現況の不況下においても躍進を続けている株式会社武蔵野。


この会社を増収増益の強い体質の企業に育てあげ、現在では300社以上に経営指導しているカリスマ経営者の小山 昇氏が、『経営の見える化』をテーマにこれまでの経営ノウハウをまとめて説いている本を紹介します。


筆者の小山 昇氏は、株式会社武蔵野が増収増益を実現できた原動力となったのは、『経営の見える化』を実践してきたためとし、「見える化」について本書の「はじめに」で、以下のように述べています。


すべてオープンにする」といっても、結果を表示しているだけでは「見える化」とはいえません。

それは、「見える化」ではなく、「見せる化」です。

なぜなら、「見える化」とは、結果だけでなく、「結果に至るまでのプロセスが含まれているもの」だからです

(略)

ではなぜ、プロセスを見せる必要があるのでしょうか?

それは、プロセスがわからなければ、次のアクションを起こせないからです。

(略)

会社の経営も、クルマの運転も同じです。

世の中の出来事は、いきなり「青」から「赤」に変わるのではなく、その間に「黄色」があります。

「黄色」というプロセスがあるから、いち早く次のアクションを起こすことができる。

プロセスが見えるからこそ、人は「やらなければならない」気持ちになる

 本書には「武蔵野」が取り組んできた「見える化」に取り組むための仕組みを収めています。

「自分の会社のことがわかっていない」、「経営方針が決められない」、「社員の気持ちがわからない」、「数字が読めない」など、「自社の現状が見えていない中小企業」のお役に立てることを願っています


<<ポイント>>


不況下でも増収増益を続ける「株式会社武蔵野」の『経営の見える化』のための取り組みを公開している本


本書では、


経営の見える化は、以下の3つのポイントが基本とした上で、


  • 「人間心理」に基づく経営のやり方
  • 強制的に行動させる仕組みをつくる
  • そのしくみをつくった理由を明確にする

以下の6つの軸から経営の見える化のエッセンスを説いています。


  • 「社長の思い」
  • 「お金の流れ」
  • 「儲かっているかどうか」
  • 「現場の仕事」
  • 「情報」
  • 「評価」

見える化」とは、プロセスを見せること』とお金の流れ、儲かっているかどうか、現場で何が起きているか…。


会社の動きがよくわかる、「経営の見える化」を説いています


本書:「経営の見える化」です。


本書は、著者:小山 昇氏にて、2009年9月に中経出版より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙カバーの下部ならびに折り返し部には、以下のように書かれています。



9割の社長・幹部は自分の会社のことを何も知らない

会社の動きがトコトンわかる!

お金の流れ
儲かっているかどうか
現場でなにが起きているか…

300社が導入

社長は、会社の「異常」をいち早く察知するために
「数字」をつぶさに見ていく必要があります。
ですが、ある時点の数字だけ見て
「異常かどうか」を判断することはできません。
そこで「売上」「粗利益」「営業利益」を
毎月「年計」で見ていくと早期発見につながります。  

私が社長になったばかりのころの「武蔵野」は、
正真正銘の「落ちこぼれ集団」だった。
それなりの人材しか集まらなかった中小企業が
大きく儲かるビジネスモデルを構築した。
その原動力が、本書で紹介する「経営の見える化」だった。


本書は、テーマとなっている「社長の思い」「お金の流れ」「儲かっているかどうか」「現場の仕事」「情報」「評価」という6つの「見える化」を取り上げた6章から構成されています。


イラストなどの多数の図表が挿入されていて本書の解説は、筆者のこれまでの書籍以上に読者への見える化の面も配慮されて分かり易い内容となっています。


また各章の終わりには、その「章のまとめ」が箇条書きで掲載されていてその章の内容をレビューできるように構成されています。


以降、章を追って概要を紹介します。


第1章では、「「社長の思い」の見える化
と題して、株式会社武蔵野の経営計画書など「社長の思い」に関わる見える化の仕組みや活動の実態の解説からはじまります。


野球を見て楽しめるのは、「ルール」「スコアボード」「道具」が揃っているからであると説き、同社では、それぞれに対応して、経営計画書(会社の規則・規定・方針など)や目指すべき明確な数字(事業構想、経営目標、利益計画など)を一冊の手帳に道具としてまとめ全社員がもって共有化を図っているとのことでそのことの意義と重要性を説いています。


『経営計画発表会/お客様とライバル/自社の実力/やらないこと/一冊の手帳/責任の所在/早期勉強会/業界の非常識/定期飲み会』といった「社長の思い」に関わる「見える化」を説いています。


第2章では、「「お金の流れ」の見える化
と題して、会社の経営実態を把握することに関わる「社長の通信簿」といえる決算書の財務3表などのお金にまつわる見える化の方法を説いています。


『BS/「売上」「粗利益」「営業利益」を毎月「年計」で見て異常の兆候を把握する年計グラフによる数字の変化/粗利益の額/回収サイト/在庫(棚卸資金)/社員の経費/部門毎のお金の流れ/経営の不正』といった事柄についての見える化の工夫や着眼点について解説しています。


第3章では、「「儲かっているかどうか」の見える化
と題して、ものが売れたときに「なぜ売れたのか」を見える化し、その中の重要成功要因を見極めることが重要とし、数字の中の結果から、原因を追求する姿勢が経営を正しい方向に導くと説いています。


またマーケットの見方について、平均値でなく、最も多く分布している最頻値でみることや、儲けは率でなく額で見える化すること、自社に最も影響を与える先行指標を把握すること、未来から逆算して今を決めるといった視点、さらには、新規事業を3年間段階的に評価するなど「撤退タイミング」を見える化する、攻めの経営と守りの経営の使い分けといった工夫などを説いています。


第4章では、「「現場の仕事」の見える化
と題して、年に1回、社員、アルバイト、パートを5組に分け、全営業所を視察し、「武蔵野がどのように変わってきたのか」「どのような取り組みをして、どのよう成果を上げてきたのか」を全員で視察し、気づきを50個書くと言ったことの実施など含む「バスウオッチング」を紹介するなど、現場の仕事」の見える化のための仕掛けについて解説しています。


ユニークな『良いことをパクって見える化』するというプライドの邪魔を取り除く施策では、実に割り切った以下のようなことを実施して会社が変わったとのこと。


  • 何かを考えて実行すると、賞与を半分にする
  • 同僚の真似をして成果を出すと、賞与を倍にする

またインプットはデジタルで、アウトプットはアナログでという『社員の頑張りの見える化』施策や「現場百回帳」、ダブルキャスト(同じ役をこなせる人を2人以上用意する)で社員の層を厚く、人事異動の繰り返しでマニュアルをつくる、4週間1サイクルの仕事の単位といったユニークな現場の活性化の仕掛けを解説しています。


第5章では、「「情報」の見える化
と題して、人は小さなことをたくさん褒められるとやる気が出るとし、感謝の気持ちを見える化して伝えるしくみの「サンクスカード」などのツールによる情報」の見える化の方法を解説しています。


またクレームの見える化(全員でクレームを共有化し、クレーム隠しは賞与半減)、クレーム処理をするまで自動的にメールが送り続けられる仕組み、個人個人にデスクを持たせず「情報の私物化」を見える化するをはじめ、職責下位から報告し、社長が最後の5分だけ話すといった「会議の進め方」、「部下の指導」、「実行計画」といった面での見える化の工夫について解説しています。


第6章では、「「評価」の見える化
と題して、給与・賞与の基準の見える化の考え方について、基本給は年功序列、賞与は半期毎の成果が正しいといった事項を取り上げ解説しています。


また実名で賞与の額の公開、賞与の現金手渡し、課長職以上の投票で決まるといった「社内の序列」の見える化、「今までの自分と現在の自分の見える化が成長を促す」、「信賞必罰のルール」と「社員の持ち家精度で貸し付けるのではなくあげてしまう」といったユニークな「評価」の見える化による社員のモチベーションアップの見える化を説いています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、不況下においても躍進を続ける「株式会社武蔵野」の経営の見える化手法について公開しています。


お金の流れ、儲かっているかどうか、現場で何が起きているか、社員のモチベーションを向上させる、……といったユニークで説得力ある経営の見える化の具体的なノウハウとこのような全てを透明化することで経営は、人はどう変わるかについて、逞しく大胆な実例を交えて説いています


株式会社武蔵野で実行して成果が挙がったことだけに迫力があり説得力があります。


<<まとめ>>


本書は、中小企業の経営者や幹部の方々には、おすすめの一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 「社長の思い」の見える化
1.「経営計画書」を見える化する
2.「経営計画発表会」で見える化する

10.定期飲み会で見える化する
第2章 「お金の流れ」の見える化
1.決算書で「社長の成績」を見える化する
2.「バランスシート」を見える化する

9.「経理の不正」を見える化する
第3章 「儲かっているかどうか」の見える化
1.重要成功要因で「売れる理由」を見える化する
2.最頻値で「マーケット」を見える化する

6.新規事業の「撤退タイミング」を見える化する
第4章 「現場の仕事」の見える化
1.バスウオッチングで見える化する
2.良いことをパクって見える化する

6.週単位スケジュールで見える化する
第5章 「情報」の見える化
1.サンクスカードで「コミュニケーション」を見える化する
2.事を大きくして「クレーム」を見える化する

6.「実行計画」を見える化する
第6章 「評価」の見える化
1.「給与・賞与の基準」を見える化する
2.賞与の現金手渡しで、「やる気」を見える化する

5.「信賞必罰のルール」を見える化する




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昨年の米国の金融破綻の発生の際に、フィリップ・コトラー(Philip Kotler)と共著者のジョン・A・キャスリオーネ(John A. Caslione)は、クライアントや友人に以下のように尋ねられたとのこと。


どのくらい深刻なのか。どの程度続くのか」。


これと同じことを聞かれたノーベル賞受賞の経済学者ゲーリー・ベッカーは次のように答えているとのこと。


だれにもわかりません。わたしにわからないのは確かです」。


その真意は、知ったかぶりの経済学者のいうことは信用してはいけないということだとしている。


フィリップ・コトラーと共著者のジョン・A・キャスリオーネに言わせると、


いま、リスクと不確実性が蔓延する強度の乱気流という新たな時代に入っていることは事実」とし、


金融危機は、ほんの一時的なのかもしれない。


従来まではこうした嵐の後には「通常」状態に戻るものであったが、これからはさまざまなレベルで乱気流が断続的に起こる時代に突入したというのが彼らの認識。


こうした乱気流の時代には、


  • 「売上げ挽回のための値下げ」
  • 「マーケティング費の削減」
  • 「全社一律のコスト削減・人員削減」
  • 「仕入先や販売業者を締めつける」

といった従来型の不況期にありがちな対応は、ほとんどの場合は過ちで、企業の命取りになるとすら指摘する


むしろ不況を逆手にとり、機会を見出した企業が躍進する。


そのための仕組みが『カオティクス』(CHAOTICS)であり、


カオティクス』とはリスクと不確実性を察知するための早期警報のしくみ、それらに対応するためのシナリオプランニングのしくみを企業の中に戦略として埋め込み、反応力が高く、強靱で、弾力性(回復力)のある組織をつくることだと説いています。


乱気流こそが新しい通常状態(ニューノーマル)であり、そこで、景気が突然良くなったり沈滞したりということが断続的に起こる。


カオティクス』の仕組みは、リスクを回避しながら用心深く戦略に取り組みことではなく、乱気流時代に企業に影響を及ぼす破壊的な力から身を守りながらも、同時にその利益を積極的かつ意図的に促進する抜け目のない慎重な予防的アプローチと説いています。


企業には不確実性に対処するなんらかの『カオティクス』の仕組みが必要とし、『カオティクス』の仕組みについて例を挙げて解説している本を紹介します。


<<ポイント>>


フィリップ・コトラーとジョン・A・キャスリオーネによる「カオティクス」のフレームワークを解説する本


本書では、


ノーマルからニューノーマルの乱気流の時代へ突入したとの時代認識にはじまり、


乱気流の時代の対応にノーマル時代の不況対応策で対処するというのは、間違いで命取りになるとし、


カオティックスの仕組みとなる「カオティクス・マネジメント」の全体像を概観し、


カオティクス・マーケティング戦略は、如何にあるべきかを提示し、


「波乱の時代」を逆手にとる「カオティクス」戦略を考察しています。


本書:「カオティクス」です。


波乱の時代のマーケティングと経営」との副題が付いています。


本書は、フィリップ・コトラーとジョン・A・キャスリオーネの原著:「CHAOTICS:The Business of Managing and Marketing in the Age of Turbulence」を齋藤慎子氏の翻訳にて、2009年9月に東洋経済新報社より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯ならびに表紙カバーの裏面には、以下のように書かれています。


不況・乱高下を逆手にとるマーケティング

好況と不況をゆるやかに繰り返す経済は終わり、

景気が乱高下する経済に変わった。

「波乱の時代」を生き抜くための

「不確実性」への対応=カオティックス

の全貌が明らかになる。

トム・ピーターズ推薦!(「エクセレント・カンパニー」の共著者)

いま、経済や金融のシステムのみならず、
マネジメントの実践においても
革新が求められている、
というのは単純でありながら、すごく重大な真実だ。
本書は、とびきりの革新プロセスを始める第一歩になる。
特に、組織に回復力・弾性力を埋め込むことを
強調しているのは素晴らしい。
われわれがもっとも困っているときに、
コトラーは上昇パワーを与えてくれる!!


どんな企業であろうとも、リスク(予測可能)と不確実(予測不能)から逃れられない。リスクと不確実性への備えはあらゆる企業に必要だ。ところが調べてみると、ほとんどの企業でその備えはなされていない。
加えて、9・11のようなテロ、サブプライムショックから始まった世界金融危機、巨大台風や地震などの天変地異…、昨今は波乱が多い。突然、状況が変わってしまうのだ。「乱気流の時代」とも呼べるほどで、リスクと不確実性にさらに備える必要性がさらに増している。
こうした時代に必要なものはなんだろうか?カオティックスである。カオティックスとは、リスクから身を守り、不確実性に対処するしくみのことだ。カオティックスのフレームワークを示すこと、これが本書のねらいである


本書は、「乱気流とカオスに対応する」と題して、本書の執筆に至った時代の分析と背景を明確にし、そして、本書の全体像を概観している序章にはじまり、第1章から第6章までの6章から構成されています。


各章のはじめには、「幸運から人は多くを学べるが、不運からはもっと多くのことが学べる」(William Hazlitt)といった箴言等を引用しています。


各章の終わりにその章について要約すると共に本書の他の章との関わりや本書のフレームワークの考え方を繰り返し説いています。


以下、章を追って概要を紹介します。


第1章では、「ノーマルからニューノーマルへ
と題して、世界は既にニューノーマルの新しい経済ステージに入ったとし、グローバル化した世界は絡み合った脆さを備えているとして、乱気流を引き起こしている要因を取り上げ分析しています


通常の経済と(上昇と下降という景気循環の通常期を越えた)ニューノーマルとを比較分析しています。


カオスを引き起こす可能性のあるものとして以下の要因を挙げて順次、考察しています。


  • 技術の進歩と情報革命
  • 破壊的テクノロジーと破壊的イノベーション
  • 非欧米諸国の台頭
  • 超過当競争
  • 政府系ファンド
  • 環境問題
  • 顧客とステークホルダーの発言力の高まり

現在必要なことは断続的に意表をついて発生する乱気流に直面しても機能する、新しい戦略のフレームワークとしてカオティックス・マネジメント・システムの重要性を強調しています。


第2章では、「乱気流への対応を間違うと命取り
と題して、乱気流に見舞われた際に企業が起こしがちな以下のような過ちを取り上げ、それぞれについて事例をあげて解説しています。


  • コア戦略と企業文化を損なうような資産配分を行う過ち
  • 計画的行動ではなく、全社一律の経費削減をする過ち
  • 目先のキャッシュのために人材を使い捨てにする過ち
  • マーケティング、ブランド、新製品開発の各経費を削減する過ち
  • 売上減少を挽回するために値下げする過ち
  • 販売関連費を削減することで自ら顧客から離れていく過ち
  • 社員研修や能力開発費を削減する過ち
  • 仕入れ先や販売業者を軽視する過ち

このような過去の景気下降期に犯した過ちが、かっては必ずしも有益でなかったという程度で済んだものが、ニューノーマルの時代には、有害であるばかりか命取りになる理由について事例を挙げて解説しています。


第3章では、「カオティクス・マネジメントの全体像
と題して、以下の3要素からなり、乱気流とそれによるカオスを検知・分析してそれに対応する体系的手法である『カオティクス・マネジメント・システム』について詳解しています。


  1. 早期警報システム」を開発して乱気流源を検知する。
  2. キーシナリオの構築」でカオスに対応する。
  3. 優先順位の高いシナリオをリスクに対する態度に基づいた「戦略を選択する」。

現在、さらにこれからは、企業がなにを所有しなにを生産しているかということよりも、乱気流を検知し、カオスを予想して、リスクを管理する能力の方が問われるかも知れないとしています。


第4章では、「カオティクスによる戦略的対応
と題して、中長期の業績を危うくすることなく、短期の業績向上を目指す『カオティクス・マネジメント・システム』に基づく反応性・強靱性・弾力性の高い経営のフレームワークのなかで乱気流とカオスが新たに発生した時に組織の主要部門別(財務部門、IT部門、製造・オペレーション部門、購買・調達部門、人事部門)に、どのような新たな戦略的対応が必要かを「カオティクス戦略的対応チェックリスト」など交えて提示しています。


この『カオティクス・マネジメント・システム』を実施する明確なロードマップについてとして、8段階の手順(「1.乱気流とカオスの発生源の特定」から「8.企業の持続可能性(BES:Business Enterprise Sustainability)の達成」に至る実施サイクル)をまとめています。


また『カオティクスによる戦略的対応』を実行するための5つのステップ(「ステップ1:現在のビジネスモデルと戦略の再確認」から「ステップ5:見直しと修正」に至るサイクル)をまとめ提示しています。


第5章では、「カオティクス・マーケティング戦略
と題して、乱気流期にマーケティングと販売部門の予算が削減されるような厳しい時にも両戦略を強化でき、より忠実な顧客をもっと増やして、さらに長期的な将来の土台固めとなるマーケティング戦略への総合的なロードマップを「販売部門用の戦略的対応チェックリスト」など交えて提示しています。


現状の方針や計画を疑うことから始めて、危機に対して戦略的に対処するマーケティングを説き、市場調査/商品/新製品導入/サービス/広告/価格設定/マージン/流通といったマーケティング部門が直面する実務的な問題や、販売部門が直面する実務上の問題を考察しています。


第6章では、「「波乱の時代」を逆手にとる
と題して、冒頭に「防御側は常に、防御の優勢を得たらただちに攻撃側に転ずるべきである」とのクラウゼヴィッツの「戦争論」の言葉を引いて、戦略実行の3原則(「1.見当がつかなくなってどこもかしこも混乱している」、「2.コミュニケーションが絶対不可欠である」、「3.一切の行動は、究極の目標達成につながるものであること」)に沿って、企業が未来に向けて長く生き残り、繁栄できるために短期的、中期的、及び長期的のバランスのもとなにが必要かを考察しています。


持続可能性ある企業に学ぶとして、2元ビジョン/三本立て計画/企業の評判/顧客の強い関心と支持/長寿企業の特徴/企業の社会的責任(CSR)と生態学的持続可能性(ES)/倫理的かつ信頼性ある行動といった側面に焦点を当てて分析しています。


<<本書で何が学べるか?>>


層流であれば、流れは予測できるが、乱流となると予測不能。


乱流は、大小さまざまな渦が発生するような激しい流れであるためそこでは、エネルギーの損失も生じる。


流体についての層流/乱流の挙動はレイノルズ数で遷移が評価できる世界になる。


しかし経営環境を取り巻く状況は、リスクと不確実の不況・乱高下のカオスの時代に入ったと筆者らは言う。


本書によれば、時代は、好景気→不況→好景気……を繰り返すノーマル経済から、景気が乱高下するニューノーマル経済に変わった。


この波乱(リスクと不確実性)の時代を乗り切るには、カオティクス(リスクと不確実性を察知するための早期警報のしくみ、それらに対応するためのシナリオプランニングのしくみを企業の中に戦略として埋め込み、反応力が高く、強靱で、弾力性(回復力)のある組織をつくること)の仕組みが必要と体系的にカオティクスの経営とマーケティングのクレームワークを説いています


<<まとめ>>


本書は、経営者から管理者の立場、また企画部門、マーケティング部門といった部門等のビジネスパースンの方には、読んで頂きたい一冊です


なお本書の目次は、以下の内容です。
序章 乱気流とカオスに対応する
第1章 ノーマルからニューノーマルへ
第2章 乱気流への対応を間違うと命取り
第3章 カオティクス・マネジメントの全体像
第4章 カオティクスによる戦略的対応
第5章 カオティクス・マーケティング戦略
第6章「波乱の時代」を逆手にとる






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ユビキタス社会とか「情報社会への到来」が言われ出してからすでにかなりの時間が経過しています。


今日、情報を処理するコンピュータや、情報を伝えるインターネットは、不可欠な社会インフラとなり、情報化の進展と共に、大量の情報が生み出され、ストックされ、消費されるようになっています。


情報リテラシーは、自らの身を守り、社会の中で生きていくために必須のものとなってきています。


IT社会に必要な基本的な知識としての情報通信技術の現状と、それらを経営に活かす情報システム戦略、ビジネスモデルなどといった事柄について、具体的な事例を交えて解説している本を紹介します。


本書では、上記の内容に加えて、経営と情報セキュリティ、企業活動と情報通信技術のかかわりについて法律や制度の分析も加えて考察しています


<<ポイント>>


最新の情報通信技術についての解説とそれらの技術が経営にどのようなインパクトをもたらすかを考察している情報通信技術経営の入門書


本書の「まえがき」で情報化の進展に伴う問題及び本書の内容に関して以下のように述べています。


「情報化の進展は、社会的に大きな問題を引き起こしている。

 単純なプログラミングのミスによって、金融システムや交通システムが混乱するといった事態が発生している。

 また、電子メールを利用したコンピュータウイルスや迷惑メールの大量の送信、あるいは出会い系サイトを利用した犯罪や携帯電話を利用した振り込め詐欺といった犯罪が頻繁に発生している。

 社会人にとって、あふれる情報のなかから自分にとって有益な情報を選択して処理する能力は、自らを守るためにも、そして社会のなかで生きるためにも必ず身につける必要がある

(略)

 本書は、大学生および大学を卒業してからまだ日が浅い社会人を対象として、身につけるべき経営と情報に関する知識を中心にまとめている
 
しかしながら、情報社会に関する知識は、現代を生きるすべての人にとって今や必ず身につけなければならないものになっている。」


本書:「情報通信技術と経営」です。


情報社会へのパスポート」との副題が付いています。


本書は、久保田 正道 先生、本田 実 先生、 中田 典規 先生、亀山 浩文 先生、卜部 正夫 先生の共著にて、2009年4月に日科技連出版社より発行されています。


情報通信技術と経営―情報社会へのパスポート
日科技連出版社
発売日:2009-04
発送時期:在庫あり。
ランキング:347273

<<本書のエッセンスの一部>>


本書は、6章から構成されています。


本書には、内容説明に関する図表も多数、挿入されていて教科書的に分かり易い構成となっています。


巻末には、関連する参考文献とwebサイトが紹介されています。


ざっと章を追って概要を紹介します。


第1章では、「情報社会の現状と今後の動向
と題して、情報通信機器の普及の状況の総括にはじまり、デジタルデバイド(Digital Divide:情報格差)の問題の状況、情報社会と景気変動など情報化の進展がもたらした影響を考察しています。


またインターネットが社会インフラとして重要性が増していること、ソフトウェアとハードウェア、通信技術の著しい進化の状況、我が国の政府のIT基本戦略:e-Japan戦略1、2、「IT新改革戦略 政策パッケージ」、~「デジタルジャパン」などの概要を紹介し、社会インフラとしての情報通信技術がどのような位置づけにあるか、さらには、通信と放送情報処理の融合との観点からの現在の企業の動向等について概観しています。


第2章では、「コンピュータおよび情報通信技術
と題して、入力装置、出力装置、制御装置、演算装置、記憶装置のコンピュータ構成技術にはじまり、次いでシステムの処理形態、システム構成、システムの利用形態、システムの性能評価、システムの信頼性、システムの経済性などのシステム構成技術について解説しています。


またコンピュータの種類、CPUの高速化に伴う新しいコンピューティング技法、各種の入出力装置等のハードウェアの概要について解説しています。


そして、ネットワークの種類、LANの構成要素、通信プロトコル、インターネット、クラウドコンピューティング、NGN(次世代ネットワーク)といったネットワーク技術の概要について解説しています。


またオペレーティングシステム(OS)にはじまり、アプリケーションソフト、ミドルウェア、オープンソースソフトといったソフトウェアの概要について解説しています。


さらにデータベースヒューマンインタフェースマルチメディア技術についてその主要な技術の概要について解説しています。


第3章では、「システム戦略およびSLCPにおける管理
と題して、企業の命運を左右する位置づけになってきている情報システム戦略について、経営戦略や事業戦略の一環として情報資源の三要素(データ資源、情報基盤、情報化リテラシ)を有機的に活性化していく高度情報化計画との観点から解説しています。


またソフトウェア開発のライフサイクルの共通フレームとして標準になっているSLCP(Software Life Cycle Process)について、SLCPの目的、SLCPの提案からの経緯、共通フレーム2007、基本構成、プロセス相関の概略等について解説しています。


さらに(システム化計画、要件定義、調達計画・実施)からなるシステム企画、(開発(基本計画、システム設計、プログラム設計、プログラミング、テスト)、運用・保守)、といった流れのシステム開発、標準化した共通フレームSLCPの下で行われるソフトウェア開発管理、PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)などの国際的なプロジェクトマネジメント体系に基づくプロジェクトマネジメント、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)、ファシリティマネジメントなどのサービスマネジメントの概要、システム監査の仕組みの概要、さらには、情報システムの進化のトレンドといった内容を取り上げ解説しています。


第4章では、「ビジネスモデルと経営
と題して、インターネットの入り口のWebサイトであるポータルサイトの変遷、検索エンジンの進化ネットショッピングモールの歴史と動向SNSなどを概観し、インターネットのビジネスモデルがどのように変化しているか、そして、B2B、B2C、C2C、B2E、Web-EDI、ネットバンキング、ネットトレーディングといった電子商取引の現状、さらには、検索連動広告、コンテンツ連動広告、携帯電話マーケティング、SEMといったインターネットマーケティングに関わる主要なキーワードを取り上げ解説しています。


第5章では、「内部統制と情報セキュリティ
と題して、最初に、米国トレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)の内部統制のフレームワーク、日本版内部統制、金融証券取引法における内部統制、金融証券取引法の内部統制におけるIT統制といった内部統制の概要について解説しています。


次いで、情報セキュリティについて、JISQ27002:2006等による「情報セキュリティ」、「機密性」、「完全性」、「可用性」の定義に解説にはじまり、情報セキュリティのリスクの三要素(情報資産、脅威、脆弱性)に関わる基本的なキーワードの解説、さらに情報セキュリティ管理と情報セキュリティ対策の概要、代表的な暗号技術、情報倫理等を取りあげ解説しています。


第6章では、「企業活動と経営戦略
と題して、情報社会における企業活動と経営戦略に関わる基本的な事項について企業活動と経営管理/業務分析と問題解決/法務/経営戦略/ビジネスインダストリ/代表的なシステムとソフトウェアパッケージ/企業に求められる社会的要件/情報化人材育成方針といった諸点について幅広く解説しています。


この章の主要なキーワードをあげて見ると例えば、損益計算書、貸借対照表、業務フロー、ブレーンストーミング、特性要因図、パレート図、散布図、管理図、在庫管理モデル、PERT/CPM、知的財産権、著作権、不正競争防止法、ソフトウェアライセンス、Pマーク、不正アクセス禁止法、労働基準法、労働者派遣法、下請法、PL法、BSC、PPM、サプライチェーンマネジメント、POSシステム、電子マネー、RFID、ITS、ロボット技術、情報家電、FA、CIM、CAD/CAM、FMS、JANコード、FSP、SFA、ERP、トレーサビリティシステム、ISO(9000、14000)、BCMS、ERMといった事項を取り上げて解説しています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、今日の情報社会においてのパスポートといった位置づけで基本的な情報通信技術の現状と、それらを経営に活かす情報システム戦略、情報化時代のビジネスモデル、さらに経営と情報セキュリティ企業活動と情報通信技術など事項を具体的な事例を交えて解説しています


情報通信技術と経営に関わる基本的なキーワードが取り上げられ、体系的に要領よく解説されており索引欄も充実しているので基本用語ハンドブック的に活用することもできると思われます


<<まとめ>>


情報通信技術経営との関わりについての基本的な事項が学べる一冊です。


ぜひ読んで頂きたいと思います。


なお本書の主要目次は、以下の内容です。
第1章 情報社会の現状と今後の動向
1.1 情報社会の現状
1.2 社会インフラとしての情報通信技術
1.3 通信と放送、情報処理の融合
第2章 コンピュータおよび情報通信技術
2.1 コンピュータ構成技術
2.2 システム構成技術
2.3 ハードウェア
2.4 ネットワーク技術
2.5 ソフトウェア
2.6 データベース
2.7 ヒューマンインタフェース
2.8 マルチメディア技術
第3章 システム戦略およびSLCPにおける管理
3.1 情報システム戦略
3.2 SLCP(共通フレーム)
3.3 システム企画
3.4 システム開発
3.5 ソフトウェア開発管理
3.6 プロジェクトマネジメント
3.7 サービスマネジメント
3.8 システム監査
3.9 情報システムの進化
第4章 ビジネスモデルと経営
4.1 ポータルサイトの変遷
4.2 インターネットのビジネスモデル
4.3 電子商取引
4.4 インターネットマーケティング
第5章 内部統制と情報セキュリティ
5.1 内部統制とIT統制
5.2 情報セキュリティ
5.3 情報セキュリティ管理
5.4 情報セキュリティ対策
5.5 暗号技術
5.6 情報倫理
第6章 企業活動と経営戦略
6.1 企業活動と経営管理
6.2 業務分析と問題解決
6.3 法務
6.4 経営戦略
6.5 ビジネスインダストリ
6.6 代表的なシステムとソフトウェアパッケージ
6.7 企業に求められる社会的要件
6.8 情報化人材育成方針




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Jコスト論』というのは、筆者:田中 正知 氏(「トヨタ生産方式」の総本山である元・トヨタ生産調査部部長で、現在は、生産性管理・品質管理などものづくり学全般の授業を担当するものつくり大学名誉教授。)が生み出した独自の会計理論で、「必要なものを、必要なときに、必要なだけつくる」という「ジャスト・イン・タイム」(JIT)の概念を組み込んだ会計理論


筆者による「時間軸」を取り入れた新しい管理会計法である『Jコスト論』についてのものの見方、考え方を含めた解説書を紹介します


本書の「はじめに」で筆者は、先ず以下のように問いかけます。


「皆さんの会社の現場では、たとえば、次のような疑問に答えられるでしょうか?

  • 世の中には、『まとめて作れば、安くなる(量産効果)』という考え方が浸透しています。
    その一方で、「小ロット多回生産(細かく作って、在庫を持たない)」を徹底しているトヨタ生産方式を導入している会社がすばらしいとされ、多くの会社が熱心に取り組んでいます。
    これは、矛盾していないでしょうか。
  • 「まとめて作る」だけではありません。
    多くの会社では、営業は「まとめて売ろう」とし、購買は「まとめて買おう」としています。
    はたして、本当に「まとめて売る」と儲かるのでしょうか?
    まとめて買う」と儲かるのでしょうか?

Jコスト論』では、これまでの会計が見落としてきていた、時間軸』の重要性を取り込んだ管理会計について生産管理、生産現場の視点から提言しています。


本書では、現在の会計理論や計算方法で計算した利益を『利益』と呼び、そのようなルールにしばられない、会社としての本当の利益を『儲け』として論じています。


そして、本書の「はじめに」で以下のように結んでいます。


御社の現場に対して『Q(自働化)を徹底した上でC(原価低減)を追わせず、D(リードタイム短縮)改善に邁進させる改革』を断行して下さい

そうすれば、御社の現場は活気づき、人材が育ちます。

それを続けると会社全体の収益性が向上してくるのです。

本当の『儲け』がついてくるのです。」


上記のような論点が本書のモチーフになっています。


<<ポイント>>


必要なものを、必要なときに、必要なぶんだけ」というトヨタ式カイゼンの主軸であるジャスト・イン・タイムの理念を組み込んだ会計理論の『Jコスト論』の解説書


本書では、真の効率化、コスト削減、業績アップにつながるトヨタ式『Jコスト論』について豊富な具体例で詳解すると共に、


人を減らすな!在庫を減らせ!

自動化(Q)を徹底し、JIT(D)に邁進せよ!そうすれば、収益(C)は後から付いてくる


と説いています。


本書:「トヨタ式 カイゼンの会計学」です。


ジャスト・イン・タイムを会計的に説明する『Jコスト論』」との副題がついています。


本書は、著者:田中 正知 氏にて、2009年4月に中経出版 より発行されています。


トヨタ式 カイゼンの会計学
中経出版
発売日:2009-04-17
発送時期:在庫あり。
ランキング:19341
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 リードタイムの短縮が儲かる

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯ならびに表紙カバーの裏面には、以下のように書かれています。


人を減らすな!

在庫を減らせ!

【トヨタ式現場カイゼン】

自動化(Q)を徹底し、JIT(D)に邁進せよ! 収益(C)は後から付いてくる』を、Jコスト論が解き明かす。

「 今から10余年前、私はトヨタ自動車で物流管理部長という職にあり、トヨタ発のあらゆる商品の物流業務を統括していました。
ある日、工場で生産した完成車を全国の販売店にお届けする完成車配送センターを視察したときのことです。
5台の完成車を運ぶキャリアカーが、車を4台乗せた状態であちこちで待っていて、一向に出発する気配を見せなかったのです。
平均200万円もする完成車を4台も積んでいるわけですから、800万円になります。どうして早く出発しないのか気になったのです。
配送センターの担当者の答えは「キャリアカー1便あたりの費用は約10万円もする。満車の5台で運ばないと、1台あたりの物流費が増えてしまう」というものでした。(中略)
 私の感覚では、「200万円の車を1台あたり2万円で明日運ぶより、2.5万円で今日運ぶ方が会社に利益をもたらす」ハズだったからです。
 この時から私は、自分の違和感のもとになった、利益と時間の関係をずっと考えてきました。

そして『Jコスト論』を生み出したのです。」


本書は、10章から構成されています。


本文には、取り上げられた事例についての計算内容など含めて豊富な図表が用いられ分かり易い説明となっています。


本書の最初に「本書の目次と各章の狙いについてまとめた表」(表)、「「あなたの儲けの評価は正しいでしょうか?」として馬と豚の飼育ビジネスについて6つの評価法を比較した第1章の内容の一覧表」(裏)の綴じ込み表が挿入されています。


各章の概要をざっと紹介します。


第1章では、「ほんとうの「儲け」とは何か?
と題して、馬と豚についてどちらが商売になるかといった内容を題材にし、「粗利」、「仕入れ値粗利率」、「売上高利益率」、「時間の概念を加えた評価(1)」、「時間の概念を加えた評価(2)」(Jコスト)、「時間と資金の概念を入れた評価」(Jコスト論)の6つの評価法を比較し、解説しています。


従来の利益の考え方の問題を提起し、『投入資金量』(Jコスト)、『収益性(利回り)』(Jコスト論)で評価する考え方の意義を説いています。


第2章では、「「お金」と「時間」はこうして考える
と題して、身近な銀行に預金するといった例などを挙げて、「時間の経過」=「「儲け」の能力を「ムダに寝かせている」という『お金と時間の考え方』について説いています。


スーパーとコンビニの販売戦略を比較し、『在庫=ものが寝る=悪』という発想がなければ、「大量に仕入れさえすれば(あるいは大量につくりさえすれば)、原価を安くできる」という思考に陥ってしまうと説いています。


第3章では、「1万円の在庫を1日寝かせたら、どのくらい損をするのか?
と題して、在庫が何日間寝るとどんな損失があるかについて、棚卸し資産が1日でどれだけ稼ぐのかといった観点から「棚卸し資産粗利率」を評価し、1万円の在庫を1日寝かせたら、どのくらい損をするのか?を試算しています。


 1万円の在庫を1日寝かせるという設定で、その在庫のために必要であった資金にかかる、銀行の貸出金利だけを考えるなら損失はせいぜい5円程度だが、会社の「収益性」をベースに機会損失している金額は大きく、在庫の放置はいかにもったいないかと説いています。


第4章では、「「本流トヨタ方式」から進化した『Jコスト論』
と題して、筆者が『Jコスト論』をつくるに至った経緯について「本流トヨタ方式」の4つの哲学(1.人間性尊重、2.諸行無常、3.共存共栄、4.現地現物)、さらに『自動化』、『ジャスト・イン・タイム』等の根幹部分の考え方、『Jコスト論』の基本思想などを解説しています。


とくに『本流トヨタ方式』では、現場にC(原価低減)は押しつけず、Q(自動化)を徹底し、D(リードタイム短縮)を追求する。そうすれば、本当のC(収益性)が後からついてくると考えるとの点を強調しています


第5章では、「小ロット生産が儲かる「ほんとうの理由」
と題して、一般には、大ロットの方が生産コストが安いと思われているが『Jコスト論』で検証し、小ロット多回生産方式が収益性がよいこと等を導いています。


第6章では、「並行生産と集中生産はどちらが得か?
と題して、「セル生産方式」に対応する「並行生産」とライン式の「集中生産」について『Jコスト論』の観点から比較し、「集中生産」の方が、1個あたりのリードタイムが短いため、「収益性」が高いことを導き、『ビジネスでは、早くつくって、早く売る』ことが鉄則と説いています。


第7章では、「「高価な航空便」と「安価な船便」はどちらが得か?
と題して、輸送費にお金をかけて早く運ぶべきか?時間をかけてでも、輸送費を減らすべきか?を論じています。


物流によって、どれくらい収益性が落ちるのかを判断基準にして、高価なものをゆっくり運んで、Jコストを増大させたり、あるいは非常に安価なものを長距離輸送して、粗利を食いつぶしているようなことはありませんかと問いかけています。


第8章では、「中国工場で生産するのは、本当に得なのか?
と題して、同じ製品を、日本国内で生産した場合と、中国で生産した場合で、どちらが「儲かるか」を『Jコスト論』の観点から考察しています。


単純に製造コストだけを比較して「中国生産の方が多くの粗利を生むから有利」と結論づけるのは、早計であるとし、「生産コスト、生産時間、輸送コスト、輸送時間」について『Jコスト論』に基づき収益性を計算して損益分岐点を明らかにした上で、「何日以上なら、海外生産に踏み切るべきか」を決定することが合理的としています。


第9章では、「なぜ、在庫は増えるのか? 部分最適をやめて、全体最適へ
と題して、在庫を抱えてしまう最大の原因は、原価低減の方法が根本的に間違っているからとし、部門毎のムダ取りのセクショナリズムが問題を生む温床になるとし、「部分最適」の考え方を廃して「全体最適」(『Jコスト論』の考えを踏まえた仕入れ・製造・輸送をトータルで収益性の向上を図るためのムダなコストの削減等)を考慮した活動の必要性を説いています。


第10章では、「『Jコスト論』は、こうして導入・実践する
と題して、本書の『Jコスト論』の考え方を総括的におさらいしながら『Jコスト論』を実際に読者の職場に導入していく方法を具体的に説いています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、著者自身が「トヨタ生産方式」を会計的な視点から理論武装し、とくに『時間軸』の重要性を生産管理、生産現場の面から織り込んだ『Jコスト論』についての考え方を「1万円の在庫を1日寝かせたら?」「中国工場で生産するのは得なのか?」などの具体例と共に説くと共にその現場への具体的な実践法までを分かり易く解説しています。


とくに『自動化(Q)を徹底し、JIT(D)に邁進せよ!そうすれば、収益(C)は後から付いてくる』との「本流トヨタ方式哲学の重要性を強調しています。


<<まとめ>>


トヨタ式カイゼンに関心がある人には、本書は、読んで頂きたい一冊です


なお本書の主要目次は、以下の内容です。
第1章 ほんとうの「儲け」とは何か?
第2章 「お金」と「時間」はこうして考える
第3章 1万円の在庫を1日寝かせたら、どのくらい損をするのか?
第4章 「本流トヨタ方式」から進化した『Jコスト論』
第5章 小ロット生産が儲かる「ほんとうの理由」
第6章 並行生産と集中生産はどちらが得か?
第7章 「高価な航空便」と「安価な船便」はどちらが得か?
第8章 中国工場で生産するのは、本当に得なのか?
第9章 なぜ、在庫は増えるのか? 部分最適をやめて、全体最適へ
第10章 『Jコスト論』は、こうして導入・実践する







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組織はすべて、人と社会をより良いものにするために存在する。すなわちミッションがある。目的があり、存在理由がある。


これは、本書の中のドラッカーの言葉。


マネジメントの中核にあるものがミッションとするドラッカー(P.F.ドラッカー(Peter F. Drucker))の5つの質問に答えていくことから、組織のミッションを明確にし、人と社会をより良いものにし、成長させていくことができる。


そのための方策がマネジメントである。


1990年代にドラッカーによって開発された、組織とその活動全体を自己評価し、将来のあるべき姿を探るための経営ツールとして編み出された手法が、この「5つの質問」。


5つの質問」とは、以下の5つのもの。


  1. われわれのミッションは何か?
  2. われわれの顧客は誰か?
  3. 顧客にとっての価値は何か?
  4. われわれにとっての成果は何か?
  5. われわれの計画は何か?

ドラッカー自身による各質問の説明に、さらに各ジャンルの第一人者(ジム・コリンズ/フィリップ・コトラー/ジェームズ・クーゼス/ジュディス・ローディン/V・カストゥーリ・ランガン)が解説を加えているのが本書


本書は、リーダー・トゥー・リーダー財団刊行の「The Five Most Important Questions You Will Ever Ask About Your Organization(2008)」の邦訳になります。


もともとは、非営利組織の経営ツールとしてドラッカーによって開発されたものだが、今日では広く企業の経営ツールとして活用されているもの。


5つの質問」は、最もシンプルでありながら、最も奥深い洞察となっていてまさにドラッカーの全経営思想の真髄と呼ばれる書。


本書の「はじめに」でフランシス・ヘッセルバイン氏(リーダー・トゥー・リーダー財団)は、以下のように述べています。


いかなる組織にあろうと、このシンプルな「5つの質問」に答えない限り、顧客、組織、自らに対し、やがて害をなすことになる。


<<ポイント>>


ドラッカーの全経営思想の真髄とも言われる:組織とその活動全体を自己評価し、将来のあるべき姿を探るための「5つの質問」とその解説書


組織のトップに向けて問いかけます。


「あなたの組織のミッションは、何か。?」……と。


本書では、組織の現状を把握し、将来のあるべき姿を探るための経営ツールとしてドラッカーが開発した、最もシンプルで奥深い「5つの質問」による自己評価法について解説しています


本書:「経営者に贈る5つの質問」です。


本書は、著者:P.F.ドラッカー 氏にて、ジム・コリンズ、フィリップ・コトラー、ジェームズ・クーゼス、ジュディス・ローディン、V・カストゥーリ・ランガンの各氏の特別寄稿にて、上田 惇生 氏による翻訳にて、2009年2月にダイヤモンド社 より発行されています。


経営者に贈る5つの質問
ダイヤモンド社
上田 惇生(翻訳)
発売日:2009-02-20
発送時期:在庫あり。
ランキング:175
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 さっと読めるが、じっくり読むほど深い。
おすすめ度5 ドラッカーのエッセンスが鋭く伝わるお勧めの本
おすすめ度5 生き方を教えてくれる

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯ならびに表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


あなたの仕事でいちばん大事な問いは何か

組織の現状を把握し

未来のあるべき姿を探るための経営ツールとして

ドラッカーが開発した

最もシンプルで奥深い自己評価法。

 何ごとにも満足することなく、すべてを見直していかなければならない。だが最も見直しが求められるのは、成功しているときである。

下向きに転じてからでは遅い。

 明日の社会をつくっていくのは、あなたの組織である。そこでは全員がリーダーである。

ミッションとリーダーシップは、読むもの、聞くものではない。

行うものである。

 5つの質問」は、知識と意図を行動に変える。しかも、来年ではなく、明日の朝にはもう変えている。

                −P.F.ドラッカー

「ビジョンをもつことは、激動の世の中ではますます重要となる。世界がどう変わろうとも、人は、誇りあるものの一員たることを必要とする。人生と仕事に意味を必要とする。絆と信条の共有を必要とする。予測不能な暗夜にあっては、導きとなる原理、丘の上の灯を必要とする。
 人類の歴史上、今日ほど、自由と責任という自治の精神のもとに、意義あるもののために働くことが必要とされている時はない」


本書の構成は、ドラッカーの「5つの質問」が各章を構成しており、最初にドラッカー自身による解説、次いで第一人者達の解説が加えられ、最後にその質問に対する幾つかの追加質問が掲載されるといった内容になっています。


読めば読むほど味わい深くなかなかこれをというのが難しいのですが、印象深いと感じた一端を紹介します。


ミッションとは人にかかわるものである。それは心底からのものである。正しいと信ずるものである。
したがってリーダーたる者は、組織のメンバー全員がミッションを理解し、信条とすることを確実にしなければならない。

ミッションを成果に結びつけるには、機会と能力と意欲が必要である。ミッション・ステートメントとは、これら3つの要素からなるものである。

人と能力に限界があるなかで、どこに力を入れ、成果をあげるかが問題である。何を成果とし、何を活力の源とするか。

顧客は、変わっていく。活動対象としての顧客は、増えることもあれば減ることもある。多様化することもある。彼らのニーズ、欲求、希望も変わっていく。

「われわれの顧客は誰か?」という問いかけに答えることによって、顧客にとっての価値を知り、組織にとっての成果を知り、行動のための計画を立てることができるようになる。

計画とは、行くべき場所と行き方についての目論見を規定するだけである。判断やリーダシップを不要にするわけではない。分析、勇気、経験、直感が重要な役を果たす。それよりも責任が大きな意味を持つ。

われわれが成果を求めて働くことができるのは、計画によってである。意図を行動に変えるのも行動によってである。

目標は、具体的かつ評価可能でなければならない。それはゴールに向けて進めるべきものである。

計画における5つの要素とは、廃棄、集中、イノベーション、リスク、分析である。


ほんの一端ですが、本書には、実に含蓄に富んだ内容が満載されています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書は、経営者が現在の立つ位置を確認し、進むべき将来の姿をクリアにしていくための経営ツールとしてドラッカーが開発した、最もシンプルで奥深い自己評価法を解説しています


伊藤 肇氏の「現代の帝王学」によるとトップの要件で以下の3つがあげられています。


  • 原理原則を教えてもらう師をもつこと
  • 直言してくれる側近をもつこと
  • よき幕賓をもつこと

しかしなかなかこういった要件は満たすことができないトップが多いと思います。


本書は、経営の原理原則をシンプルに解き明かしており、トップにとっては得るところの多い本であると思います


<<まとめ>>


本書は、経営者の方々には、是非ともに読んで頂きたい一冊です。


なお本書の主要目次は、以下の内容です。
訳者まえがき
はじめに──フランシス・ヘッセルバイン
なぜ自己評価が必要なのか──ピーター・F・ドラッカー
質問1 われわれのミッションは何か? ――ピーター・F・ドラッカー
・質問1「われわれのミッションは何か?」への解説
 継続と変化を可能にする力---ジム・コリンズ
・質問1「われわれのミッションは何か?」へのいくつかの追加質問
質問2 われわれの顧客は誰か? ――ピーター・F・ドラッカー
・質問2「われわれの顧客は誰か?」への解説
 顧客の満足にどれだけ貢献するか---フィリップ・コトラー
・質問2「われわれの顧客は誰か?」へのいくつかの追加質問
質問3 顧客にとっての価値は何か? ――ピーター・F・ドラッカー
・質問3「顧客にとっての価値は何か?」への解説
 惰性を拒否する勇気---ジェームズ・クーゼス
・質問3「顧客にとっての価値は何か?」へのいくつかの追加質問
質問4 われわれにとっての成果は何か? ――ピーター・F・ドラッカー
・質問4「われわれにとっての成果は何か?」への解説
 世の中を変えることに価値がある---ジュディス・ローディン
・質問4「われわれにとっての成果は何か?」へのいくつかの追加質問
質問5 われわれの計画は何か?――ピーター・F・ドラッカー
・質問5「われわれの計画は何か?」への解説
 計画を策定し、修正し、そこから学ぶ---V・カストゥーリ・ランガン
・質問5「われわれの計画は何か?」へのいくつかの追加質問
組織はいかにして変われるか──フランシス・ヘッセルバイン
最大の効果を引き出すために──ピーター・F・ドラッカー




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売れない商品にしがみつかず、足元にあるかも知れない「隠れたヒット商品」を探す。

自社の業種の中でジャンルを絞り込み専門化し、テーマとなる商品を定め、さらに売れるための工夫を施すことによって、自らの手で隠れたヒット商品=「企画商品」ができあがる。


これは、本書の「おわりに」で筆者が伝えたかった点と述べています。


筆者は、「元刑事」という異色の経歴を持つマーケティングコンサルタントで、コンサルティング歴15年、案件数1万件以上の経験と実績を持つ野元 泰秀 氏。


元刑事という異色の経歴を活かして現場主義(現場イズム)に基づく独自の方法で、顧客心理を解読し、顧客行動を予測するスタイルで、小売・サービス業が得意分野とのこと。


野元 氏 が、大不況のなかでも小さな会社がサバイバルしていくために会社を潰さないために中小企業の経営者がすぐに手を付けなければいけない商品戦略=「最後の戦略」について説いている本を紹介します


「売れない」 「お客がいない」 「お金がない」 歴史的な大不況を迎えて、先が見えない中小企業の経営。


その中小企業の経営者に向けて、


「それやって儲かりますか?」 と問いかけ、


いますぐにやるべきピンチをチャンスに変える「最後の戦略」を説いています。


現下の不況下で売上が上がらず悩んでおられる中小企業の社長にはお薦めしたいと思います。


<<ポイント>>


「小さな会社のための」戦略を体系化して説いている本


大企業には絶対にマネできない、中小企業ならではの「生き残り策」を伝授しています


本書:「あなたの会社を潰さない最後の戦略」です。


大不況サバイバル! 」との副題が付いています。


本書は、著者:野元 泰秀 氏にて、2009年2月にフォレスト出版より発行されています。


あなたの会社を潰さない最後の戦略―大不況サバイバル!
フォレスト出版(株
発売日:2009-02-24
発送時期:在庫あり。
ランキング:254
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 「マーケッティングを勉強しても成果の上がらない方へ」お勧めです
おすすめ度5 困るコンサル続出!
おすすめ度5 自分のための「最後の戦略」でした
おすすめ度5 当たり前のことを当たり前に
おすすめ度5 「シンプルisベスト」・・・やっぱりそうなんだ!!!

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯ならびに表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


「売れない!」「お客がいない!」「お金がない!」

アナタノカイシャ モウ ノコリマセン!

歴史的非常事態のなかで小さな会社が生き残るための秘策!

「あなたの足元に隠れているものをあぶり出せ!」

「いろいろやってもうまくいかない」

「このままいけばじり貧になるばかり」

……だから最後は、

この「やり方」にたどり着くのだ!


本書は、6章から構成されています。


第1章から第5章までで「小さな会社のための」戦略を体系化して説いています。


現場的な視点から小さな会社が生き残るための秘策をイラストを交え、分かり易く説いていきます。


本書の帯に裏面には、「良いテキストを読むことが経営者の成功への近道だ」とのランチェスター経営の竹田 陽一 氏などの推薦!が掲載されています。

今の時代の中小企業には、大企業が行うような視点の「あなたは何を売るのか?」 「どうやって売るのか?」 を考え、大事なお金や労力をかける余裕は、無いはずであると説いています。

それは、戦略という言葉に対しての陥りやすい勘違いであるとし、中小企業ならではの「生き残り策」は、あなたの足元に眠っているはずである「売れる商品」をあぶり出し、売ることだと。

中小企業にとってもっとも必要とされる「商品戦略」の意味と実際のやり方について、多くの事例をもとに解説しています。

また第6章は、企画商品作りの実践の具体的なステップについて説いています。

この章では、「ジャンルを絞り込む」といった各手順に関する読者が直接記入できる表の様式が添付されています。

ここに説明に沿って記入していくことで「企画商品作り」の要点が学べるようになっています。

また各章のおわりには、三行程度の箇条書きでその章のポイントを要約して記載してあります。

ざっと紹介します。


第1章では、「経営者が陥る「戦略」の罠
と題して、戦略となるとどうやって売るかという販売戦略に向かったりするがそれは破滅の道。


経営資源の少ない中小企業が生き残るために必要なことは、「商品戦略」の重点化と事例を紹介しながら強調しています。


第2章では、「ビジネスのすべてを商品が握っている
と題して、ビジネスにおける商品の占める重要な位置づけについて説いています。


すなわち、商圏、単価の上限と下限、売上、購買頻度などは、すべて商品により決まる。
また商品、商圏、顧客には、「寿命」がある。はじめに「何を売るか」との商品ありきで商売が動く。


第3章では、「商品を変えろ!
と題して、時代とともに商品を大企業には真似のできないスピードで切り替えるのが中小企業の生き残る道。


常に売れる商品に商品を変えていくことこそが会社存続の鍵と説いています。


第4章では、「「隠れたヒット商品」
と題して、中小企業が売るべきものは、限られた地域や購買層に圧倒的に支持されている「隠れたヒット商品」と説いています。


また買い手の欲望を刺激し信頼を得る「隠れたヒット商品」をどのように見つけ出すかについてのヒントと条件等について事例を挙げて解説しています。


第5章では、「売れる商品をつくり出す
と題して、「隠れたヒット商品」を自らの手で作り出す方法について説いています。


そのための「企画商品」について「ジャンル」、「テーマ」、「企画」がその3本柱とし、そのように進めるかを解説しています。


とくに『お客が集まる』:「企画」について商品に「NEWS」、「PREMIUM」、「OFFER」の3要素を持たせること説いています。


第6章では、「実践・企画商品づくり
と題して、「お客が集まる商品」と「儲かる商品」の2種類のうち、とくに「お客が集まる商品」をターゲットにして企画商品を作る実践的なプロセスを具体的に解説しています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、中小企業がこれからの時代を生き残っていくための戦略を説いています。


経営資源が限定された中小企業が重点化集中すべきは、商品戦略で、現在の売れない商品にしがみつかず、足元にあるかも知れない限られた地域や購買層に圧倒的に支持されている「隠れたヒット商品」を探すこととしています。


自社の業種の中でジャンルを絞り込み専門化し、テーマとなる商品を定め、さらに売れるための工夫を施すことによって、自らの手で『お客が集まる』:「隠れたヒット商品」=「企画商品」を作り上げていくプロセスを具体的に解説しています。


<<まとめ>>


本書は、中小企業にとってもっとも必要と判断される「商品戦略」の意味と実際のやり方について、多くの事例をもとに、分かり易く解説しています。


具体的な事例から明確なビジョンなどにまとめることができる内容になっています。


松下 幸之助 さんはじめ多くの名経営者は、不況こそ伸びるチャンスと言っています。


本書には、中小企業ならではのピンチをチャンスに変えるためのノウハウが、提供されています。


売れない」 「お客がいない」 「お金がない」と嘆く前に、是非とも本書をご一読されることをお薦めします。


なお本書の主要目次は、以下の内容です。
第1章 経営者が陥る「戦略」の罠
第2章 ビジネスのすべてを商品が握っている
第3章 商品を変えろ!
第4章 「隠れたヒット商品」
第5章 売れる商品をつくり出す
第6章 実践・企画商品づくり





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予想通りというか懸念されていた通り、日銀が企業の景況感などを探るため実施している四半期ごとに実施するアンケートの企業短期経済観測調査短観」の3月の厳しい数字がこの4月1日に発表されています。


これによると企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業・製造業がマイナス58と、1974年5月の調査開始以来、過去最悪の水準に落ち込んでいます


大企業の景況感は、輸出依存の高い製造業だけでなく、これまでのところ踏ん張ってきていた非製造業でも悪化が顕著となってきています


厳しい景気状況は、輸出関連産業からほぼすべての産業に波及しており、内外需問わず総崩れの状況になっています。


とくに業績不振が深まる自動車や電機各社では、退く社長とその座に留まり自らの手で業績回復を目指す社長とに二極化しています。


そんな中、自動車や電機各社は、4月1日に一斉に入社式を行っています。


幾つかの会社でのトップの挨拶がマスコミで紹介されています。


入社したばかりの新人も含め社内の人のモチベーションを高く維持し「人の強みを生かすこと」ができるかどうかのまさに『社長力』の真価が問われる局面になっています。


本日は、ビジネスマンのための「○○力」養成講座』の人気シリーズで知られる経営コンサルタントの小宮一慶 氏がシリーズ第5段として、『社長力』をテーマに経営の原理原則を説いている本を紹介します。


会社の社長だけでなく、周知を結集して、この危機を乗り越え、ピンチこそむしろチャンスとして逞しくサバイバルしていこうとするすべてのビジネスパーソンに必須のマネジメントスキルの基本が説かれています。


<<ポイント>>


経営・マネジメントの原理原則を説く本


筆者は、経営の原理原則とは、「お客さま第一」の徹底と「キャッシュフロー経営」だと説いています。


すなわち、お客様第一を徹底し、キャッシュフローを稼ぎ、それを将来のために人材や設備に投資し、さらに財務改善に使うことの鉄則が経営の原理原則であると説いています。


まさにこれこそ、経営の「不易流行」の不易のコアの部分で、バブルが崩壊しようが、金融危機を伴う景気後退であろうとどのような時代でも必要な経営の原点であると説いています。


また上記の鉄則に加え、ちょっとしたコツや起こしやすい勘違いなどがあるとして、経営の土台となる基本的事項も付加して解説しています。


本書:「どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座」です。


本書は、著者:小宮 一慶 氏にて、2009年3月にディスカヴァー・トゥエンティワン より「ディスカヴァー携書」の一冊として発行されています。


本書は、『なぜ、オンリーワンを目指してはいけないのか?』(2006年出版)のバージョンアップ版との位置づけで、本質は同じで、現下の情勢を考慮し、新たな項目を加え、既存項目も大幅に加筆修正したとのことです。


どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2009-03-15
発送時期:在庫あり。
ランキング:217
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 文句なしの一冊
おすすめ度5 社長の仕事とは・・・
おすすめ度5 忘れられた経営の基本

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれています。


目標より目的
未来予測より現在過去分析
満足より感動
拡大志向だけより小さくなる能力
数字より信念
ROEよりROA
投資拡大より増し分
新規事業より人材育成
意識改革より小さな行動
インセンティブより誇りと自信
意味より意義
金儲けより正しい人生
順境より逆境

100年に1度のチャンス!?

苦しい時代こそ、経営の原理原則が問われる!
人としての原理原則が問われる!
すべてのビジネスパースンは
社長力」で差をつけろ!

いまほど、国には「政治」が、会社には「経営」が求められているときはない経営に、「原理原則」に立ち戻ることが求められているときはない。経営コンサルタントとして、多くの企業の経営に関わってきた著者の本領発揮のこの一冊は、一見すると、ごく初歩的な経営の基本が易しく書かれているように見える。しかし、少しでも経営に携わったことのある人なら、ここに書かれている基本の「徹底」的な実践こそが、自営業から大企業まで、あらゆる経営の基本であり、かつ最大の課題であることに気づくだろう。そして、正しい経営の神髄とは、よりよい人生の神髄と同じであることにも


本書は、経営の原理原則としての『社長力』について、章を構成する以下の5つの軸を切り口に解説しています。52の項に区分されています。


  1. 社長力1:ストラテジー力(12項)
  2. 社長力2:マーケティング力(8項)
  3. 社長力3:ヒューマンリソース・マネジメント力(10項)
  4. 社長力4:会計力(10項)
  5. 社長力5:人間力(12項)

イラストや図表が挿入され、また重要ポイントは枠囲みやゴシックで強調されるなど親しみやすい文章になっています。


また各章の終わりでは、各章のまとめの「チェックリスト」がハッチング入りでまとめられており、改めてその章をレビューできるようになっています。


ざっとした概要を紹介します。


社長力1:ストラテジー力
経営という仕事の認識を誤っているとうまくいくものもうまくいかない

では、経営とは何かといった点に焦点をあて解説しています。


筆者は、経営の本質は、以下の三つでは、ないかとしています。


  1. 企業の方向付け
  2. 資源の最適配分
  3. 人を動かす

この章の一端の内容を紹介するととくに方向付けについて「お客様のニーズと世の中全体の動きを的確にとらえること」が重要といった基本の重要性を強調しています。


また「未来予測」よりも「現在過去分析」/「目標」よりも「目的」/「新規事業」よりも「既存事業」/「売上高」よりも「シェア」/「下請け」よりも「自立」/「弱肉強食」よりも「優勝劣敗」/「オンリーワン」よりも「ナンバーワン」/「拡大志向」だけより「小さくなる能力」/「内部志向」よりも「外部志向」/「ES優先」よりも「CS優先」/「モティベーションアップ」よりも「働きがい」といった各セグメントについて経営の戦略面を説いています。


社長力2:マーケティング力
お客さまの心をつかむマーケティングの本質を理解する

では、マーケティング力についての本質論を説いています。


たとえば、冒頭では、お客さま第一の徹底について「ダメな会社は新規営業がうまい」とし、「既存のお客さまをより大切にすることがビジネスの根本であり、その方が結果的に儲かる」と(「新規顧客開拓」よりも「既存のお客さま」の項)と説いています。


社長力3:ヒューマンリソース・マネジメント力
何が人を動かすのかをほんとうに理解しているか?

では、例えば、「新規事業」よりも「人材育成」と説いています。


すなわち、「人を育てることが結局は、企業業績をよくすることであり、有為な人材を育てることが大きな社会貢献である」とまた「会社は幸せを与えるものでなければなりません。そして、働く人にも幸せを与えるものでなければなりません」と説いています。


更には、「社会や働く人に幸せを与えられる組織でなければ存在する意味はありません」とも結んでいます。


このあたりは、松下幸之助さんなど幾多の名経営者の経営哲学の世界とも一致しており、大いに共感を覚えます。


社長力4:会計力
会計・財務を経営的に考えているか?

では、会計・ファイナンスについての考え方を説いています。


そして、そもそも売上高とは何でしょうか?と提起し、「お客様との接点」と説いています。


会社の「社会での存在(プレゼンス)」そのものが売上高であり、お客様に喜んで頂いている大きさである」と説きます。


また利益について、「利益は、会社やそこで働く人、社会をよくするためのコスト」と主張します。


ここもまさに松下幸之助さんやドラッカーなどの考え方と一致した視点が説かれています。


また「どれだけ会計や財務の知識があったとしても、お客さまに喜んでもらえる商品やサービスを提供することができなれば、企業は生き残ることはできません。」と結んでいます。


社長力5:人間力
結局は、リーダーの人間力がものをいう


では、「「総花的」よりも「重点主義」」という話題で始まります。


たしかにスローガンが沢山あるような優先順序や重点化がしっかりとできていないような組織でうまくいっているような例は、私も見たことがありません。


ここでは、リーダーの心構えや身につけるべき人間性が大切でビジネスも人生も同じことではないかと説いています。


「総花的」よりも「重点主義」/「気合い」よりも「具体化」/「かっこつける」よりも「行動」/「話す」よりも「聞く」/「甘さ」よりも「厳しさ」/「社会勉強」よりも「読書」/「難しい理屈」よりも「素直に思う」/「肩書き」よりも「人望」/「順境」よりも「逆境」/「自分」よりも「会社」/「今」よりも「未来」/「金儲け」よりも「正しい人生」といったセグメントについて取り上げ説いています。


正しい経営の神髄とは、よりよい人生の神髄と同じであることを「お金を追うな、仕事を追え」と説いて結んでいます。


<<本書で何が学べるか?>>


社長力というタイトルですが、ビジネスパースンが何のために働くかの基本を説いています。


お客様第一を心の底から徹底し、お客様によい製品やサービスを提供することで喜んで頂くこと。
 
企業の価値は、このように社会に幸せを与え、働く人にも幸せを与えるものでなければなりません


売上は、社会へのお役立ちの尺度の一つ。


利益は、会社が社会に貢献した結果の報酬で、それは、会社やそこで働く人、社会をよくするためのコストとして活用されるべきもの


赤字は、会社が社会に貢献できていない証拠となる経営の罪悪。


原理原則が果たされれば経営も人生も必ず成功が見込める


<<まとめ>>


本書は、「社長力」とのタイトルですが、会社の社長だけでなく、周知を結集して、この危機を乗り越え、ピンチこそむしろチャンスとして逞しくサバイバルしていこうとするすべてのビジネスパーソンに働くことの意味や、自分の未来を見つめ直すために、この100年に一度のチャンスのときにこそ、読んで頂きたい一冊です


なお本書の主要目次は、以下の内容です。
社長力1:ストラテジー力
(経営という仕事の認識を誤っているとうまくいくものもうまくいかない)
社長力2:マーケティング力
(お客さまの心をつかむマーケティングの本質を理解する)
社長力3:ヒューマンリソース・マネジメント力
(何が人を動かすのかをほんとうに理解しているか?)
社長力4:会計力
(会計・財務を経営的に考えているか?)
社長力5:人間力
(結局は、リーダーの人間力がものをいう)





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ランチェスター経営を標榜し、従業員100人以下の企業を専門に活躍している経営コンサルタントの竹田 陽一 氏の最新の著作


ランチェスターの法則は、航空戦の観察からランチェスターによって提唱され、現代で主に戦闘シミュレーションに応用されている軍事作戦における方程式を用いる戦略論。


一騎打ちの法則」と呼ばれている第1法則および「集中効果の法則」と呼ばれる第2法則があります。


「武器の性能が同じであれば、必ず兵力数の多い方が勝つ」といったもの。


上記の戦略から導かれる強者の戦略弱者の戦略などが知られています。


これがマーケティング戦略や経営戦略等に展開されてきています。


このランチェスター法則を応用し、従業員30人以下(とくに15人以下)の企業を対象に弱者必勝の経営戦略を説いているのが竹田氏のランチェスター経営戦略です


本書では、小さな会社のための経営計画において最重要な「社長の実行計画書」に基づく社長のマネジメントをテーマにそのランチェスター経営に基づく経営戦略の取り組みについて指南しています。


<<ポイント>>


竹田 陽一 氏による実践的なランチェスター経営による『社長の実行計画書』作りの指南書。


小さな会社に必要なのは「実行するための計画書」で対前年比何%といった根拠のない経営計画書は不要と説いています。


経営計画書は、社長が何を実行しようとしているのか社員が分かっていなければ意味がないと説き、小さな会社のための実践的で役に立つ「社長の実行計画書」つくりを基軸とした経営戦略を伝授しています


本書の中核としているものは、お客を出発点とした「お客起点の発想」、ランチェスターの法則の研究から生まれた「弱者の戦略」、さらに「3ヶ月ごとの実行計画」とのことでこれは、経営規模の小さな会社の社長に必ず役に立つとしています。


本書:「なぜ、「会社の数字」は達成されないのか?」です。


ランチェスター経営 社長のための実行計画書作り」との副題が付いています。


本書は、著者:竹田 陽一 氏にて、2009年3月にフォレスト出版 より発行されています。


なぜ、「会社の数字」は達成されないのか?―ランチェスター経営社長のための実行計画書作り
フォレスト出版
発売日:2009-03-07
発送時期:在庫あり。
ランキング:122
おすすめ度:4.5
おすすめ度5 中小企業に合った「社長の実行計画書」は実践的で役に立つ。実践的ランチェスター経営指導の第一人者があなたの会社を1年で劇的に変える
おすすめ度5 なぜ出版が1年も遅れたか?
おすすめ度4 簡単すぐ儲かる系ではありません

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯ならびに表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


社長!その経営計画では会社は潰れます!

不況を生き抜くための指南書

会計中心の「経営計画書」は役に立たない!

小さな会社は「社長の実行計画」を、「3カ月ごと」に落とし込め!

経営計画書は、
社長が何を実行しようとしているのか社員が分かっていなければ意味がない。
小さな会社にピッタリの「社長の実行計画書」は実践的で役に立つ。
あなたの会社が1年で劇的に変わる。


本書は、「会社の数字が上がらず、苦労している社長へ!」と題した筆者からの社長に向けた問題提起が冒頭に掲載されています。


会社にとって重要な経営計画書だが、多くの社長(コンサルタントも)は、「経営計画は数字を立てること」といった間違った考え方をしているのではないかと提起しています。


決算書中心の経営計画書が流行しているが、決算書は過去の数字で、資金のある大企業や設備投資が膨大な製造業などには良いとしても小さな会社にとっては、適切でなく、むしろ本書で説く、「社長の実行計画書」が小さな会社にピッタリで実践的で役に立つと述べています。


とくに「社長の実行計画書」をつくる上で以下の4つの原則を押さえるべきであると説いています。


  1. 個人企業や法人企業を問わず、会社と呼ばれる組織体は「粗利益」によって生きているという原則
  2. 機械や設備など生産手段に多くの資金を使う業種と、生産手段を必要としない『知識を中心とした業種』では、経営計画の立て方が大きく異なるという原則
  3. 会社と会社の真の力関係は、ある局面に投入される経営力の「2乗比」になるという原則
  4. 従業員30人以下(とくに15人以下)の会社では、社長の雑用が何かと多く、1年間の計画では長すぎて実行が伴わないため、3カ月ごとに区切りをつけていく「超短期の実行計画」でないと役に立たないという原則

本書では、第1章~第4章までの4つの章で、小さな会社のための経営計画において最重要な「社長の実行計画書」をどのようにして作り活用していくかを具体的に伝授しています。


ざっと概要を紹介します。


第1章では、「間違いだらけのコンサルタントと社長たち
として、「経営計画は数字を立てること」は、適切でないとし、ピーター・ドラッガーが言う経営計画は、設備投資が必要な会社の長期経営計画で、決算書中心の経営計画書はm社長が理解しにくく、その数字には経営的な根拠が乏しくなるなどと説いています。


業歴10年以下の会社にコンサルタントは不要で、先ず社長が勉強することが必要とし、経営計画は、従業員との意思疎通のためのツールであるべきなど社長の経営に対する心構えといったことを説いています。


第2章では、「間違いだらけの経営計画
として、小さな会社のための経営計画とはどのようなものであるべきかを説いています。


「お客視点」の原則、多くの会社は「知識型」であるため決算書は損益計算書(P/L)を中心にして、「資金の配分」でなく「経費の配分」の観点からコストの配分を考えることの重要性など説いています。


また経営計画の事前準備として、「1.『経営の全体像』を正しくつかむ」→「7.どのような方法で計画書とまとめると、より実践的で使いやすいものになるかを考慮する」に至る7つの留意ポイントを指摘しています。


経営を考える際、先ず「市場」があり、この市場に「経営パワー」を投入し、その代償として顧客からお金を貰うとし、経営パワーは、「商品力」と「営業力」から作り出されるなどとしています。


とくに筆者が株式上場企業のデータをもとに、市場占有率と従業員一人あたりの経常利益の因果関係を調べたところ、以下の結果を発見したとし、市場占有率に、利益性が良くなるかどうかの秘密が隠されていたとしています


  • 市場占有率を26%以上持つ1位の会社の従業員1人当たり経常利益は、2~4位の会社の「3~6倍」も多かった
  • 従業員1人当たりの経常利益は、市場占有率の2乗に比例する

第3章では、「小さな会社の実行計画書とは?
として、実行計画書をどのような観点から策定するかを具体的に説いています。


社長の願望と熱意のもと目的を明確にし、従業員との約束手形の位置づけでしっかりと授業員に理解してもらうことを強調しています。


また3カ月ごとの行動計画書として、「経営における大事な要因」を考え、優先順序に基づき1年間で10~12件の計画と立てるなどの方法を説いています。


第4章では、「あなたの会社を1年で変える「社長の実行計画書」
として、実際にどのように「社長の実行計画書」と作成していけばいいのかを具体的に説いています。

この章が本書の半分以上を構成している肝の部分になります。

3カ月ごとに落とし込む計画に盛り込まなければならない項目としてランチェスターの法則の以下の8大要素が取り上げられています。

これらの8つのすべての要素に対して「実際にどのように計画を立てればよいか」を詳論しています。

その中からとくに優先順序の高いものに目標のウエイトを置いた計画立案を説いています。

その各計画における目的の明確化、情報収集、戦略確認、重点化、実行策、立てるべき諸計画とそのポイントといった観点から「社長の実行計画書」の作り方を説いています。

また各要素ごとにその最後で、あなたの会社の「各要素の計画」を立ててみようとしてそのエッセンスをまとめています。


  • 「商品」
  • 「営業地域」
  • 「業界・客層」
  • 「営業」
  • 「顧客維持」
  • 「組織」
  • 「資金・経費」
  • 「仕事時間」

1年間で10件以上の目標が達成されれば、会社は劇的に変わっているはずと説いています。


<<本書で何が学べるか?>>


従業員30人(15人以下)の小企業の社長のためのランチェスター経営による『社長の実行計画書』作りを具体的に分かり易く説いています。


例えば、営業について以下のように説きます。


「特定の商品」、「特定の営業地域」、「特定の業界・特定の客層」に集中してお客をつくり、市場占有率で一位になると営業経費が割安になるので、従業員一人あたりの経常利益が2倍も3倍も多くなる。

営業の目的は、一位づくりと一体にして実行するのが正しい。


説得力があります。


<<まとめ>>


本書は、小さくとも戦略的で優良な企業を目指す社長には、お薦めしたい一冊です。


なお本書の主要目次は、以下の内容です。
会社の数字が上がらず、苦労している社長へ!
第1章 間違いだらけのコンサルタントと社長たち
第2章 間違いだらけの経営計画
第3章 小さな会社の実行計画書とは?
第4章 あなたの会社を1年で変える「社長の実行計画書」





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埋蔵金といえば、「相撲取りには、土俵に金が埋まっている。」とよく言われます。
ということで大相撲大阪場所も始まりましたが、この話でなぜか思い出すのが「花筏」(はないかだ)という落語。


この落語のまくらでも大体、冒頭の話がでてきます。


地方巡業の際、人気の大関の「花筏」が怪我で出られず、部屋の親方は、大関に姿の似ている太った提灯屋を替え玉に連れて行く。怪我をしてるということで、見てるだけでいいから、と誘われた提灯屋。よく間違えられるくらい大関に似ている。ところが、巡業先の人にばれてしまい「一番だけでも相撲をとってくれ」と頼まれてしまう。相手は、その土地で一番強い若者。提灯屋は、こわごわ土俵にあがるが、果たしてその結末は・・・。


テレビでも、その昔、「よく全国の埋蔵金伝説が取り上げられ、確からしい情報に基づいて該当の場所を掘り進め何が出るかと気を持たせるものの、結果は何もでなかった。」というのがありました。


またテレビ番組「笑点」の大喜利(おおぎり)で、座布団が10枚たまった時のご褒美に「徳川のご埋蔵金」というのが出たことがあったように思います。


その時は、徳川の名前を入れたぞうきん(雑巾)が5枚で「ごまいぞうきん」という駄洒落。


国会でも埋蔵金が話題に。


さて、……。


埋蔵金」という言葉には?のイメージもありましたが、本書で取り上げている埋蔵金は、経営に確かなインパクトを与える真摯なもの


(財)社会経済生産性本部認定経営コンサルタントで、企業ドクター「ドクトル・ホリコン」を名乗り、「社員も経営者も、会社という一つの身体の中で生きている」という考えから、「人を切らない人財育成型コンサルティング」を中心に、短期間収益改善の独自ノウハウを展開中で、「赤字企業を黒字化すること」をライフワークとしている筆者:堀内 智彦 氏が、企業の活動には「多くのムダ」が潜んでいるとし、“ムダ=埋蔵金”と捉え、埋蔵金が入った隠し金庫を探し、その中身を利益に変える方策を伝授している本を紹介します


<<ポイント>>


企業に潜むムダ=埋蔵金の定義に始まり、発見の仕方から利益へと改善に結びつける方法までを説く本


著者の多年にわたる経営改革ノウハウをベースに、「どの企業でも売上高の10~15%程度のムダ(損失)がある」とし、そのムダ=埋蔵金を発掘し、改善することにより、生産性を上げ、利益に変えるていく手法を解説しています


ココで取り上げているムダとは、原材料・設備などのモノに関するムダと、時間に関するムダに大別され、「実際損失と機会損失」との観点から、それらのムダは、経営資源および経営活動のすべてに隠れていると説いています


本書:「アナタの会社の埋蔵金(ムダ)を利益に変える本」です。


本書は、著者:堀内 智彦 氏にて、2009年1月に日刊工業新聞社より発行されています。


アナタの会社の埋蔵金(ムダ)を利益に変える本 (B&Tブックス)
日刊工業新聞社
発売日:2009-01
発送時期:在庫あり。
ランキング:43161
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 これはお得感!
おすすめ度5 良心的な本
おすすめ度5 全ての企業人の必読書
おすすめ度5 ちまたには
おすすめ度5 いわゆる・・・

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙カバーの下部には、以下のように書かれています。


アナタの会社にも必ずある

埋蔵金(ムダ)の発掘の仕方から利益に変える秘訣まで

伝授します!


本書では、『埋蔵金発掘ツアーへのご招待』とのプロローグから始まります。


従業員も経営者も一体となってこの『埋蔵金発掘ツアー』に参加し、この難局を乗り切ろう」というコンセプトのもと、「全員が、目的志向で一丸となって改革に取り組む」というストーリーで展開されています。


本書の「はじめに」で筆者は、「なぜ今、このような改革の取り組みが必要か」といった点について、以下のように述べています。


景気停滞が長引き、米国のサブプライムローン問題に端を発した米国の老舗証券会社の経営破綻、それに関連した国内の生保破綻などによる株式市況の大幅下落、金融引締め政策、地価下落、原油高に関連した原材料・資材高騰、そして、政府の信用力低下など経営環境が悪化しています。

(略)

各企業は経営破綻を回避するために、業績回復に必死に取り組んでいますが、とかく収益改善というと、売上高を伸ばす、原価(コスト)を下げるという2点(あるいはその組み合わせ)だけに注力しがちです。なお、「コストカット」と「コストダウン」は識別して定義すべきです。

前者は「原価低減」を主目的とし、一律に実施するコスト低減活動であり、後者は「利益確保」を主目的とし、原価と付加価値(費用対効果)のアンバランスに着目してコストをコントロールするコスト管理活動です。

コスト管理とは、コストのバラツキを再配分するということであって、換言すれば、コストカットを原則としながらも、費用対効果が期待できるならば、部分的なコストアップもありうるということです。

一方、コストといっても固定費は「能力の確保」に必要なものであり、削減しすぎると企業体力がなくなります。

(略)

「不易流行」のごとく、この厳しい時期だからこそ、ストイックにトレーニングを重ねることが、やがて景気回復時期が来たときに飛躍するための準備となります。


本書は、先に紹介したプロローグに続く6つの章から構成されています。


各章の終わりには、『ブレストを活用しよう!』といったCOLUMNがありその章の主要な項目の留意ポイント等を章の補完し、イラストと共に分かり易く解説しています。


『埋蔵金発掘ツアー』では、利益確保の取り組みを航海になぞらえ、社長が羅針盤の管理と進路の確保、営業担当が、エンジンの管理と推進力の確保、購買・製造担当が、船体の管理とメンテや修繕、全授業員が一致して、生産性を向上させ、船内のムダを排除するといった役割を担うといった役割のもと推進するツアーとして『会社の埋蔵金(ムダ)を利益に変える』活動プロジェクトを位置づけています。


ツアーのステップと章との関係は以下のフローのような構成になっています。


ツアーの企画→参加目的の同一化→埋蔵金の定義」(第1章)→「埋蔵金が眠る隠し金庫を探す」(第2章)→「その隠し金庫の扉を開ける」(第3章)→「その金庫の中身を調べる」(第4章)→「埋蔵金を利益に変える」(第5章)


本書のコンセプト等についての概念図などの多数の図表が挿入されていて、分かり易い解説となっています。


ざっと概要を紹介します。


第1章では、「アナタの会社にも埋蔵金が眠っている隠し金庫がある!
と題して、ツアーの全体像を解説し、ツアーの目的を確認した上で、埋蔵金について利益のもととし、「実際損失」と「機会損失」などのムダを改善することとしています。また埋蔵金が眠っている隠し金庫をどのように探すかの方法について、ブレーンストーミングによる方法、内部監査による方法、業務活動をプロセスに分解してプロセス単位で探査する方法とその具体的な手順を解説しています。


第2章では、「埋蔵金が眠っている隠し金庫を探す
と題して、業績を定義するとして、埋蔵金が眠っている隠し金庫と業績の関係、財務会計・税務会計・管理会計、業績とはなど企業経営を維持する収益構造について財務的な視点から解説しています。さらに埋蔵金が眠っている隠し金庫を探すとして、マネジメントウエブを作っての隠し金庫の発見のためのマッピングから、売上高・変動費・固定費を要素プロセスに分解したり、固定費の変動費化の視点などによる隠し金庫の「見える化」探索方法を解説しています。


第3章では、「埋蔵金が眠っている隠し金庫の扉を開ける
と題して、「インプットをアウトプットに…」というISO9000のプロセスの定義の仕方について解説しています。埋蔵金が眠っている隠し金庫がプロセスとのことで、そのプロセスに埋蔵金(ムダ)があるかいなかを確認する方法について解説しています。とくにプロセスの監視・測定、プロセスフローなどのよるプロセスの可視化、さらには、標準化の定義に続いて標準化とスキル評価のための手順書(マニュアル)といったプロセスの標準化の手法と手順がここでは、解説されています。


第4章では、「埋蔵金が眠っている隠し金庫の中身を調べる
と題して、プロセスの中身を取り出してそのプロセスに埋蔵金(ムダ)があるかないかを判定するための「生産性の測定」とそのための測定ツールについて解説しています。生産性と付加価値の定義にはじまり、生産性の測定について、「付加価値(限界利益)による測定」、「稼働率による測定」、「会計による測定」の方法をそれぞれ解説しています。さらに.パレート分析によるABC管理、ポートフォリオ分析、ラインバランス分析といったQC7つ道具やIE手法を活用する方法についても解説しています。 


第5章では、「埋蔵金を利益に変える
と題して、「プロセス」=「活動または要素」+「管理システム」=「PDCAのマネジメントサイクル」とするプロセス管理システムと通じてのパフォーマンス(業績)の向上の達成の仕組みについて、マネジメントウエブとの関係、プロセス管理シートの作成例、結果の測定、是正処置といった事例を交えて解説しています。さらに「売上」、「固定費」、「変動費」の”業績の3要素”を改善する取り組みのポイント、プロセスの改善ステップと改善のポイント、標準時間の設定、必要条件となる5S活動といった側面について「埋蔵金を利益に変える」改善の取り組みとして解説しています。


第6章では、「実録 埋蔵金発掘ツアー
と題して、K社とP社を患者に見立てて、症例、診断、治療といった両社に関わる埋蔵金発掘ツアーの状況を解説しています。


さらに「果てしなき航海を乗り切るために」としたエピローグでは、本書で取り上げてきた売上の維持向上を図りながら、損益分岐点を引き下げる取り組みの重要性を強調しています。


また巻末には、『アナタの会社の健康診断チェックリスト』が添付されています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、筆者の多年にわたる経営改革ノウハウをベースに、「どの企業でも売上高の10~15%程度のムダ(損失)がある」とし、そのムダ=埋蔵金を発掘し、改善することにより、生産性を上げ、利益に変えるていく手法を『埋蔵金発掘ツアー』の展開を通じて解説しています。


総合的な会社の改善活動を通して、どこの会社にも隠されているムダ埋蔵金について、それを発掘し、改善することにより、生産性を上げ、利益に変えていくための具体的な手法が説かれています。


<<まとめ>>


現在、赤字経営で苦戦していたり、業績の伸び悩みを抱えていたり、また、現在順調だが、さらに企業体質を改善したいといった経営問題に直面されている組織の関係者には、おすすめの一冊です


なお本書の主要目次は、以下の内容です。
第1章 アナタの会社にも埋蔵金が眠っている隠し金庫がある!
第2章 埋蔵金が眠っている隠し金庫を探す
第3章 埋蔵金が眠っている隠し金庫の扉を開ける
第4章 埋蔵金が眠っている隠し金庫の中身を調べる
第5章 埋蔵金を利益に変える
第6章 実録 埋蔵金発掘ツアー





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現下の経済情勢について筆者は、「おわりに」で以下のように述べています。


深刻な不況が世界中で広がり、株式市場は大幅に下落し、円高が一気の進んだ。世界経済がいま深刻な状況にあることは間違いない。


しかし悲観も楽観もしていない。とし、コンドラチェフの50~60年周期の長期景気波動を引いて、元来、景気は循環するからと述べています。


強欲な投機と詐欺まがいの取引が支配する「金融経済」なるものは所詮、虚構にすぎず、その虚構が膨れあがり爆発したのが今回の金融危機の本質である。


国家でも企業でも価値創造に関心のない人間が権力を握ると、間違いなく崩壊する。


しかし流れは変わったとし、


「実体経済」、「価値創造」こそが経済活動の根幹であるという当たり前のことが、世界中で再認識された。まっとうなモノづくりや地道なサービス活動こそが、経済の主役である。


そうした活動を担っているのが「現場」で、現場の力こそが、価値創造の本丸で、競争力の柱と述べています。


これから厳しい時代を乗り越えて日本企業が再浮上するには、足もとの競争力である現場力を、経営トップと現場が一丸となって、今一度、鍛え直すことが必要と述べています。


15万部のベストセラーとなり、5年間、売れ続けているロングセラー『現場力を鍛える』の著者:遠藤 功 先生が、現場力を鍛え直し、世界不況を乗り切るための方策を伝授している本を紹介します。


<<ポイント>>


強い現場の実現のための具体的方策(現場力復権)の解説書


現場力」という言葉は、その重要性が浸透し、経営計画に「現場力強化」を目標に掲げる企業が相次いで登場したものの。


実際に、その多くは、「計画倒れ」「掛け声だけ」で終わってしまっているとのこと。


本書では、日本企業の現場力をあらためて検証し、「なぜ、現場力の重要性を知りながらも、実現することができないのか?」を考察し、その原因追求から見いだされた解決策となる「具体的な実践のための処方箋」、さらに今回の不況を現場力強化の奇貨として活かす方策を明示しています


以下のような観点が本書で考察されています。


  • 「10年続ける覚悟」がなければ、現場はかえって混乱するだけ
  • 現場力の「企業間格差」が広がっている
  • 「強い現場」には「当事者意識」が必要
  • 経営のウェイトは「戦略2」:「実行8」
  • 組織の「しつけ」を徹底させ、現場力を「組織のくせ」にまで高める
  • 現場力強化の「見える化」は、「手段」であって「目的」ではない

本書:「現場力復権」です。


現場力を「計画」で終わらせないために」との副題が付いています。


本書は、著者:遠藤 功 先生にて、2009年1月に東洋経済新報社より発行されています。


なお遠藤 功 先生の個人ホームページはこちらです


現場力復権―現場力を「計画」で終わらせないために
東洋経済新報社
発売日:2009-01-30
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:124

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯及び表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


15万部のベストセラー「現場力を鍛える」待望の続編

この世界不況を乗り切るのもやはり現場力だ!

「強い現場」は今こそ世界に誇れる「日本の宝」。実現に向けてさらに具体的な方法を説く

「見える化」の最新情報も満載

現場力、再び……

「現場力を鍛える」を出版して約5年、日本企業の現場力をあらためて検証し、現場力強化の動きが「計画倒れ」にならないように、そしてこの不況を現場力強化の奇貨(きか)として活かすにはどうすればよいのかを、本書では論考したい。


本書は、「再び、素朴な疑問」と題し、「現場力強化」を謳いながら、多くの企業はどうしてその取り組みが、一過性な運動で終わってしまうのだろう?」といった8項目の『現場力強化の取り組みが「上滑り」していませんか?』との趣旨の問いかけの「序章」に始まります。


本書は、6章から構成されています。


第1章では、現場力は、日本の宝と確認し、モノづくりの現場でなくサービス業も含めた現場力の強化の意味を概観し幾つかの現場力の事例を紹介しながら現場力を再確認していきます。


また第2章では、現場力強化の最前線の活動を事例を取り上げながら現場力の強化を考察していきます。


また第3章では、組織の躾けといった現場習慣について磨きあげ、変革していく活動を通じて企業文化が形成されるとの「組織の「くせ」づくり」を論じています。


第4章では、現場力を強化する重要な概念・仕組みの「見える化」をテーマにこれをしっかりと機能させるために「伝わる化」「つなぐ化」「粘る化」までの活動が必要と説き、実践例及び対談を交えて解説しています。


また第5章では、製造業の現場力強化のための3つのG(Group Management(グループ競争力としてのマネジメント)、Generation Shift(世代交代と現場力)、Grobalization(現場力のグローバル化))の観点から現場力を考察しています。ここには、「アナログの復権」とのユニークなコンセプトを掲げた組織トップとの対話が挿入されています。


さらに第6章では、現場力を経営学的側面からどのように位置づけるべきか経営理論の観点から考察しています。


「現場力を鍛える」でも取り上げた現場力で結果を出している企業に共通する5つのポイント。


  1. 「結果を出すのは自分たち」との強い自負・誇り・当事者意識が現場にある
  2. 現場が会社の戦略や方針を適正に理解・納得し、自分たちの役割を認識している
  3. 結果を出すために、組織の壁を越えて結束・協力し、智恵を出し合う
  4. 結果が出るまで努力を続け、決して諦めない
  5. 結果を出してもおごらず、新たな目標に向かってチャレンジし続ける

戦略とは、『捨てる』こと。
競争戦略が合理的であることの最も重要な要素は、自社の「身の丈」にあっているかどうか。(略)


「捨てるべき事業」が明確になれば自ずと「フォーカスすべき事業」は決まる。


捨てる決断は、痛みを伴うが、競争力のない事業をずるずると引きずる不合理な経営は、中長期的には「より大きな痛み」を経営にもたらす


戦略2割、実行8割
経営における戦略と実行のウェイトは「2:8」と感覚的に考えている。


合理的な戦略の策定に2割のエネルギーを使ったら、残りの8割は、全社一丸となって実行に時間とエネルギーを注ぎ、自分たちの現場力を高める努力に傾注すべき。


強い現場をつくり出すための要素」は、以下の3点。


  1. 現場の高い意識・やる気
  2. 現場に対する責任と権限の付与
  3. チームでの取り組み

当事者意識の高い現場が生まれることで、以下の3つのアウトプットが生まれる


  1. コストダウン、品質向上、CS向上などの成果
  2. 問題解決ができる人と智恵の蓄積
  3. 現場における自信と誇り

「見える化」から「伝わる化」「つなぐ化」へ


「見える化」が機能しない3つの理由とは、?


  1. 「見える化」が目的化してしまう
  2. 「悪い情報」や「兆候」が「見える化」されない
  3. 顧客志向が欠如

「見える化」→「伝わる化」→「つなぐ化」→「粘る化」のサイクルが必要。「見える化」はあくまでも、企業の問題解決力を高める目的の中でおこなわれるべき取り組み。


こうした取り組みは1~2年という時間軸ではなく、10年単位で取り組みべきこと。「始めたからには10年は続ける」とのコミットメント、覚悟が必要。そのためにも「粘る化」が必要である。


…等々、本書には、現場力を復権させ単なる「計画倒れ」に終わらず成果に結びつける実践的なノウハウが満載されています。


<<現場力に関する書籍>>


「ISOの本棚」のブログですでに紹介した以下のような『現場力』に関する以下の本がありますのでご参照下さい。




<<本書で何が学べるか>>


本書では、この世界不況を乗り切るのも、やはり現場力であるとして、ともすると現場力が「掛け声」「計画倒れ」で終わりがちな組織に、現場力を機能させる処方箋やさらに具体的な実践方法を説いています


「強い現場」は今こそ世界に誇れる「日本の宝」とし、現場力を構築し、磨き上げていくための具体的な方法を説いています


また、「見える化」についての最新情報も満載しています。


<<まとめ>>


本書は、製造業だけでなくサービス業も含めた経営層(経営者、マネジャー)の方々に是非とも読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
序 章 再び、素朴な疑問
第1章 現場力再考
第2章 現場力強化の最前線
第3章 組織の「くせ」づくり
第4章 「見える化」はなぜ機能しないのか
第5章 現場力強化の論点
第6章 根源的組織能力としての現場力






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