「日本企業は、円高不況、バブル崩壊、低成長経済など、幾多の困難を乗り越えてきた、日本の製造業の強さはどこにあるのか、それは、トップがグローバル市場をにらみながら、現場や現実を直視し、戦略、方針を明示する。そのトップ方針を部課長が具体的に展開する。この上司方針を的確に把握し、各職場で解決しなければならない問題・課題をケーマに設定し、問題解決能力を展開し、次々を問題を解決していくところに日本的経営の強みがある
(略)
今後の日本企業の成長は、得意技術をテコに、成長市場に事業の照準を合わせ、グローバル展開できるかどうかにかかっている。企業競争力を高めるためには、職場スタッフの問題把握と問題解決能力に左右されるといっても過言ではない。」


…と本書の冒頭の「新刊発刊にあたって」で、細谷 克也 委員長(日科技連問題解決部会構成メンバー)が述べています。


本書は、QC的なアプローチに基づく問題解決法の学習書として広く活用されてきた前著の『TQCにおける問題解決法』の新刊となります。


世界金融危機は、急激なスピードで実態経済にも強い影響を及ぼしています。


「短期経済観測調査(短観)」で製造業の業況判断指数(DI)は、過去最悪を更新するといった状況にあります。


そんな中、明るいニュースとして、大阪府東大阪市の中小企業が開発した小型人工衛星「まいど1号」が、23日に打ち上げられたH2Aロケット15号機(温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」のほかに、まいど1号、KKS−1など7つの小型衛星が相乗り)から無事、切り離され、打ち上げに成功しています。

グローバル化が進み企業間の競争が激化する中で、「不易流行」で何をコアとして守り、何を変えていくべきか。


今日のような厳しい環境下でどのような経営戦略のもと組織のモチベーションを集中させどういう手を打ったかの優劣が今後の生き残りから成長に関わってきます。


QC的なアプローチに基づく問題把握問題解決法というのは、日本的経営の強みのコア要素としてさらに強化すべき基盤と考えます。


TQMによる問題解決法の解説書を紹介します。


<<ポイント>>


QC的アプローチによる問題解決の考え方、進め方、手順について、豊富な事例を交えて解説しているTQM学習書


本書では、TQM(総合的品質管理)活動について必要性、どういった活動なのか、問題解決の意義はどこにあるかといったことから…。


QC的なアプローチによる問題解決の考え方、進め方、手順について、事例を交えながら実務に活用できるように丁寧にわかりやすく解説しています。


本書:「TQMにおける問題解決法」です。


本書は、日科技連問題解決研究部会の編にて、2008年12月に日科技連出版社 より発行されています。


なお本書の1985年刊の初版では、「TQCにおける問題解決法」とのタイトルになっていました。


TQMにおける問題解決法
日科技連出版社
日科技連問題解決研究部会(編集)
発売日:2008-12
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:168824

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の「新刊発刊にあたって」にも掲載されていますが、本書を活用することで、以下のことが実現できるとしています。


  1. 「品質」という視点から経営管理を見つめ、経営上の重要問題・課題を解決し、経営課題が達成できる
  2. 競争力の中核となる技術を高め、魅力的商品を創出するための考え方、方法論、そして手法の使い方を学ぶことができる
  3. QC的問題解決に必要なQC的ものの見方・考え方が習得できる
  4. 問題解決能力に優れたスタッフを養成できる
  5. TQM(総合的品質管理)活動とは、何を、どうすることかが理解できる

本書は、9章から構成されています。


ざっと概要を紹介します。


第1章では、「TQMと問題解決
として、これからの企業を取り巻く環境を整理した上で、TQMがなぜ必要なのかに始まり、TQMの定義、我が国のTQMの特徴、TQMがどのような効果をもたらすかなど解説しています。


さらに企業、職場の抱える問題解決について、問題解決の(「問題の抽出」→「問題の解析」→「問題解決の行動」の3つの)ステップ、と問題解決のポイントといった問題解決の意義について解説し、そのポイントを「QC的問題解決10訓」にまとめています。


第2章では、「QC的問題解決の基本
として、QC的問題解決の意義およびQC的の意味といったQC的な考え方の解説にはじまり、問題解決の心構えと問題解決に強い人とはといった問題解決の基本を述べています。


そして、問題解決のためのデータに関して、データの取り方、母集団とサンプリングの考え方などを解説しています。


固有技術と問題解決との適切な関わり、さらにQCチーム、…、QCサークル等のグループの種類と作り方、グループ活動のポイントなどを解説しています。


第3章では、「問題のとらえ方
として、問題とは、『現状と目標、理想との差』とし、問題の発見の仕方、問題発見のポイント、問題の効果的な把握の仕方などの問題のとらえ方を体系的に整理し解説しています。


第4章では、「問題解決の手順
として、『1.問題点の把握』から『14.今後の課題』に至る問題解決の14ステップについて、具体的な事例をあげて、QC7つ道具などのツールの活用も交えてどのような手順で、各ステップにおける留意すべきポイントなども含めて問題解決を進めるかを解説しています。


第5章では、「問題解決のためのQC手法
として、問題解決のツールとして活用するQC手法について解説しています。


QC手法を活用する上での基本的な考え方から、(特性要因図、パレート図、チェックシート、ヒストグラム、散布図、管理図、グラフ)のQC七つ道具、(連関図法、親和図法、マトリックス図法、系統図法、マトリックス・データ解析法、PDPC法、アローダイアグラム)の新QC七つ道具、さらに検定・推定、実験計画法、回帰分析、多変量解析、サンプリング法、抜取検査、FMEA、FTA、ワイブル解析、信頼性工学、官能検査、IE、VE、OR、創造性工学などの概要を解説し、問題解決の手順の中でどのステップでどの手法を(組み合わせて)活用すると効果的かといった手法の選び方について職能別に解説しています。


第6章では、「活動報告書の書き方
として、活動報告書をまとめるに当たっての基本的考え方、まとめ方、文章や図表を作成する上での留意すべき事項などを取り上げて解説しています。


第7章では、「問題解決のための教育
として、QC的なアプローチによる問題解決のために行う教育に関して、その重要性、方法、内容について、全社員を対象として行う際の要点、本書を活用しての問題解決法コースのカリキュラムと内容について概説しています。さらに研究員が実務で抱えている問題を取り上げ、QC的なアプローチを通して指導講師と討議を重ねながら問題解決の実力を養う研究会である「実践研究会」についての要領から進め方、まとめ方までを解説しています。


第8章では、「各部門における効果的問題解決法
として、研究開発、商品企画、設計、生産技術、製造、販売、営業の各部門を取り上げ、それぞれの部門における問題の見つけ方から問題解決法のポイントについて事例を交えて解説しています。


第9章では、「問題解決の実施例
として、組立産業、装置工業、建設業、サービス業の4業種を取り上げ、TQMの推進の中でどのように問題解決が行われたかを解説しています。最初にその業種での問題解決のポイントを解説し、次いで読みどころを説明した上で具体的な事例について詳解しています。


本書により、QC的アプローチに基づく問題解決法の考え方、進め方、手順の基礎から実務への活用までを習得できる構成になっています。


<<TQMに関する書籍>>


「ISOの本棚」のブログですでに紹介した以下のような『TQMに関する』本がありますのでご参照下さい。



<<本書で何が学べるか>>


本書では、TQM(総合的品質管理)活動についてのTQMのおける問題解決法の必要性、どういった活動なのか、問題解決の意義はどこにあるかといったことから説き起こしています。


TQM(総合的品質管理)活動の中核となるQC的なアプローチによる問題解決の考え方、進め方、手順について、事例を交えながら実務的に多数の図表を交えてわかりやすく解説しています


経営も革新が問われていますが、社員も「change!」が問われています。


自らの成長と将来に責任を持つことが必要です。


企業競争力を高めるために職場スタッフとして、更なる問題把握と問題解決能力を高めておくことは優先すべき自己変革の取り組みと考えられます。


<<まとめ>>


本書は、QC的アプローチに基づく問題解決法の考え方、進め方、手順の基礎から実務への活用までを習得できる構成になっており、業種、職能を問わず、問題解決に関心を持つビジネスパースンには読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は以下の内容です。
第1章 TQMと問題解決
第2章 QC的問題解決の基本
第3章 問題のとらえ方
第4章 問題解決の手順
第5章 問題解決のためのQC手法
第6章 活動報告書の書き方
第7章 問題解決のための教育
第8章 各部門における効果的問題解決法
第9章 問題解決の実施例




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