難しいとし、5Sを実践・継続させるために、その意義や狙いから始まり、管理と改善の基盤を作り、ムリ・ムラ・ムダを排除する方法など解説し、また
- 製造現場の5S
- 事務(管理間接部門)の5S
- 仕事(モノ以外)の5S
の観点から、それぞれの立場で役立つツールや着眼点、更には、5Sを基軸に更なる改善活動への展開までをわかりやすく解説している本を紹介します。
<<ポイント>>
実践・継続できる5Sの入門書。
ビジネスの効率を高め、業績を伸ばす5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)導入と定着のための実践プログラムが分かり易く解説しています。
製造現場で整理整頓するためのロケーションマップ、事務用書類の分類方法、効率的に仕事をするための業務フローチャートなどのツールの活用法を交えて実践的な手法を解説しています。
本書により5S活動を通じて人づくりと組織づくりを実現していくためのノウハウも学ぶことができます。
本書:「最新5Sの基本と実践がよ~くわかる本」です。
「5S導入・定着のための実践プログラム」との副題が付いています。
本書は、著者:石川 秀人氏にて、2008年9月に秀和システムより発行されています。同社の「How-nual図解入門ビジネス」のシリーズの一冊になります。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の表紙には、以下のように書かれています。
5Sを通じて「人づくり」、「組織づくり」を実現する!
- 5Sの意味とやり方がよくわかる!
- 製造現場/事務/仕事の5Sがわかる!
- 5S実践の役に立つツールを解説!
- 5Sを定着させる仕掛けがわかる!
- 5Sからカイゼンへ道が見える!
本書は、6章から構成されています。他の「How-nual図解入門ビジネス」シリーズと同様にイラストなどの多数の図表が挿入されていて読みやすく構成されています。
また本書の解説を補完する多数の豆知識的な趣の「コラム」が挿入されていて親しみ深いものとなっています。
以下にざっと内容を概観します。
第1章では、「5Sの意義と狙い」
として、5Sの理屈は簡単であっても実行されなかったりするのは、その真の意義と狙いが理解されていないためとの観点から、「5Sは管理・改善の基盤づくり」との解説に始まり、仕事のムリ・ムラ・ムダ、バラツキ論、5S活動の意義から使い方までを整理して解説しています。
第2章では、「5Sの意味と進め方」
として、「5Sとは」との意味の確認から、5S活動は改善活動であるとの観点から、6段階からなる以下の5Sの改善手順を解説しています。(「1.活動の準備」→「2.啓蒙・教育」→「3.整理の推進」→「4.整頓の推進」→「5.清掃・清潔・躾の推進」→「6.5Sの定着」)
第3章では、「製造現場の5S」、第4章では、「事務の5S」、第5章では、「仕事の5S」と題して、『5Sカード/赤札』、『3定』、『ロケーションマップ』といった「製造現場の5S」のための【21のツール】、『頭の中の整理』、『置き場を決める』、『ルールを守る』といった「事務の5S」のための【16の着眼点】、さらには、5Sの範囲を広くとらえた『作業の洗い出し』、『ムダをオモテ化する』、『仕事の流れ図』といった仕事のムリ・ムダ・ムラを削減する「仕事の5S」のための考え方などを具体的に解説しています。
第6章では、「5Sから更なる改善へ」
として、5Sはダイエットに例えると基礎代謝を高める活動でマネジメントの基礎と述べ、毎日の運動に相当するのが『更なる改善』として日常管理、異常の管理、標準化、活動体制の構築、改善ストーリー、あるべき姿とありたい姿、儲かる5Sのポイント、トヨタ流の5S改善、5Sから更なる改善へとのテーマで5Sを基盤とした改善活動への展開の取り組みについて解説しています。
<<本書で何が学べるか?>>
頭では簡単に理解できでも定着させ、継続させることがなかなか難しい5S活動についてその基本と意義を解説するとともに「製造現場の5S」「事務の5S」「仕事の5S」の実践のためのツールの活用から改善活動への展開までを分かり易く解き明かしています。
<<まとめ>>
本書は、5Sの基本から継続的に推進するための仕掛けまで経営的なインパクトを付与できる実務的な5S活動について解説しています。5S活動に関心があるとくに経営者から管理者の立場にある方から担当者までのビジネスパースンには、本書は、お奨めです。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 5Sの意義と狙い
第2章 5Sの意味と進め方
第3章 製造現場の5S
第4章 事務の5S
第5章 仕事の5S
第6章 5Sから更なる改善へ