エコ・リテラシーを高めるための基本となる地球環境エコロジーの入門書となる本書の筆者:吉村 忠与志氏は、本書の「はじめに」で産業革命以来の近代文明の歩みと昨今の地球環境保護の動向などを総括し、以下のように述べています。


「経済発展を優先することから一歩譲って経済的に貧しくとも地球環境に負荷をかけない清貧で健康な生活を満足する社会を目指すのはいかがでしょうか。

暖を取るためのエネルギー源は自給自足のバイオマスに求め、石油などの地下燃料からエネルギーの脱却こそ、二酸化炭素の排出量の規制につながる。

脱地下燃料による科学技術の発展を目指し、自然との共生の中に人類の住処を見つける考えが重要であり、人間のエゴをいつまでも引きずることがあってはならない。

地球のバイオリスムを理解し、自然に生かされる人間社会こそがユートピアである。

(略)

物を無駄にせず、捨てるという消費思想を止めて、これまでのライフスタイルを変更することが重要である。

元来、日本文化には鎮守の杜(もり)を大切にする自然への畏敬の念がある。(略)

自然を大切にする持続可能な技術を開発して、世界のリーダーシップを取ることを願いたい。

経済大国を維持するための競争から降りてでも、地球温暖化を防止するための技術開発に賛同すべきである。

この地球環境の仕組みを理解し、それを持続可能とするために活動しようとする方々に、本書の内容が一人ひとりの行動の起爆剤になれればと執筆した。」


<<ポイント>>


地球環境とエコの基本を解説する入門書


本書では、


  • 惑星としての地球の経緯と今後の展望
  • 地球における生態系のメカニズム
  • 科学技術の進歩と農薬/フロン/プラスチックの功罪
  • 大量消費社会の循環型社会への転換
  • 世界の適正人口と環境許容量の限界
  • 人間以外の生物との共生
  • バイオ燃料と食糧の競合問題

など地球環境エコに関わる幅広い知見について豊富な図表とイラストで平易に解説しています


本書:「よくわかる最新地球環境とエコの基本」です。


エコ・リテラシーを高める第一歩! 」との副題が付いています。


本書は、著者:吉村 忠与志氏にて、2009年8月に秀和システムより、「How-nual図解入門Visual Guide Book」の一冊として発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙カバーの下部には、以下のように書かれています。



生物共生とは?

地球温暖化を克服する地球に負荷をかけない技術開発!

地球環境の今と未来を知る!

  • 地球という惑星
  • 生物共生に適した地球環境
  • 科学技術の功罪
  • 消費文化社会
  • 世界人口の増大
  • 地球温暖化
  • 生物体系から学ぶ
  • 食糧の競合
  • 人間は生き残れるのか

本書は、9つの章から構成されています。


また章の下位になる節のテーマについて、タイトルに続き数行程度でのその節の要約文が配されまとめられているという構成になっています。


緑黒の二色刷による多数のイラストをはじめ、グラフや概念図などの図表が挿入されており、分かり易い解説となっています。


 また途中には、「COLUMN」欄が設けられ、ここでは、『アイスボール』、『森の緑が水道水を守る』といったキーワードの解説や関連するトピックスが取り上げられ解説されています。


以下で章を追ってその概要を紹介します。


第1章では、「地球という惑星
と題して、この地球の経緯を振り返り、今日の状況と今後について展望しています。


 太陽の構造にはじまり、地球の歴史を7大事件と共に振り返り、プレートテクトニクスに関わるプレート移動と人の移動、原始地球から今日までの地球環境の創世(原始地球の大気、オゾン層の生成)、地球と月との関わりといった事項を概観しています。


第2章では、「生物共生に適した地球環境
と題して、地球での生態系のメカニズムについて解説し、地球と生き物との関わりを大気圏、地圏、水圏の無機的な地球システムに生物圏を組み込んでの平均気温15℃に適応し生息する生物全ての共生バランスについて説いています。


三態圏(大気圏、地圏、水圏)との生物圏との関わり、大気圏(気象の主役、台風)、地圏(土壌の構成、土壌微生物による分解)、水圏(水の循環、海水の循環、日本海と太平洋)、生物圏(生態系のピラミッド、屋敷林)といった観点から地球環境における生物の共生の関わりについて解説しています。


第3章では、「科学技術の功罪
と題して、科学技術が豊かで快適な人間社会をつくりあげるのに貢献したが、一方、地球環境には悪影響を及ぼすという結果となったことの功罪について農薬、フロン、プラスチック、その他の化学物質を例に取り上げ、そのもたらした功罪について考察しています。


食糧と農薬について、農薬の歴史、農薬汚染と生物濃縮、農水産業と農薬について総括し、また遺伝子組み換え作物について考察しています。


 さらにフロンの効用とオゾンホール、プラスチックとリサイクル、生分解性プラスチックの話題、更には、ライフサイクルアセスメントの考え方を取り上げ解説し、VOCと地下水汚染、シックハウス症候群室内空気汚染といった事象を取り上げ、化学物質による環境影響について概観しています。


第4章では、「消費文化社会
と題して、産業革命井子の大量生産・大量消費・大量廃棄の消費文化社会の課題を総括し循環型社会に向けての転換の方法について提示しています。


 大量消費と廃棄の問題について、消費型社会の限界を理解し、循環型社会への移行の必要性を説き、、ダイオキシン問題の展望、ゴミの排出に関してのゴミを分別して資源化するシステムの必要性を説き、リサイクルできる文化経済への移行の必要性、また行き過ぎた消費・浪費についての補修の必要性等を説いています。


第5章では、「世界人口の増大
と題して、世界の人口増加の問題に関わる環境許容量との関わりについて考察しています。


現在地球の人口は68億人を超え、既に適性人口の50億人を超えていることに注意を喚起しています。


 また人間の経済活動が地球環境に対してどのくらい環境負担をかけているかをチェックする指標の「エコロジカル・フットプリント」(EF:生態学的足跡)を取り上げ、日本は2001年のデータで環境収容力をサイズ的に2.39倍に膨れあがっていること、


そして、輸入相手国からの食糧輸入量と距離を掛け合わせた環境負荷の評価指標でもある「フード・マイレージ」についての我が国の実態、


 また森林の減少、黄河の断流、アラル海の崩壊といった自然生態の変化、さらに人口のコントロールの論文の「共有地の悲劇」の結論を引用し、一刻も早い人口の増大抑制による世界的調整が必要と論じています。


第6章では、「地球温暖化
と題して、地球温暖化について、大気温度(気温の変化と北極とキリマンジャロ山の氷の減少)、温室効果ガス、温暖化の現状(温暖化の仕組み、経済成長と二酸化炭素の排出量、燃料別の二酸化炭素排出量、森林と木材自給率)、環境異変の実態、地球サミットと京都議定書を守れるかといった事項を取り上げ解説しています。


第7章では、「生物体系から学ぶ
と題して、地球上で何億年も生き抜いてきた生物体系に学び、地球生物との共生の在り方について論じています。


 ハイブリッドイグアナの地球環境への適用の変化、恐竜の絶滅、自然と生体に学ぶバイオミミクリー(生物(bios)と模倣(mimesis)から生まれた生物擬態)をキーテクノロジーとした科学技術の展開をキーワードにして、太陽エネルギー、アルコール発酵、自然をまねる、自然農法について論じています。


 更には、生物多様性の恩恵(生物多様性の価値、生物多様性条約)、自然への畏敬の念(自然への畏敬、日本古来の伝統)、地球生物との共生のあり方(環境保全の理念、輸入食糧依存からの脱皮、自然との共生・協働農業)といったテーマを取り上げ論じています。


第8章では、「食糧との競合
と題して、原油価格の高騰と共に注目されるようになったバイオ燃料食糧問題との関わりを論じ、エネルギー源を求める観点からは、食糧との競合にならないものか、ほぼ未利用のバイオマスを対象に考えることの必要性を説いています。


 天然林伐採と森林減少(森林の減少と森林の崩壊)、食糧と燃料の切り分け(食糧と燃料の切り分け、バイオ燃料問題)、食糧の自給自足(仮想水、食料の自給率、自給率の向上策)、化石燃料のカーボン管理(カーボン・ニュートラル、二酸化炭素の排出権)、バイオマスのエネルギー(バイオマス、植林の意義、バイオマスのエネルギー、エネルギーの地産地消)といった事項を取り上げ解説しています。


第9章では、「人間は生き残れるのか
と題して、人間は科学技術という武器により地球環境に借りを作りすぎたとし、人間社会はこの地球を一次借用していただけであって、この資源を残し次世代に受け継ぐべきとし、地球の環境と資源を持続可能にすることが、人間が地上に生かされる要因と説いています。


 地球的視点とは(地球にやさしいものづくり、省エネルギー問題、省資源問題、リサイクル問題、環境汚染の防止と修復)、そして、化石資源に頼らぬ科学技術の開発(日本低炭素社会シナリオ、バックキャストモデル)、また持続可能な発想の転換(三すくみ問題、地産地消の運動、ファクターX)、地球システムの中のヒトを自覚できるか(分散型エネルギーの確保、脱化石燃料消費、持続可能な循環型社会、自然中心への転換)といった観点からこれからの持続可能な地球環境の要件について考察しています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、地球環境の現状と将来について、地球という惑星の生い立ちからはじまり、生物共生に適した地球環境や、科学技術の功罪、消費文化社会、世界人口の増大、地球温暖化、食糧との競合などにの現状と課題を概観した上で、人間は生き残れるのか、そのために一人ひとりが持つべきエコリテラシーを問いかけています


本書では、地球環境について知っておくべきエコ知識を豊富なイラスト等の図表を交えて科学的な視点からわかりやすく解説しています


<<まとめ>>


地球環境エコの基本を総括的に学びたい人には、本書は、お薦めの一冊です


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 地球という惑星
1-1 太陽系と地球
1-2 プレートの移動と大陸形成
1-3 地球環境の創生
1-4 地球と月
第2章 生物共生に適した地球環境
2-1 生態系のメカニズム
2-2 大気圏
2-3 地圏
2-4 水圏
2-5 生物圏
第3章 科学技術の功罪
3-1 食糧と農薬
3-2 フロン
3-3 プラスチック
3-4 その他の化学物質
第4章 消費文化社会
4-1 大量消費と廃棄
4-2 ダイオキシン問題
4-3 ゴミを出す消費文化
4-4 リサイクルできない文化経済
4-5 経済成長の代価
第5章 世界人口の増大
5-1 世界の適正人口
5-2 エコロジカル・フットプリント
5-3 地球環境許容量の限界
5-4 消えていく自然生態
5-5 共有地の悲劇
第6章 地球温暖化
6-1 地球の大気温度
6-2 温室効果ガス
6-3 温暖化の現状
6-4 環境異変の実態
6-5 京都議定書を守れるか
第7章 生物体系から学ぶ
7-1 地球環境への適応
7-2 バイオミミクリー(生物擬態)
7-3 生物多様性の恩恵
7-4 自然への畏敬の念
7-5 地球生物との共生のあり方
第8章 食糧との競合
8-1 天然林伐採と森林減少
8-2 食糧と燃料の切り分け
8-3 食糧の自給自足
8-4 化石燃料のカーボン管理
8-5 バイオマスのエネルギー
第9章 人間は生き残れるのか
9-1 地球的視点とは
9-2 化石資源に頼らぬ科学技術の開発
9-3 持続可能な発想の転換
9-4 地球システムの中のヒトを自覚できるか







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環境経営」の実践を説く本書の「プロローグ」で筆者:立山裕二氏は、地球温暖化等の環境問題の現状に触れた上で、環境経営について以下のように述べています


「地球温暖化の原因が人間にあるならば、人間の集合体である企業にも責任があります。企業は企業活動の中で環境の保全や改善に努めなければなりません。

しかももうい一つの責任としての「ゴーイングコンサーン」、つまり「企業活動の継続」と両立させていかなければなりません。

その効果的な手段として「環境経営」の実践をお薦めします。

 環境経営とは、簡単に言えば「環境に配慮した経営を行うこと」です。一般的には、「企業のあらゆる活動に環境という視点を優先的に持ち込み、環境保全と経営の両立を図ること」と考えられています。

もちろんこれでいいのですが、私は次のように定義し、少し具体性を持たせています

環境経営とは、

  1. 地球上のあらゆる生態系および社会の持続性を確保するために、
  2. 循環の視点に立ち、
  3. 資源量・廃棄場所・自浄能力という地球の有限性を考慮し、
  4. 企業収益と環境保全とを両立させながら、
  5. 自社にとっての持続性を確保するために行う経営の諸活動である。』

<<ポイント>>


企業活動と地球環境とが持続可能になるための環境経営の実践を説く本。


本書では、一般にある環境経営の実践を阻んでいる「思い込み」を解消すべく論じ


また具体的実践事例を紹介しながら「環境経営を実践する方法」を説いています


環境経営は、決して難しいものではなく、企業規模の大小に関係なく、どこでも取り組むことができて、かつ利益を生み出す源泉になると説いています


本書:「利益を生みだす「環境経営」のすすめ」です。


本書は、著者:立山 裕二氏にて、2009年3月に総合法令出版より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯ならびに表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


儲けかたのヒントと実例が満載!

顧客満足(Customer Satisfaction)から

従業員満足(Employee Satisfaction)、

そして地球満足(Gaia Satisfaction)へ

新時代の経営戦略がここにある

こんなにあった環境経営のメリット!

  • 経費の節減・利益の最大化
  • 新規事業創出・イノベーションの促進
  • 社会的信用力アップ
  • 従業員のモチベーションアップ…

お金を払って廃棄物を捨てているんですって?

それはお金になるんですよ!


本書は、8つの章で構成される第1部の「こんなにある環境経営に対する思いこみ」と4つの章で構成される第2部の「?サービサイジング?と?もったいない?を極める」との2部から構成されています。


本書の途中には、キーワードの解説や「コラム」欄が挿入され、『グリーンコンシューマー10原則』といったトピックスを取り上げて解説しています。


それでは、章を追って概要を簡単に紹介します。


第1部の『こんなにある環境経営に対する思いこみ』では、環境経営を実践する上でネックとなっていると思われるネガティブな思いこみについてそれを打破するとの観点から以下のような内容を取り上げています。


第1章では、「必要性はわかるけどね
と題して、「環境経営を知らないので使命感が湧かない」、「人材、資金が足らない」、「得意先等の締め付けがきつく環境経営までは手が回らない」、「環境経営に取り組んでも儲からない」といった事柄も考えているよりは、実践してみようと説いています。


第2章では、「わが社に環境ビジネスは向いていない
と題して、環境ビジネスの捉え方について、公害ビジネスといった思いこみがあるがそれでは大きなビジネスチャンスを逃すことになると環境ビジネスはどのような内容を含みその市場の可能性はどうかといった事項の概要を総括し解説しています。


第3章では、「地球に優しい商品では価格競争に勝てない
と題して、地球に優しい商品は割高になるため今の時代は、安価な商品でないと価格競争に勝てないとする思いこみがあるが、実際はどうかとし、地球に優しい「エコプロダクツ」で価格競争に勝つ方法について、「地球満足」経営の視点の経営戦略等を説いています。


第4章では、「環境対策に取り組むと企業が成り立たない
と題して、むしろこれは反対でこれからの時代は環境対策に取り組まないと企業が成り立たない時代であって、ゴミも廃棄物も資源であるといった幾つかの事例を挙げて環境経営に取り組むことで利益が上げられると環境経営のメリットを説いています


第5章では、「リサイクルしても意味がない
と題して、リサイクルにまつわる表題のような意見があるが、コミュニケーションの欠如の問題があるとした上で、自社で考えているリサイクルは、以下の3つのリサイクルのうちどれかを意思表示しておくことが必要と説いています。


  1. 再資源化(再生使用)
  2. 3R(減量・再利用・再資源化)
  3. 4R(断る、元を絶つ)

それぞれの考え方から、循環型社会における企業活動とリサイクル、「拡大生産者責任」など解説し、これからは、4Rに向かう可能性が高まると説いています。


第6章では、「環境ISOの認証を受けているので地球に優しい
と題して、ISO14001を取り上げ、ISO14001の取り組みは、「自主的な取り組み」であることと「情報の徹底公開と継続が命」と説いています。


継続的改善の意味、ISO14001に取り組むメリットとデメリットを考察し、ISO活用とISO14001の導入を成功させるための視点等を説いています。


第7章では、「想いが伝わらない
と題して、環境経営に取り組む企業の「環境を良くしようとする熱い想いが伝わらない」といったことに関係して、想いが伝える視点について考察しています。


とくにコミュニケーションの基本は、「傾聴」であるとし、説明に気持ちを入れること以上に聴くことを重視することが必要と説いています。


第8章では、「第1部のまとめ」
と題して、環境経営に関しての「企業連携」の有効性について事例を紹介して説いています。


第2部では、『?サービサイジング?と?もったいない?を極める』では、?サービサイジング?と?もったいない?をキーワードに環境経営に役立つノウハウや技を成功事例を交えて説いています。


第1章では、「サービサイジング
と題して、これまで製品として販売していたものをサービス化して提供することを「サービサイジングServicizing)」と呼び、特に環境面で優れた貢献を示すのものをグリーン・サービサイジングとよぶとのことで、ここでは、5つの会社の成功事例を紹介し解説しています。


第2章では、「サービサイジングは「もったいないの心」から!
と題して、「もったいないの心」の意味を再確認し、サービサイジングは、資源生産性を高めるビジネスとの観点に立って、資源生産性向上を実現する商品・サービスを「エコプロダクツ」とするとの視点から『エコデザイン』に望まれる条件、『エコマテリアル』に望まれる条件等の考え方など説いています。


第3章では、「サービサイジングの課題と留意点
と題して、これからのサービサイジングの課題と留意点等について展望しています。


とくにこれからのサービサイジングは、「機能を売る」に加えて、「安心」「安全」「健康」「癒やし」などを付加しながら進化するとし、第1章の事例を考察し、柔軟性、実践の重視、CSRの要素の組み込みなど考察すると共に人材育成の重要性等を強調しています。


第4章では、「日本の知恵を世界に発信する
と題して、「循環」「足るを知る」、「もったいない」などの日本人らしい智恵をこれからの環境経営に活かすことが必要とし、『創業者の想い』『職人個人が持つノウハウ』『見えない智恵の見える化』へのチャレンジ等が必要と説いています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、「顧客満足から、従業員満足、そして地球満足へ」との言葉に象徴されるようなこれからの時代の利益を生み出すための環境と経営を両立させる観点からの環境経営の実践の考え方を分かり易く説いています。


<<まとめ>>


本書は、持続可能な環境と企業活動との両立に関心があるビジネスパースンには、読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 こんなにある環境経営に対する思いこみ
第1章 「必要性はわかるけどね」
第2章「わが社に環境ビジネスは向いていない」
第3章「地球に優しい商品では価格競争に勝てない」
第4章「環境対策に取り組むと企業が成り立たない」
第5章「リサイクルしても意味がない」
第6章「環境ISOの認証を受けているので地球に優しい」
第7章「想いが伝わらない」
第8章 第1部のまとめ
第2部?サービサイジング?と?もったいない?を極める
第1章 サービサイジング
第2章 サービサイジングは「もったいないの心」から!
第3章 サービサイジングの課題と留意点
第4章 日本の知恵を世界に発信する






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「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(環境保全活動・環境教育推進法)は、『国民、NPO、事業者等による環境保全への理解と取組の意欲を高めるため、環境教育の振興や体験機会、情報の提供が必要』であることなどを定めたものですが、『事業者、国民及び民間団体の責務』(第4条)として「環境保全活動及び環境教育を自ら進んで行うよう努めるとともに、他の者の行う環境保全活動及び環境教育に協力するよう努めるものとする。」と規定されています。


またISO 14001の活動においても、4.4.2項:「力量、教育訓練及び自覚」でも『組織は、その環境側面及び環境マネジメントシステムに伴う教育訓練のニーズを明確にすること。組織は、そのようなニーズを満たすために、教育訓練を提供するか、又はその他の処置をとること。』に関して、必要な教育訓練の提供等が要求されています。


このような背景から、組織活動に関わる人には、今日、地球環境問題への適切な理解が求められています。


本日は、地球環境問題を取り上げ、地球環境問題を理解する上で前提となる基礎知識から企業としての取り組み方などまで事例も交えて幅広く総合的に全編フルカラーの豊富なイラスト、図解・写真等を用いて分かり易く解説している本を紹介します。


「本書をご利用いただく前に」で本書の目的について、「組織内の全ての人たちが地球環境問題の現状と対策の重要性を理解し、個々の企業が推進する取組において正しい認識のもとに業務を遂行すること」と述べています。


地球環境問題の“社員への啓発書”として役立つ一冊です。


本書:「よくわかる これだけは知っておきたい地球環境問題のキーワード」です。


本書は、著者:富士通エフ・オー・エム にて、2008年5月に FOM出版 より発行されています。


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


私たちに託された未来………

あなたの

環境意識をチェック!


また月尾 嘉男先生が本書に推薦の言葉を寄せられています。


本書は、6章で構成されています。


途中に関連キーワードやトピックスを取り上げた『コラム』、『豆知識』、『キーワード』解説があり、地球環境問題について幅広く学べる構成となっています。


また本書は、携帯にも便利な新書サイズで章ごとに「確認問題」があり、その章の内容の理解度を確認できたり、環境意識・行動チェック表が用意され、個人レベル、企業レベルで対策の進捗状況などを確認できるような配慮がされています。


第1章では、「地球環境問題とは?
として、『地球環境問題とは?』にはじまり、地球環境問題の深刻化している現状から、特に地球温暖化をクローズアップして解説しています。


第2章では、「地球環境問題をめぐる動き
として、世界的規模での取り組み、京都議定書関連、環境イベント、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)など世界における地球環境問題をめぐる主要な動きと我が国の環境技術、地球温暖化防止行動計画、地球温暖化対策推進法、チーム・マイナス6%などの動きの現状が解説されています。


第3章では、「環境保全への取り組み
として、サスティナブル社会の実現に向けて、各個人ができること並びに企業ができることを軸に家庭や職場で一人ひとりにできる環境活動や企業における環境効率の改善、環境アセスメント、環境マネジメントシステム、環境会計、環境報告書、グリーン購入とグリーン調達、社員への環境教育環境活動といった活動ならびにトヨタ自動車、イオン、HSBC銀行、日立製作所、富士通 といった企業での先進的な企業における取組事例などが解説されています。


第4章では、「環境とビジネス
として、環境問題を前向きにとらえる視点から環境リスクへの対応、環境経営の実現、環境ビジネスの拡大、製品やサービスの差別化などのインパクトの事例など交えてエコプロダクツなど環境をキーワードにあらたなビジネスチャンスも広がることなどこれからの環境とビジネスとの関係について解説しています。


第5章では、「ICTへの期待
として、基本インフラとしての情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)に関係して、「ICT活用による環境負荷の低減」と「ICT分野の環境負荷の低減」について、これからの時代におけるICTが果たすべき役割などを運行支援ソリューション、本部集中型POSシステム、eラーニングシステム、パソコンのリサイクルサービスなどの事例を交えて解説しています。


第6章では、「社会貢献活動の推進
として、これからの時代に企業が果たすべき社会貢献活動について、企業と地域の連携、循環型社会への貢献、NPOやNGOとの協働などの関連、そしてグリーン電力、カーボンオフセット、社会的責任投資(SRI)などの個人が関与できる社会貢献の仕組みについて解説しています。地球環境問題、自社の取り組み、職場での環境影響の配慮、日常生活における環境への配慮、地域とのかかわりなどのチェック表が用意され、環境意識・行動チェックがチェックできるようになっています。


本書は、地球環境問題について幅広く分かり易く丁寧に解説されていて、さらにこれからの時代において、組織として、個人として理解し、実践すべき事柄が体系的に整理され解説されています。皆さんに是非、ご一読いただきたい一冊です。


これだけは知っておきたい 地球環境問題のキーワード
FOM出版
富士通エフ・オー・エム(著)
発売日:2008-05
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:78818


なお本書の概要目次は、以下の内容です。
本書をご利用いただく前に
第1章 地球環境問題とは?
1-1 深刻化する地球環境問題
1-2 地球温暖化の脅威
第2章 地球環境問題をめぐる動き
2-1 世界的規模での取り組み
2-2 日本国内の動き
第3章 環境保全への取り組み
3-1 サスティナブル社会の実現
3-2 一人ひとりにできる環境活動
3-3 企業における環境活動
3-4 事例に見る企業の取り組み
第4章 環境とビジネス
4-1 環境が生むビジネスチャンス
4-2 エコプロダクツ事例に見る「環境とビジネス」
第5章 ICTへの期待
5-1 環境とICT
5-2 ICT分野の環境イノベーション
5-3 事例に学ぶ「ICT活用による環境改善」
第6章 社会貢献活動の推進
6-1 社会の一員としての取り組み
6-2 誰もが参加できる環境貢献のしくみ
6-3 環境意識・行動チェック
付録 環境基礎用語集
   便利なリンク集 & 環境関連法規制一覧




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廃棄物および清掃に関する法律」の法令から、施行令、施行規則、更には、関連する条例も含めて産業廃棄物の処理にまつわる法令は、その成立してきた経緯も含めてなかなか複雑な体系になっています。、


しかしながら万が一にも不法投棄などの問題が発生すると排出事業者の責任が求められます。


排出した企業自体は、全く違法行為を行なっていなくても責任を取らなければなりません。


時として、数千万円にも及ぶ莫大な負担を負い、大きなダメージを受けてしまう場合もあります。


  • Q:「産業廃棄物と有価物との区別の判断はどのようにしたらよいか?

  • Q:「マニフェストが返送されない場合はどのように対応したら良いか?

などの産業廃棄物の処理の担当者が解説書や法律だけでは解決できない疑問や知りたいと思うような実務的な事柄についてイラストなどの図表を用いて分かり易く71のQ&Aを通して産業廃棄物の処理について解説している本を紹介します。


本書:「産廃処理の実務がわかる本」です。


本書は、著者:(株)ユニバースにて、2008年4月に日本実業出版社より発行されています。


(株)ユニバースは、「図解 産業廃棄物処理がわかる本」(ISOの本棚でも紹介)の本を発行したジェネスグループの環境問題専門のコンサルティング会社で、本書では、同社のセミナーやコンサルティングの受講者やクライアントから寄せられた質問や疑問を参考にしてまとめられたとのことです


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


Q.マニフェストを業者が紛失!


再発行してOK?


A.答えは本書126ページに


実務上で起こる困った問題も本書があれば即解決!



本書は、最初に見開きで写真を交えて『産業廃棄物の流れをマスターする!}との排出事業者から最終処分への処理の流れが図解してあります。


「はじめに」に続いて、「産業廃棄物担当者のタイプ別診断」というのが掲載されています。YES、NOで分岐していくと5つのタイプが載せられています。タイプ別に陥りやすい課題とアドバイスがあります。また次に産業廃棄物処理の主な法律の成立から社会・事件と対比して、清掃法から廃掃法へと至る主要な改正の流れのポイントがまとめてあります。


本書は、7章から構成され二色刷でメリハリのある説明となっています。この章立ては、セミナー等で現場の産業廃棄物担当者が抱く代表的な疑問や質問を区分するとこのような内容になるとのこと。


このQ&Aは、1項目について何ページかに及ぶ内容もありますが、多くは、見開きの2ページ等で質問のタイトルについて、回答として何項目かに及ぶ説明が続き、説明に関して、イラストなどの図表で解説を補完するといった展開になっています。なお法令への対応は、2008年3月末現在に対応したものとなっています。


第1章では、「産業廃棄物の区分を完璧に理解しよう!」
として、『1-1 排出事業者責任:「排出事業者責任」とは何か』などの11件のQ&Aが取り上げられています。


第2章では、「自社が排出した産業廃棄物が処理される流れを知っている?」
として、『2-1 産業廃棄物の処分:「最終処分」とは何か?』をはじめとした12件のQ&Aが取り上げられています。


第3章では、「産業廃棄物に関わる行政の仕組みを知ろう!」
として、『3-1 政令市:廃掃法における「政令市」とは?』をはじめとした11件のQ&Aが取り上げられています。


第4章では、「トラブルを起こさないための契約書の知識
といて、『4-1 契約の形態:収集運搬と処分を別々の処理業者に委託する際の契約は?』をはじめとした6件のQ&Aが取り上げられています。


第5章では、「産業廃棄物の流れを管理するマニフェストについて理解しよう!
として、『5-1 マニフェストの書式:紙マニフェストはどのように作成すればよいか?』など10件のQ&Aが取り上げられています。


第6章では」、「適正な委託業者を選ぶための施設確認のやり方
として、『6-1 実務的に必要な施設確認:排出事業者は処理委託先の現地確認等を行なう必要があるか?』などの11件のQ&Aが取り上げられています。


第7章では、「産業廃棄物に関わる罰則と、注意すべき実務のポイント
として、『7-1 不法投棄に対する責任の有無:委託処理業者が不法投棄を行なった場合の排出事業者の責任は?』から『7-10 隣接する事業場の産業廃棄物の取扱い:2つの事業場の産業廃棄物をまとめて保管してもよいか?』に至る10件のQ&Aが取り上げられています。


本書は、産業廃棄物の処理に関して実務的に分かり易く記載されています。産業廃棄物処理の担当者の方には、ハンドブック的に手もとにおいて疑問を感じた際にその箇所を拾い読みしても良いと思いますし、産業廃棄物の実務について勉強する上でも大いに役立つと思います


産廃処理の実務がわかる本
日本実業出版社
(株)ユニバース(著)
発売日:2008-04-10
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:36881

なお本書の概要目次は、以下の内容です。
第1章 産業廃棄物の区分を完璧に理解しよう!
第2章 自社が排出した産業廃棄物が処理される流れを知っている?
第3章 産業廃棄物に関わる行政の仕組みを知ろう!
第4章 トラブルを起こさないための契約書の知識
第5章 産業廃棄物の流れを管理するマニフェストについて理解しよう!
第6章 適正な委託業者を選ぶための施設確認のやり方
第7章 産業廃棄物に関わる罰則と、注意すべき実務のポイント





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ガソリンを給油したが、25.1円分の暫定税率の廃止の寄与は大きく、確かに安いという実感。


道路特定財源にまつわる暫定税率、一般財源化、道路整備中期計画などの是非を巡って与野党がもめています。


小売価格に占めてきた税負担率はガソリン約58%、軽油約44%と石油製品の税負担率は、他製品と比較しても極めて高い位置づけにあります。


またこの石油諸税の80%が道路整備に使われてきた現状にあります。


私の感じている時代の流れからすると、暫定税率部分は、このまま廃止して消費者に戻し、道路整備は、最小限の範囲に留め、また一般財源化といった用途が曖昧なものでなく、石油製品に課税するのであれば、新たに地球温暖化対策税、環境税、クリーンエネルギー税といった観点からの税金として位置づけるというようなことであれば多数の国民のコンセンサスも得られるのではないかという気もします。


本日は、クリーンエネルギー社会』の科学・技術について解説している本を紹介します。


本書の「はじめに」で著者は、以下のように述べています。


石油依存を脱却して、石炭・天然ガス・原子力を中心にして、それに太陽・風力・バイオマスなど自然エネルギーが補完的に使用される社会を構築することが必要であるとの考えに立って、そのために求められる技術をとりあげ、わかりやすく解説しています。」


環境対策に不可欠な ”クリーンエネルギー”とは、何か?


本書では、文明の発展とエネルギーとの関わり、日本と世界のエネルギー状況等を概観し、『多量にエネルギー消費して経済発展を遂げる路線から脱却し、地球環境の保全に考慮しながら持続性のある発展を目指す路線へと切り替える』との観点から、石炭、天然ガス、石油代替燃料などから自然エネルギー(太陽光・風力・バイオマス等)、原子力、環境への対応などについて論ずると共に、さらにその先にある水素エネルギーシステム及びエネルギーシステムの将来について展望しています


本書:「クリーンエネルギー社会のおはなし」です。


本書は、著者:吉田 邦夫先生にて、2008年3月に日本規格協会 より、同社の『おはなし 科学・技術シリーズ』の一冊として発行されています。


本書の帯には、以下のように書かれています。


好奇心が知識に変わる


この一冊!




本書は、8章から構成されています。


このシリーズの他の本と同様に多数の図表を用いて分かりやすい解説となっています。


また要所に「3つの産業革命」から「ハーバーとボッシュの生涯」などのトピックスを取りあげた11件のカラム欄が設けられています。


簡単に各章の概要を紹介します。


第1章では、「人間社会とエネルギー
として、エネルギー(energy)の語源の話題に始まり、人間社会の文明の発展とエネルギーの歴史的関係などを振り返った上で、日本と世界のエネルギー状況について、エネルギー需給状況の現状を解説しています。さらに「クリーンエネルギー」について石油代替エネルギー、再生可能エネルギー、新エネルギーなどを概観するとともに「クリーンエネルギー」には、どのような要件が求められるかを解説しています。


第2章では、「石炭エネルギー
として、石炭について、その性質と構造、種類、需給動向、利用技術等を解説しています。また石炭からメタンまでの燃料のH/C比で並べて比較し、超重質油(シェールオイル、オイルサンドなど)の資源開拓の現状、更には、二酸化炭素の海底・地中貯留技術の開発の概要について解説しています。


第3章では、「天然ガス
として、石炭、石油、天然ガスの排ガス特性を比較した上で、最もクリーンな排ガス特性を持つ天然ガスの需給動向について解説しています。次にメタンハイドレートについて、資源の分布からメタンハイドレートからガスを生産する仕組みのイメージなど含めて利用に向けての課題などを解説しています。また世界需要が伸びているLPG(液化石油ガス)需給動向、天然ガスから得られるGTL(Gas to Liquid)やDME(Dimethyl ether:ジメチルエーテル;別名:メトキシメタン)などの石油代替燃料の製造技術と世界のプラントの建設計画、さらには、GTL及びDMEにバイオエタノールを加えた合成燃料と従来燃料とを比較しています。


第4章では、「自然エネルギー
として、先ず、太陽エネルギーについては、太陽電池について、その市場、メーカー、シリコン材料、そして発電コスト等についての将来展望を述べています。次に風力エネルギーについて、風力エネルギー賦存量の推測、風車の構造と種類、さらに風力発電の導入量推移について解説しています。さらにバイオマスについて、多岐にわたるバイオマスの分類や利用技術、資源量、そして、自動車用のバイオ燃料について、ガソリン代替のバイオエタノール及び軽油の代わりになるバイオディーゼルの利用状況などが解説され、最後に自然エネルギーの利用における課題、とくにコスト面と経済性の側面などを展望しています。


第5章では、「原子力
として、核分裂の解説にはじまり、原子炉の構成、原子炉の種類、核燃料のウラン資源とその製錬技術、核燃料サイクルなどに関連する取組の概要、核融合とその課題などから、原子力に関わる今後の見通しなど解説しています。


第6章では、「環境への対応
として、異常気象と地球温暖化の状況から、温室効果の現象と温室効果ガスの発生とその発生量の推移状況、国際的な対応の流れ、京都議定書、世界及び日本の現状と将来、共同実施(JI)、排出権取引(ET)、クリーン開発メカニズム(CDM)を含む京都メカニズム、環境税、さらには、産業部門及びCO2冷媒ヒートポンプ給湯器などを含む家庭部門の省エネルギーの取組等について解説しています。


第7章では、「水素エネルギー
として、石油代替エネルギーの最有力候補で、究極のクリーンエネルギーである水素エネルギーについて、水素の物性値などから金属水素化物、既存のまた新しい水素製造技術、アメリカ、EU、我が国の水素エネルギー開発の現状などを解説しています。また主要な燃料電池とその特徴から、燃料電池自動車、家庭用、携帯用燃料電池について解説し、最後に水素社会確立の課題について水素アイランド構想などの展望を含め解説しています。


第8章では、「エネルギーシステムの将来
として、大規模設備で大量生産し、大量消費するハードなシステムが地球に破滅をもたらすと警告し、太陽や風力エネルギーなど小規模で分散するエネルギーを積極的に使用するとしたロビンス(A.B.Lovins)による『ソフトエネルギーパス』の考え方を解説しています。また分散型電源の分類から、熱と電気をハイブリッド利用するコジェネレーションシステム、多数の分散電源から電力消費機器をネットワーク化し、自律分散制御して活用していくマイクログリッドの考え方、さらに性質が大幅に異なる分散電源の発電を蓄える目的に用いる蓄電システムについて鉛蓄電池とナトリウム/硫黄電池(NaS電池)の2種類の2次電池についてその構造や動作について解説しています。最後に循環型社会の構築について、3R(レデュース、リユース、リサイクル)、完全リサイクル技術、循環型社会形成推進基本法、廃棄物処理法、資源有効利用促進法、各種リサイクル法などのリサイクル関連法の現況、ゼロエミッション・システムの考え方からその事例、そして、本書のテーマともなっている低炭素社会から脱炭素社会への展望などを解説しています。


資源小国の我が国の『アキレス腱』とされるエネルギー問題について、本書では、環境対策の観点から不可欠な ”クリーンエネルギー”とは何かと言う問題から、既存のエネルギー(石炭・石油)から新エネルギー(太陽光・風力・バイオマス等)、また究極のクリーンエネルギーである水素エネルギーへの流れやエネルギーシステムの将来を展望しています


エネルギー問題に関心がある人には是非とも読んで頂きたい一冊です


クリーンエネルギー社会の書籍のjpg画像
日本規格協会
吉田 邦夫(著)
発売日:2008-03
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:231375


なお本書の概要目次は、以下の内容です。
第1章 人間社会とエネルギー
1.1 文明の発展との関わり
1.2 日本と世界のエネルギー状況
1.3 エネルギー変換と保存の法則
1.4 クリーンエネルギーとは
第2章 石炭エネルギー
2.1 石炭の性質と構造
2.2 石炭の種類
2.3 石炭の需給動向
2.4 石炭の利用技術
2.5 超重質油
2.6 二酸化炭素の海底・地中貯留技術
第3章 天然ガス
3.1 天然ガスの需給動向
3.2 メタンハイドレート
3.3 LPG(液化石油ガス)需給動向
3.4 石油代替燃料
第4章 自然エネルギー
4.1 太陽エネルギー
4.2 風力エネルギー
4.3 バイオマス
4.4 自然エネルギーの展望
第5章 原子力
5.1 核分裂
5.2 原子炉の構成
5.3 原子炉の種類
5.4 核燃料
5.5 核融合
5.6 今後の見通し
第6章 環境への対応
6.1 異常気象と地球温暖化
6.2 温室効果
6.3 国際的対応
6.4 京都メカニズム
6.5 環境税
6.6 省エネルギー
第7章 水素エネルギー
7.1 水素エネルギーシステム
7.2 燃料としての水素
7.3 水素の製造技術
7.4 水素エネルギー開発プロジェクト
7.5 燃料電池
7.6 水素社会確立の課題
第8章 エネルギーシステムの将来
8.1 ソフトエネルギーパス
8.2 循環型社会の構築
8.3 低炭素社会から脱炭素社会へ





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地球温暖化」の言葉は、テレビや新聞で連日のように取り上げられています。


21世紀の最大の関心事とされる地球温暖化について、これまでの地球温暖化を取り扱った本では、タイトルからして過剰に刺激的であったり、その中味についても斜めからの視点であったり煽ったりする類が多かったように思われます。


現在も進行中の地球温暖化について原因は、何か?またそれにより何がどうなるのか、直接引き起こす影響から対策までについて、エネルギー・農業・食糧問題との関連も含めて、現状と未来の姿について解説している本を紹介します。


これまでの温暖化の誤解をなくし、影響と対策の正しい知識について、例えば、本書の「まえがき」でも取り上げていますが、以下のような問いかけへの回答も含めて科学的にやさしく解説しています。


  • 北極の氷が溶けると海面は上昇するか?南極の氷の場合はどうか?
  • 温暖化で何が起こるのか?
  • 昔は、「地球寒冷化」を心配していたのではないか?
  • CO2削減の切り札はあるのか?
  • 温暖化の先には−何があるのか?


本書:「手にとるように地球温暖化がわかる本」です。


海面上昇!では森林のCO2吸収は?」との副題が付いています。



本書は、著者:村沢 義久 先生(現:東京大学特任教授(サステイナビリティ学連携研究機構、総長直轄)、温暖化問題に対する産業界の取り組みのあり方を研究するとともに、研究機構と企業との連携を担当し「サステイナビリティ・企業コンソーシアム」を推進中。)にて、2008年1月にかんき出版より発行されています。



本書の帯には、以下のように書かれてあります。


農業・食糧・エネルギーが危ない!


温暖化の誤った認識をなくし、影響と対策の


正しい知識を科学的にやさしく解説!」


また表紙の折返し部には、次のように書かれています。


「温暖化が問題になるには


海面上昇の被害だけではなく


「農業・食糧」「エネルギー」が大打撃を受けるから。


だから、なぜそうなるのか


どうしたら解決できるのかを


科学の目でしっかり見ていこう」



本書は、8つのパートから構成されています。全般的にイラストや図表が多用されていて、更にその図表の要点を吹き出し付きで説明するなどまさに「手にとるようにわかる」の表題通りに分かり易く構成されています。


PART1では、「地球温暖化の誤解と正しい知識」(海面上昇からCO2排出まで)
として、2002年3月に誕生した超巨大氷山B-22が誕生したとの話題に始まり、南極での陸の氷が海に溶け出す現象など気候変動の状況や地球温暖化の主要因は、人為的な温室効果ガスによるものなど地球温暖化についての正しい知識について解説しています。


PART2では、「地球温暖化の深刻な影響」(自然をことごとく破壊)
として、地球温暖化の進行がもたらしている海面上昇の状況、熱波、森林破壊・砂漠化、永久凍土の溶解とメタンガスの放出など複雑な温暖化のプロセスとそれがもたらす影響について解説しています。


PART3では、「地球温暖化のプラスとマイナス」(農薬・食糧、経済開発に影響する)
として、温暖化により穀倉地帯が北へ移動するなど農業に及ぼす影響から、動物へのマイナス影響、北極海への航行時間・コストが大幅減になる、北極圏で資源・エネルギー開発が進むといったプラスまでの地球温暖化がもたらすインパクトについて解説しています。

PART4では、「バイオ・エネルギーは手放しでは喜べない」(植物のメカニズムから燃料化の問題まで)
として、森林の管理、バイオ燃料と食糧問題、バイオ・エタノールの車燃料への利用に関する問題、バイオとソーラー(太陽光発電)との効率の比較などを取り上げ解説しています。


PART5では、「太陽エネルギーはまもなく本格稼動する」(太陽の恵みを最大限に生かす)
として、太陽エネルギーの利用についてアクティブからパッシブなソーラーステムも含めてその活用について総括的に解説し、資源小国としての我が国の国産エネルギーは、太陽しかないとしてます。


PART6では、「水素エネルギーをどう実用化させるか」(夢のエネルギーは次のステップへ)
として、アメリカの「水素燃料計画」から水素燃料の価値と活用する上での課題、燃料電池についての自動車への搭載や家庭用燃料電池システムの課題などについて解説しています。


PART7では、「ハイブリッド・システムは救世主」(合わせ技で脅威のパフォーマンス)
として、ハイブリッド・カーは、発電ブレーキを使うなどハイブリッド・カーの構造の概要、なぜ燃費が圧倒的に優れているかなどハイブリッド・システムのメリットなどを解説しています。


PART8では、「CO2の回収・貯留が始まった」(世界の共通課題に技術が挑む)
として、CO2の回収技術ならびに貯留技術の概要とその現状について展望しています。


地球温暖化について、温暖化の誤った認識を無くし、その影響から、とくに農業・食糧、エネルギーに関わるインパクトまでが科学的にやさしく解説されていて、地球温暖化に関心があるビジネスパースンには、お奨めの一冊です


手にとるように地球温暖化がわかる本
かんき出版
村沢 義久(著)
発売日:2008-01-16
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:49820
おすすめ度:4.5
おすすめ度5 ようやく、役に立つ温暖化本が。
おすすめ度4 確かに、問題提起本!
おすすめ度5 ヤマは最終章、大気中のCO2削減は可能か?
おすすめ度5 温暖化をどうとらえるか
おすすめ度5 分かり易い科学の解説とイラストが良い



なお本書の目次の概要は以下の内容です。
PART1 地球温暖化の誤解と正しい知識
PART2 地球温暖化の深刻な影響
PART3 地球温暖化のプラスとマイナス
PART4 バイオ・エネルギーは手放しでは喜べない
PART5 太陽エネルギーはまもなく本格稼動する
PART6 水素エネルギーをどう実用化させるか
PART7 ハイブリッド・システムは救世主
PART8 CO2の回収・貯留が始まった






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循環型社会形成推進基本法(平成十二年六月二日法律第百十号)の定義によると「循環型社会」について以下のように定義されています。


『 この法律において「循環型社会」とは、製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分(廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和四十五年法律第百三十七号)第二条第一項 に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)としての処分をいう。以下同じ。)が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう。』
(循環型社会形成推進基本法:第二条)



本日は、この循環型社会」に関する『ごみ・廃棄物問題、3R(リデュース・リユース・リサイクル)』などの100項目のキーワードを取り上げ、分かり易く解説している入門書を紹介します。


本書:「 循環型社会キーワード事典」です。


100Key Words of Waste Management and 3R Society」 との副題が付いています。


本書は、山本耕平氏を編集代表とする廃棄物・3R研究会 の編纂にて、2007年10月に中央法規出版より発行されています。


 本書の「まえがき」でその意図するところについて、循環型社会形成に関係するキーワードを取り上げて、モノの流れの全体を俯瞰する際のインデックスを提供するとの観点からリデュース、リユース、リサイクル及び廃棄物の適正処理に関する主要な制度、技術、事象、製品、人々の活動に着目してキーワードを選定したとのことです。


 100項目のキーワードについては、見開きの2ページで2色刷で、写真や図表データなどを多く用いて分かり易く、簡潔に要領よくまとめられています


 本書は、循環型社会の現状について勉強する手頃なテキストとしても、またここから抜粋してISO 14001の4.4.2項:「力量、教育訓練及び自覚」に関わる参考資料として、更には、手もとで参照する中項目事典として等の目的で、幅広く活用できるように思います


本書は、10章から構成されています。


第1章では、「ごみ問題の背景
として、『1.ごみの歴史−江戸時代のごみ問題』にはじまり、『10、循環型社会−川下の処理から川上対応への展開』までの10のキーワードが解説され、現状までのごみ問題の社会的な流れと今日の課題について解説しています。


第2章では、「ごみ処理の仕組みと技術
として、『11.廃棄物処理法』から『23.新しいごみ処理技術−メタン化、炭化などの燃料化』まで、廃棄物に関する法律からごみ処理の仕組み、現状の処理技術などが解説されています。


第3章では、「有害廃棄物の処理と環境保全
として、『24.ごみ処理施設の公害防止対策』から『30.廃棄物による土壌汚染と修復技術』までの7つの有害廃棄物の処理がどのように実施されているか、また関係する環境保全のための処理技術の現状について解説されています。


第4章では、「循環型社会をめざす法律
として、『31.循環型社会形成推進基本法と関連法』から『40.その他の法律』までの循環型社会を目指して制定されている各法律ならびに関連法についての制定の背景、概要、特徴などを解説しています。


第5章では、「ごみ問題と地方自治体
として、『41.ごみ問題と地方自治−自治事務としてのごみ行政と創意工夫』から『49.ごみと環境学習』まで自治体によるごみ行政の実情とこれまでの流れや課題などについて解説しています。


第6章では、「品目別3Rの現状
として、『50.再生資源業と再生資源の流れ−伝統的な資源化ルート』から『66.食品循環資源の飼料化』まで17のキーワードについて、業種あるいは品目毎の3Rの取り組みの現状と課題について解説しています。


第7章では、「産業廃棄物の現状
として、『67.産業廃棄物』から『76.廃棄物ビジネスの展望』まで産業廃棄物の処理に関する現状、課題、展望などを解説しています。


第8章では、「循環型社会への潮流
として、『77.3R-政策の優先順位』から『88.リサイクルショップ』までの循環型社会に関わる我が国のトレンドに関するキーワードを解説しています。『エコプロダクト』、『環境マネジメント』、『ライフサイクルアセスメント』なども解説されています。


第9章では、「国際資源循環の潮流
として、『89.再生資源貿易の現状』から『94.3Rイニシアティブ』などの国際的なごみ、3Rにかかわるトレンドに関するキーワードが解説されています。


第10章では、「海外の制度
として、『95.EUの廃棄物規制』から『100.中国の循環法制』までの海外主要国の廃棄物に関する規制のトピックスが取り上げられ解説されています。


循環型社会キーワード事典―100Key Words of Waste Management and 3R
中央法規出版
廃棄物・3R研究会(編さん)
発売日:2007-10
発送時期:通常4~5日以内に発送
ランキング:181339
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 便利な本です

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ごみ問題の背景
第2章 ごみ処理の仕組みと技術
第3章 有害廃棄物の処理と環境保全
第4章 循環型社会をめざす法律
第5章 ごみ問題と地方自治体
第6章 品目別3Rの現状
第7章 産業廃棄物の現状
第8章 循環型社会への潮流
第9章 国際資源循環の潮流
第10章 海外の制度






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  リサイクル地球温暖化などに関わる環境保護運動について1992年に「環境保護運動はどこが、間違っているか?」を発行し、更に1995年には、文庫本(増補版)化して論じてきた著者が、本体の構成は、そのままに今回は、最新の情報を反映した注を書き加えた形で改めて発行された本を紹介します。


本書:「環境保護運動はどこが間違っているのか? 」です。


本書は、エントロピーの世界的オーソリティとして知られる著者:槌田 敦 先生にて、2007年6月に宝島社から宝島社新書の一冊として発行されています。


本書が再々発行に至った背景には、環境問題が世界的な関心事として注目され、アル・ゴアの『不都合な真実』や「環境問題は、なぜウソがまかり通るのか」などが注目を集めた等の背景があるように思います。



本書の帯には、以下のように書かれてあります。


 ウソを信じていては、あなたの善意がムダになる


  誰もが「地球にやさしい」と信じてきたリサイクル

  そして地球温暖化問題などに、いかに多くのウソがあるかを


  エントロピーの世界的オーソリティが明らかにした、


  環境問題に関心をもつ人にとって必読の名著!!




本書の構成は、著者との対話形式で解説が進められています。イラストなど図表等は、極めて少なく、対話がどんどん続いていきます。プロローグにありますが、「みんながエコロジカルな生活をすれば、ほんとうに地球は救えるのでしょうか?」という視点が本書のテーマとなっています。


本書では、例えば、以下のような論点について誤っていると指摘しています。間違っているので正解は、ということになります。



牛乳パックはリサイクルすべき

 (筆者の意見によれば)→牛乳パックは焼却場で燃やそう(第1章)



分別収集でゴミ問題は解決する

 (筆者の意見によれば)→分別収集運動でゴミの捨て場が枯渇する(第4章)



科学技術でエネルギー問題は解決できる

 (筆者の意見によれば)→どんな科学技術でもエネルギー問題は解決できない(第8章)




環境問題は、なぜウソがまかり通るのか」でも感じましたが、環境問題の常識とされているものについて、ある種の条件下でそれが外れているような論点を取り上げ、その常識はウソだと論じているような印象が本書でもあります。確かに数学などの論理の世界では、一つの例外を挙げれば、そのロジックは誤っていることになります。しかし環境問題のような要因が複雑な事象については、ある部分は、仮説と危機感のもと科学的な裏付けを片方で積み上げ、実証データを固め、事象の実態を明らかにしながら、手遅れにならないように同時に対策を進めていくという現実的な対応が必要かと思われます。


 科学的に環境問題を論じることには、異論はないのですが、環境問題に関する解決策の方向性の一部に矛盾が生じていたとしても、「その解決策の方向は意味がない。あるいはウソだ。」として全ての取組をご破算にして混乱させてしまうのではなく、その矛盾に対して知恵を集めて社会的なコンセンサスのもと継続的に改善しつつ環境問題の汚染の予防の取組を推進していくような姿勢が必要ではないかと感じています。


 世界的にもインパクトの大きい環境問題の取組には、社会的なコンセンサスつくりが大切で、その意味で本書のような論点は、重要だと感じています。


環境保護運動はどこが間違っているのか?
宝島社
槌田 敦(著)
発売日:2007-06
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:37488


なお本書の目次は、以下の内容です。
プロローグ みんながエコロジカルな生活をすれば、ほんとうに地球は救えるのでしょうか?
第1章 牛乳パックはゴミ焼却場で燃やそう!
第2章 リサイクルも環境を汚染する!
第3章 自然を豊かにする、本物のリサイクルはどこにあるのか?
第4章 分別収集運動でゴミの捨て場が枯渇する!
第5章 恐るべき毒物・有機塩素と放射能をどうするか?
第6章 自然食だけでは偏食の害でからだを壊す!
第7章 炭酸ガスによる地球温暖化説には政治がらみのインチキがある!
第8章 どんな科学技術でもエネルギー問題は解決できない!
第9章 エコロジー運動は個人の倫理から社会の倫理へ
第10章 環境問題に「毒物等物品税」を導入する
第11章 未来の世代への責任を果たすために
増補1 リサイクルも経済原則の中で行うべきです
増補2 誇るべき「びん回収システム」を壊してはなりません
増補3 分別は資源を使う前にするべきです
増補4 家電製品の廃棄問題にはレンタル制が有効です
増補5 洪水も砂漠化も防げます
増補6 生ゴミはそのまま自然に返すのが正しい処理法です
増補7 自然のサイクルに返せば廃棄物処分場は不要です






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  昨今、環境をとるかそれとも経済かという二律背反(トレードオフ)のような関係に環境に関わる問題が取り上げられますが、このような二律背反の矛盾があるときに乗り越えるのが技術で、我が国の環境問題を克服していく技術開発がこれからのライフスタイルのあり方と含めて大いに注目されるところです。


 本日は、環境問題経済の基本的な関係からその捉え方について最新の分析をベースとして、日本の環境政策や排出権取引、京都議定書など、地球環境を再生し、資源の有効活用を進める取り組み、さらにはポスト京都議定書に関わる新たな展望までを分かり易く解説している本を紹介します。


本書:「環境経済入門<第3版>」です。

本書は、著者:三橋 規宏先生にて、2007年9月に日本経済新聞出版社より日経文庫の一冊として発行されています。


1998年に第一版が発行されて以降、環境と経済との関わりについてその基本の考え方から枠組み、そして我が国の環境政策の概要について分かり易く解説するテキストとして広く読み続けられてきた文庫の第3版になります。


本書では、第2版から、新たに2章:「地球温暖化と経済活動」ならびに6章:「環境経済学の視点」が追加されるなども含めて、全体的に内容も改訂されています。


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


基本的考え方からポスト京都議定書まで!


地球環境を再生し、資源の有効利用を進める取組をやさしく解説


好評のロングセラー・テキストを大改訂



本書の「まえがき」で本書で力点を置いたポイントとして著者は、以下のように述べています。

「本書は、なぜ私たちが地球の限界に突き当たってしまったのか、ワンウェイ型の経済システムを円形の、別の言葉でいえば、循環型の経済システムに転換させるためにはどうしたらよいか、さらにそれを支える理論・考え方などについて、できるだけ体系的かつ簡潔に説明することに重点を置いています
(略)
この一冊を読めば、環境と経済の基本的な考え方や枠組み、日本の環境政策の現状が理解できるように工夫したつもりです。」


本書は、7章(1:「地球環境と経済」から終章:「資源循環型社会への道」まで)から構成され、まさに地球環境経済にまつわる理論・考え方から環境政策の現状までの全体像がしっかりと展望できるように解説されています。



各章の最初にその章に関するエッセンスが、3点の箇条書きで要約され、その章の意図している点が分かり易くまとめてあります。

また全般的に内容を解説するにあたり、多くの図表が用いられ分かり易い説明となっています。


さらに地球環境問題に関する「不都合な真実」や「スターン報告書」などの関連するトピックスなどが多数盛り込まれ、環境経済について体系的に学ぶのにお奨めの一冊です。


最終章の結びで筆者は、「資源循環型社会に向けての道」について、以下のように述べており印象的で、共感します。


「「不都合な真実」に目を逸らさず、真正面から真実に向き合う勇気、科学的知見を受け入れる度量、それに基づく先見性をもった行動こそが、持続可能な新しい地球文明を構築する道につながるのではないでしょうか。」




環境経済入門 第3版 (日経文庫 A 36)
日本経済新聞出版社
三橋 規宏(著)
発売日:2007-09
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:35096


なお本書の目次は、以下の内容です。
1.地球環境と経済
2.地球温暖化と経済活動
3.環境政策の歴史
4.環境関連諸法と物質循環
5.経済学からのアプローチ
6.環境経済学の視点
終章 資源循環型社会への道





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 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の前著は、25万部売れたとのこと。


前著は、こちらのブログでも紹介しましたが、人気のテレビ番組:「たかじんのそこまで言って委員会」の影響もあって注目を集め、環境問題について、単に報道されている情報をそのまま信じるということでなく、科学的なデータに基づく視点の重要性について警鐘を与えたインパクトのある内容でした


本日紹介するのは、その続編。


 著者によると今回の続編の執筆に至った背景は、昨今の「地球温暖化」に関する情報について客観的で正確でない情報が伝えられていないのではと感じたためとのこと。


 本書では、地球温暖化に関わる京都議定書の持つ政治性な背景からはじまり、また筆者が得意とするリサイクル問題についての前著で寄せられた意見などへの反論、環境行政を司る環境省の内実、さらに危機をあおりがちなメディア・バイアスの問題などをテーマにして、「エコ常識のウソ」について環境問題の本質を捉えるための視点を論じています。


本書:「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」です。


「The Lie of an Environmental Problem2」(環境問題の嘘2)との英文のタイトルが付いています。


本書は、著者:武田邦彦先生にて、2007年9月に洋泉社よりYosensha Paperbacks (029)としてペーパーバックにて発行されています。


本書の表紙にも結構センセーショナルでアジテートするような以下の言葉が記載されています。



・京都議定書は、「現代の不平等条約」だ!


・二酸化炭素を削減しているのは日本だけ?


・バイオ燃料は誰にとって好都合な燃料か?


・レジ袋削減とエコバッグ推奨運動は大間違い!


・リサイクルは「資源のムダ使い」「利権の温床」だ!


ますます膨らむ「環境バブル」「エコの空騒ぎ」に
「NO」を突きつける
!!



また本書の帯にも以下のように書かれています。


「前著の反論にも完全回答!


また目からウロコ!


まだまだこんなにある「エコ常識のウソ」」



本書は、前著よりもボリュームがアップしています。上に紹介した表紙の表裏ならびに帯の部分の言葉はかなり刺激的ですが、科学者として、「エコ常識の嘘について客観的なデータに基づき問題提起する」という基本スタンスに立っています。


本書は、「環境政策を疑え」とするintroductionにはじまり、5つの章から構成されています。


第1章では、「地球温暖化環境問題ではなく政治問題だ----二酸化炭素を削減しているのは日本だけ? 」
として、京都議定書に絡む政治的駆け引きの問題。「地球温暖化」にまつわる報道の適切でない点。「京都議定書」を遵守することの意味などの内容について地球温暖化が政治問題として利用される懸念について論じています。


第2章では、「バイオ燃料が世界の格差を拡大させる----バイオ燃料は誰にとって都合のいい燃料か? 」
として、バイオ燃料についても政策的な面からの背景について解説し、バイオ燃料自体が地球に優しい燃料かとし、バイオ燃焼は、必ずしも、燃焼させても二酸化炭素が増えない:「カーボンニュートラル」とは言い難いのではないかと問題提起しています。さらにバイオエタノールは、食糧が不足している発展途上国の人々を追い詰める決して「環境にいい」政策とは言えないのではとしています。とくに海外の政治的な戦略に対する我が国が取るべき選択肢について提示しています。


第3章では、「意味のないリサイクルを早く止めないか----みんな気付きはじめたリサイクルのムダ 」
として、リサイクルに関わる観念的な思いこみのようなものを排除し、リサイクルに関するムダを今一度、冷静に科学的に見直してみる必要性を説いています。


第4章では、「環境問題はどうして正しく伝わらないのか----環境省、専門家、メディアの抱える病理」
として、省庁間の縦割り行政ため横断的な環境問題の取組が進みにくいこと。専門家の「競争的研究資金」による縛りの問題。どうして事実と違う報道がされていますのかの背景。などの課題に切り込んでいます。


第5章 「〈対談〉武田邦彦×池田清彦 環境問題のここがヘン!----環境政策を疑い、監視せよ」
として、『環境問題のウソ』の著者との環境政策について科学的な観点から監視することの必要性について各種論点から対談をしています。本書の各章の論点のレビューするような内容になっています。


環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks (029))
洋泉社
武田邦彦(著)
発売日:2007-09-12
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:88
おすすめ度:4.5
おすすめ度3 温暖化問題の記述には「?」 
おすすめ度4 環境問題に対する分析と評価は的確なのだが
おすすめ度5 確かに、前作より充実
おすすめ度5 クールビズ? レジ袋の廃止? それは本当に環境のためか
おすすめ度5 金の動くところに利権がある,まさに政治問題


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 地球温暖化は環境問題ではなく政治問題だ
第2章 バイオ燃料が世界の格差を拡大させる
第3章 意味のないリサイクルを早くやめないか
第4章 環境問題はどうして正しく伝わらないのか
第5章 対談 武田邦彦×池田清彦 環境問題のここがヘン!





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