昨今のような厳しい経済環境を勝ち抜く上で、「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)手法を軸としたコストダウン手法が有効であるとして、「実践の5S活動」についての考え方や進め方を基本から説いている本を紹介します。


本書の「はじめに」で企業がこの厳しい時代を勝ち抜くため「改善」を積極的に推進し、「コストダウン」、「顧客満足度の向上」を実現し、利益の増大をはかることが大切で、「コストダウン」追求の柱になるのが、「仕組み改善」による手法と述べた上で、『なぜ今、5Sなのか?』について以下のように述べています。


「仕組み改善」で見直した仕組みから効果的に成果(利益)を生み出すためには、モノの取り扱い面で、「5S活動」、管理の進め方の面で「目で見る管理」、ヒトの能力面で「多能工化」といった「基礎改善」の推進が不可欠です。

 とりわけ「コストダウンは5Sで育ち5Sで刈り取る」ともいえるほど5Sは、重要です。これまでのような「形の5S」ではなく「コストダウン」と「顧客満足度の向上」に役立ち勝つ抜くための「5S」でなくてはなりません。

 この目的のためには、「成果追求の5S」「徹底の5S」「習慣化(躾)の5S」を柱とする「実践の5S活動」が有効です。


<<ポイント>>


5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に基づく実践的なコストダウン取り組みの解説書


本書では、5Sコストダウン手法であると位置づけ、


  • 成果追求の5S
  • 徹底の5S
  • 習慣化の5S

を柱に 5S を実践・定着化させると同時に改善を行い、


経営効率の向上にもつなげるための手順について、


見開きの左側のページにイラスト・図表などを配して


分かり易く解説しています。


本書:「5Sによるコストダウンの進め方」です。


本書は、著者:吉原 靖彦氏にて、2009年9月に中経出版より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙カバーの下部及び表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


「形だけ」ではもう勝ち抜けない

成果追求を徹底し、

習慣化することで

確実にコストダウンに

結びつきます!

5S活動はコストダウンの原動力』
     ↓
5S活動で職場が整備される
     ↓
経営資源4M(ヒト、設備、材料、方法)の質が向上
     ↓
PQCD(生産性、品質、コスト、納期)がレベルアップ(ムダの排除)
     ↓
労務費・材料費・経費が低減して コストダウン達成!


5S活動のポイント

  • モノの「整頓」の仕方
  • ヒトの「躾」の仕方
    -----を中心に、
    豊富な事例で徹底解説!

本書は、「今こそ5S活動で差をつける」と題して、これまでに行われてきた「形だけの5S」を脱して、これからは、コストダウンや顧客満足の向上に直接つながる「新5S活動」で『3K(工夫・改善・改革)活動』で生き残り、『5S』で勝ち抜き・生き残ると論じている序章にはじまり、第1章から第6章までの6章で構成されています。


見開きの2ページで、右側のページには、項目とその解説文が、左側のページには、イラストなどの図表を用いて図解で一目でわかるようにしているという構成になっています。


右側のページの上の欄外には、キーワードの簡単な解説があるという構成になっています。


また各章の終わりには、「勝ち抜く企業の5S活動」とのタイトルで、5S活動に関する「世界のトヨタは5Sでムダを徹底排除」などのトピックスが取り上げられています。


以下に章を追って概要を紹介します。


第1章では、「5Sなくして改善の成果は上がらない
と題して、コストダウン顧客満足度の向上で利益の増大化を図るのが改善活動とし、改善活動のなかで5Sはどのような位置づけを占めるのかを解説しています。


士気の高い人財が改善の源との話題にはじまり、「経営的要件」「人的要件」「管理的要件」の3つの要件を満たして強い企業ができると説いています。


さらに成果を得るための推進方策は、「基礎改善」と「仕組み改善」(「管理システム」と「物流システムの改善」)があり、「基礎改善」の柱になるのが5Sと説いています。


特に「基礎改善」は、PQCD生産性、品質、コスト、納期)を向上させるための改善で以下の3つの要素が基本となると説いています。


  1. 5S(モノの面からの基礎改善)
  2. 目で見る管理の改善(マネジメントの面の基礎づくり)
  3. マルチスキル化(ヒトの面の基礎づくり)

第2章では、「逆風でも利益を生む5Sによるコストダウン
と題して、確実に利益を増やしたいなら5S活動をベースとした仕組み改善とムダの排除によるコストダウンが投資が少なく利益の増大をはかれると説いています。


5S活動による「職場の整備(モノへの働きかけ)」により「企業の質」「経営資源の質」の向上が図れ顧客満足度アップコストダウンが狙えると説いています。


5S活動によるコストダウンのステップは、


  • 5Sで4Mの質が向上し、
  • PQCDが改善され、
  • 最終的に原価要素が低減できる

ようになると説いています。


第3章では、「コストダウン活動の基本を押さえる
と題して、原価要素を低減するためにどのようなことをすれば良いかを5Sとの関連で解説しています。


原価の構成図をもとに、原価要素別(「工数低減で労務費の削減」、「材料費の削減の切り口」「経費毎の特性を掴んでの削減」といった)に行うコストダウン活動を取り上げ5S活動が原価要素の低減にどのように貢献しているかとの関連を交えて詳細に解説しています


第4章では、「コストダウンに直結する5S実践法
と題して、5S活動を軸にしたコストダウンについての「生産性および品質の向上」、「コストや作業時間の低減」といった取り組みに関するモノに対する表示や保管などのツール関係の工夫(一目で識別できるカラー表示、歩行を減らす工具の手元化など)以下のような観点に関わる実践法を取り上げ、具体的な実践方法の事例解説を交えて解説しています。


  1. 道具立ての工夫(基本の考え方)
  2. 生産性を高めるためのムダ排除(位置の管理の充実で作業性を向上など)
  3. 整理整頓による品質向上(位置の管理の充実で品質を向上など)
  4. コスト削減(安全対策の充実で経費を削減など)
  5. 時間の短縮(流れの管理の充実で納期・リードタイムを改善など)

第5章では、「コストダウンをめざす5S導入法
と題して、5Sの定義、5Sの「モノ」と「ヒト」へのハタラキかけの再確認にはじまり、5S活動を進める上での進め方のポイントを解説しています。


以下の点を常に考えながら推進することが重要とし、良い成果を得るために計画的な展開の重要性と世間一般と同様に整理→整頓→清掃の順に進めるといい結果が出るとし、整理・整頓・清掃・清潔・躾の各推進ポイントと手順等を説いています。


  • 全社活動にする
  • ルールを明確化する
  • 定着化させること

第6章では、「躾で5Sを強化・維持する
と題して、5Sをつくりあげるのには時間が掛かっても、あっという間に崩れる恐れもあるので、特にマインド向上の中心を担う躾を推進し、5Sを継続させるための工夫等について説いています。


5Sが崩れる兆候、マンネリ化等を防ぐための5Sマインドの向上に関わる以下の取り組み、5Sルール、守りやすい5Sにする、破られない工夫等について実務的に解説しています。


  • 5S推進の仕組みの向上
  • 5Sマインドの向上
  • 5S技法の向上

<<本書で何が学べるか?>>


本書では、5Sについて成果追求を徹底し、習慣化することで確実にコストダウンできるとし、「成果追求の5S」「徹底の5S」「習慣化の5S」を柱とする、コストダウンを達成するための「実践の5S活動」の考え方や進め方を多数の具体的な事例を交え、イラストなどの図解により分かり易く解説しています


<<まとめ>>


本書は、製造業を中心に取り上げてはいますが、非製造業の方でも、改善、コストダウン、経営効率の向上などに関心があるビジネスパースンには、読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
序章 今こそ5S活動で差をつける
第1章 5Sなくして改善の成果は上がらない
1.強い企業の仕組みを押さえる
2.改善のフレームワークをつかむ
第2章 逆風でも利益を生む5Sによるコストダウン
1.5Sは利益を生む最善策
2.5Sが仕組みを成果に結びつける
3.5Sで直接コストダウンをはかる
第3章 コストダウン活動の基本を押さえる
1.コストダウン活動で原価要素を下げる
2.工数低減で労務費を下げる
3.材料費削減は所要量に注目する
4.経費ごとの特性をつかんで削減する
第4章 コストダウンに直結する5S実践法
1.道具立てに工夫で効果的に5Sを実現
2.5Sによるムダ排除で生産性を高める
3.整理・整頓して品質を高める
4.5Sでコストを削減する
5.5Sで時間を短縮する
第5章 コストダウンをめざす5S導入法
1.5Sで利益拡大をめざす
2.5S活動は計画的に展開する
3.5S導入の効果的な進め方
第6章 躾で5Sを強化・維持する
1.コストダウンは躾から
2.5Sルールがコストダウンを促進する
3.守りやすい5Sにする
4.破られない工夫をする






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