QC工程表とは、モノづくり現場において品質を作り込むために、製造工程のなかの各段階で、品質特性として何をチェックするかなど、品質に影響を与えるものについて、いつ、何をすべきかを一覧表に明記したもの。
別名で、QC工程図、管理工程図、管理項目一覧表、工程保証項目一覧表などとも呼ばれていますが、本書の「はじめに」では、以下のようにように述べています。
「QC工程表は、製品にとって最も大事な品質を、現場でどのように作り込んでいくのかを「一覧表形式」で明確にした、とても重要なマネジメントツールです。
したがって、モノづくりをしている企業にとっては、なくてはならない存在です。
(略)
是非ともその読み方や使い方を勉強し、自信を持ってQC工程表に接し、活用しようではありませんか。」
これも同じく「はじめに」からの引用ですが、本書の意図・位置づけについて以下のように述べています。
「本書は、製造現場の第一線で活躍している方々のための実務教科書です。
初めて製造現場へ配属された新人オペレーターさん、研修で現場配属された新人技術者さん、新規配属された品質管理担当者さんなど、これから製造現場の経験を積もうとしているフレッシュマンが、製造現場の基礎知識として知らなければならないことを、自学自習していただくための教科書です。」
QC工程表の見方・使い方・作り方など製造現場において知っておくべきQC工程表の基本を解説している入門書を紹介します。
<<ポイント>>
QC工程表について初心者でも理解・活用できるようにQC工程表の読み方・使い方・作り方を、図とともにわかりやすく実務的に解説している入門書。
本書:「よくわかるQC工程表の見方・使い方」です。
本書は、宗 裕二 氏、ならびに 安孫子 靖生 氏の共著にて、 2009年3月に日刊工業新聞社より発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書は、11章から構成されています。
本書には、随所にイラストやQC工程表をはじめとした関連帳票事例など多数の図表が挿入されていて分かり易く実務的な構成となっています。
ざっとした内容を紹介します。
第1章では、「QC工程表って、どんなもの?」
と題して、QCの意味の解説にはじまり、QC工程表を作成することの意味、そして標準的なQC工程表の事例を交えて、QC工程表が表している各要素がどういった目的でその欄が設けられているかなど解説しています。
またQC工程表を作る目的は何かといったQC工程表の必要性について確認しています。
第2章では、「QC工程表は、どのように作られるの?」
と題して、QC工程表ができるまでの全体の流れについて、設計計画から量産に至るどの段階で作成するかを解説しています。
とくにQC工程表の作成手順(「1.QC工程表の形(書式)を決める」~「8.正式な文書として発行する」)について各手順で留意すべき事項など交えて解説しています。
第3章では、「QC工程表は、誰が、いつ使うの?」
と題して、QC工程表の目的について不良の発生と流出を未然に防ぐことと確認した上で、使う場面について、誰が、いつ使うかといった事柄を解説しています。
主な事例として、(1)作業標準書を作るときに基準として活用~(6)お客様へ品質管理の説明資料として活用といった『工程設計の段階』、『量産開始後の段階』、『社外の人に向けて』とQC工程表を使用する段階を分けて6つの活用の場面を取り上げ解説しています。
第4章では、「QC工程表は、どう見るの?」
と題して、最初にQC工程表の構成について解説しています。
QC工程表の作成単位、QC工程表に網羅すべき工程の範囲、QC工程表への基本的な記載情報などの詳細を具体的な事例を挙げて解説しています。
そしてQC工程表で使われる工程/工程記号/品質特性といった基本用語について解説しています。
QC工程表の『基本情報』の読み方から、『工程名と管理項目』、『管理方法』、『引用規格、関連文書』、『記録』の見方・考え方について留意ポイントなど含めて詳細に解説しています。
第5章では、「作業標準書とは、どこが違うの?」
と題して、作業者が行うべき仕事の内容を記載している文書である作業標準書について解説しています。
ここでは、作業標準書はどのようなものかの詳細の解説に続き、作業標準書の見方、考え方について代表的な事例を挙げて説明しています。
さらにQC工程表と作業標準書の違いについて目的から使用する場面までの内容について解説しています。
第6章では、「品質ポイント書とは、どこが違うの?」
と題して、作業標準書と同じ位置づけで用いられるQCポイント書について解説しています。
前記の第5章と同様の記載要領となっています。
第7章では、「QC工程表を活用しよう!」
と題して、製造現場の第一線でどのように活用するかを解説しています。
はじめに『作業の準備・段取り』、『作業の実施』、『作業結果の確認』の各段階での使い方について解説し、第3章で詳論した以外のQC工程表の活用の仕方について、6つの事例を取り上げ解説しています。
第8章では、「QC工程表を作ってみよう!」
と題して、QC工程表の作り方についてどのような手順で作成していくかを解説しています。
またすでにQC工程表が作成されている場合の確認・見直しの手順を解説しています。また改訂の必要があるとすればその改訂を進める際のポイントを解説しています。
どのような順でどういった情報に基づいてQC工程表を作成していけばよいかについて詳述しています。
第9章では、「QC工程表での異常処置」
と題して、QC工程表の規定事項と異なる事象が発生した際に取るべきアクションについて解説しています。
管理基準に対して逸脱発生に対する処置方法のパターンや改善活動としての再発防止の取り組み、またQC工程表自体の記載漏れ、間違いの対処などを取り上げています。
第10章では、「QC工程表を使った現場教育」
と題して、QC工程表に関する現場教育の重要性を確認し、QC工程表を使った教育方法の進め方やポイント等について解説しています。
第11章では、「QC工定表作成の基礎知識」
と題して、QC工定表を実際にその雛形を参照しながら作成するような際に、迷うと思われる項目等について、工程分割、フローチャートの書き方、管理方法の決め方、測定単位と測定方法、計測機器の管理と使い方、記録管理と記録方法、…、異常処置などの基本的な考え方を解説しています。
<<QC工程表についての解説書>>
QC工程表の解説書自体が極めて少ない状況ですが、「ISOの本棚」のブログですでに紹介した以下のような『QC工程表』に関する本がありますのでご参照下さい。
<<本書で何が学べるか?>>
本書では、製造現場の第一線で活躍する方々を対象にQC工程表の見方・使い方・作り方など製造現場において知っておくべきQC工程表の基本を解説してします。
本書の随所にイラストやQC工程表をはじめとした関連帳票事例など多数の図表が挿入されていて分かり易く実務的な構成となっています。
QC工程表の基本的な事項を分かり易く解説したQC工程表の優れた実務教科書になっています。
<<まとめ>>
QC工程表の見方・使い方・作り方を含めてしっかりと基本から学びたいとのニーズを持っている人には、本書は、分かり易く丁寧に実務的に書かれていてお薦めの一冊です。
なお本書の主要目次は、以下の内容です。
第1章 QC工程表って、どんなもの?
第2章 QC工程表は、どのように作られるの?
第3章 QC工程表は、誰が、いつ使うの?
第4章 QC工程表は、どう見るの?
第5章 作業標準書とは、どこが違うの?
第6章 品質ポイント書とは、どこが違うの?
第7章 QC工程表を活用しよう!
第8章 QC工程表を作ってみよう!
第9章 QC工程表での異常処置
第10章 QC工程表を使った現場教育
第11章 QC工定表作成の基礎知識
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- 2009年04月21日
- QC手法、統計、QC7つ道具
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