自己適合宣言に関するISO/IEC 17050-1:2004(JIS Q 17050-1:2005:「適合性評価―供給者適合宣言―第1 部:一般要求事項」)の5.「一般要求事項」において、以下のように規定されています。


適合宣言の発行者(発行機関又は発行人)は,適合宣言の発行,維持,拡大,縮小,一時停止又は取消し,及び対象の規定要求事項への適合に責任をもたなければならない。

適合宣言は,第一者,第二者又は第三者の一つ以上が実施した適切な種類の適合性評価活動(例:試験,測定,監査,検査又は調査)の結果に基づかなければならない。

関与する適合性評価機関は,適用できる場合,該当する国際規格,ガイド及びその他の規準文書を参照することが望ましい。

適合宣言は,同類の製品群に対するものである場合,その製品群の個々の製品に適用されなければならない。

適合宣言は,ある期間にわたって引き渡された同類の製品に対するものである場合,引渡し時又は受領時の個々の製品に適用しなければならない。

適合性評価の適正実施基準として,適合性評価結果をレビューする要員は署名者と異なる者であることが望ましい。」


ちなみに関連して、ISO/IEC 17000:2004(JIS Q 17000:2005)規格において、【適合性評価】(confromity assessment)の用語は、以下のように定義されています。


製品、プロセス、システム、要員又は機関に関する規定要求事項が満たされていることの実証

備考1 適合性評価の分野には、この規格の他の項目において定義されている活動、例えば、試験、検査及び認証、ならびに適合性評価機関の認定が含まれる。

2.この規格における”適合性評価”の対象又は”対象”という表現は、適合性評価が適用される個別の材料、製品、据付け、プロセス、システム、要員又は機関の全体を包括するために使用される。」


一方、ISO14001:2004(JISQ14001:2004)規格の1.適用範囲においても以下のように規定されています。


「この規格は,次の事項を行おうとするどのような組織にも適用できる。
a) 環境マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,改善する。
b) 表明した環境方針との適合を自ら確信する。
c) この規格との適合を次のことによって示す。
1) 自己決定し,自己宣言する。
2) 適合について,組織に対して利害関係をもつ人又はグループ,例えば顧客などによる確認を求める。
3) 自己宣言について組織外部の人又はグループによる確認を求める。
4) 外部機関による環境マネジメントシステムの認証/登録を求める。」


本日は、このISO自己適合宣言をターゲットにISO自己適合宣言の導入の手順から上手な活用法等について詳細に解説している本を紹介します。


<<ポイント>>


ISO自己適合宣言の導入の手順から上手な活用法までを説く本。


本書において、ISO自己適合宣言とはどのようなものかとの解説にはじまり、


関連の国際規格及び国内規格の解説や導入の手順ならびに事例紹介、


ISO有効性診断とマネジメントシステム改善及び活用事例紹介


などを具体的に分かり易く解説しています。


本書:「ISO自己適合宣言」です。


導入の手順と上手な活用法」との副題が付いています。


本書は、編著者:宮野 正克 氏にて、2009年7月に日刊工業新聞社より発行されています。


本書は、ISOマネジメント誌の2008年8月号の「ISO自己適合宣言を上手に活用する」をベースに、加筆訂正して書籍発行されたものになります。


ISO自己適合宣言―導入の手順と上手な活用法
日刊工業新聞社
発売日:2009-07
発送時期:在庫あり。
ランキング:336063

<<本書のエッセンスの一部>>


本書は、7章から構成されています。


多数の写真、イラストなどの図表が文中に挿入されており、視覚的にも分かり易い構成になっています。


各章の終わりには、COLUMN欄があり、「イソ(ISO)9000、馬鹿とハサミは使いよう」などの話題が取り上げられています。


本書の「はじめに」で筆者は、ISO9001品質・ISO14001環境マネジメントシステムはブームから実効重視の成熟期に入ったとし、以下の3つの連携が経営革新と顧客満足に役立つと説いています。


  1. 自己適合宣言…自らやる気で取り組み、効果を引き出す
  2. 検証審査…ISO国際規格の適合を確実に検証する
  3. 有効性診断…費用対効果、有効性を高める

ざっと章を追って概要を紹介します。


第1章では、「ISO自己適合宣言とは
と題して、ISO自己適合宣言の価値とか位置づけの確認にはじまり、ISO自己適合宣言がEUで普及するに至った背景とどのようにしてISO自己適合宣言を行うかとの実施形態(自社監査、顧客監査、検証審査)等の概要を解説しています。


経営に役立つISOとの観点からISO自己適合宣言の効果に関して以下の観点から考察しています。


  1. 適合性評価が合理的で経済的
  2. 自らの業務の適合性判断は自らできる
  3. 形骸化の排除

第2章では、「ISO自己適合宣言関連の国際規格及び国内規格
と題して、国際規格がどのようにつくられるかとの解説にはじまり、ISO/IEC Guide2がベースとなってISO/IEC17000:2004(JISQ17000:2005)規格がつくられ、ISO/IEC Guide22がベースとなってISO/IEC17050-1、2:2004(JISQ 17050-1、2:2005)がつくられたといった経緯や適合性評価に関わる国際規格の種類と形態の概要を解説しています。


またEUと我が国の基本的な風土文化等の違いを比較し、EUの市場統合の動きと適合性評価の経緯、CEマーキング制度や各種形態の自己適合宣言の概要を解説しています。


またISO/IEC 17050-1:2004(JISQ 17050-1:2005)及びISO/IEC 17050-2:2004(JISQ 17050-2:2005)規格の概要について解説しています。


さらにISO個別規格の自己適合宣言について、ISO 9001:2008(JIS Q 9001:2008)規格、ISO/TS 16949:2000(ちなみに現在、要求事項の内容は基本的にTS2と変わらないISO 9001:2008改訂の内容部分を反映したTS3(ISO/TS 16949:2009が発行されています。)、ISO 14001:2004(JIS Q 14001:2004)、ISO 22000:2005、ISO/IEC 27001:2005(JIS Q27001:2006)の各規格についてそれぞれの規格が持つ意義と自己適合宣言運用について解説しています。


第3章では、「ISO自己適合宣言普及事業の紹介
と題して、筆者が属するNPO法人検証審査協会の紹介とその活動の概要、自己適合宣言の検証審査手順の概要、さらに「自己適合宣言は、国際的に信用がおけますか?」といった10件のQ&Aで自己適合宣言に関わる各種概要を解説しています。


第4章では、「ISO自己適合宣言を上手に導入する方法
と題して、ISO認証登録から自己適合宣言へと切換えるような場合の自社完結で、あるいは、検証審査支援による手順、また最初から自己適合宣言を運用するような場合のISO国際規格の調査、社内の組織化と役割分担など導入の手順などを含めISO自己適合宣言の上手な導入方法について解説しています。


また自己適合宣言の発展活用法について、内部監査の充実、ISO有効性診断の活用、BSC(バランストスコアカード)との併用などについて解説しています。


第5章では、「ISO自己適合宣言の事例紹介
と題して、以下の各組織での自己適合宣言の活動・運用の事例について詳細が紹介されています。


  • 長野県飯田市役所
  • (株)樹研工業
  • いであ(株)本社・東京支社
  • 建ゴム工業(株)
  • アズマ工業(株)
  • イシイ フォーチュン
  • 沢根スプリング(株)

第6章では、「ISO有効性診断とマネジメントシステム改善
と題して、ISOの有効性と効率性に焦点をあて、「ISOが経営貢献しているか?」との観点からの有効性診断の上手な活用を推奨し、ISO9004、ISO14004に基づくISO有効性評価を改善に繋げる視点とISO9001及びISO14001の有効性診断法についての考え方、実施手順、評価、改善への展開等について解説しています。


第7章では、「ISO有効性診断の活用事例紹介
と題して、ISO有効性診断を活用した会社の3社の事例(熱処理会社、精密スプリングとその組立機能部品の製造会社、プラスチック射出成形加工会社)についてその経緯と効果や課題などを含めて紹介しています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、自ら行動する“自己適合宣言”に焦点をあて、自己適合宣言に関するISO規格の動向や自己適合宣言の組織への導入の手順、また導入事例、ISO有効性診断とその有効活用の方法などを分かりやすく解決しています


<<まとめ>>


本書は、自己適合宣言に関心がある人だけでなく、経営に役立つISOの活用に関心がある人には読んで頂きたい一冊です


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ISO自己適合宣言とは
1.1 ISO自己適合宣言の価値
1.2 ISO自己適合宣言普及の背景
1.3 自己適合宣言の実施形態
第2章 ISO自己適合宣言関連の国際規格及び国内規格
2.1 適合性評価に関する国際規格
2.2 自己適合宣言関連国際規格の解説
2.3 ISO個別規格における自己適合宣言運用
第3章 ISO自己適合宣言普及事業の紹介
3.1 NPO法人ISO検証審査協会の紹介
3.2 自己適合宣言の検証審査手順
3.3 自己適合宣言のQ&A
第4章 ISO自己適合宣言を上手に導入する方法
4.1 ISO認証登録から自己適合宣言への切換え
4.2 最初から自己適合宣言運用
4.3 自己適合宣言の発展活用法
第5章 ISO自己適合宣言の事例紹介
5.1 長野県飯田市役所
5.2 (株)樹研工業
5.3 いであ(株)本社・東京支社
5.4 建ゴム工業(株)
5.5 アズマ工業(株)
5.6 イシイ フォーチュン
5.7 沢根スプリング(株)
第6章 ISO有効性診断とマネジメントシステム改善
6.1 ISO有効性診断と改善活用法
6.2 ISO9001の有効性診断法
第7章 ISO有効性診断の活用事例紹介
7.1 (株)中遠熱処理技研
7.2 光洋スプリング工業(株)
7.3 小笠原加工(株)







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