OHSAS 18001:2007 規格では、リスクアセスメントについて以下のように定義しています。


危険源から生じるリスクを評価するプロセスで、かつ、既存のすべての管理策の妥当性を考慮し、リスクが受容可能であるか否かを決定するもの

また労働安全衛生法第28条の2項において、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置」として、

製造業や建設業等の事業場の事業者は、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務


とされ、その適切かつ有効の実施のために、厚生労働省から「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が公表されています。


とくに危険性又は有害性等の調査」との用語は、ILO(国際労働機関)等において「リスクアセスメント(risk assessment)」等の用語で表現されているものであることとされています。


OHSAS18001:2007 規格の4.3.1項「危険源の特定、リスクアセスメント及び管理策の決定」の要求事項に関わる手順を確立し、妥当なリスクアセスメントを実施するとなるとなかなか難しい面があります


本書の「はじめに」でリスクアセスメント適正評価に関わる課題について以下のように述べています。


  1. .死亡災害が多発している作業でも、その危険性が十分に評価されていないものがある。特に作業の難易度が低いと死亡災害が多発していてもリスクが低く評価される場合がある
  2. 災害受傷程度の重大性は、自らの過去の経験だけをよりどころにリスクを見積もる傾向があり、グループメンバーの一人が経験した最も重大な災害に従いがちで、適性評価とは言えないおそれがある。
  3. リスクを適性に評価するためには科学的根拠が必要になるが、既往の労働災害データ分析は個別作業まで踏み込んでらず、その活用には限界がある。

スタートになるリスクアセスメントを間違えてしまうと管理策もマネジメントシステムも意味が無くなってしまいます。


本書の筆者らは、平成16年から平成18年に発生した我が国の建設業の死亡災害を対象に調査し、作業別等に分析し、土木工事建築工事のそれぞれについて建設現場におけるリスクアセスメントの実施の際に役立てることが出来るように特に重篤度が高い作業等を抽出・整理されたとのこと。


また最近工事量が増加しているリフォーム工事を対象に、典型的なリフォーム災害工事特有事故を抽出し、その特徴と共に安全対策の方向性について示したとのこと。


本日は、建設工事に関わる安全リスクに関して死亡災害の徹底分析をもとに重篤度の高い作業等を抽出・整理し事例と共に解説している本を紹介します。


<<ポイント>>


建設リスクアセスメントの実施に参考となる死亡災害の徹底分析で重篤度の高い作業等を抽出・整理している本


本書では、


建設現場における適切なリスクアセスメントの実施の観点から


平成16年-18年に発生した日本の建設業の死亡災害を分析し、土木工事建築工事に分けて、イラストと解説文を交えて特に重篤度が高い作業等を抽出・掲載しています


例えば、土木工事については、現場共通から、仮設工事、土工事、躯体工事等、職業性疾病・過重労働、特定工事関連作業、その他といった項目に区分して解説しています。


測量、写真撮影、除雪作業、人力による小運搬、現場内の人の移動等での思わぬ重篤災害の発生についても取り上げています。


また、リフォーム工事特有の災害や、行政施策から学ぶ労働災害防止策についても収録しています。


本書:「建設現場のリスク適正評価ガイド [重篤度評価編]」です。


本書は、高木 元也 氏の編著にて、2009年10月に労働調査会より「安全衛生選書」の一冊として発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれています。


本邦初!建設リスクの本質を解明!

  • 死亡災害の徹底分析で重篤度の高い作業等を抽出・整理。
  • 「人的余裕がない」「方法がわからない」小規模事業者向け。
  • 測量、写真撮影、除雪作業、人力による小運搬、現場内の人の移動等での思わぬ重篤災害も!
  • 自社の少ない災害事例の活用分析やベテラン社員の経験頼りだけではリスク過小評価の落とし穴に!

リスクアセスメントに本当に役立つ本!


本書は、5章から構成されています。


ざっと章を追って概要を紹介します。


第1章では、「リスク適正評価ガイドについて
と題して、本書が提供しているようなリスク適性評価ガイドがなぜ必要かといった点の解説にはじまり、リスク適性評価に役立つ労働災害分析データ分析の設定条件を解説しています。


リスクアセスメント適正評価に関わる課題として紹介した3点の問題点に集約される実態調査の内容を詳細に解説しています。


また筆者らが行った建設会社の安全担当者へのアンケート(908件の有効回答数)の労働災害発生状況認識度調査の結果を分析し、死亡災害データと認識にズレが生じていることを示し、本書のようなガイドの必要性を確認しています。


また労働災害データ分析の設定条件についてどのようにして実施したかを解説しています。


第2章では、「土木工事編(特に重篤度が高い作業等)
では、平成16年から18年に発生した土木工事の死亡災害について死亡災害分析に基づく特に重篤度が高い作業を抽出・整理して解説しています


最初に「土木工事編:特に重篤度が高い作業等一覧」にまとめてあります。


以下のような作業項目に区分してあります。


A:現場共通(8項目:01重機の移動等)

B:仮設工事(土止め支保工組立・解体作業は除く)(1項目:01仮設の足場・橋・揚重機等設置・解体作業)

C:土工事(8項目:01立木の伐採・伐倒、草刈り等作業など)

D:躯体工事等(9項目:01基礎工関連作業など)

E:職業性疾病・過重労働(3項目:01熱中症など)

F:特定工事関連作業(6項目:01ダム工事関連作業など)

G:その他(2項目:01除雪作業など)


ここでの解説は、例えば、


A:現場共通では、


A01:『重機の移動等(トラック等による運搬作業含む(67人)』とのタイトルに続き、
「その全体的な解説文」、「重機の移動等による死亡災害の内訳」をまとめた表、


前記の表で「重機走行中等、重機が転倒・転落等」(死亡者数24人)など数項目が取り上げられているが、取り上げられた作業についての事故が発生した状況の解説、一部にイラストも含む、さらに事例解説が事故例毎に箇条書きで順次解説されるという構成になっています。


第3章では、「建築工事編(特に重篤度が高い作業等)
では、平成16年から18年に発生した建築工事の死亡災害について死亡災害分析に基づく特に重篤度が高い作業を抽出・整理して解説しています。


最初に「建築工事編:特に重篤度が高い作業等一覧」にまとめてあります。


また以下のような作業項目に区分してあります。


A:現場共通(14項目:02クレーン・ドラグショベル等による荷上げ・荷下ろし等作業ほか)

B:仮設工事(土止め支保工組立・解体作業は除く)(1項目:01足場組立・解体作業)

C:土工事(6項目:02掘削作業ほか)

D:躯体工事等(8項目:02型枠組立・解体作業ほか)

E:仕上げ工事(8項目:02塗装作業ほか)

F:建築設備工事(2項目:01電気通信作業ほか)

G:建物解体工事等(1項目:建物解体作業)

H:職業性疾病・過重労(3項目:02一酸化炭素中毒・溶剤中毒等)

I:その他(1項目:01台風被害に伴う復旧作業)


本書の解説の構成は、2章の【土木工事編】と同様です。


第4章では、「リフォーム工事特有災害について
では、リフォーム市場が拡大し工事量が増加している背景から典型的なリフォーム工事の災害や特有の災害を明確にし、リフォーム工事における安全対策上の課題と今後の対策方向について考察しています。


リフォーム工事特有の災害の抽出について、平成7年から平成17年までの11年間のリフォームに関わる工事を段階を踏んで抽出し、発生状況をまとめると共に分析しています。


災害種類別に転落・墜落、飛来・落下、倒壊、クレーン等、自動車等乗り物全般、建設機械等、電気、爆発・火災、取扱い・運搬等、その他の区分でまとめています。


転落・墜落が約7割を占めています。


次いで電気が8%強となっています。


また災害件数が10件以上である18種類の災害とリフォーム工事特有災害とし、その災害例、特徴などを解説しています。


さらに安全対策の方向について考察し、発生頻度が高い典型的リフォーム事故の「1、屋根の踏み抜きに墜落災害」など5件について施工方法、作業手順の確立と労働災害リスクの洗い出しが重要としています。


第5章では、「行政施策等から学ぶ労働災害防止対策
では、建設業特有の労働安全施策について厚生労働省「第11次労働災害防止計画」など解説しています。


この章では、「第11次労働災害防止計画」に加え、「厚生労働省「建設業における総合的労働災害防止対策」/リスクアセスメントに関する法律、指針/建設業労働災害防止協会「建設労働災害防止規程」/国土交通省「建設工事事故防止のための重点対策の実施について」/労働安全衛生総合研究所の建設安全に関する取組み」について解説しています。


<<本書で何が学べるか?>>


書では、建設業の現場作業に関わるリスクアセスメントに役立つように平成16年から18年に発生した我が国の建設業の死亡災害を分析し、土木工事建築工事に分けて、特に重篤度が高い作業等をまとめ抽出・掲載しています。


さらにリフォーム工事特有の災害と行政施策から学ぶ労働災害防止策も収録し、解説しています。


とくに小規模事業者には、役立つ内容となっています。


<<まとめ>>


建設業でOHSAS18001など労働安全に関わる仕組みを強化しようとされる組織の関係者の方には、本書は読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 リスク適正評価ガイドについて
1.リスク適正評価支援の必要性について
2.リスク適正評価ガイド(重篤度評価編)の必要性
3.労働災害データ分析の設定条件
第2章 土木工事編(特に重篤度が高い作業等)
第3章 建築工事編(特に重篤度が高い作業等)
第4章 リフォーム工事特有災害について
1.リフォーム市場の拡大
2.リフォーム工事特有の労働災害発生状況
3.リフォーム工事特有災害の分析
4.典型的なリフォーム工事特有災害 
5.リフォーム工事特有災害の安全対策の方向
第5章 行政施策等から学ぶ労働災害防止対策
1.厚生労働省「第11次労働災害防止計画」
2.厚生労働省「建設業における総合的労働災害防止対策」
3.リスクアセスメントに関する法律、指針
4.建設業労働災害防止協会「建設労働災害防止規程」
5.国土交通省「建設工事事故防止のための重点対策の実施について」
6.労働安全衛生総合研究所の建設安全に関する取組み


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