売れない商品にしがみつかず、足元にあるかも知れない「隠れたヒット商品」を探す。
自社の業種の中でジャンルを絞り込み専門化し、テーマとなる商品を定め、さらに売れるための工夫を施すことによって、自らの手で隠れたヒット商品=「企画商品」ができあがる。
これは、本書の「おわりに」で筆者が伝えたかった点と述べています。
筆者は、「元刑事」という異色の経歴を持つマーケティングコンサルタントで、コンサルティング歴15年、案件数1万件以上の経験と実績を持つ野元 泰秀 氏。
元刑事という異色の経歴を活かして現場主義(現場イズム)に基づく独自の方法で、顧客心理を解読し、顧客行動を予測するスタイルで、小売・サービス業が得意分野とのこと。
野元 氏 が、大不況のなかでも小さな会社がサバイバルしていくために会社を潰さないために中小企業の経営者がすぐに手を付けなければいけない商品戦略=「最後の戦略」について説いている本を紹介します。
「売れない」 「お客がいない」 「お金がない」 歴史的な大不況を迎えて、先が見えない中小企業の経営。
その中小企業の経営者に向けて、
「それやって儲かりますか?」 と問いかけ、
いますぐにやるべきピンチをチャンスに変える「最後の戦略」を説いています。
現下の不況下で売上が上がらず悩んでおられる中小企業の社長にはお薦めしたいと思います。
<<ポイント>>
「小さな会社のための」戦略を体系化して説いている本。
大企業には絶対にマネできない、中小企業ならではの「生き残り策」を伝授しています。
本書:「あなたの会社を潰さない最後の戦略」です。
「大不況サバイバル! 」との副題が付いています。
本書は、著者:野元 泰秀 氏にて、2009年2月にフォレスト出版より発行されています。





<<本書のエッセンスの一部>>
本書の帯ならびに表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。
「売れない!」「お客がいない!」「お金がない!」
アナタノカイシャ モウ ノコリマセン!
歴史的非常事態のなかで小さな会社が生き残るための秘策!
「あなたの足元に隠れているものをあぶり出せ!」
「いろいろやってもうまくいかない」
「このままいけばじり貧になるばかり」
……だから最後は、
この「やり方」にたどり着くのだ!
本書は、6章から構成されています。
第1章から第5章までで「小さな会社のための」戦略を体系化して説いています。
現場的な視点から小さな会社が生き残るための秘策をイラストを交え、分かり易く説いていきます。
本書の帯に裏面には、「良いテキストを読むことが経営者の成功への近道だ」とのランチェスター経営の竹田 陽一 氏などの推薦!が掲載されています。
今の時代の中小企業には、大企業が行うような視点の「あなたは何を売るのか?」 「どうやって売るのか?」 を考え、大事なお金や労力をかける余裕は、無いはずであると説いています。
それは、戦略という言葉に対しての陥りやすい勘違いであるとし、中小企業ならではの「生き残り策」は、あなたの足元に眠っているはずである「売れる商品」をあぶり出し、売ることだと。
中小企業にとってもっとも必要とされる「商品戦略」の意味と実際のやり方について、多くの事例をもとに解説しています。
また第6章は、企画商品作りの実践の具体的なステップについて説いています。
この章では、「ジャンルを絞り込む」といった各手順に関する読者が直接記入できる表の様式が添付されています。
ここに説明に沿って記入していくことで「企画商品作り」の要点が学べるようになっています。
また各章のおわりには、三行程度の箇条書きでその章のポイントを要約して記載してあります。
ざっと紹介します。
第1章では、「経営者が陥る「戦略」の罠」
と題して、戦略となるとどうやって売るかという販売戦略に向かったりするがそれは破滅の道。
経営資源の少ない中小企業が生き残るために必要なことは、「商品戦略」の重点化と事例を紹介しながら強調しています。
第2章では、「ビジネスのすべてを商品が握っている」
と題して、ビジネスにおける商品の占める重要な位置づけについて説いています。
すなわち、商圏、単価の上限と下限、売上、購買頻度などは、すべて商品により決まる。
また商品、商圏、顧客には、「寿命」がある。はじめに「何を売るか」との商品ありきで商売が動く。
第3章では、「商品を変えろ!」
と題して、時代とともに商品を大企業には真似のできないスピードで切り替えるのが中小企業の生き残る道。
常に売れる商品に商品を変えていくことこそが会社存続の鍵と説いています。
第4章では、「「隠れたヒット商品」」
と題して、中小企業が売るべきものは、限られた地域や購買層に圧倒的に支持されている「隠れたヒット商品」と説いています。
また買い手の欲望を刺激し信頼を得る「隠れたヒット商品」をどのように見つけ出すかについてのヒントと条件等について事例を挙げて解説しています。
第5章では、「売れる商品をつくり出す」
と題して、「隠れたヒット商品」を自らの手で作り出す方法について説いています。
そのための「企画商品」について「ジャンル」、「テーマ」、「企画」がその3本柱とし、そのように進めるかを解説しています。
とくに『お客が集まる』:「企画」について商品に「NEWS」、「PREMIUM」、「OFFER」の3要素を持たせること説いています。
第6章では、「実践・企画商品づくり」
と題して、「お客が集まる商品」と「儲かる商品」の2種類のうち、とくに「お客が集まる商品」をターゲットにして企画商品を作る実践的なプロセスを具体的に解説しています。
<<本書で何が学べるか?>>
本書では、中小企業がこれからの時代を生き残っていくための戦略を説いています。
経営資源が限定された中小企業が重点化集中すべきは、商品戦略で、現在の売れない商品にしがみつかず、足元にあるかも知れない限られた地域や購買層に圧倒的に支持されている「隠れたヒット商品」を探すこととしています。
自社の業種の中でジャンルを絞り込み専門化し、テーマとなる商品を定め、さらに売れるための工夫を施すことによって、自らの手で『お客が集まる』:「隠れたヒット商品」=「企画商品」を作り上げていくプロセスを具体的に解説しています。
<<まとめ>>
本書は、中小企業にとってもっとも必要と判断される「商品戦略」の意味と実際のやり方について、多くの事例をもとに、分かり易く解説しています。
具体的な事例から明確なビジョンなどにまとめることができる内容になっています。
松下 幸之助 さんはじめ多くの名経営者は、不況こそ伸びるチャンスと言っています。
本書には、中小企業ならではのピンチをチャンスに変えるためのノウハウが、提供されています。
「売れない」 「お客がいない」 「お金がない」と嘆く前に、是非とも本書をご一読されることをお薦めします。
なお本書の主要目次は、以下の内容です。
第1章 経営者が陥る「戦略」の罠
第2章 ビジネスのすべてを商品が握っている
第3章 商品を変えろ!
第4章 「隠れたヒット商品」
第5章 売れる商品をつくり出す
第6章 実践・企画商品づくり
(広告)