「わかる!ISO9000ファミリー」という日科技連出版社より発行されているシリーズがありますが、このシリーズの第2巻の「品質監査の進め方とチェックリスト」がISO 9001:2008年版(第4版)の発行に対応して、改訂発行されています。
このシリーズの本は、以下のような特徴付けの観点から企画されているとのこと。
- 実際の審査を多く経験した主任審査員の現場経験がベースになっている。
- すでに認証を取得している企業の取得経験が反映されている。
- 受審のための事例とのウハウが豊富に盛り込まれている。
- 規定や帳票などの実例、具体例を示した実務的な内容。
- どの産業分野、どの業種、どの製品にでも適用できるように配慮。
- シリーズを通して、どの巻でもISO9000ファミリー規格が理解できる。
- 実務にすぐ役立つように考慮。
本書は、内部監査の進め方、また実際の品質マネジメントシステムの審査経験に基づいて、審査時の着眼点になった質問事項を条項毎に約1,000のチェック項目として掲載しています。
また監査の指針であるISO 19011:2002規格の条項を品質マネジメントシステムの監査に適用するためのチェックリストとしてまとめ掲載しています。
<<ポイント>>
ISO9001についての認証機関の審査の手順、内部監査の進め方、QMS審査時のチェック項目をチェックリストで提示し、不適合事例も収めた2008年版対応の品質監査の解説書。
品質マネジメントシステムの審査、内部監査の目的以外においても、システムの構築や見直しの際の参考として役立つ内容となっています。
本書:「品質監査の進め方とチェックリスト―2008年版対応」です。
本書は、細谷 克也氏の編著にて、2009年3月に日科技連出版社より、同社の「わかる!ISO9000ファミリー 2巻 」として発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。
2008年版対応 ISO9001は
こう監査する
あらゆる商品やサービスに高い品質が要求される中、品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9000ファミリー規格による認証取得は、今やビジネスのパスポートとなっている。
本書は、認証機関による審査の手順をはじめ、内部監査の進め方、品質マネジメントシステム審査時のシステムチェック項目をチェックリストにして提示し、さらに不適合事例も収めている。
品質マネジメントシステムの審査、内部監査以外でも、システムの構築や見直しに際して有用な本である。
本書の特徴
- 認証機関による審査の手順や内部監査の進め方、審査の不適合事例など監査のやり方がわかる。
- 品質マネジメントシステムの審査時におけるチェック項目を「必須」、「推奨」に分けて示したので、外部審査や内部監査の着眼点や現状の問題点がつかめる。
- 品質マネジメントシステムのチェックリストの実例が示してあるので、社内の内部監査員や外部審査員は、監査や審査時の審査チェックリストが簡単に作成できる。
- 監査の指針(IS019011:2002)をチェックリストにして提示している。
本書は、11章から構成されています。
表題にチェックリストとある通り、本書には、当然ながらチェックリスト表が1,000項目余と満載されています。
ざっとした内容を紹介します。
第1章では、「ISO9000ファミリーによる認証」
と題して、最初にISO9000ファミリー規格の概要と、その改正の経緯、さらにISO9001:2008の発行の背景などを解説しています。
また認証制度について取り上げ、その制度の動向とISO 9001に基づく、認証制度の概要と我が国の品質マネジメントシステムの特徴などを概観しています。
第2章では、「品質マネジメントシステム要求事項」
として、品質マネジメントシステムに関わる目標/プロセスの明確化・実施・改善といった品質マネジメントシステムの要求事項の基本的なポイントを解説しています。
ISO 9000:2005(JIS Q 9000:2006 「品質マネジメントシステム−基本及び用語)など参照しながら基本の用語を解説すると共に、ISO9001とISO9004との位置づけの違いなど取り上げ解説しています。
第3章では、「認証の前準備」
と題して、規格の読み方にはじまり、本書のチェックリストの活用の仕方の留意ポイントなど解説しています。
本書では、ISO9001の要求項目は、■で、またISO9001の注記項目は、△でチェックリストの区分がされています。
またここでは、要求事項の全体を鳥瞰図で見るとの観点から、ISO 9001:2008(JIS Q 9001:2008)規格のキーワードを系統的に表にまとめ掲載しています。また今回の追補改正版の意図の明確化を含め、修正があったキーワードについて、【*】印により明確化しています。
またQMSの構築前に準備すべき事項や理解しておくべき事柄をチェックリストとして、ISO9001:2008(JISQ9001:2008)の「序文(0.1一般)」から「3.用語及び定義」までの質問事項をチェックリストにまとめ掲載しています。
第4章から、第8章までが、ISO9001:2008(JIS Q 9001:2008)規格について、項番号順に「「品質マネジメントシステム」のチェックリスト」(第4章)の4.1項の「一般要求事項」から、「「経営者の責任」のチェックリスト」(第5章)、「「資源の運用管理」のチェックリスト」(第6章 )、「「製品実現」のチェックリスト」(第7章)、「「測定、分析及び改善」のチェックリスト」(第8章)と8.5.3項の「予防処置」までのチェックリストを掲載しています。
各章のはじめにその章の全体の概要を解説した上で、チェックリストが掲載されるという構成になっています。
第9章では、「品質マネジメントシステムの監査」
と題して、「監査」の用語の解説にはじまり、監査の目的、必要性、種類などについての概要が解説されています。
また認証制度による第三者認証機関の審査の手順(「1.認証の申請」から「9.登録認証が通知され,認証文書が交付される」まで)と認証審査に絡んでの判定保留時の是正処置、再審査、変更届と審査、サーベイランス審査などの認証の維持、登録及び登録マークの使用条件、認証の一時停止、取り消しなどについて解説しています。
さらに内部監査の進め方について、ISO9001:2008(JISQ9001:2008)の8.2.2項「内部監査」の要求事項を確認した上で、「内部監査計画の作成」から「不適合事項の是正処置」までの手順について、「内部監査実施計画書」、「不適合報告書」などの関連帳票の例を交えて各手順において留意すべきポイントなど取り上げて解説しています。
第10章では、「ISO19011による「品質マネジメントシステム監査」のチェックリスト」
と題して、ISO 19011:2002(JIS Q 19011:2003:「品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針」について「序文」から「7.6.2項:評価プロセス」までをチェックリストとしてまとめ、内部監査の充実の参考として掲載しています。
第11章では、「審査の不適合事例」
と題して、認証機関の審査の内容、不適合の指摘の仕方などの概要を解説しています。
とくに不適合事項の事例として、指摘件数が多いとする文書管理の不適合事例をはじめ、品質マネジメントシステムの4.1項:「一般要求事項」から8.5.3項の予防処置までの項番号ごとに不適合事例をまとめています。
<<ISO 9001:2008の関係書籍>>
「ISOの本棚」のブログですでに紹介した以下のような『ISO 9001:2008』に関する本がありますのでご参照下さい。
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ISO9001:2008(JIS Q9001:2008)要求事項の解説
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ISO9001新旧規格の対照と解説
-
対訳ISO9001:2008(JIS Q9001:2008) 品質マネジメントの国際規格
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新ISO9001わかりやすい解釈
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2008年版対応 ISO9001規格のここがわからない
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ISO9000入門 改訂版―2008年改正対応
-
2008年改正対応 ISO 9001本審査問答集
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ISO9001:2008内部監査の実際
-
ISO9001 新・解体新書
<<本書で何が学べるか?>>
本書では、ISO 9001:2008(JIS Q 9001:2008)の内部監査に関わるチェックリストを掲載し、組織でのQMS内部監査に活用できるように約1,000のチェック項目としてまとめてあります。
また実際の品質マネジメントシステムの審査経験に基づいて、審査時の着眼点になった質問事項が掲載されています。
さらには、監査の指針であるISO 19011:2002規格の条項を品質マネジメントシステムの監査に適用するためのチェックリストとしてまとめ掲載しています。
ISO9001についての認証機関の審査の手順や不適合事例も収めています。
品質マネジメントシステムの審査、内部監査の目的以外においても、システムの構築や見直しの際の参考としても役立つ内容となっています。
<<まとめ>>
本書は、これからISO9001の認証取得を考えておられる組織の品質監査のガイドとして、またISO9001の認証取得済みの組織でも、ISO9001:2008に対応したシステム移行に関わる内部監査の参考として、またQMSのチェックの目的などに役立つ一冊です。
なお本書の主要目次は、以下の内容です。
第1章 ISO9000ファミリーによる認証
第2章 品質マネジメントシステム要求事項
第3章 認証の前準備
第4章 「品質マネジメントシステム」のチェックリスト
第5章 「経営者の責任」のチェックリスト
第6章 「資源の運用管理」のチェックリスト
第7章 「製品実現」のチェックリスト
第8章 「測定、分析及び改善」のチェックリスト
第9章 品質マネジメントシステムの監査
第10章 ISO19011による「品質マネジメントシステム監査」のチェックリスト
第11章 審査の不適合事例
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