5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動は、製造業をはじめとした多くの組織で実施されているが、衰退して5S活動がうまくいっていないという組織の場合には、その大きな原因は、経営トップ自らが真剣に取り組んでいないためで、それは経営トップをはじめ全従業員が5S活動をしっかりと認識していないため等とした上で、本書で説いている5S活動について筆者:山田 正美 氏は、「はじめに」において以下のように述べています。
「本書では、5S活動の導入および5S活動を継続しておこなっていくための参考として、
- 5Sとは何か
- 5S活動の真の目的は何か
- そのために企業はそしてそこに働く従業員は何をしていけば、5S活動の目的の達成に向けて、継続して展開していくことができるのか
ということに視点をおいて、その考え方や手法の一端について記述したものです。
現場でもすぐに参考にできるように、ハンディな形式で、必要かつ十分なポイントを紹介しています。」
<<ポイント>>
5S活動の導入および5S活動を継続して行うための要点などを説く、5S活動のポイントの解説書。
本書では、5Sを導入し、定着させ、効果を上げるための要点を簡潔に解説しています。
とくに以下のような観点から5S活動のポイントと仕組みについて説いています。
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5Sの意味と手法
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5Sを停滞させないための手法
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5S定着のための方法
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5Sの各活動における具体例
ムダを省いて利益を出すカイゼン活動の基盤となる手法である5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)について分かり易く解説しています。
また現場での活用も便利なハンディサイズとなっています。
本書:「ポケット図解 5Sのポイントがよーくわかる本」です。
本書は、著者:山田 正美氏にて、2009年7月に秀和システムより発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の表紙カバーの下部には、以下のように書かれています。
5S導入・定着の要点と仕組みが一目でわかる!
- 5Sの導入と実践する手順がわかる!
- 5Sの意味と手法がよくわかる!
- 5Sを停滞させない手法とは!
- 5S定着のためのメソッドとは!
- 意識改善のための見える化とは!
- 5Sの各活動における具体策を紹介!
- 利益を生み出すムダとりがよくわかる!
本書は、7章から構成されています。
また巻末資料として5S活動に関わる『3S』、『改善』、『見える化』など8つのキーワードの用語解説が添付されています。
本書の解説は、基本的に以下のような構成となっています。
見開きの2ページで左側のページに解説文が、右側のページには、イラスト、概念図、フロー図、帳票例、プレゼンソフトを用いてのまとめ方のような図解が見出しのタイトルのポイントが図解により一目で分かるように配置されています。
青-黒の2色刷なので分かり易くメリハリも付いた構成になっています。
左側のページをより詳細に紹介すると、例えば、『1-1:「5Sとは何か」』といったタイトルに続き、そのタイトルがどのようなものかを3行程度で要領良くまとめた文が続き、さらにその下に小項目一つか二つの、箇条書きなど交えての分かり易くシンプルな解説文が続くという構成になっています。
また各章の終わりには、「コラム」欄があり、「基本を学ぼう」、「もったいない」といったトピックスが取り上げられ解説されています。
第1章では、「5Sの基本をおさえよう」
と題して、5Sとは何か?からはじまり、カイゼンの基本となるムダ取りの考えなどを交えて、5S活動の導入の基本等を解説しています。
5Sとは何か/仕事の仕組み/ムダは付加価値を生まない/隠れているムダを見つけるには/
5Sはムダ取り活動の基本/改善のための第1歩は/本物の5Sを導入するためには
といった切り口から5Sの基本を説いています。
第2章から第6章がそれぞれ、整理(9項目)・整頓(10項目)・清掃(8項目)・清潔(5項目)・躾(6項目)の順に「○○とは何か」からの確認にはじまり、効果的な活動のための基本的な考え方や手法等について事例を交えて解説しています。
第7章では、「5Sを定着させるためには」
と題して、この章は、本書の全体をまとめ総括しているような位置づけになっています。
特に5S活動を行っていく上での問題点を取り上げると共に、5S活動を着実に組織に定着させ、さらに継続して職場の改善が実施されるようにしていくための考え方等を解説しています。
5Sが定着しない理由/マンネリ化が5Sをダメにする/5Sは停滞すると腐る/本物の5Sを目指して/本物の5Sでムダ取り
といったテーマが取り上げられています。
<<本書で何が学べるか?>>
本書では、改善活動の基礎となる5S活動について「5Sとは何か」から「5S活動の真の目的」、「継続して5S活動を展開するためのポイント」「5S導入・定着の要点と仕組み」等を多くの実施例など交えて図解により分かり易く解説しています。
現場に持ち込んで活用するのにも便利なハンディサイズになっています。
<<まとめ>>
カイゼン活動の基本的な手法となる、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動の基本を押さえておきたい人には、本書は、読んで頂きたい一冊です。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 5Sの基本をおさえよう
1-1 5Sとは何か
1-2 仕事の仕組み
1-3 ムダは付加価値を生まない
1-4 隠れているムダを見つけるには
1-5 5Sはムダ取り活動の基本
1-6 改善のための第1歩は
1-7 本物の5Sを導入するためには
第2章 整理
2-1 整理とは何か
2-2 区分の明確化
2-3 不要品はなぜ生まれるか
2-4 赤札で処分品を明示
2-5 不要品のリストを作成しよう
2-6 不要品のリサイクルを考える
2-7 不要品の再発を防ぐ
2-8 整理でムダを取り除こう
2-9 整理を効果的に進めるために
第3章 整頓
3-1 整頓とは何か
3-2 置き場所を決める
3-3 置き場所のマップをつくる
3-4 置き方を決める
3-5 不良品・手直し品の整頓
3-6 治工具、刃具の整頓の勧め
3-7 機械設備の整頓の勧め
3-8 書類の整頓の勧め
3-9 整頓でムダを取り除こう
3-10 整頓を効果的に進めるためには
第4章 清掃
4-1 清掃とは何か
4-2 清掃の用具を揃える
4-3 清掃は職場の点検
4-4 清掃はいつやるの
4-5 通路・床の清掃の勧め
4-6 機械設備の清掃の勧め
4-7 清掃はムダの見える化
4-8 清掃を効果的に進めるためには
第5章 清潔
5-1 清潔とは何か
5-2 清潔を保つための計画と実行
5-3 3S活動の意欲を高める見える化
5-4 設備の清潔は設備保全
5-5 清潔を効果的に進めるためには
第6章 躾
6-1 躾とは何か
6-2 躾を行っていくには
6-3 叱るために必要なこと
6-4 誰でもがわかる明確なルール
6-5 躾からムダ取りを行おう
6-6 躾を効果的に進めるために
第7章 5Sを定着させるためには
7-1 5Sが定着しない理由
7-2 マンネリ化が5Sをダメにする
7-3 5Sは停滞すると腐る
7-4 本物の5Sを目指して
7-5 本物の5Sでムダ取り
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