伽藍(がらん)を捨ててバザールに向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。

というのが今日の残酷な時代を生き延びるための本書で説く成功哲学。

このテーマは、会社から左右されない経済的自立のためフリーランスとしてマイクロ法人化し、法人のメリットを活かしたもうひとつの (オルタナティブな)生き方を説いた筆者:橘 玲 氏の前著の『貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』([ISOの本棚」で紹介)とも一貫した考え方。

貧乏はお金持ち」では、税務、ファイナンスといった側面に焦点を当てていたが、本書では、新しい成功哲学の考え方を取り上げています。

現状の社会は、ワーキングプア、無縁社会、孤独死、引きこもり、自殺者年間3万人超などとどんどん生きにくく残酷になっています。

やればできる」という自己啓発だが、筆者はこのように断言しています。

人格改造のための書籍とかさまざまなセミナーやプログラムが宣伝されている。

でも、これらはたいてい役には立たない。

多くの自己啓発書が説くような努力や訓練や方法論では、変わることはできない

人の根っこのところはそう変わるものではなく、なかなか「やってもできない」ということも事実。

しかしそれではこの残酷な世界を生き延びることはできないことになる。

必要なのは、「やってもできない」という事実を受け入れた上でそれでも幸福を手に入れるという生き方ではないかと。

そのための成功哲学を説いています。

<<ポイント>>

伽藍を捨ててバザールに向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。』と残酷な時代を生き延びるべく新たな成功哲学を説く本。

本書では、最初に勝間さん×香山さんの論争を取り上げ、自己啓発の時代を論じていきます。

遺伝学、心理学、脳科学などを紐解きながら「能力は向上するか」そして「自分は変えられるか」を考察し、「能力の増強はできない」「わたしは変えられない」と結び、展開していきます。

そして、「他人を支配できるか」「幸福になれるか」と幅広い社会現象を交え論じた上で、

会社などの伽藍(閉鎖空間)から飛び出してフリーなマーケット:バザール(開放空間)の中で自分の好きを仕事にしてロングテールの中で突出し、自分の価値を買ってくれるビジネスモデルをつくり上げるという戦略と生き方:『伽藍を捨ててバザールに向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。』を説いています

フリーランスとしてマイクロ法人化し、法人のメリットを活かしたもうひとつの (オルタナティブな)生き方をとの前著に繋がる主張をしています。

本書:「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」です。

本書は、著者:橘 玲 氏にて、2010年9月に幻冬舎 より発行されています。

<<本書のエッセンスの一部>>

本書の帯には、以下のように書かれています。

伽藍を捨ててバザールに向かえ!

恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!

 ワーキングプア、無縁社会、孤独死、引きこもり、自殺者年間3万人超など、気がつけば世界はとてつもなく残酷。だが、「やればできる」という自己啓発では、この残酷な世界を生き延びることはできない。必要なのは、「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる、新しい成功哲学である

「この世界が残酷だということを、ぼくは知っていた。…」ではじまる本書の「はじめに」で、筆者は、現在のグローバルな能力主義に象徴される社会の状態について触れ、「能力は開発できる」「私は変われる」「他人を操れる」「幸福になれる」というのが自己啓発による福音だが、『能力開発によってほんとうに全ての人が救われるのだろうか?』と問題提起する。

そして残酷な世界を生き延びるための成功哲学は以下のたった2行に集約できると余韻を残す。

伽藍を捨ててバザールに向かえ!

恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!

序章で勝間さん×香山さんの論争を取り上げ、自己啓発によって「能力の増強はできない」「わたしは変えられない」とし、

「やってもできない」ひとのための成功哲学は、スティーブン・ピンカーの言葉を引用しながら、本書の立場について以下のように述べている。

もしもぼくたちの人生が「やればできる」という仮説に拠っているならば、この仮説が否定されれば人生そのものがだいなしになってしまう。それよりも、「やってもできない」という事実を認め、その上でどのように生きていくかの、「成功哲学」をつくっていくべきなのだ。

第1章から第4章で、自己啓発による以下の4つの福音が果たしてどうなのかについて、遺伝学、進化心理学、大脳生理学、脳科学などから「しっぺ返し戦略」「洗脳」「カオス理論」「チャルディーニの”影響力の武器”」「評判獲得ゲーム」……といったロジック・理論などを取り上げながら、「これらの目標に到達する技術(スキル)は存在するか」、「そしてそれは、努力によって習得可能か」と問いかけて、否定的に検証していくという展開になっています。

  • 能力は開発できる?
  • 私は変われる?
  • 他人を操れる?
  • 幸福になれる?

そして「やってもできない」人のための「成功哲学」に関係して以下のように述べている。

グローバルな能力主義の世界では、マックジョブが嫌なら「好き」を仕事にするしかない。とはいえ、好きなことで大金を稼げるのはビジネス能力に恵まれたごく一部のひとたちだけだ。これはものすごく不公平なことだけと、しかたのないことでもある。

それでも能力があろうがなかろうが、誰でも好きなことで評判を獲得することはできる。

だとしたら必要なのは、その評判を収入につなげるちょっとした工夫だ

そして終章で以下のように問いかける。

「好き」を仕事にしたいなら、ビジネスモデル(収益化の仕組み)を自分で設計しなくてはならない。

グーグルやアップルやアマゾンやその他さまざまな新時代のサービスが、そのためのインフラを用意してくれている。

それを活用して幸福の新しい可能性を見つけられるかどうかは、君次第だ。

似たものが互いを引き寄せるなら世界であなたと似たひとがあなたの「好きなこと」を評価してくれ、そこで評判を獲得することができる。

ただその評判を収入にどのようにつなげるかには工夫が要る。

本書は、起承転結がはっきりした展開で色々な話題も取り込まれ面白い構成になっています。

若干、自己啓発では、ひとは変われないことの検証側に力点が置かれ、「成功哲学」自体の説明が少し尻切れトンボの印象も残る。

『ビジネスモデル(収益化の仕組み)を自分で設計』と突き放しているが、それでは、『ビジネスモデル(収益化の仕組み)を自分で設計』できないひとはどのように生き延びたらよいかという疑問が残る

「フリーランスとしてマイクロ法人化し、法人のメリットを活かしたもうひとつの (オルタナティブな)生き方」というのが一貫した筆者のテーマになっているので、その辺りも含めて1年に2冊の本を出すとの筆者には、別の本でという構想もあるのかも知れない。

<<本書で何が学べるか>>

ワーキングプア、無縁社会、孤独死…キーワードに象徴される残酷な社会。

その中を幸せを感じて生き延びて行くには。

本書では、「やればできる」という自己啓発ではこの社会を生き延びることができないとし、「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる成功哲学についてそれがどのようなものかを説いています。

読み物としても面白い内容になっています。

<<まとめ>>

本書では、自己啓発に背伸びしてチャレンジしなくとも、ありのままの自分でも幸福を手に入れる成功哲学を説いています。

伽藍を捨ててバザールに向かえ!

恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!

とは、どのようなことなのかに興味を感じた方は、是非、本書を読んで見て下さい。

なお本書の目次は以下の内容です。
序章 「やってもできない」ひとのための成功哲学
第1章 能力は向上するか?
第2章 自分は変えられるか?
第3章 他人を支配できるか?
第4章 幸福になれるか?
終章 恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!



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