顧客満足(customer satisfaction)について『顧客の要求事項が満たされている程度に関する顧客の受けとめ方』とJIS Q 9000:2006では、定義されています。

ただし、その注記で「顧客の苦情がないことが必ずしも顧客満足度が高いことを意味するわけではなく、逆に顧客要求事項が顧客と合意され、満たされている場合でも、必ずしも顧客満足が高いことを保証するものではない。」との企業視点と顧客視点の顧客満足の意識の違いを示唆した奥深い内容になっています。

本書の「まえがき」によるとこの顧客満足に関する本は、Amazonの検索でも3,000件を超えるとのこと。

これまでにも顧客満足について幅広い観点から論じられてきています。

マーケティング、サービスマネジメントの専門家として経済産業省・サービス産業生産性協議会/CSI(日本版顧客満足指標)開発ワーキングループなどで主査を務める筆者:小野 譲司 教授が、文庫本で、「顧客満足とは何か?」との本質論の確認から「顧客満足を経営にどのように織り込み、マネジメントとして実践していくためのノウハウ」までの顧客満足に関わる基本と実践のための主要なトピックスについて幅広く論じ、解説している本を紹介します。

<<ポイント>>

顧客満足の理論から実践ノウハウまでを幅広く解説した顧客満足のマネジメントの入門書

本書では、

顧客満足とは何か?との顧客満足の捉え方の考察にはじまり、

満足・不満足が生まれる仕組みといった心理プロセスを解き明かし、

顧客満足の調査方法、サービス向上や組織づくりに生かすポイント

さらには顧客満足を追求しすぎる機能疲労のリスク、

顧客とともに価値を生み出す価値共創

などの新たな挑戦課題についても考察しています。

本書:「顧客満足[CS]の知識」です。

本書は、著者:小野 譲司氏にて、2010年4月に日本経済新聞出版社より「日経文庫」の一冊として発行されています。

<<本書のエッセンスの一部>>

本書の帯には、以下のように書かれています。

顧客ロイヤリティを強化する

理論から実践ノウハウまでわかる!

満足や不満足が生まれる仕組み、調査方法

サービス向上や組織づくりにいかすポイントなど

幅広く解説


本書は、7章から構成されています。

途中に「COFFEE BREAK」が挿入され、『伝説化する顧客満足』といったトピックスが取り上げられています。

最初に「顧客満足とは何か」とのテーマで顧客満足のマネジメントに関する「顧客の満足や不満足が自社のビジネスにどのような影響をもたらすか、顧客満足を高めることが本当に利益につながるか」といった身の回りからの考察、CSのメカニズム、顧客満足の現代的な課題といった主要な論点について概観し、考察しています。

次いで、「顧客満足の捉え方」に関して、歴史的な流れを辿りながら、企業(業種、職種・階層など)と顧客(バイヤー、ペイヤー、ユーザー)の視点では異なる顧客満足の捉え方の違いに焦点を当て、顧客満足の本質について考察しています。

また「戦略ロジック:CSは利益に結びつくか」について、市場シェアと顧客満足とを対比しながら検討すると共に顧客満足がもたらす効果について顧客関係の指標(メトリクス)としての心理、行動、収益性の局面から考察しています。そして、以下のような顧客満足を起点とした戦略ロジックを考察しています。

  1. 顧客満足→再購買(顧客維持)→収益(+)とコスト(-)→利益
  2. 顧客満足→クチコミ→紹介による新規顧客獲得→収益(+)とコスト(-)→利益

そして、「顧客満足の心理プロセス」について、商品やサービスに対する顧客の満足・不満足は、顧客がその商品・サービスから得られると事前に期待した水準(期待水準)と、実際に体験を通じて感じた知覚水準、そして、これらの期待水準と知覚水準が一致した度合いによって決まるとの「期待-不一致モデル」の理論等について具体事例を交えて解説しています。

CS調査の実践」に関して、顧客満足は目には見えない漠然としたものであり顧客の主観的な評価から妥当性があり、再現性・信頼性の高い調査をどのように実践するかをCSリサーチのプロセス実施データ分析と意志決定ベンチマーキングのそれぞれの軸から解説しています。

また、「CS志向の組織づくり」とのテーマについて、顧客満足を実践する組織における顧客満足の組織的な対応プログラムについてサービス・プロフィット・チェーン、組織と仕組みの革新、さらには、ギャップ分析によるボトルネックの発見、部分最適と全体最適といった縦串、横串の観点から解説しています。

さらに「さらなるマネジメント課題」として、高い満足を追求しすぎることによるリスクに照準をあて、以下の3つの問題を軸に考察しています。

  1. 顧客を満足させることが本当にロイヤリティを高め、企業の収益に貢献するのか?という顧客戦略の問題
  2. 商品・サービスの価値を高めるために様々な機能を織り込み高めることが本当に顧客の満足を高めるのか?という機能疲労の問題
  3. 顧客は、価値を受け身的に消費するだけでなく企業と共に価値を共創するとの価値共闘の問題


<<本書で何が学べるか?>>

本書は、顧客満足の本質を考察し、顧客満足のための企業の実践ノウハウを説いている顧客満足の入門書です

企業と顧客の視点では、異なってくる顧客満足の捉え方から、顧客満足と不満足といった違いがどのような心理プロセスから生まれるかなど丁寧に解説しています。

また顧客満足の調査法、サービスや商品の品質向上にどのように結びつけたら良いか、組織としての顧客満足マネジメントは如何にあるべきかなどを事例を交えて実務的な面からも分かり易く解説しています。

<<まとめ>>

本書は、顧客満足のマネジメントに関心があるビジネスパースンには読んで頂きたい一冊です

なお本書の目次は、以下の内容です。
1. 顧客満足とは何か
2. 広がる顧客満足の捉え方
3. 戦力ロジック:CSは利益に結びつくか
4. 顧客満足の心理プロセス
5. CS調査の実践
6. CS志向の組織づくり
7. さらなるマネジメント課題
リーディングガイド
参考文献

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