キャズム】(chasm)というのは、深い溝のこと。


キャズム理論」というのは、マーケティング・コンサルタントのジェフリー・ムーア(Geoffrey A. Moore)が著書『Crossing the chasm』(1991年)のなかで取り上げたマーケティング理論です。


これに先立ち、エベレット・M・ロジャーズ(Everett M. Rogers:米国の社会学者)が著書『Diffusion of Innovations』(初版は1962年)において、イノベーション(まだ普及していない新しいモノやコト)がどのように社会や組織に伝播・普及していくかについて提示したモデルがあります。


このテクノロジーライフサイクルモデルでは、顧客は「イノベーター」(テクノロジーマニア)→「アーリーアダプター」(ビジョナリー)→「アーリーマジョリティ(実利主義者)」→「レイトマジョリティ」(保守派)→「ラガード」(懐疑派)の5つの採用者タイプに区分されるとし、このステップで普及していくとしています。


ロジャーズの理論では、イノベーター(テクノロジーマニア)とアーリーアダプター(ビジョナリー)を合わせた層に普及した段階(普及率16%超)を超えてから、新技術や新流行は急激に拡がっていくとしています。


そこで、ハイテク製品のマーケティング活動では、イノベーターとアーリーアダプターにアピールすることが新製品普及のポイントであるとされてきました。


これに対して、ムーアは、利用者の行動様式に変化を強いるハイテク製品においては、5つの採用者区分の間にクラック(断絶)があると主張し、その中でも特にアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には「深く大きな溝」があるとし、これを【キャズム】と呼んでいます。


特にキャズム理論では、アーリーアダプターとアーリーマジョリティでは、要求が異なっており、【キャズム】を超えてメインストリーム市場に移行するためには自社製品の普及段階に応じて、マーケティングアプローチを変えていくことが必要だと説いています。


これに対し、シリコンバレーのシリアルアントレプレナー(連続起業家)で大手ベンチャーキャピタルから出資を受け、8社の企業の創業・立ち上げ等に携わっている筆者:スティーブン・G・ブランク (Steaven G.Blank)氏がベンチャー立ち上げ方法論(新規事業を立ち上げる4つのステップ)について体系的に説いている本を紹介します。


<<ポイント>>


顧客開発」のための4ステップからなるフレームワークなど新規事業・ベンチャー立ち上げの方法論の体系的解説書。


これまでの新規事業では、「良い物が開発されたのだから売れるに決まっている」との前提で「顧客が本当にいるのかどうか」について製品が出荷開始されるまでは積極的な確認が行われず、そのため製品が売れないことに気付くのが遅すぎる傾向があったとし、


本書の「顧客開発」モデルでは、こうなることを回避できるようにまた顧客の反応が想定と違っても早い段階で軌道修正できるように製品開発プロセスと並行して「顧客が本当にいるのか」を確認していくステップを取るものです


本書では、スタートアップがキャズムに到達するための実践的手法、新規事業立ち上げの方法論をステップバイステップで詳細に解説しています。


本書:「アントレプレナーの教科書」です。


新規事業を成功させる4つのステップ」との副題が付いています。


本書は、著者:Steaven G.Blank(スティーブン・G・ブランク)氏の原著:「The Four Steps to the Epiphany」(「成功への確信に至る4つのステップ」といった意)について、渡邊 哲 氏、堤 孝志 氏の翻訳にて、2009年5月に翔泳社 より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれています。


誰が買うのか?

誰が売るのか?

このようなベンチャー立ち上げの常識に

答えられない起業家に明日はない。

本書の顧客開発モデルは、

ベンチャー立ち上げに潜むワナを

回避するのに

大いに役立つだろう。

飯田 亮

米国UCバークレー/スタンフォード大学等で

「キャズム」と並ぶ超人気講座の教科書が

ついに日本語訳で登場!

キャズム越えは成功事業の悩み
キャズムの前にジャングルがある!

製品開発に対する市場開発。市場作りにも研究開発手法があった。
シリコンバレーで8社のハイテクベンチャーに従事し、
いくつものベンチャーを自身で成功に導いた
シリアルアントレプレナーによるベンチャー立ち上げ方法論の集大成。
スタートアップがキャズムに到達するための実践的手法、
新規事業立ち上げのHow toをステップバイステップで詳細に解説。

新規事業立上げ関係者必携のガイドブック


本書は、序章と6つの章から構成されています。


また巻末に以下の付録が添付されています。


  • 付録A 顧客開発部隊
  • 付録B 顧客開発チェックリスト

付録Aでは、本書の「顧客発見」と「顧客実証」という二つのステップで求められる活動をプロジェクトとして行うための顧客開発部隊についての要件を解説しています。


従来型部門の不要論から顧客開発部隊と製品開発部隊との構成などのポイントを解説しています。


また付録Bでは、顧客開発の手法とプロセスを説明するための参考例としてのチェックリストが掲載されています。ここでの例は、エンタープライズソフトウェアを開発する会社用のもので、自社の会社と市場に合致した独自の雛形を作る参考という位置づけで提示されています。


全般的に概念図やフロー図をはじめとした図表類が多数挿入されており分かり易い構成になっています。


章を追って本書の概要を紹介します。


序章では、「勝者と敗者
と題して、新規製品の市場投入の際に間違えていたら失敗するとして問題提起し、幾つかの会社の製品例を挙げて、立ち上げがまずかった例と成功した例とでコストがどれほど掛かったか等を比較し、勝者と敗者との違いは、上層部の経営陣が早い段階から頻繁に顧客と接しながら開発した製品は成功していると説いています。


また本書の想定される読者層として、起業家精神に富んだ小さなスタートアップから大企業まで全ての企業の新製品の立ち上げチームとしています。


顧客と市場を以下に見いだすかという課題に対する回答を見つけるのに奮闘しているすべての人とも述べています。


各章のはじめに格言等を引用し、各プロセスのフロー図を示しそのステップのフェーズのプロセスの流れ詳細を図示してあります。


第1章では、「大失敗への道:製品開発モデル
と題して、製品を中心とした【コンセプト/シーズ】→【製品開発】→【アルファ/ベータテスト】→【販売開始/出荷開始】といった一般的な製品開発ダイアグラムについて、3年間で8億ドルを消費した会社の事例について、各ステージのそれぞれでどこに問題が合って失敗したかをこのやり方のどこが悪いのかを「顧客はどこか?」といった10の観点から分析し考察しています。


またその代替策について考察し、テクノロジーライフサイクルのモデルとの関わりにおいて、本書で述べる「顧客開発」を含むアプローチが重要と説いています。


第2章では、「確信への道:顧客開発モデル
と題して、顧客発見→← 顧客実証顧客開拓組織構築(顧客発見と顧客実証との間では戻る場合もある)の4つのステップからなる顧客開発モデルが重要とし、その全貌と各ステップにおける方向性やそこで得られる成果物等について概観しています。


以降の各章で、4つの各ステップのそれぞれについて詳解しています。


第3章では、「顧客発見
と題して、このステップの以下の目的とした上で、顧客発見とは何かからはじまり、大きくは、次のような「合意を得る」→「仮説の記述」→「仮説の検証と洗練」→「製品コンセプトの検証と洗練」→「確認」といったフェーズを含む【顧客発見】に関わるステップの詳細を解説しています。


  • 顧客が獲得したい課題を特定できたか?
  • そのような顧客のニーズを自社製品で解決できるか?
  • そのビジネスモデルは継続可能でかつ利益が出るモデルか?
  • 製品を売り歩くのに十分なだけの学習を終えているか?

第4章では、「顧客実証
と題して、このステップについては、以下の目的とした上で、顧客実証とは何かからはじまり、「販売の準備」→「エバンジェリストユーザーへの販売」→「企業と製品のポジショニング」→「確認」といったフェーズを含む【顧客実証】に関わるステップの詳細を解説しています。


  • 営業プロセスを理解しているか?
  • 営業プロセスは繰り返し可能か?
  • それが繰り返し可能であることが証明できるか?
  • 現状の製品のリリース時の使用でこのような注文を獲得できるか?
  • 製品と会社を正しくポジショニングしたか?
  • 実際に機能する営業と流通のチャンネルを持っているか?
  • 利益を上げながら事業を拡大していく自信はあるか?

第5章では、「顧客開拓
と題して、市場タイプを理解し、適切な顧客開拓の戦略や戦術を使うための手順が重要であることを事例をもとに確認した上で、「顧客開拓とはなにか」を詳細に説き、そして、「市場投入の準備」→「企業と製品のポジショニング」→「企業の市場参入/製品の市場投入」→「需要開拓」といったフェーズを含む【顧客開拓】に関わるステップの詳細を解説しています。


第6章では、「組織構築
と題して、組織の構築の課題について、組織構築とは何かとの解説にはじまり、「メインストリーム顧客基盤の構築」→「経営と企業文化の課題」→「職能別部門への移行」→「即応性の高い部門の構築」といったといったフェーズを含む【組織構築】に関わるステップの詳細を解説しています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、シリアルアントレプレナーによるベンチャー立ち上げ方法論の集大成として「顧客開発」のための4ステップからなるフレームワークなど新規事業・ベンチャーの立ち上げのための方法論を体系的に解説しています


スタートアップがキャズムに到達するための実践的手法、新規事業立ち上げにおいて、顧客ニーズがわかるまでは現金をほとんど消費しない資本効率の高い「顧客開発モデル」を詳細に解説しています


<<まとめ>>


本書は、少人数のベンチャーから大企業まで組織の規模を問わず、新製品、新規事業の立ち上げに関わる関係者には、読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は以下の内容です。
序章 勝者と敗者
第1章 大失敗への道:製品開発モデル
第2章 確信への道:顧客開発モデル
第3章 顧客発見
第4章 顧客実証
第5章 顧客開拓
第6章 組織構築
付録A 顧客開発部隊
付録B 顧客開発チェックリスト







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