欧州(EU)における環境法規制、中国のRoHSや米国の各種法規制、日本の対応など、21世紀に入ってから世界的な環境を巡る法規制の枠組みが大きく変化し、それに伴って各種疑問点や情報の混乱も生じています。
こういったニーズに対処して環境規制にまつわる関連情報を一問一答形式で分かり易く整理し、環境に関する基本的な用語の解説も含めて、世界の環境規制の詳細まで、555の疑問点に対してQ&Aにて解説している本を紹介します。
世界の環境規制の動向から、地球温暖化、大気汚染、オゾン層破壊、土壌汚染、水質汚染、ライフスタイルの変化、環境マネジメント、企業の環境対策活動、環境配慮製品、エネルギー問題、化学物質、リサイクルなど環境問題に関わる200の基本用語、WEEE/RoHS指令、中国版RoHS、REACH規制などを取り上げて解説しています。
<<ポイント>>
知っておきたい環境関連用語から世界の環境規制など555項目のQ&Aにて体系的に分かり易く解説
本書:「一問一答形式でわかりやすい環境規制Q&A555」です。
本書は、著者:青木 正光氏にて、2008年9月に工業調査会より発行されています。
本書は、日本電子回路工業会のJPCAニュースで公表したQ&A300に加筆・修正したものとのことです。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書の内容についてざっと紹介します。
本書は、6章から構成されています。第2章から第6章がQ&Aによる解説となっています。全般的に写真、イラストなどの図表が多数挿入されていて分かり易い構成になっています。
また各章の終わりには、参考文献/資料並びに「コラム」欄があり、「ドイツの鉛筆」などの筆者の経験談など興味深いトピックスを取り上げています。
第1章では、「世界の環境規制動向」
として、最初に欧州でWEEE/RoHS指令へと至った背景について、欧州の伝統的な環境に対する考え方や臭素系難燃材の問題の経緯など解説し、さらに世界各国にWEEE/RoHS指令が及ぼした影響、更には、欧州の化学物質の登録制度の「REACH規制」、「PoHS規制」、「EuP指令」などの状況から、最近の世界の環境規制の動向について解説しています。また日本の電子実装業界での環境対応技術の事例も解説しています。
第2章では、「環境問題の基本用語」
として、各種の環境問題に関わるキーワードの解説になります。キーワードとしては、例えば、「Q1. 9大地球環境問題とは」に始まり、「Q223.識別マークとは?」に至る環境関連の条約、地球温暖化、大気汚染・オゾン層破壊、土壌汚染・大気汚染、……環境マネジメント、環境配慮製品、エネルギー問題、化学物質、リサイクル、環境認証などに関するキーワードが解説されています。
第3章では、「有害化学物質と廃棄物(−環境規制の背景を考える−)」
として、「Q224.化学物質汚染の変遷とは」から「Q285.SB 6428とは?」まで化学物質にまつわる情報と廃棄物及びリサイクルに関係する情報が取り上げられ、解説されています。
第4章では、「欧州、アメリカの環境規制に関するQ&A」
として、「Q286.EUとは?」から「Q342.CRT規制とは?」までWEEE/RoHS指令、主要なアメリカの連邦法と州法など欧州とアメリカの環境規制が対象に取り上げられ解説されています。
第5章では、「中国版RoHSに関するQ&A」
として、2007年3月1日より施行されている中国の有害物質使用制限(中国版RoHS=電子情報製品汚染予防管理弁法)を対象に、「Q343.中国政府の環境への取り組みは?」から「Q427.中国以外の中国版RoHS関連ウェブサイト」まで解説されています。
第6章では、「REACHに関するQ&A」
として、2007年6月1日から欧州で一斉に施行され、11年かけて段階的に実施されるREACH規則について、「Q428.REACHが提案された背景は?」から「Q555.暴露シナリオとは?」まで解説されています。
<<本書で何が学べるか?>>
本書では、世界の環境規制動向の解説にはじまり、環境問題の基本用語、WEEE/RoHS指令、中国版RoHS、REACH規制などを555のQ&Aを取り上げ解説しています。
化学物質を中心とした世界の環境規制の情報について、読みやすいQ&A形式で解説されています。
本書は、世界の環境規制についてざっと概観することもできますし、本書を手もとに置いて必要な箇所を都度参照するというハンドブック的な活用もできると思います。
<<まとめ>>
WEEE/RoHS指令を中心にして、世界の環境規制について幅広い範囲で取り扱っている本は、珍しいように思います。
世界の環境規制に関心のあるビジネスパースンには、是非、手もとに置いておきたい一冊です。
なお本書の概要目次は、以下の内容です。
第1章 世界の環境規制動向
1. 環境への配慮と環境意識
2. 世界の環境規制動向
3. 欧州から指摘された環境調和の重要性
4. 有害物質規制
5. 環境法規制の飛び火と対策
6. 環境対応の潮流
7. 求められる機器設計者の環境配慮
8. 日本企業の環境対策の現状
9. 電子実装業界へのインパクト
10. 誤った解釈
11. 施行後の動き
第2章 環境問題の基本用語
1. 地球の環境問題を考える
2. 世界の取組と条約・国際機関
3. 地球温暖化
(略)
11. 化学物質
12. 化学認証
第3章 有害化学物質と廃棄物(−環境規制の背景を考える−)
1. 化学物質と汚染
2. 廃棄物とリサイクル
第4章 欧州、アメリカの環境規制に関するQ&A
1. EUと化学品規制
2. WEEE/RoHS
3. アメリカの環境規則
第5章 中国版RoHSに関するQ&A
1. 中国の産業と環境への取り組み
2. 中国版RoHSとは何か
3. 中国版RoHSの特徴
(略)
14. 中国版RoHSの施行状況
15. その他
第6章 REACHに関するQ&A
1. REACHに関する一般的事項
2. REACHの対象範囲
3. EUへの物質の輸出
(略)
11. 認可
12. サプライチェーン内の情報
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