「予見力」というのは、一般の国語辞典などでは、『まだ起こらないうちに、見通して知ることができる力」というような意味になります。
- 「リーマンショックも、分かる人には分かっていた」
- 「未来は予測するものではなく、現在にある」
- 「予見できる人のことを“抽象力がある”人」
と苫米地 英人氏が「予見力」をテーマに『現在の超情報社会を生き抜くスキル』について説いている本を紹介します。
本書の『世界経済危機は、本当に予測できなかった事態なのか?』とのタイトルの「はじめに」で苫米地氏は、今の経済状況は、「予期せぬ出来事」などではなく、「未来は先行きが見えない」ものでもないとした上で、『予見力』について以下のように述べています。
「『予見力』とは、『現在の状況、今まさに起こっている出来事の意味を正しく見る力』で、言い換えると「現在を正しく見ることで、現在の中にある未来を見いだす力」」と述べ、『本書の知識を持ち、トレーニングをすることで、誰でも簡単に身に付けることができる』としています。
また今なぜ予見力が必要かについて以下のように述べています。
「私達は現在、「超情報化社会」を生きています。(略)
多くの人が「先行きが見えない」と悩んでいる原因のひとつには、この極度な情報化があることは明白です。
ひと昔前ならば、「過去」に起こった情報と、「現在」をリアルタイムで入ってくる情報を分析して処理することができれば、ある程度「未来」を予測することができました。
分析・処理しなければならない情報量が少なかったからです。
しかし今、同じことをしたならば、情報の海に呑み込まれていまい、「現在」自分がいる場所も、「未来」に自分が向かう場所も、全く見えなくなってしまいます。
まさに情報の”大海”を彷徨い続ける”漂流者”になってしまうのです。
(略)
予見力は、超情報化社会を安全かつ的確に航海するための”地図”であり”コンパス”であり”航海術”です。
(略)
本書を読んでいただき、予見力を身に付けて頂ければ、どれだけ世界が混沌としようとも、100年に一度といわれる大恐慌時代に突入しようとも「想像もできない未来」が訪れようとも、あなたは未来のすべてを手中に収めることができます。
(略)
予見力こそ、混沌とした現代社会を、そして予測不可能に見えるこれからの未来を生き抜くための究極のスキルです。」
<<ポイント>>
苫米地 英人氏による「現在」を正しく見る力「予見力」を身につける方法の解説書。
本書では、
予見力についてどのような能力であるかを説き、
その予見力を習得するためのトレーニング方法を紹介し、
筆者の予見力で日本を変革していく方法論をトレーニングの参考に説き、
さらに筆者が自らの予見力でイメージしているとてつもない未来像について紹介しています。
本書:「とてつもない未来を引き寄せる予見力」です。
本書は、著者:苫米地英人氏にて、2009年10月に徳間書店より発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の帯には以下のように書かれています。
脳が勝手にスゴい
未来へ導いてくれる!!
- 人間はコピー可能で不老不死になる!?
- 人間は物理空間から情報空間に引っ越す!?
- 天才の抽象度を手に入れる方法とは?
- 人生を劇的に変える究極のスキルを伝授!
ドクター苫米地の
「予言の書」を見逃すな!!
現在の超情報社会では「過去」と「現在」の膨大な情報を分析しても「未来」は読めない。
実は、予見力とは「現在」を正しく見る力である。
では、どうやって予見力を身につけるのか?
この本を読めば、リアルな未来をイメージできて、「予期せぬ出来事」や「先行きが見えない」ことはなくなる。
未来が見えないのには、理由があるのだ。
本書は、4章から構成されています。
各章の終わりにその章のポイントについて要約してまとめてあります。
ざっと各章の概要を紹介します。
第1章では、「予見力とは何か?」
と題して、予見力とは『未来から現在を見る力』と説いています。
また予見力とは「現在の状況を正しく認識して未来を見つめる力」とも説いています。
人間の脳の仕組み(脳機能の情報処理)と関連付けて、多くの人は、「過去から現在を認識している」ので未来につながる現在を見れていないのだと説いています。
「時間は未来から現在、過去に向かって流れている」:未来が「因」であり、現在や過去が「果」であるとの観点から「未来はすでに起こっている」と考えることと説いています。
そして宇宙全体を見渡すことができる俯瞰的な視点をもつことを「抽象度を上げる」ことで「情報空間においては、過去も現在も未来も同時に存在する」との視点を説いています。
現状の延長線上の未来ではなく、「現状の外側にある『想像できない未来』」を臨場感を持ってイメージすることができれば、現在の世界の認識の仕方が劇的に変化すると説いています。
さらに未来に強い臨場感を持つことができるとホメオスタシスの作用により脳がかってに「とんでもない未来」を実現するための「とんでもない決断をしてくれ、あなたを未来へ導いてくれる」としています。
第2章では、「予見力トレーニング」
と題して、「未来が見えない原因」を分析し、それらの問題を解決するためのトレーニングを解説しています。
「未来が見えない原因」について以下の3点を取り上げ、解説しています。
- 過去からの視点のスコトーマ(:心理学的盲点)の問題
- (特定のタスクを処理する枠組みの)現在の「フレーム」に慣れすぎている(スコトーマになっている)
- 抽象度のレベルが上げられない
また解決のための方法として、過去から培ってきた価値観をトコトン否定するトレーニングについて以下の方法を説いています。
- フレームを再構築し、スコトーマを外すための「あまのじゃく」トレーニング
- 抽象度を上げるための「物事を立体的に見る」トレーニング
- 臨場感を高める「未来の世界にリアリティを感じる」トレーニング
第3章では、「予見力で日本を変革する」
「実践的トレーニング----ドクター苫米地の場合」
と題して、『日本を平和で豊かな国にする』とのテーマで予見力を使っての実践的なトレーニングを説いています。
- 日本が唯一の国連の常任理事国になる
- 核保有工から原子力潜水艦を1台ずつリースする
- 世界経済フォーラム(通称ダボス会議)を日本で開催する
- 円建てでアメリカ国債を買いまくる
といった予見力の実践から派生する4つの近未来のイメージと4つの日本の国政近未来を論じています。
第4章では、「予見力によって見える未来」
と題して、筆者が予見力をもって思い描いている以下のような『常に現状の外側で起こる』『想像もできない未来』について臨場感を持って説いています。
- 人間の寿命が200年になる
- 人間の定義が変わる(「情報的存在」になる)
- 人間はコピー可能で不老不死に
また以下の二つのシナリオを思い描き、筆者は、第2の未来が実現すると確信しているとし、「戦争と差別のない未来」のために日々さまざまな活動をしていると説いています。
- (第1のシナリオ)
権力者は破壊者となり人類は滅亡する
- (第2のシナリオ)
人類は滅亡しない
<<本書で何が学べるか?>>
本書では、「予見力」をテーマに「現在」を正しく見る力をどのように身に付けるかを説いています。
予見力は、超情報化社会を安全かつ的確に航海するための”地図”であり”コンパス”であり”航海術”と説いています。
「予見力」とはどのようなものかを明確にした上で、「未来が見えない原因」を分析し、それらの原因系の問題を解決するためのトレーニング等を解説しています。
本書では、実際に苫米地氏の予見力に基づいた現状の延長を飛び越したかなり大胆なイメージとなる人類、日本の未来像などを公開しています。
<<まとめ>>
本書は、自分を変えたいと思っている人には、是非、読んで頂きたい一冊です。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 予見力とは何か?
第2章 予見力トレーニング
第3章 予見力で日本を変革する 実践的トレーニング----ドクター苫米地の場合
第4章 予見力によって見える未来
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- 2009年10月30日
- 脳科学 | ビジネス、自己啓発、スキルアップ
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