突然の北朝鮮からの韓国領・延坪島(ヨンピョンド)への砲撃と韓国の応戦。
終わりのはじまりか 、
一線を踏み超えた瀬戸際外交の仕掛けなのか。
関係国はチキンレースの挑発には乗ることなく冷静に対応して欲しいものです。
我が国では、コップの中の嵐と言えるがこちらも与野党のチキンレース。
口は災いのもと。
地元の後援者へのリップサービスのつもりだったのか。
軽率な発言で前法相が辞任。
人とのコミュニケーションで大切なポイントは、信頼。
訪問営業でも。
就職試験などの面接でも。
挨拶、礼儀、マナーとかの社会人としての基本ができていないとそこで即レッドカードとなるのが常識。
法相としての国民に対する基本マナーを逸脱し、信頼を失う発言。
「~らしくあって欲しい」と思うのですが、そういうことが至るところで崩れてきている時代なのでしょう。
野党は「柳田氏の更迭だけでは、補正予算案の採決には応じられない」として対決姿勢を崩さず補正予算案の成立の見通しが立たないという状況になっています。
ただ朝鮮半島の緊張化の事態でこの与野党のチキンレースは休戦となるようですが。
相変わらすどっちもどっちで。
いつも国民不在。
人材難に見えてしまう政治家をごっそりと入れ替えないと政治はカイゼンされないのかなどと考えてしまいます。
さて、カイゼンと言えば、
カイゼンのツールとしてISO 9001を活用するとの観点から企業・組織の業務についてのムリ・ムラ・ムダを改善していく活動を説いている本を紹介します。
「なぜISO9001でカイゼンなのか」という点について、
筆者の古賀章裕氏は、本書の「まえがき」で以下のように述べています。
なお古賀氏は、多年にわたりISO 9001及びISO 14001ファミリー 等の研修や審査に携わってこられた実績を持つ人。
「企業のシステム・カイゼンのポイントは、経営層が全員参加で、マネジメントシステム規格を使って、双方向のコミュニケーションを図る習慣をつけることである。
つまり”企業のシステムの何をカイゼンすべきか?”の原因分析において、ISO9001を大いに活用することが重要である。」
<<ポイント>>
ISO 9001を組織の業務等のムリ・ムダ・ムラの改善に活かしていく方法を説いている書籍。
最初に本書で用いる用語の定義にはじまり、
ISO 9001を基軸とした
企業のカイゼンの着眼点
「部門型管理システム」運用のムリ・ムダ・ムラのカイゼン。
といった基本的な考え方を説明し、
とくにカイゼンに向けてリーダーとして備えるべき10のマインドと行うべき以下のような活動の要領を説いています。
- “ビジネス(品質)の不都合な結果”のカイゼン
- ISO内部監査の実行
- 日常のプロセス・マネジメント
このようなISO 9001を拠り所としたムリ・ムダ・ムラの改善の極意を説いています。
本書:「ISO 9001を活用した企業・組織のムリ・ムダ・ムラ 改善」です。
本書は、著者:古賀 章裕 氏にて、2010年10月に日本規格協会 より発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の帯には以下のように書かれています。
ISO 9001の条項から
業務カイゼンの糸口が見える!
カイゼンのツールとしてのISO 9001の実力がいま明らかに!
本書は、下の目次にあるように12章から構成されています。
また巻末には、下記の資料が掲載されていて参考になります。
- 「カイゼンの可能性報告書」
- 「品質・環境・安全側面でのマネジメントの関連条項対比表」
- 「企業の”部門型管理システム”をISO 9001で分解し一連の活動を抽出する方法」
- 「当該プロセス・リーダーとして自己反省すべきポイントの例」
本書は、ISO 9001:2008(JIS Q 9001:2008)規格の1.2項の適用のb)項に基づき、自組織のシステムの弱点をカイゼンするためにISO 9001の必要な条項のみを有効活用するとの論を含めて、本書で用いる用語の定義(基本は、ISO 9000として)の説明にはじまっています。
『品質マネジメントシステムの継続的改善のプロセスを含むシステムの効果的な適用、並びに顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項への適合の保証を通して、顧客満足の向上を目指す場合』
例えば、
- 「顧客」は『(内部/外部)お客様』
- 「ムリ・ムダ・ムラ」とは、企業のシステム運用の『有効性及び効率の悪さ』(=『成熟度レベルの低さ』)
としています。
QMSは、『ビジネス(品質)の不都合な結果を』を反省し、カイゼンのためのCDPA(PDCAではなく原因分析→監査(検証)→日常のプロセスマネジメント等)のサイクルをまわすことと理解すべしと説いています。
カイゼンへの活用のためのISO 9001について
- 「プロセスとは何か」のタートル図(ダイアグラム)など参照しての解説。
- ISO 9001の条項を特性要因図に描き、また主要条項を並べ替えて整理。
といった事項を整備し、
『リーダーとして備えるべき“マインドの質”についての10のポイント』をエピソードを交えて詳細に説いています。
とくに以下のリーダーによるカイゼンの極意について伝授しています。
- “部門型管理システム”運用のムリ・ムダ・ムラのカイゼン“ビジネス(品質)の不都合な結果”のカイゼン
- ISO内部監査の実行
- 日常のプロセス・マネジメント
本書では、ISO 9001を活用してシステムの「ムリ・ムダ・ムラ」をカイゼンする活動が良く練られて提案されており参考になります。
ISO 9001が企業のシステム・カイゼンに役だっていることが少ないのではということが本書の執筆の背景となったとの意をまえがきで筆者は述べています。
一般的に組織のQMS改善では、組織のニーズに併せて
- ISO/TS 16949規格を活用する視点。
- ISO 9004を活用する視点。
- タグチメソッド(品質工学)の活用。
- 各種QCツールの活用。
などISO 9001から少し拡散していきますが、色々の有力な方法論の活用も考えられます。
本書では、他の手法を用いなくともISO 9001をベースにこのようにやればカイゼンに役立てるはずとの提示がポイントとなっています。
本書でも100%がISO 9001の規格の要求事項だけかと言うと実際には、それに各種のツールを加味したものとなっています。
また明快さという点への配慮では、多数の事例を交えてシステム・カイゼンのためのISO 9001を活用していく方法論が分かりやすく解説されています。
なかなかの良書である思います。
しかし手法の解説というとこのような姿になるのかも知れませんが、具体的には書かれてあるのですが、どうしても概念的との印象が残ってしまいます。
本書の活動が実践できるためには
- ある程度組織のISO 9001が成熟してきている。
- リーダークラスがそれなりの力量を備えている。
ということが必要だろうと判断されます。
良い手法であることは分かったとしても読者がこの方法を自組織に取り込むとした際に、どうしても効果/費用?を考えてしまうと思います。
こういったことが実践のハードルになるとすれば、
組織の抱えている重要性の高い課題とフィットさせて、本書の一部の方法を取り上げて試行してみることが良いのではないかと思います。
多くの読者が客観的に理屈を超えてこの手法が腑に落ちるためにこの方法に基づく具体的な成功事例等の事実データなどがあるともっと説得力があったのにと感じます。
その辺りは、本書の方法に基づく実施例を取り上げた実践編が企画されることを期待します。
<<本書で何が学べるか>>
本書では、ISO 9001が企業のシステム・カイゼンのための品質マネジメントシステム規格との観点から「部門型管理システム」運用のムリ・ムダ・ムラのカイゼン(つまり部門間の障壁等をプロセス型に転換し取り除くといったこと)などに活用する方法を分かりやすく説いています。
ISO9001を基軸とした業務等のカイゼンに向けての方法論をまとめ含蓄深く説いています。
<<まとめ>>
ISO 9001をさらに上手く活用してカイゼン成果を上げたいと思っておられるリーダー等の皆さんは、是非、本書を読んでみて下さい。
本書が業務カイゼンのトリガーになることと思います。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 本書の前提と本書で使う主な用語の説明
第2章 企業は今、何のカイゼンに着手すればよいのだろうか?
第3章 ISO 9001は「部門型管理システム」運用のムリ・ムダ・ムラのカイゼンに役立つ
第4章 プロセスとは?
第5章 ISO 9001を特性要因図として描く
第6章 ISO 9001の主要な条項の並べ替え
第7章 リーダーとして備えるべき“マインドの質”についての10のポイント
第8章 ISO 9001を使った、リーダーによる“部門型管理システム”運用のムリ・ムダ・ムラのカイゼンの極意
第9章 ISO 9001を使った、リーダーによる“ビジネス(品質)の不都合な結果”のカイゼンの事例研究
第10章 ISO 9001を使った、リーダーによるISO内部監査の実行の極意
第11章 ISO 9001を使った、リーダーによる日常のプロセス・マネジメントの極意
- 2010年11月24日
- ISO9001 | 見える化、改善、ムダ取り、ポカヨケ
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