ISO 9000:2005(JIS Q 9000:2006 「品質マネジメントシステム−基本及び用語」)による『マネジメント』の用語の定義(3.2.6)は、『組織を指揮し、管理するための調整された活動』ですが、「ザ・マネジメント」との強調したタイトルを含む「日常業務」から「事業計画」等のマネジメントをテーマにした本書の「まえがき」で筆者:福丸 典芳氏は、本書の意図する点について以下のような論旨で述べています。

組織内外の環境(グローバル化、新製品・新技術の開発競争、円高、環境問題などへの対応等)が刻々と変化している状況にある。

この事業環境に対応するためには、変化に耐え得る頑強な日常業務及び事業計画のマネジメントを効率的に行うことが必要だが、中小規模の組織では、マネジメント力の開発・維持が困難である。

このような事態を打破するためには、事業活動に明確なプロセスをどのような方法で設計しマネジメントすれば、目標とする成果を上げることができるのか、組織が持続的に成功するために必要な事業計画をどのようにマネジメントすれば、経営戦略を達成することができるのかについてのアプローチの方法を確立しなければならない。

事業計画のマネジメントに関する方法論は、すでに書籍、ISO規格、JIS規格、マネジメントについても書籍で【日常管理】、【方針管理】として基本的な考え方等は、確立されている。

しかし本書では、管理という用語にアレルギーを感じている人々がいることも考慮し、これらの用語は使用しないで、組織で日常的に使われているマネジメントという用語を使用して、経営戦略を達成することができるのかについてのアプローチの方法に関わる『日常業務から事業計画等のマネジメント』を解説したとのこと。

<<ポイント>>

事業成果を上げるための効果的で効率的な日常業務および事業計画のマネジメントについての考え方や、設計・策定方法、プロセス改善のツール、マネジメントシステムのモデルなどを含むマネジメントの解説書

本書では、

日常業務のマネジメントおよび事業計画のマネジメントの考え方や、設計・策定方法の解説にはじまり、

是正・予防処置、プロセス機能展開、QC七つ道具などの統計的手法、QCストーリー、ISOマネジメントシステム規格の内部監査といったプロセス改善のための各手法の解説、

またISO 9001、ISO 9004、JIS Q 9005、デミング賞のモデルなどのマネジメントシステムのモデルの解説、

さらには、要員の力量、マネジメント能力の開発プログラムといったマネジメントに関する知識の学習までを

自習書、教育用テキストとしての活用の観点の観点も含め、多数の図表を交えて分かり易く解説しています。

本書:「職場を活性化するザ・マネジメント」です。

本書は、著者:福丸 典芳氏にて、2010年8月に日科技連出版社より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>

本書は、5章から構成されています。

本書では、全般的にISO 9000、ISO 9001、ISO 9004、JSQC、JIS Q 9005などの引用をはじめ、概念図など多数の図表を交えてマネジメントの基礎をしっかりと学べる展開となっています。

また手順の解説なども、ステップを追っての具体的で実務的な分かり易い解説となっています。

以下で本書の内容を外観してみます。

日常業務のマネジメント」に関して

日々の業務活動を一般的に【日常管理】というが、ここでは【日常業務のマネジメント】とするとの確認、またJSQC((社)日本品質管理学会)による【日常管理】の定義の解説からはじまり、

  • 仕事の品質/質
  • SDCAのサイクルと仕事の標準化
  • プロセスの考え方とマネジメントを効果的なものとするためのプロセスの設計
  • 実施例を交えてのプロセスの機能展開の手順
  • プロセスの有効な評価と改善に関わる方法

といった事項を解説し、最後に「日常業務のマネジメントのポイント」を箇条書きでまとめています。

事業計画のマネジメント」に関して、

PDCAサイクルに基づく事業計画のマネジメントプロセスの基本の考え方の全体像を概観した上で、以下の各ステップについて、JSQC、JIS Q 9005、JIS Q 9006、JIS Q 9023の定義など交えて、考慮すべき事項、具体的な方法・手順等を詳解しています。

  • 経営戦略の策定
  • 事業戦略(事業環境分析、市場及び顧客分析、製品・サービス分析、組織能力像の作成と自己評価、経営資源の配分、リスク分析など)の策定
  • 中長期計画の策定
  • 年度事業方針の策定
  • 年度計画の目標(利益、売上、原価、品質などのKPIの設定など)および方策(手段)の策定
  • 事業計画の実施
  • 事業計画のレビュー

ここでも最後に「事業計画のマネジメントのポイント」を箇条書きでまとめています。

プロセス改善のツール」に関して、

日常業務のマネジメント」と「事業計画のマネジメント」のための以下の各ツールの手法について考え方と手順を解説しています。

  • 是正処置
  • 予防処置
  • プロセス機能展開
  • 統計的手法(QC七つ道具、QC七つ道具の活用によるプロセスの監視・測定、新QC七つ道具、実験計画法)
  • 問題解決型QCストーリー
  • 課題達成型QCストーリー
  • ISOマネジメントシステム規格による内部監査
  • マネジメントシステムの成熟度調査

マネジメントシステムのモデル」について、

ISO9000によるシステム、マネジメントシステム、品質マネジメントシステムの定義、JSQCによるTQMの定義などを確認した上で以下の「マネジメントシステムのモデル」のついての原則の考え方、各要素等を解説しています。

  • ISO 9001
  • ISO 9004
  • JIS Q 9005
  • デミング賞

また「マネジメントに関する知識の学習」に関して、プロセス分析力を向上させる「有効性に着目した内部監査」などの5つの管理層のための「マネジメント能力の開発プログラム」について解説しています。


<<本書で何が学べるか>>

本書では、職場を活性化し事業成果を上げるための効果的で効率的な日常業務および事業計画のマネジメントについての考え方や、設計・策定方法、プロセス改善のツール、マネジメントシステムのモデルなどマネジメントの基本となる考え方、手法、手順を学ぶことができます。

本書は、マネジメント研修の自習書として、社内研修テキストとしても格好の一冊です。


<<まとめ>>

本書は、企業のマネジャーなどの立場の管理層の方には、是非、読んで頂きたい一冊です


なお本書の目次は、以下の内容です。
1章 日常業務のマネジメント
1.1 仕事の質
1.2 仕事の標準化
1.3 プロセスの設計
1.4 プロセスの評価および改善
1.5 日常業務のマネジメントのポイント
2章 事業計画のマネジメント
2.1 事業計画のマネジメントアプローチ
2.2 経営戦略の策定
2.3 事業戦略の策定
2.4 中長期計画の策定
2.5 年度事業方針の策定
2.6 目標および方策の策定
2.7 事業計画の実施
2.8 事業計画のレビュー
2.9 事業計画のマネジメントのポイント
3章 プロセス改善のツール
3.1 是正処置
3.2 予防処置
3.3 プロセス機能展開
3.4 統計的手法
3.5 問題解決型QCストーリー
3.6 課題達成型QCストーリー
3.7 ISOマネジメントシステム規格による内部監査
3.8 マネジメントシステムの成熟度調査
4章 マネジメントシステムのモデル
4.1 組織のマネジメントシステム
4.2 ISOで定義する品質マネジメントシステム
4.3 JIS Q 9005のモデル
4.4 デミング賞のモデル
5章 マネジメントに関する知識の学習
5.1 要員の力量
5.2 マネジメント能力の開発プログラム
参考・引用文献


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