表題に挙がっているマトリクスというのは、2つの軸から成る2×2の表のことで、筆者の言葉を借りると、一つの軸は、勉強の方向性の以下のような軸で


  • 人生を戦い抜くための勉強
  • 人間力を鍛えるための勉強

前者は、「武器」としての勉強、後者を「人と人を結ぶ知」のための勉強とも呼んでいます。さらにもう一つの軸というのは、

  • 天井がある勉強
  • 天井がない勉強

言い替えると「天井のあるなし」とは、資格取得などのターゲットやゴールが明確な勉強(天井あり)とエンドレスに進めていくべき勉強(天井がない)ということになります。

上記の二つの軸を縦横の軸にまとめたマトリクス表のことを勉強マトリクスと呼んでいます。

このような勉強マトリクスの座標軸を作成することで、自分の現在の「立つ位置が」明確になり、勉強のモチベーションや到達点が見えてくるはずと説いています。

このように勉強したいことのプロフィールが明確になれば、成功したも同然と語り、竹中式勉強法の9つの極意、記憶勉強法5つの極意、英語勉強法7つの極意、経済勉強法9つの極意、世界に通じるための勉強5つの極意ということで総計35の勉強法の極意について竹中氏の経験談や合理的な発想法など交えて伝授しています

<<ポイント>>

竹中式合理的勉強法の極意を伝授している本


竹中平蔵 氏(今更、言うまでもありませんが、1951年生まれ。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、大蔵省財政金融研究所主任研究官、大阪大学経済学部助教授、ハーバード大学客員准教授、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2001年小泉内閣で経済財政政策担当大臣。02年に金融担当大臣、04年には郵政民営化担当大臣を兼務。05年総務大臣。2004年には参議院議員当選。06年小泉内閣の終焉とともに辞職。現在、慶應義塾大学教授グローバルセキュリティ研究所所長(経済学博士)。日本経済研究センター特別顧問、アカデミーヒルズ理事長、(株)パソナ特別顧問を兼務)が実践してこられ、かつ成果が挙がった勉強法のノウハウについて解き明かしています。


勉強はつらいこともあるかもしれないけれど、楽しい、面白いものと滑らかなトーンで竹中式勉強法を説いています。


本書:「竹中式マトリクス勉強法」です。


本書は、著者:竹中 平蔵 氏にて、2008年10月に幻冬舎より発行されています。


竹中式マトリクス勉強法
幻冬舎
発売日:2008-10
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:6
おすすめ度:4.0
おすすめ度5 おすすめです
おすすめ度2 具体的な方法論ではない。
おすすめ度4 若年層に大変良い指南書であろう。
おすすめ度4 「夢をかなえるゾウ」と比べると、笑える本ではないが・・・
おすすめ度5 目から鱗の学習法

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


受験、記憶術、英語・留学、経済、政治、資格取得…。

  • 目標は大小・遠近2つも
  • 逆算して人より早く始める
  • 偏差値だけでなく人間力が上がる

1の努力で10の成果

日本一の学習法、初公開


本書は、6つの章から構成されています。


「マトリクス勉強法とは」と題してマトリクス勉強法の基本を説く第1章から、第2章~6章で「竹中式勉強法9の極意」、「竹中式記憶勉強法5の極意」、「竹中式英語勉強法7の極意」、「竹中式経済勉強法9の極意」、「世界に通じる勉強5の極意」についてそれぞれ伝授するといった展開になっています。


いくら何でも35の極意というのは、多すぎて軽くなるのではとも思いますが、切り口やタッチを変えて色々の角度から取り上げていて、何より実績がある人の話だけに説得力があるように思います。


極意を説く各章では、最初に箇条書きで各極意をまとめて示し、以降で詳細にそのコツや考え方、ノウハウなどを筆者のエピソードなど交えて語るという展開になっています。


勉強法ということですが、苦労された話も交えて竹中流の発想法、哲学、人生観といった面についても個性的な独特のトーンで語っています。


「1の努力で10の成果」と帯には、ありますが、決して楽をして成果を得るとかと言うことではなく、急がば回れ、地道にあくまで合理的にツボを外さずに努力に努力を重ねなさいと説いているように感じます。


一点、気になった箇所は、以下の点です。「人も本もいいものだけを選ぶ」との極意の話の箇所で「バカは何人よってもバカである」との先輩の言葉が紹介されています。本書の「おわりに」でも「強烈で棘のある言葉」として改めて取り上げられています。


「知的生活を妨げるのは、意味もなく人と群れる」ことで、優れた仲間「自分の知的好奇心を刺激してくれる人」と積極的に付き合いなさいといった趣旨の話で展開されています。知がある人はいい人かということになります。自分の役に立つか立たないかの利害が判断基準になっているように見えます。


勉強法で知をターゲットにしているとは言っても、知だけが価値があるとの偏ったエリート主義の空気を感じさせ、人の価値をどう見るかという点ですが、知・情・意の面で一寸の虫にも五分の魂ではありませんが、人とモノをごっちゃにした情・意をないがしろにしたようなここの展開は、それで成功するとしても余りいい感じがしませんでした。(私は、人の価値では、情が一番で、知・情・意のバランスが何より大切と思っております。)

何のための知なのかということですが、竹中氏は綺麗事でなく赤裸々に表現されているのかと思われますが、竹中マトリクスでも世の中に役立つというよりは、自分の利のための「我利」のための知と思われ、「世のための人のために善いことをせよ。だが、黙ってやれ」の陰徳の世界とは対極の知のように感じられます。

竹中氏が経済学を学んだ動機は「世の中をよくするため」との志が述べられています。

自利のための知でなく、本質は、他利のための知が根底にはあるのかと思われます。

とか言っても本書では、多数の興味深いエピソードを交えて竹中氏流の勉強術の極意についての説得力あるロジックが展開されていて勉強になります。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、何を勉強したらいいのか?座標軸に書いてみると、面白いほど今の自分がわかるはずとのマトリクス作成の薦めにはじまり、35の勉強の極意を説得力あるロジックで説いています。


竹中氏が実践して成果が挙がった学習の方法を伝授しています。


<<まとめ>>


本書は、若い人たちに読んで頂きたい本です。竹中氏も言っていますが何事も鵜呑みにせず自分の頭で考えてみてこれは、本物と感じたら実践するというスタンスが大切だと思います。


なお本書の概要目次は、以下の内容です。
第1章 マトリクス勉強法とは?
第2章 竹中式勉強法9の極意
第3章 竹中式記憶勉強法5の極意
第4章 竹中式英語勉強法7の極意
第5章 竹中式経済勉強法9の極意
第6章 世界に通じる勉強5の極意




にほんブログ村 本ブログへ


「ISOの本棚」ページのトップへ!


RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク
Add a comment

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 

Google 翻訳
Categories
運営者情報
track word
Profile

discus05

旅行なら
<

簡単検索
全国のホテルをあなた
好みで検索できます。
■日程
チェックイン
チェックアウト

■1部屋あたりのご利用人数
大人
小学校高学年
小学校低学年
幼児
(食事・布団付)
幼児(食事のみ)
幼児(布団のみ)
幼児
(食事・布団不要)

■部屋数 部屋

■宿泊料金の範囲
■地域を選択する
  
QRコード
QRコード
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ
RSS


【このページをRSSリーダーに登録する!】
Googleに追加
My Yahoo!に追加
livedoor Readerに追加
はてなRSSに追加
goo RSSリーダーに追加
Bloglinesに追加
Technoratiに追加
PAIPOREADERに追加
newsgatorに追加
feedpathに追加

track feed ISOの本棚

  • seo