ISO14001などの環境マネジメントシステムを構築し、維持していくために法規制等の要求事項について組織の環境側面に適用される新たな法律が施行されたり、法令の改正により変更がないか否か等の情報を適切にウオッチングしていくことが必要です。
例えば、マネジメントレビューに連動させて、定期的にネットで総務省の電子政府の管理窓口のサイトなどの関連情報を把握しておくことが必要です。
環境法の適用範囲も広く、それを網羅していくと大部なものとなります。
それも必要ですが、法的要求事項等のポイントが一覧表などにまとめられ、自組織の届け出、資格者の配置、記録の作成、記録の報告等といった遵守事項や罰則規定を確認できるコンパクトなハンドブックは、環境マネジメントシステムの運用上、極めて便利です。
ISO環境法クイックガイドというシリーズはそういった目的には、手頃な一冊になります。
本書の大きな特徴は、ISO14001の取得・維持に不可欠の環境関連主要70法令から順守事項のみを抜き出した、重要項目を青色で表示する、事業者の責務を青線で囲みを入れる、改正箇所は、表の枠内を青のハッチングで表示するといった2色刷りで見やすい「一覧表」にまとめ掲載してあることです。
2009年1月1日現在までの改正や新法の情報を収録した2009年版が発行されていますので紹介します。
<<ポイント>>
主要な71の環境法令の順守事項を一覧表でまとめた特徴の2009年版ISO環境法のガイドブックです。
この2009年版では、新たに以下のようなポイントが特徴として付加されています。
- 法令名順目次で検索がし易くなった
- 「平成20年法改正の主な動向」、「平成20年に制定された新たな環境法」、「今後予測される法改正等」を「環境法豆知識」に収録
- 化管法(PRTR法)の現行法対象物質と平成21年10月以降の新対象物質を見やすい一覧で掲載
本書:「ISO環境法クイックガイド2009」です。
本書は、ISO環境法研究会 の編集にて、2009年3月に第一法規 より発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。
ISO14001の取得・維持に不可欠の環境関連主要71法令の遵守事項のみを抜き出した、2色刷りで見やすい「一覧」が魅力。
2009年版では、昨年の主な改正や新法の情報も収録。充実した内容と使い勝手の良さで、法令遵守作業の効率化をサポートします!
本書は、11章から構成されています。I
SO14001等の環境マネジメントシステム(EMS)の取得・維持に関係する環境関連主要法令71法令を表形式にて収録しています。
各環境関連法令の表の記載の要領は、最初に法令名(略称も含め)、次いで【審査・監査ににおける確認事項】が箇条書きでまとめられ、各法令に第1条に記載されているような【法令の目的等】が取り上げられています。
そして主要法令については、その法令の体系や仕組みの概要がまとめられて掲載されています。
次いで「遵守事項」、「適用条件・ポイント」、「条項」との横軸に対して、第2条の「定義」からはじまり、「事業者の責務」~「罰則」といったような順序で法令のポイントがマトリックス表で掲載されるという構成になっています。
法令は、【法】、施行令は、【令】、施行規則は、【則】で、その法令等の条番号、項番号、号番号が区別して表示してあります。
ここで重要項目は、青地で表示し、事業者の責務は青線で囲み、2008年に法改正があった箇所は、枠内を青のハッチングで表示するといった見やすく、ひと目で重要項目・改正点が把握できるようになっています。
また遵守事項に罰則規定がある場合には、罰マークが付けられ簡単にわかるようになっています。
また上記の法令のマトリックス表の後に、「環境豆知識」と題して「公害防止に関する環境管理の在り方」に関する報告書」、「オフロード車」、「PRTR制度・MSDS制度の改正」、「エコツーリズム推進法」、「トップランナー方式」といった22の関連トピックスが取り上げられ解説されています。
各章とその章で取り上げている法令名は、以下の内容です。
第1章:「基本的事項」(6法令)
『環境基本法』/『環境影響評価法(環境アセスメント法)』/『地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)』/『特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(公害防止組織法)』/『環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律(環境教育推進法)』/『環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(環境配慮促進法/環境情報提供促進法)』
第2章:「大気汚染」 (5法令)
『大気汚染防止法(大防法)』/『自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)』/『特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(オフロード法/ 特定特殊自動車排出ガス規制法)』/『特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)』/特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律 (フロン回収破壊法)』
第3章:「水質汚濁」 (11法令)
『水質汚濁防止法(水濁法)』/『下水道法/『湖沼水質保全特別措置法』/『瀬戸内海環境保全特別措置法』/『海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(海洋汚染防止法)』/『浄化槽法』/『特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法(水道水源法)』/『水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律(水道原水法)』/『水道法』/『河川法』/『海岸法』
第4章:「土壌汚染」(4法令)
『土壌汚染対策法』/『農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(農用地汚染防止法)』/『農薬取締法』/『肥料取締法』
第5章:「騒音・振動・地盤沈下・悪臭防止」(5法令)
『騒音規制法』/『振動規制法』/『工業用水法』/『建築物用地下水の採取の規制に関する法律(ビル用水法)』/『悪臭防止法』
第6章:「廃棄物処理」(4法令)
『廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法/廃棄物処理法)』/『産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律』/『特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法)』/『ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法 (PCB処理特別措置法)』
第7章:「リサイクル」(9法令)
『循環型社会形成推進基本法』/『資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)』/『容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律 (容器包装リサイクル法)』/『特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)』/『建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)』/『食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)』/『使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)』/『国等による環境物品等の調達の推進に関する法律(グリーン購入法)』/『家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律』
第8章:「化学物質・労働安全}(10法令)
『化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法/化学物質審査規制法)』/『特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 (化管法/PRTR法)』/『ダイオキシン類対策特別措置法』/『毒物及び劇物取締法(毒劇法)』/『労働安全衛生法(安衛法)』/『食品衛生法』/『化製場等に関する法律』/『有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律』/『高圧ガス保安法』/『消防法』
第9章:「自然保護」(8法令)
『生物多様性基本法(新規収録)』/『自然環境保全法』/『自然公園法』/『温泉法』/『鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)』/『絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)』/『文化財保護法』/『森林法』
第10章:「土地利用」(7法令)
『工場立地法』/『都市計画法』/『都市公園法』/『都市緑地法』/『建築基準法』/『生産緑地法』/『景観法』
第11章:「省エネルギー」(1法令)
『エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)』
第12章:「その他」 (1法令)
『放射性同位元素による放射線障害の防止に関する法律』
<<本書で何が学べるか?>>
本書は、2009年1月1日までの施行された71の環境法令を取り上げ、ISO14001等の環境マネジメントシステムの取得・維持に必要と判断される順守事項などのポイントを抜き出して「遵守事項」、「適用条件・ポイント」、「条項」とのマトリックス表にまとめて掲載してあります。
特に2色刷りで見やすい要点が把握しやすく工夫されており使いやすい構成になっています。
審査や内部監査でのチェック、また法規制動向のまとめなどに要領よく活用できるようハンディーにまとめられています。
<<まとめ>>
ISO14001などのEMSの構築・維持に関わる管理責任者、事務局、内部監査員などの関係者には、手元において役立つ一冊です。
なお本書の主要目次は、以下の内容です。
第1章 基本的事項
第2章 大気汚染
第3章 水質汚濁
第4章 土壌汚染
第5章 騒音・振動・地盤沈下・悪臭防止
第6章 廃棄物処理
第7章 リサイクル
第8章 化学物質・労働安全
第9章 自然保護
第10章 土地利用
第11章 省エネルギー
第12章 その他
ISO環境法クイックガイド2009
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