メガコンペティションが進み、企業環境はますます厳しい状況にあることは変わりません。


とくにメーカーが収益を確保するための手法として


経営資源を技術開発段階に集中させ


タグチメソッドによるパラメータ設計を活用し、開発の効率化を図っていくことは、有力な方法になります。


そこでは、パラメータ設計などタグチメソッドの使いこなし力が必要になります。


パラメータ設計というのは、


システムの要素の設計値を決める際に、


個々のパラメータ(条件)について、


使用上、あるいは製造上の


安定性(SN比)が高く、


ロバストネス(頑健性:すなわちシステムがノイズの影響を受けにくいこと)


を備えた水準値を決めることを意図した設計になります。


タグチメソッドの使いこなしという面から上級者向けに以下の3点を重点ターゲットとしてタグチメソッドの活用を解説している本を紹介します。


  1. 自分でSN比の式を作ることができること
  2. 基本機能の詳細な解説
  3. 2段階設計法の具体的な方法論と完全適用

なおタイトルにもある「上級」との部分ですが、本書は、筆者らによるパラメータ設計の入門書である「入門パラメータ設計」(「ISOの本棚」でも紹介)を既に読了している技術者、技術系管理者、役員を対象とのことです。


<<ポイント>>

タグチメソッドのパラメータ設計のエッセンス部分を上級向けとして説く解説書。


本書では、


最初に、タグチメソッドの基本となる


  • 損失関数
  • 許容差設計

の基礎概念等を分かり易く確認した上で、


以下の3つのポイントに重点を置いてタグチメソッドを解説しています。


  • 「SN比の式」を自分で作れるようになること
  • 「基本機能」についての詳細解説(機能性、基本機能を考えなければならない理由、基本機能の定義など交えての解説)
  • 2段階設計法(すなわち、第1段階でSN比が高いパラメータを決め、第2段階で感度を調整する)の完全適用の方法

さらにタグチメソッドを活用しての企業の開発マネジメントについても言及しています。


本書:「上級タグチメソッド」です。


タグチメソッドの真髄を3つのポイントから重点的に明快に解説」との副題が付いています。


本書は、著者:中野 惠司氏、井上 清和氏、大場 章司の共著で2009年12月に日科技連出版社より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>

本書は、下記の目次のように7章から構成されています。


また付録として、直交表でよく用いられるものが巻末に添付されています。


ざっとした構成は、第1章、第2章がタグチメソッドの入門編との位置づけとのことで、損失関数や許容差設計等の基本的な考え方の解説になっています。


タグチメソッドにおける品質の定義を一般的な品質と対比しての解説にはじまり、損失関数、安全係数、許容差設計(許容差の決め方:特性をばらつかせている原因の除去)の基本的な考え方を解説しています。


次いで、「SN比と感度の式」をどのように作成すれば良いかという点について、


  • 静特性/表示因子/表示因子がある場合
  • 動特性(ゼロ点比例式)/表示因子がある場合

の方法を解説しています。


また「基本機能」について概観した上で、基本機能を導き出すための手順、目的機能と基本機能といった流れで解説しています。


  • 基本機能を用いることの利点、
  • ユーザーサイドでの使用条件に対する信号因子と誤差因子に関わる考え方、
  • 電源回路等の各種技術での基本機能、
  • 化学反応の基本機能の考え方としての動的機能

といった展開になります。


パラメータ設計を行う際に知っておいた方がよい知識として逐次近似法分割型SN比による取扱について解説しています。


最終章が本書のまとめとしての位置づけにもなっています。


タグチメソッドを用いた効率的な開発の進め方について論じています


ここでは、


  • 2段階設計法の完全適用と機能性評価、
  • 開発にタグチメソッドを組み込むためのマネジメント、
  • 技術開発段階、商品企画段階、商品開発段階との開発のフェーズに対応したタグチメソッドを組み込んだ開発

について解説しています。


本書の各章の終わりには、演習問題が付いていますが、上級編だから解答は用意していないとのことで各自が考えるガイドにして欲しいとしています。


本書の「はじめに」で


「本書は難しい。

一読しただけで本書のすべてが理解できることは先ず無い」


としています。


と紹介すると本書を手にするのに尻込みする読者があるかも知れませんが、本書は、決してそんなにハードルが高い内容とも感じられませんでした。


パラメータ設計」を一読した上でないと本書の理解が困難というものようなものでは無いと思います。


その昔、経路積分や、素粒子の反応を図示化したファインマン・ダイアグラムの発案でも知られるリチャード・P・ファインマン(Richard Phillips Feynma)がカリフォルニア工科大学時代の講義内容をもとにした、物理学の教科書で、『ファインマン物理学』というのがありました。


この本は、分かりやすさと読者を惹きつける軽妙な語り口から世界中でヒットしました。


私もかってこの本で勉強し、物理学が好きになりました。


専門書のなかには、読者を余り意識することなくマイぺースで、敢えて難解に書いて煙に巻くようなものもあったかも知れません。


情報化時代で読者の選択肢が多くなって、そういうものは、受入れられない時代になっていると思います。


そんなことから専門書といえども、またたとえその扱っていることが難しいことであっても如何に平易に説明できるかが筆者の力量だと思います。


その面では、本書は分かり易く書かれているのではないかと思います。


筆者らは、コンサルタントをされているとのこと。


クライアントの支援を通してタグチメソッドのどのような点が分かり難いとしているか等の急所を日常的に良く把握されているので分かり易い説明ができているのだと思います。


<<本書で何が学べるか>>

本書では、機能性の評価技術としてのタグチメソッドのなかでも開発・設計段階のオフラインに関わるエッセンスを以下の3つの目的を中心に解説している上級向けのタグチメソッドの解説書になります。


  • 「SN比の式を自分で作ることができる」
  • 「基本機能の明確化解説」
  • 「2段階設計法の完全適用」

事例の解説を交え、数学的な取扱も比較的少なくして分かり易く解説しています。


<<まとめ>>

本書は、タグチメソッドの設計・開発への活用に関心がある技術者、技術系マネジャー、技術系経営者にはお奨めの一冊です。


タグチメソッド(とくにパラメータ設計)についての何らかの入門書と併せて読まれることが必要かも知れません。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 損失関数
第2章 許容差設計
第3章 静特性のSN比と感度の式を作る
第4章 ゼロ点比例式のSN比と感度の式を作る
第5章 基本機能
第6章 知っていると良い他の知識
第7章 タグチメソッドを用いた開発の進め方
付録 直交表


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