『ISO 9001:2008 要求事項の解説』(「ISOの本棚」で紹介)と同じ著者グループ(ISO/TC176日本代表委員)の執筆による同時発行の本で、ISO 9001:2000の第3版規格とISO 9001:2008の第4版規格の差異ならびにポイント等をテーマに詳細に解説している本を紹介します。
本書を通して、2008年改正によってQMSや審査にどのような影響が生じるのかを把握することができます。
本書の筆者を代表して飯塚先生が「まえがき」でも言及していますが、『ISO 9001:2008 要求事項の解説』の位置づけがISO 9001:2008の公式の解説書といった趣旨の書籍であったのに対して、「本書は、専門的にはなるが、2008年版のISO 9001を深く理解するとの観点から、2000年版と2008年版の新旧の規格を詳細に比較した解説書」となっています。
本書では、まず追補改正の論議から新規格の発行に至るまでの経緯が今後の展望も交えて克明に解説されています。
また、ISO 9001:2008、JIS Q 9001:2008の付属書には、変更した箇所のみが記述されているのに対して、それでは分かりにくいため、本書では、両者の規格を対比して、どう変わったのかについて青字、ハッチング等により詳細が分かるように構成されています。
さらに本書では、新旧の規格の差について規格の箇条毎に、何を変更したのか、その目的は何か、原案審議の場でどのような議論が行われたか、日本語訳がどう変わったか、その訳についてどのような議論があったのか、さらには、変更には至らなかったがどんな審議経過があったかといった話題など交えて詳細に解説しています。
<<ポイント>>
ISO/TC176日本代表委員によるISO 9001:2000規格とISO 9001:2008規格との差異・ポイントの詳解書。
本書:「ISO9001新旧規格の対照と解説」です。
本書は、 品質マネジメントシステム規格国内委員会 の監修ならびに飯塚 悦功 先生、 平林 良人 氏、 福丸 典芳 氏、 住本 守 氏、 棟近 雅彦 先生の共著にて、2008年12月に日本規格協会より発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の帯には、以下のように書かれています。
2008年改正対応!
本文2色刷
ISO/TC176日本代表委員が、いち早く2000年版と2008年版との差異・ポイントを詳解。
ISO 管理責任者、必携!
本書は、3部の構成となっています。ざっと概要を紹介します。
第1部では、「ISO 9001 追補改正をめぐって」
と題して、追補改正の概観にはじまり、ISO 9001:2000の追補改正審議の経緯について改正審議の開始と規格の仕様、追補の範囲、そしてCD1からDIS、発行、ISO 9004の審議などが詳細に解説されています。
とくに「品質マネジメントシステムが認証されてもそのアウトプットである製品の品質が保証されるとは限らない」との”Output Matters”についてのAHTG(Ad Hoc Task Group to the ISO/TC176/SC 2/WG 18/POTG)とのタスクグループによる提言など交えて検討経緯を解説しています。
さらに今回の追補改正で修正されている約70カ所の修正のなかから「アウトソース/製品品質/管理責任者/力量,教育・訓練及び認識/設計・開発のレビュー,検証及び妥当性確認/プロセスの妥当性確認/リリース/不適合製品の処置」を取り上げ、要求事項の明確化を行った背景を解説しています。
さらにISO/TC176/SC 2/WG 18が2000年改正のときに国際規格開発で成果をあげたプロジェクトマネジメント方式による今回のISO 9001、ISO 9004の改正作業における審議の経緯を解説し、併せてISO 9000の改正の現況についても言及しています。
第2部では、「ISO 9001新旧規格の対照と解説」
と題して、「序文 0.1 一般」から「8.5 改善」の至るISO 9001:2008とISO 9001:2000との新旧の規定事項について各箇条毎に対比して以下の要領で解説しています。
(1)「規定の趣旨」として変更概要の解説、
(2)「新旧規定の比較表」(とくに青の印字にて、ISO 9001の変更箇所を、また網掛けの青にて日本語訳であるJIS Q 9001固有の変更箇所を比較しています。)、
(3)「変更理由・解説」として、検討の経緯も含めての変更理由についての詳細な解説。さらに必要な部分では、
(4)「日本語訳」として、その翻訳をJISにて採用した背景の解説、
(5)「今後の課題」として、AHTGの提案事項や論議経緯などが逐条で詳細に解説されています。
第3部では、「ISO 9001新旧規格対照表」
と題して、右の奇数ページには、JIS Q 9001:2000が左の偶数ページには、JIS Q 9001:2008が比較対照して全文が掲載されています。青の印字と網掛け青の印字の表示は、第2部と同様で青字の矢印が青の変更箇所のなかで、規定事項の移動/改行箇所が、また脚注では、ISO 9001で変更があったけれども、日本語訳のJISを変更しなかった箇所との識別のもと掲載されています。
<<本書で何が学べるか?>>
本書では、、ISO 9001の追補改訂の発行に至るまでの詳細な論議の経緯の整理に始まり、ISO 9001新旧(2008年版および2000年版)規格について、序文から8.5項の要求事項までの箇条毎に対照して何を変更したのか、その目的は何か、日本語訳はどう変化したのかなどを分かり易く詳細に解説しています。
<<まとめ>>
本書は、ISO/TC176日本代表委員が2000年版と2008年版の新旧の規格を詳細に比較した解説書として、ISO 9001:2008年版規格について深く理解したい人、とくに2008年改正によってQMSや審査に影響が生じるのかを知りたい方等には、必須のISO 9001:2008の解説書です。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 ISO 9001追補改正をめぐって
1. ISO 9001:2008追補改正の概要
2. ISO 9001:2000追補改正審議の経緯
3. ISO 9001改正審議の開始
4. 規格の仕様書
5. 追補の範囲
6. 追補改正規格原案の審議
7. Output Matters
8. 要求事項の明確化
9. プロジェクトマネジメント方式による審議
10. ISO 9000の改正
第2部 ISO 9001新旧規格の対照と解説
序文
0.1 一般
0.2 プロセスアプローチ
0.3 JIS Q 9004との関係
0.4 他のマネジメントシステムとの両立性
1. 適用範囲
2. 引用規格
3. 用語及び定義
4. 品質マネジメントシステム
5. 経営者の責任
6. 資源の運用管理
7. 製品実現
8. 測定,分析及び改善
第3部 ISO 9001新旧規格対照表
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