プロセスアプローチは、ISO9001:2000改訂で導入された概念で、ISO9001の規格の位置づけが、プロセスアプローチを採用することで従来の「手順書にもとづいた管理の規格」から「品質マネジメントシステムの有効性を改善する規格」との位置づけに変更されています。


プロセスアプローチの持つ概念については、ISO 9000:2005JIS Q 9000:2006)の2.4項において以下のように規定されています。


『インプットをアウトプットに変換するために資源を使用する一つの活動又は一連の活動は,プロセスとみなすことができる。

組織が効果的に機能するためには、数多くの相互に関連し、作用し合うプロセスを明確にし、運営管理しなくてはならない。一つのプロセスのアウトプットは、多くの場合、次のプロセスへの直接のインプットになる。


組織内で用いられるプロセス、及び特にそのプロセス間の相互作用を体系的に明確にし、運営管理することを“プロセスアプローチ”と呼ぶ

この規格の意図は、組織運営のためにプロセスアプローチを採用することを奨励することである。』


プロセスアプローチ」について言葉の上では知っていてもその品質マネジメントシステムでの実践についての理解・活用となるとあいまいになっている組織が多いように思われます


ISO9001に基づく品質マネジメントシステムの活動において、ルールどおりに仕事をするだけでなく、プロセスアプローチを採用することで、パフォーマンスを改善すること、特に経営パフォーマンスを改善することが求められています


プロセスアプローチの理解と実践との観点から


  • プロセスアプローチとは何か。
  • どのようにすればよいのか。
  • 内部監査を効果的に行うにはどうすればよいのか

等について、製造業、建設業、サービス業の事例をあげて、図解により、わかりやすく解説している本を紹介します。


<<ポイント>>


品質マネジメントシステムにおけるプロセスアプローチの理解と実践のための解説書


本書の「まえがき」で本書は、以下のような人たちに読んでいただき活用されることを目的としていますとしています。


  1. ISO 9001認証によって、品質、コスト、生産性などの種々の経営パフォーマンスの改善を図りたいと考えておられる方々
  2. プロセスアプローチとその実施方法を理解したいと考えておられる方々
  3. プロセスアプローチによる監査技法について習得したいと考えておられる、ISOの内部監査員、審査員、コンサルタントの方々

本書:「図解 ISO9000よくわかるプロセスアプローチ」です。


本書は、著者:岩波 好夫 氏にて、2009年7月に日科技連出版社 より発行されています。


図解ISO9001よくわかるプロセスアプローチの書籍のjpg画像
日科技連出版社
発売日:2009-07
発送時期:在庫あり。
ランキング:361899

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


ISO 9000のプロセスアプローチがよくわかる!

プロセスアプローチ監査にも対応!

 ISO 9001規格は、2000年の改訂で、従来の”手順書にもとづいた管理の規格”から、プロセスアプローチを採用することによって、“品質マネジメントシステムの有効性を改善する規格”に変わった

 ルールどおりに仕事をするだけでなく、プロセスアプローチの採用により、成果を出すこと、そして、その結果として、経営パフォーマンスを改善することが求められている。

 そこで、本書では、“プロセスアプローチとは何か。どのようにすればよいのか。内部監査を効果的に行うにはどうすればよいのか”について、製造業、建設業、サービス業の事例をあげて、図解により、わかりやすく解説した

 また、巻末には、「用語の解説」を掲載し、ISOで使用されている用語を理解できるよう、解説している。

プロセスアプローチがよくわかり、プロセスアプローチ監査にも対応できる、親切で便利な解説書。


本書は、6章から構成されています。


図解との表題の通り、フロー図、概念図、タートル図をはじめ多数の図表が挿入された分かり易い解説となっています。


なお巻末には、ISO 9000の用語を定義の説明ではなく、分かり易く理解するとの観点から表にしてまとめた「付録 用語の解説」が添付されています。


章を追って本書の概要を紹介します。


第1章では、「ISO 9000とプロセスアプローチ
と題して、最初に「ISO 9001の認証を取得したが、品質・コスト・生産性などのパフォーマンスが改善しない」、「ISOが経営に役立っていない」との問題があがっていることを提起し、ISO 9001規格は、2000年の改訂で、従来の”手順書にもとづいた管理の規格”から、プロセスアプローチを採用することによって、“品質マネジメントシステムの有効性を改善する規格”に変わったこと、さらに2008改訂でさらにそれが明確になったことなどを確認した上で、品質マネジメントシステムがプロセスアプローチによって適切に運用されていないためにパフォーマンスの改善に繋がるシステムになっていないことなどの現状を考察しています


次いで、 ISO 9000におけるプロセスの位置づけを確認し、品質マネジメントシステムの有効性の改善とプロセスアプローチの考え方、品質マネジメントシステムのプロセスとPDCAなどを解説しています。


とくにプロセスアプローチの目的について8.2.3項の箇条、序文(0.2)など参照しながら確認しています。


また予防処置と是正処置の違い、プロセスの監視・測定と製品の監視・測定の意図する点と不適合の予防、さらに品質マネジメントの8原則とプロセスアプローチとの関わりなどの基本的事項を解説しています。


第2章では、「品質マネジメントシステムとプロセスアプローチ
と題して、プロセスを基礎とした品質マネジメントシステムのモデルの図、品質マネジメントシステムのプロセスの決定、プロセスアプローチ、手順と手順書、内部監査の方法なども誤解がるという話にはじまっています。


そしてISO 9001の規格要求事項とプロセスの関係、プロセスの大きさ、品質マネジメントシステムのプロセスの大きなプロセスとしてマネジメントプロセス製品実現プロセス支援プロセスといった例で分けてその各プロセスのつながりを製造業、建設業、サービス業などの代表的なプロセス関連図、プロセス-部門関連図、プロセスフロー図等を例示し解説しています


またISO9001規格の4.1項のプロセスに関する要求事項からプロセスアプローチによる品質マネジメントシステムの運用を図解し解説し、プロセス名称を中央に配し、左にインプット、右にアウトプット、左上に物的資源(設備・システム・情報)、右上に人的資源(要員・力量)、左下に運用方法(手順・技法)、右下に評価指標(監視測定項目目標値)を配するISO/TS 16949でよく用いられるタートル図プロセス分析図として4M管理等との関わりで解説しています


第3章では、「品質マネジメントシステムのプロセスの分析
と題して、マネジメントプロセスについて、方針展開プロセス内部監査プロセス顧客満足プロセス支援プロセスについて教育・訓練プロセスの事例を取り上げ、プロセス分析図プロセスフロー図に基づく分析事例を取り上げ解説しています。


そして製造業の製品実現プロセスについて、受注プロセス、製品設計プロセス、工程設計プロセス、購買プロセス、製造プロセスの例についてプロセス分析図とプロセスフロー図を用いた分析例を解説しています。


また建設業の製品実現プロセスについて、住宅建築会社の契約プロセス、建築設計プロセス、建築施工プロセス、購買プロセスの例についてプロセス分析図とプロセスフロー図を用いた分析例を解説しています。


さらにサービス業の製品実現プロセスについて、商社の仕入プロセス、販売プロセス、レストランの企画プロセス、接客サービスプロセスの例についてプロセス分析図とプロセスフロー図を用いた分析例を解説しています。


第4章では、「プロセスアプローチによる内部監査
と題して、プロセスアプローチに基づく内部監査について解説しています。


最初にISO 9001の8.2.2項の内部監査の目的等の各要求内容について確認し、ISO 19011に基づく内部監査プログラムの概要を解説しています。


従来方式の手順の適合性を確認する監査とプロセスアプローチによるプロセスの成果(=有効性)を確認する監査との違いをそれぞれの長所・短所、比較し、プロセスアプローチ監査を行う手順を解説しています。


またプロセスアプローチ監査のチェックリストについてどのような手順でつくるか、その際に使用するチェックリストの例などを解説しています。


さらに右脳による有効性監査と左脳による適合性監査の双方をうまく使い分けベストミックスさせたインプットは「右脳」で、アウトプットは、「左脳」でとの監査手法についての考察も交えて説いています。


第5章では、「プロセスアプローチで成果をあげている例
と題して、プロセスアプローチで成果をあげている品質マネジメントシステムの例として、ISO/TS 16949を取り上げ、そこでのプロセスアプローチ、ISO/TS 16949の固有の顧客志向プロセス、マネジメントプロセス、支援プロセス等のプロセスの要求内容、さらにISO/TS 16949におけるプロセス分析について、先行製品品質計画(APQP:advanced product quality plannnig and control plan)などのプロセス分析の概要について、内部監査員の力量、コントロールプランの例など交えて解説しています。


第6章では、「プロセスアプローチにもとづく品質マニュアルの例
と題して、製造業のプロセスアプローチに基づく品質マニュアルが例示されています。このマニュアルでは、組織図、プロセス関連図、プロセスフロー図、プロセス分析図等の内容は、本書の2章及び3章で解説に用いられたものを用いルようになっています。また建設業、サービス業向けのマニュアルには、その図を置き換えることで適用することができるようなものとなっています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、ISO9000ファミリーにおけるプロセスアプローチが理解でき、プロセスアプローチを活用したプロセスのPDCAマネジメントがしっかりと実行でき、経営パフォーマンスの有効性を改善することができるようにプロセスアプローチの基本から実践までを解説しています


  • プロセスアプローチとは何か。
  • QMSにおいて、どのように実践すればよいのか。
  • プロセスアプローチに基づく有効性の内部監査を効果的に行うにはどうすればよいのか。

等について、製造業、建設業、サービス業の事例をあげて、図解により、わかりやすく解説しています。


<<まとめ>>


ISO 9001の認証を取得された組織等のISO 9001の関係者には、本書は、是非とも読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ISO 9000とプロセスアプローチ
1.1 ISO 9001認証とプロセスアプローチの現状
1.2 ISO 9000とプロセス
1.3 プロセスアプローチ
1.4 品質マネジメントシステムのプロセスとPDCA
1.5 プロセスアプローチの目的
1.6 プロセスの監視と不適合の予防
1.7 品質マネジメントの原則
第2章 品質マネジメントシステムとプロセスアプローチ
2.1 ISO 9001規格の誤解
2.2 ISO 9001規格要求事項とプロセス
2.3 プロセスの大きさ
2.4 品質マネジメントシステムのプロセス
2.5 プロセスの分析
第3章 品質マネジメントシステムのプロセスの分析
3.1 マネジメントプロセスおよび支援プロセスの分析
3.2 製造業の製品実現プロセスの分析
3.3 建設業のの製品実現プロセスの分析
3.4 サービス業の製品実現プロセスの分析
第4章 プロセスアプローチによる内部監査
4.1 内部監査の目的
4.2 内部監査プロセス
4.3 部門別監査とプロセスアプローチ監査
4.4 プロセスアプローチ監査の手順
4.5 プロセスアプローチ監査のチェックリスト
4.6 監査における左脳と右脳の活用
第5章 プロセスアプローチで成果をあげている例
5.1 ISO/TS 16949におけるプロセスアプローチ
5.2 ISO/TS 16949のプロセス
5.3 ISO/TS 16949におけるプロセス分析
第6章 プロセスアプローチにもとづく品質マニュアルの例
付録:用語の解説






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