東日本大震災から1ヶ月が経過しようとしている。
しかし福島第1原子力発電所の状態は、なかなか好転していく気配が見えない。
東京電力の発表では、7日深夜の余震で1号機の計器が故障したとしている。
余震の直後に、原子炉圧力容器の温度計と格納容器の放射線計の数値が共に急上昇したとのこと。
8日午前6時の温度は、セ氏260.7度と余震前の7日正午に比べて36.9度上がり、放射線量も3倍の毎時100シーベルトになった。
この「数値の変動幅が大きい」ことから計器が故障していると判断したようだ。
だが「数値の変動幅が大きい」ので計器が故障というのは、とても妥当な判断とは思えない。
値が固まり動かなくなったとかであれば別だが、温度計の機械的損傷による故障が起こる場合には、測定値が0になるか∞(無限大)になるのが一般。
温度計は、故障していないと考えるべきでは。
温度の値は、260.7度と高い精度で計測されており、放射線量の3倍の毎時100シーベルトになったことと連動し、両者の大きな変化は、整合しているように思われる。
7日深夜の余震によって圧力容器内の温度が高い値となり、格納容器の放射線量が急上昇する何らかの事象が起こったとも見られる。
1号機の圧力容器では、内部にたまった塩により循環が著しく妨げられているということがある。
ホウ酸も有効に働いているのだろうか。
燃料棒からの核分裂生成物による崩壊熱だけでなくウラニウムの核分裂熱の影響が加算されたことによる温度上昇という懸念はないのだろうか。
1号機の燃料棒の損傷は、70%とされている。
この地震により、損傷していた燃料棒の破片が圧力容器の底部に落ちて塊のような状態になりたまたま一部が再臨界のような状態となったがそれは継続せず臨界は停止したとする見方もできる。
これまでにも1号機では、温度が上がったり下がったりとのデータが公開されていたが圧力容器内の底部では、部分的な再臨界と臨界停止の状態とが繰り返されているのではとの懸念もある。
圧力容器内の中性子の線量データが不明なのでこの辺の状況は、推測になる。
既に1号機の格納容器内での水素爆発の予防とのことで窒素で水素と酸素をパージするとのことで窒素の注入が実施されている。
この格納容器内の酸素は、どこから来たものか。
格納容器が健在とすれば、圧力容器内での水の分解により生成したものということになるのだろうか。
米ハネウエルの無人ヘリコプター「Tホーク」で建屋の上部から内部の映像を撮影することが計画されている。
なかなか出口が見えない綱渡りの状態が続くが、スーパーリーダーの登場でゴールが見える工程表に基づくスタートが切れる状態へとシフトできないものだろうか。
安岡正篤氏は、
決断力・実行力を持った知識あるいは見識が【胆識】。
永続的な理想、目標となる志をもつことを【操】。
きびきびとした締めくくりで仕事をすることを【節】。
としています。
この難局を越えられる胆識があり節操のあるリーダーが強く望まれる。
しかし「見識すらなく無節操」とかないものねだりを言っていても駄目だろう。
国のレベルでも個人でも新たなグランドデザインのもと再生に向けてのスタートを切っていくことが大切。
グランドデザインには、何を本質として変えないで何を時代に合わせて変化させていくかの不易流行の観点が必要。
不確実な未来といっても現在のどこかに未来につながる兆候は常にあり、また歴史、先人の知恵とかが教えてくれるところは多い。
東日本大震災の想定外の大津波も先人の伝承などが知恵を残してくれていたが。
天災プラス人災で、技術を過信したり、コストを優先にしたりと間違いを起こしてしまう。
現代を生きるヒントや大切なことを歴史上の人物が教えてくれるとし、黒金ヒロシ氏が織田信長から宮本武蔵まで36人の人物について語っている本を紹介します。
テレビ朝日系列「SUNDAY!スクランブル」の黒金ヒロシ氏コーナーの内容が書籍化されたもの。
<<ポイント>>
黒金ヒロシ氏が歴史上の人物から学ぶ現代を生きるためのヒントを説いている本。
本書では、【織田信長】『OH!ダ!NO!武・名・我』と題しての織田信長のエピソードの解説からはじまります。
織田信長の一般的な雑駁(ざっぱく)なイメージは<大胆にして好戦的、激情家にして残虐>といったもの。
しかしながら実像は違っており、
「人材登用の妙、兵農分離のアイデア、鉄砲への着目等々」
先見性を備え既得権益の破壊を進めた時代のパイオニアであったこと等を幾つかの斬新な切り口からのエピソードを紹介しながら説き、
インテリであり、また人としての覚悟ができていたといった人物像を解き明かしていきます。
織田信忠、斎藤道三、豊臣秀吉、徳川家康、などから、福沢諭吉、勝海舟、宮本武蔵まで36人の偉人についてカラフルな各人物の装画を交えて説いています。
本書:「千思万考」です。
「歴史で遊ぶ39のメッセージ」との副題が付いています。
本書は、著者:黒鉄ヒロシ氏にて、2011年2月に幻冬舎より発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の帯には、以下のように書かれています。
大切なことを教えてくれるのは、ドラッカーだけじゃない。
龍馬、信長らに学ぶ、現代を生きるためのヒント。
坂本龍馬……時代の先を見通す力
織田信長……「是非に及ばず」人としての覚悟
大久保利通……リーダーとしての資質
西郷隆盛……”人たらし”の魅力
真田幸村……「死のうぞ、真田の者ども!」名スピーチによるチーム団結
上で紹介した織田信長の人物像の解説のように黒金氏による象徴的なキーワードやその人物の言葉を含めたカラフルな人物イラストと共にその人物の生涯、時代背景、隠されたエピソードをからめて説得力鋭くその実像に切り込んでいくという展開になっています。
人物を象徴するキーワードは、良く練られまた駄洒落なども交えて少し刺激的でなかなかウイットが効いたものとなっています。
本書のあとがきで筆者は、以下のように述べています。
『何時頃から身についたものやら、歴史を考える際、つい過去、現在、未来とわけてしまう。
現在と未来の関係はさておき、専らは歴史を過去の括りのなかに閉じ込めたがる。
(略)
過去、現在、未来を離して縦に書くのではなく、過去の上に現在を、その上に未来を重ねて書く方が歴史の正体を理解し易い。(略)
過去、現在、未来と重ねて書いた二次元的理解を、三次元的立体にしてみる。
一本の竹と考えてみてはどうか。竹の節目が時代の区切りであり、長いところもあれば寸詰まった節もある。
(略)
自分の”歴史竹”というものを脳内に立てたい。
(略)
書き込みによって、竹は黒くなっていく。(略)
自分の”歴史竹”が一様に黒くなったところで、やっと知恵に転化する。
(略)
自分だけの、この”歴史竹”づくりこそ,人生の目的ではなかろうかと独りごちでいるところ。』
…と少し長い紹介になりましたが、本書では、36人の歴史上の人物像が黒金氏の年輪を刻んだ”歴史竹”から輝いて光を放つという味わい深い展開になっています。
<<本書で何が学べるか>>
本書では、黒金氏がその蘊蓄をかけて36人の歴史上の人物像を鋭く説いています。
歴史上の人物の生き様を通して、日本の文化、武士道、日本人の心といった側面を改めて問い直す機会が得られると思います。
<<まとめ>>
生きにくい現代を生き抜くために自分の原点を見つめ直すヒントがきっと本書から見つかるように思います。
なお本書の目次は下記の内容です。
【織田信長】―OH!ダ!NO!武・名・我
―信長のNO!力主義
【織田信忠】―世襲、世襲と人馬は進む
【斎藤道三】―成り上りの限界を教える梟雄
【豊臣秀吉】―戦国ダービー、勝馬ヒデヨシ号
【徳川家康】―イエヤース、orノー
【明智光秀】―魔の、刻の刻
【松永弾正】―信長を二度も裏切った人生の演出家
【大谷吉継】―大谷、GO!GO!
【石田三成】―石田三成裁判
(略)
【森鴎外】―鴎外先に立たず
【新渡戸稲造】―値千金であったニトベ札
【秋山兄弟】―板の上の鯉
【福沢諭吉】―ならぬ咸臨、するが咸臨
【勝海舟】―回収・改修・海舟
【宮本武蔵】―剣豪現行原稿
- 2011年04月10日
- ビジネス、自己啓発、スキルアップ
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