今年の12月に新しいリスクマネジメント規格であるISO 31000 : 2009Risk managementprinciples and Guidance)およびリスクマネジメント用語に関するISO ガイドGuide 73 : 2009が発行される予定となっています


ISO 31000 :2009規格は、経営の最適化を目指し、リスクを管理するために不可欠な要素を実施するフレームワークとリスク管理プロセスの両方を継続的に改善していく、フレームワークの指針を提供している国際規格で本書の言葉を借りると「リスクマネジメントを経営意志徹底のための仕組みとして位置づけ、定めた経営目標の達成の妨げや不確かさをリスクと認定して最適化を図るマネジメント規格」になります。


2010年には、対応のJIS規格が制定される見込みになっています。


すでに、1995 年の阪神淡路大震災を機に制定されたJISQ2001:2001:「リスクマネジメントシステム構築のための指針」のJIS規格がありますが、このJISQ2001の発展系としてISO 31000:2009のJIS規格が制定されるような状況と思われます。


このISO 31000のFDISをベースにリスクマネジメントの本質の理解のためにリスクマネジメントについて体系的に解説している本を紹介します。


<<ポイント>>


これからの時代に必須となる経営の最適化と目標を達成するためのリスクマネジメントについての解説書


本書では、


ISO 31000で提示されているリスクマネジメントの考え方


を中心に様々な形態で適用されているリスクマネジメント


についてリスクマネジメントの有効活用の観点から体系的に


リスクマネジメントの持つ本質論とは何かを説いています。


本書:「リスクマネジメント」です。


目標達成を支援するマネジメント技術」との副題が付いています。


本書は、著者:野口 和彦 氏、ならびに(財)日本品質管理学会(JSQC=Japanese Society for Quality Control)の監修にて、2009年11月に日本規格協会より「質(品質)」をテーマとした教養講座シリーズの「JSQC選書」の一冊として発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれています。


ISO 31000

国際的なリスクマネジメント規格で学ぶ”いろは”

企業価値・社会価値の増大化を支援する

有効なリスクマネジメントをナビゲート


本書は、7章から構成されています。


解説文には、適度にイラスト、フロー図、概念図といった図表が挿入され分かり易さに配慮した丁寧な解説となっています。


本書の概要をざっと紹介します。


最初に「リスクマネジメント」が何かを考察するとして、本質を理解することの重要性を強調し、ISO 31000:2009ISO Guide 73:2009の考え方を中心にこれまでのリスクの考え方の推移を概観し、リスクマネジメントの「価値を創造する」との本質部分を説いています。


そして、リスク源、ハザード、ペリル、危機といった関連用語やBCM(Business Continuity Manegement:事業継続マネジメント)などとの違い関係等を解説しています。


また社会的にリスクマネジメントが必要になってきた「リスクの増大といった組織環境の背景」を組織のリスク例などを交えて整理し、また既存のマネジメントの手法の課題を考察しています。


リスクマネジメントのこれまでの変遷について


  • 「保険を含んだファイナンスのリスク管理手法」
  • 「社会や消費者へのリスクを考える安全等の分野で用いられる手法」

との2つの流れがあるとした上で、各国(オーストラリアとュージランド、カナダ、英国、日本)のリスクマネジメント規格について概観し、ISO 31000の今日までの規格開発の経緯、ISO 31000の概要、同規格の構造とプロセスについて例えば以下のようなISO 31000の特徴をクローズアップしながら解説しています。


  • リスクの影響を好ましくない影響に限定していない
  • リスクを目標達成に影響を与える要素として把握
  • リスクに影響を与える環境の調査をリスク分析に先立って求める

ちなみにFDISのISO 31000の目次は、以下のような構成になっています。


序文
1. 適用範囲
2. 定義
3. 原則
4. 枠組み
4.1 一般
4.2 指令とコミットメント
4.3 リスクを運用管理するための枠組みの設計
4.4 リスクマネジメントの実施
4.5 リスクマネジメントの枠組みの監視及びレビュー
4.6 リスクマネジメントの枠組みの継続的改善
5. プロセス
5.1 一般
5.2 コミュニケーション及び協議
5.3 組織の状況の確定
5.4 リスクアセスメント
5.5 リスク対応
5.6 監視及びレビュー
5.7 リスクマネジメントプロセスの記録作成


そして本書の4章では「最新のリスクマネジメントの導入・実践
と題して、「リスクマネジエント導入のための組織環境整備」→「リスクマネジメントプロセスの要点−リスクアセスメントの概要」→「リスクマネジメントプロセスの要点−リスク対応の要点」といった構成でISO 31000をガイドラインとするリスクマネジメントを組織に導入し、実践していくベースとなる考え方と手順について解説しています。


ISO 31000は、リスクマネジメントについてのガイドを規定する規格で、マネジメントシステム部分について規定されていないとして、本書の5章で、筆者の推奨するリスクマネジメントシステムとしての構築方法を説いています。


とくになぜマネジメントシステムを構築することが必要かを考察し、中小規模の組織にも適用できる効率的なリスクマネジメントシステム構築のための方法論とステップ、そこで留意すべきポイント等を交えて解説しています。


またISO 31000は、好ましくない影響のみを扱うリスクマネジメントシステムとしても利用できるとして、


安全、セキュリティ等の既存のリスクマネジメントを支援する仕組みとして利用できるとの観点から好ましくない影響を与える重要なリスクを見分ける視点、好ましくない影響に対するマネジメントの各ステップの概略、また組織をまもるための危機管理とリスクマネジメントとの連動、さらには危機管理の準備対応といった事項を解説しています。


さらに経営に必要なリスクマネジメントの視点を考察し、短期的な利益確保ではなく、長期的で組織最適化の視点からのリスクマネジメントの実施の重要性から経営・現場・マネジメントシステムのつなぎ役としてのリスクマネジメント等を考察しています


本書の「おわりに」で筆者は、リスクマネジメントの心得について言及し、「敵を知り己を知らば百戦危うからず」とし、組織に潜在するリスクを把握し、組織が到達する目的を確認できているということで、スタートとゴールの双方を知って進むべき道が見えてくるはずと述べています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、企業価値・社会価値の増大化を支援するための有効なリスクマネジメントであるISO 31000を中心にそこで提示されているリスクマネジメントの考え方からこれまでに様々な形態で適用されているリスクマネジメントを概観すると共にリスクマネジメントが果たすべき本来の機能・本質部分を考察しながらリスクマネジメントを体系的に解説しています


<<まとめ>>


企業価値・社会価値の増大化を支援するためのリスクマネジメントISO 31000に関心がある人は、是非、本書を読んでみて下さい


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 リスクマネジメントとは何か
第2章 リスクマネジメントが必要となった社会背景と既存手法の課題
第3章 リスクマネジメントの変遷
第4章 最新のリスクマネジメントの導入・実践
第5章 効率的なリスクマネジメントシステムの構築
第6章 好ましくない影響に対するリスクマネジメントの概要
第7章 組織経営の改革


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