ISO 9001:2008年追補版が11月15日に発行され、また翻訳規格のJIS 9001:2008が12月20日に改正版が発行されています。


規格の意図の明確化やISO 14001との整合性等の観点から追補改訂された内容は、形式的には約70箇所、実質的には、約30項目の変更となっています。


すでにISO 9001:2008JIS Q 9001:2008:「品質マネジメントシステム−要求事項」規格の解説書が何冊か発行されています。


本日は、審査員研修機関の(株)テクノファのISO監査実践研究会の品質部会が研究した内容がまとめられたものでISO9001(JIS Q 9001):2008規格の適切な解釈について、分かり易いQ&A形式でまとめ解説している本を紹介します。


「あとがき」で編著者が述べていますが、以下の3つの観点を基本に本書の執筆を進めたとのこと。


  1. JIS Q 9001:2008 規格だけにとらわれず、ISO 9001:2008規格の原文に立ち返って解釈し、その規格のもともとの意図が何かを考えた。
  2. 実務に直接関わる人に役立つようにするためにはどう考えたらよいかに視点を置いて、極力、具体的な事例を取り上げて説明。
  3. 規格の解釈に議論があったものについて、両論併記をせずに研究会としてより良いと考えた意見を中心に記述。

また本書の冒頭の「推薦のことば」でTC176国内対応委員会委員長の飯塚 先生は、本書について以下のように述べています。


「結果として、ISO 9001の2000年版から2008年版への実質的な変更は小さかったにもかかわらず、本解説書では、物理的な量として3割程度の加筆修正を施しており、内容的には極めて大幅な改訂となっている

 一般に変化というものは進歩を促す、何であれ、変わるということは、それに対応する関係者の見識が高ければ、格段のレベルアップを促す。

 この解説書は、ISO 9001が実質的に変化していないにもかかわらず、ISO 9001追補という機会をとらえて、ISO 9001に対する一層の理解を促す良書であると思う。」


<<ポイント>>


2008年版対応のISO 9001についてのQ&A形式による解説書。


ISO 9001規格を適切に解釈し、有効に活用するために、用語の定義について11問、QMSの構築・運用・改善にポイントとなる項目について103問のQ&Aを通して分かり易く解説しています


2000年版対応で好評であった2001年11月発行の前著:「2000年版対応ISO9000規格のここがわからない―規格の実践的解釈」の2008年対応改訂となっています。


本書:「2008年版対応 ISO9001規格のここがわからない」です。


規格の実践的解釈」との副題がついています。


本書は、安藤 黎二郎 氏、 廣瀬 春樹 氏、 平林 良人 氏の編著にて、2009年2月に日科技連出版社より発行されています。


前書からタイトルがISO9000が9001にまた本のサイズがB5版からA5版へとハンディーになっています。


ISO9001規格のここがわからない〈2008年版対応〉
日科技連出版社
発売日:2009-02
発送時期:在庫あり。

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙のカバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


ISO 9001JIS Q 9001):2008年版対応

真に役立つ品質マネジメントシステムを構築するために

品質マネジメントシステムを効果的に実施・維持していくためには、ISO 9001(JIS Q 9001):2008年規格の適切な解釈が前提条件となります

本書は、その答えをまとめたものです。

第1部「用語に関するQ&A」は、第2部のQ&Aを適切に理解するために、用語の定義についてありがちな疑問を解説しています。

第2部「規格の実践的解釈Q&A」は、個々の要求事項について、品質マネジメントシステムの構築段階で迷いがちなところ、実施段階、改善段階で議論がでるところ、さらには、認証機関の審査で議論の種になるような項目に、Q(質問)を絞り込んでます。また、解釈が両論併記とならないように、また理解を深めるために、関連資料も掲載しています。

 本書を活用して、規格条文の表面的な表現にとらわれることなく、その背景・意図・要点を把握して下さい。効率的な品質マネジメントシステムを構築・改善して、経営パフォーマンスの実益を上げられる企業・組織が一つでも多くなることを願っています


前書と同様に本書の構成は、第1部:「用語に関する Q&A」、および第2部:「規格の実践的解釈Q&A」の2部構成となっています。


第1部:「用語に関する Q&A
では、11問の用語のQ&A(「ISO 9000:2005(JIS Q 9000:2006)品質マネジメントシステム−基本と用語」のなかでも分かりにくい用語、定義がされていないが、ISO 9001で重要な用語)が取り上げられ解説されています。とくにISO 9001:2008規格の要求事項に関係した用語については、第2部の方で取り上げられています。)


第2部:「規格の実践的解釈Q&A
では、ISO 9001:2008(JIS Q 9001:2008:「品質マネジメントシステム−要求事項」規格について、どのように解釈するかの観点から、序文 0.1 一般に始まり、8.5.3項の「予防処置」に至る条項順に103問のQ&Aを通して解説しています。


また解説は、実践的な事例を交えて分かり易い構成となっています。


さらに具体的事例や解釈の根拠の関連資料が掲載されており参考になります。


とくに2008年版追補改訂で強化されている「注記」に重点を置いたQが本書では、確実に取り上げられていて、組織のQMSの継続的改善のための見直しに活用しやすい構成となっています


本書の「読み方・使い方」で読者の対象としてQMS構築企業・組織の管理責任者、内部監査員、推進責任者、認証機関の審査員、審査員候補者などあげ、とくに以下のような方々への役立ちを意図しているとのこと。


  1. 認証を取得済みだが、さらに効率化、改善を図る
  2. 現状のQMSの効率性等に課題を感じている
  3. 簡潔で機能的なQMSを構築したい
  4. 内部監査員のレベルアップ
  5. 継続的な改善活動の強化

<<ISO 9001:2008の関係書籍>>


「ISOの本棚」のブログですでに紹介した以下のような『ISO 9001:2008』に関する本がありますのでご参照下さい。



<<本書で何が学べるか?>>


日常的なQMSの活動において、あるいは、マネジメントレビューなどの活動を通して常に継続的改善活動が行われていたとしても、追補改訂とかの機会は、組織のQMSを原点から見直す良い契機になります。


もし組織のQMSが効果が上がらないQMSになっているとすれば、規格の要求事項についての理解不足や組織への規格の適用において実務との何らかのミスマッチがあるなどの原因があると思われます。


品質マネジメントシステムの原点は、ISO 9001規格の要求事項の適正な理解からはじまります。


本書は、QMSの構築、運用、改善維持といった活動で分かりにくいような箇所についてQ&Aを通して実践的に解説をしています。


本書は、ハンドブック的に疑問が生じたときに用語索引や条項番号を調べ疑問を解消するという活用もできます。


<<まとめ>>


本書は、ISO 9001:2008年版に対応して、重要な用語の定義に始まり、QMSの構築段階で迷いがちなところ、実施段階、改善段階で議論の出るような項目とISO 9001:2008の追補改訂のポイントとなっている「注記」箇所を重点にQ&A形式で規格の実践的な解釈について解説しています


QMS関係者には、読んで頂きたい一冊です。


なお本書の主要目次は、以下です。
第1部 用語に関する Q&A…【Q&A:11件】
第2部 規格の実践的解釈Q&A…【Q&A:103件】
0.序文…【Q&A:6件】
1.適用範囲/2.引用規格/3.用語及び定義…【Q&A:4件】
4.品質マネジメントシステム…【Q&A:14件】
5.経営者の責任…【Q&A:17件】
6.資源の運用管理…【Q&A:8件】
7.製品実現…【Q&A:35
8.測定、分析及び改善…【Q&A:19件】





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