ネスレを世界最大の食品会社に育て上げた中興の祖、マウハー名誉会長が自らの職業知識と経験の中で蓄積した知識と経験に基づく経営論を説いている本を紹介します。


本書の「はじめに」で筆者:ヘルムート・マウハー(Helmut Maucher:1927年ドイツ生まれ。世界最大の食品・飲料メーカー、ネスレのCEO兼会長を1980年代初めから97年まで長期にわたって努め、仏ペリエグループ、英ロントリー、米カーネーション・カンパニーなど、数多くの企業の買収を通じて事業を拡大、ネスレのグローバル化に貢献。在任中は、経済誌フォーチュンのベスト・マネジャーに選ばれるなど、躍進を続ける多国籍企業のリーダーとして世界的に注目された。現在はネスレ社の名誉会長を務める。)が、経営書は世の中に溢れているのにいまさら経営書でもないとしながら、本書について以下のように述べています


簡潔で、ポケットに入れて持ち歩け、しかも経営の核心部分が抽出された本

そして2種類の使い方ができる本。

一つには、知りたい分野の情報を素早く見つけるため(辞書のように)、

もう一つには、比較的短時間で一分野全部を読破するため。

 そのような本であれば、重責を担う経営者だけでなく、大学生や社会人になったばかりの若者にも役に立つだろう

また経営の本質を一度に全部をつかみたいと思っている一般読者にも興味を持ってもらえるはずだ。

(略)

私の考え方が、現在のいわゆる「メインストリーム」とは必ずしも一致しないことはよくわかっている。

というより私はいまどきの風潮や昨今のはやりを取り上げ、批判してみたくなる性格だ。すべての読者が私の意見に賛成してくれるわけではないだろう。

だからといって、それが本書の楽しみや面白さを削ぐものではなく、逆に私が提起したいくつかの問題を考えるきっかけになれば、幸いである。

そうなれば、この私の『経営論』は大成功と言えるだろう」


<<ポイント>>


ネスレの中興の祖のヘムルート・マウハー 氏が語る経営の本質論


ヘムルート氏が自ら実践してきた含蓄の深い経営論が説かれています


この本では、「経営者マネジャーの違い」について論じるところから始まっています。


ちなみに2章以降の章タイトルは以下のようになっています。


  • 「企業の基本的枠組み」(株主構成/多角化か、コアビジネスへの集中か/事業活動範囲と拡大政策/リスク政策/経営方針)
  • 「企業戦略、事業計画、および組織の運営管理」
  • 「経営者が果たすべき役割」
  • 「相反する目標や価値観のはざまで(企業の社会的/倫理的責任)
  • 「企業文化と価値創造経営(VBM)(企業文化/価値創造経営)」
  • 「人事政策とリーダーシップ・スキル」
  • 「コーポレート・ガバナンスと組織」
  • 「コーポレート・ガバナンス」
  • 「財務戦略と情報開示」
  • 「イノベーションと研究開発」
  • 「マーケティング、広報、コミュニケーション」

といったアイテムを取り上げて論じています。


本書:「マネジメント・バイブル」です。


本書は、著者:ヘルムート・マウハー(Helmut Maucher)氏による原著:「Management Breviary」(「マネジメント 聖務日課書」なおbreviary:【a book containing the words of the service for each day in the Roman Catholic church】)についての、岸 伸久 氏による翻訳にて、2009年4月にファーストプレスより発行されています。


なお本書は、すでに独語、英語、中国語で出版されているとのこと。


マネジメント・バイブル
ファーストプレス
岸 伸久(翻訳)
発売日:2009-04-11
発送時期:通常3~6日以内に発送
ランキング:777
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 全ての経営者・リーダーに読んで欲しい
おすすめ度5 経営者だけでなく、中間管理職にも役立つ、独自の視点でまとめた力作の経営書。
おすすめ度5 ホッとさせてくれる経営書
おすすめ度5 経営者よ、明晰であれ。
おすすめ度5 欧州最高の経営者の一人、ネスレ名誉会長による実践的”経営ガイドブック”

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯ならびに表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


ネスレを世界最大の食品会社に育て上げた

中興の祖、マウハー名誉会長が提言する

欧・米・アジアの経営者の教科書

「すべてのリーダー」必読の書

新しい戦略や、新しいプロセスを開発するとき、

またシステムを改善するとき、

このことだけは憶えていてほしい。

製品を知り、部下を知り、そして顧客を知ること。

これを心にとめておけば、

道をはずすことはないはずだ。 (「本文」より)


本書は、12章から構成されています。


また巻末の付録として、【事業を成功に導く10原則】(これは数年前に世界経済フォーラム(ダボス会議)で筆者が経営者として成功を収めるための10原則をまとめたもの)、また【ネスレにおけるマネジメントとリーダシップの原則】(これも筆者が経営者として成功するために欠かせない7つのポイントをしたためたもので、現ネスレ経営陣においても継承されているというもの。)が掲載されています。


本書の中から、断片的になりますが、含蓄が深いと感じた言葉の一端をランダムに紹介します。


経営戦略や、特に戦略を考えるとき、次の7項目にわたる両極のどこに落としどころを持って行くかが重要である

  1. 「長期」対「短期」
  2. 「集中」対「分散」
  3. 「販促」対「抑制」(費用増加か削減か)
  4. 「多角化」対「一点集中」
  5. 「ルール設定」対「個人裁量」
  6. 「成果と競争主義」(特に人事と給与)対「社会的責任と雇用保障」
  7. 「国家や文化的アイデンティティ」対「グローバルビジネスのルール」


情報や管理システムがどれほど優れていようとも、経営陣が社員と個人的に言葉を交わしたり、小会社や工場を訪問することにはかなわないのである。

成功の鍵は未来に投資すること---すなわち、新しい事業機会に投資することにある。現状にしがみついてはいけない。
 新規事業分野に参入する場合、最も初期の段階から、その分野の専門家や有能な経営陣を揃えることが絶対に必要だ。こうした人材を手に入れる方法として、買収がある。

 グローバル競争が拡大し、経営陣がリストラ、合理化、再編といった努力を強いられる今日、企業がその長期的な社会的責任を果たすことがかってないほど困難になっている。 しかし何より大切なのは、こうした問題に「どう取り組むか」といことだ。経営者が一貫した情報の開示を貫き、社会貢献をサポートし続けるなら、社員にしわよせがくることはないだろう
 企業が黒字である限りは、数年にわたって雇用調整を行うことが最も効果的である。このやり方ならば、人員の自然増減、退職、再教育、配置換えなどといった良い形で調整ができるからだ。それでたとえ短期的に利益が減ったとしても、社員のやる気や企業の長期的な評判に対する、前向きな投資と捉えることができる。

価値創造経営は、きちんと理解され実践されるならば、職場環境の向上、雇用の維持、信頼の構築とやる気の向上、ひいては企業の貢献につながり、長期的な企業の成功に必ずや貢献するのである

採用と昇進の候補者選びは、その後の研修よりも重要であることを、ここで指摘していおきたい。優秀な人材であれば、研修は少なくてすみ、彼らが研修に参加すれば、その「投資回収率」は高いものになるが、その逆の場合はすべての努力が水の泡になる。(略)
 個人的には、候補者の上司や一緒に働いたことのある経験豊富な同僚に話を聞くのが、一番、理にかなったやり方だと思う。(上司の評価だけでは、偏りがあるかも知れない)。チェックリストや評価基準はむろん必要だが、社員の採用や評価は次のモットーに従うべきだ。
ファイルではなく、目を見て決めろ!

経営陣にとって、外部コンサルタントの助力は必要か否か?ご存じの通り、組織に関する問題解決のために(その他の仕事もあるが)、コンサルタントを雇うケースは多く、こうしたコンサルティング・プロジェクトの価値については、意見が割れるところである。個人的には、コンサルタントは賢く利用すれば非常に有効だと思う。

一つだけはきっちりと伝えておきたいことがある。すなわち、イノベーションは重要だ、と言うだけでは決して十分ではないということだ。自分たちのイノベーション能力を常に維持・向上するには、管理職にあるものが自ら行動を起こし、一連の措置を講ずることが必要なのである

長期にわたってうまくいくような倫理的かつ社会的に責任ある経営方針と、わかりやすい言葉で綴った正直なコミュニケーションがあれば、その効果は大きい。これは、政治経済の環境を改善するために経営者が行える、最も大きな貢献である


<<本書で何が学べるか?>>


本書は、食品会社ネスレを世界最大の規模のグローバル企業へと育て上げた中興の祖のヘルムート・マウハー氏が経営について、氏の言葉によると「簡潔で、ポケットに入れて持ち歩け、しかも経営の核心部分が抽出された本。で、知りたい分野の情報を素早く見つけられ、さらに比較的短時間で一分野全部を読破できる」ことを意図してまとめられたもの。


経営者のあるべき像が集約され、この一冊に凝縮された内容となっています。


本書は、経営者のハンドブックとして名経営者による生の経験に基づくマネジメントのための金言が満載されています。


<<まとめ>>


本書は、経営者、マネジャーだけでなく、経営の本質、マネジメントに関心があるビジネスパースンには、読んで頂きたい一冊です


なお本書の目次は、以下の内容です。
はじめに
第1章 経営者とマネジャー ― 異なるリーダーシップの資質
第2章 企業の基本的枠組み
第3章 企業戦略、事業計画、および組織の運営管理
第4章 経営者が果たすべき役割
第5章 相反する目標や価値観のはざまで
第6章 企業文化と価値創造経営(VBM)
第7章 人事政策とリーダーシップ・スキル
第8章 コーポレート・ガバナンスと組織
第9章 財務戦略と情報開示
第10章 イノベーションと研究開発
第11章 マーケティング、広報、コミュニケーション
第12章 未来にむけて
付録 事業を成功に導く10原則
   ネスレにおけるマネジメントとリーダシップの原則





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