ISO 26000は、SR(社会的責任)に関する国際規格で、ISO/TMB WG Social Responsibilityにより作成作業が進められ,2010年9月に発行される計画となっています。


近年、世界的に企業に対する評価の視点が大きく変わってきています。


収益力や賃金の高さといったことだけでなく、環境対応、消費者目線の商品開発、不祥事を防ぐコンプライアンスの実践など、CSR(企業の社会的責任)の実践度合いが企業の評価に大きな影響をもたらすようになっています。


こういった社会的な背景がISO 26000のニーズにもなっています。


品質規格(ISO9000シリーズ)が第1世代、環境規格(ISO14000シリーズ)が第2世代、社会的責任規格(ISO 26000)が第3世代と呼ばれているようです。


2009年5月には、カナダのケベック第7回総会でCD(委員会原案)に対して提出された3000以上のコメントと投票がまとめられ、2009年10月にDIS(国際規格原案)が発行される計画になっています。


ISO 26000の特徴は、以下のような点になります。


  • 第三者認証に利用されることを意図してはいないガイドライン国際規格である
  • 持続可能な開発・発展の促進を目指し、社会及び環境問題に関連するあらゆる中核主題に対応したものである

  • あらゆる種類の組織に適用されることが想定され、策定されている

ISO 26000の発行に備え、ISO 26000に盛り込まれている以下の「7つの中核主題」を柱にして企業がCSR(企業の社会的責任、ISOでは、SRとして取り上げられています)に取り組む際のガイドとして活用を意図して作成された本を紹介します。


  1. 組織統治
  2. 人権
  3. 労働慣行
  4. 環境
  5. 公正な事業慣行
  6. 消費者課題
  7. コミュニティ参画および開発

本書の「はじめに」で執筆者を代表して田中 宏治氏ならびに水尾 順一氏は、今日の社会的背景と本書の意図する点などについて以下のように述べています。


「近年、グローバリぜーションや情報技術の発展によって、消費者・顧客、NGOなどから、企業活動に対して厳しい目が注がれています。

また、世界的な経済不況など、企業は厳しい経済・社会環境にあります。

そこで、各企業にとっては、身の丈に合う形でどのようにCSR(企業の社会的責任)の実践に取り組むかが切実な課題となっています

(略)

そこで本書は、ISO 26000の発行に備えて、”7つの中核主題”を柱にして、企業が実践に取り組む際の実践手引き書、テキストとして使用・活用できるよう工夫し作成しました

(略)

本書は、このように企業の一員として必ず知っておくべきCSRに関する基本事項、実践事例、基本キーワードをそれぞれの専門家が解説しています。」


<<ポイント>>


CSR(企業の社会的責任)の基本からISO 26000の、”7つの中核主題”についての実践手引きを解説している本


本書では、


CSRの本質およびISO 26000規格の動向についての解説にはじまり、


7つの中核主題”について51例の企業の実践事例を紹介し、


7つの中核主題”の事例の理解に必要な80項目の基本キーワードについて、


解説しています。


本書:「ビジネスマンのためのCSRハンドブック」です。


先進企業の事例から用語解説まで」との副題が付いています。


本書は、経営倫理実践研究センター 日本経営倫理学会CSR研究部会の著・編集にて、2009年8月にPHP研究所より「新書」として、発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれています。


ガバナンスリスクマネジメントコンプライアンス

企業のブランド力を

高める極意がここにある!!


本書は、3部から構成されています。


緑黒の二色使いによるメリハリある構成で、イラストや概念図などの図表が挿入され、親しみやすく分かり易い内容となっています。


本書の末尾には、ISO 26000の7つの中核課題に関する『CSR実践のための「振り返りチェックリスト」』が掲載されています。


以降で本書の概要を紹介します。


第1部では、「CSRの基本
と題して、「CSRって何?」とのタイトルではじまり、CSRの定義について、ISO 26000での定義など紹介し、CSRの概念が生まれてきた歴史と背景とを振り返り、企業にとってのCSRの位置づけの確認、CSRのもたらす効果(ISO 26000による)、CSRと企業経営との関わりについて、『CSRは、企業と社会の長期的な持続可能性に関わるものであり、CSRの導入は企業が長生きするための必須条件』としています。


また「CSRの7つの中核課題」について、ISO 26000のCDの6項で取り上げられている社会的責任の範囲を定義し、関連する課題を特定し、優先順位を設定するための7つの中核課題組織統治人権労働慣行環境公正な事業慣行消費者課題コミュニティ参画および開発)についての概要を解説しています。


さらに「どうしてCSRが必要なの?」として、CSRへの取り組みは世界的潮流になっていること、人々がCSRを求める思いについて、CSRの4つの責任(『1.独禁法や会社法、消費者基本法などの会社に関連する法律を守る「法的責任」』、『2.適正な価格や品質で商品・サービスを提供し会社本来の機能をまっとうする「経済的責任」』、『3.会社を取り巻くさまざまなステークホルダーに迷惑をかけない「倫理的責任」』、『4.文化・教育・福祉活動など社会に積極的に働きかける「社会貢献的責任』について解説しています。


第2部では、「企業におけるCSRの実践
と題して、我が国の企業でのそれぞれに工夫を凝らしてのCSRへの取り組みとその結果、企業の従業員や消費者、地域社会の人々など多様なステイクホルダーからどのような好意的な評価を受けたかといった51の事例について、ISO 260007つの中核課題組織統治人権労働慣行環境公正な事業慣行消費者課題コミュニティ参画および開発)に区分して解説しています。


第2部は、51の番号とタイトルに続き、『ねらい』について数行程度で枠囲みでまとめた後に、本文の解説が続き、最後に『CSRのツボ』としてポイントが箇条書きでまとめられるという構成になっています。


経営倫理実践研究センターの会員企業109社の制作・取材協力に基づいてまとめられたものとのことです。


  • 組織統治】については、「コンプライアンスの推進で社会の要請に応える」など5項目が取り上げられ企業の事例も交えて解説されています。
  • 人権】については、「ハラスメントの撲滅で人権を守る」など5項目が取り上げられ企業の事例も交えて解説されています。
  • 労働慣行】については、「長時間労働防止に従業員も意識改革」など10項目が取り上げられ企業の事例も交えて解説されています。
  • 環境】については、「地球環境を守るのは企業の社会的責任」など11項目が取り上げられ企業の事例も交えて解説されています。
  • 公正な事業慣行】については、「談合・カルテルを撲滅する」など6項目が取り上げられ企業の事例も交えて解説されています。
  • 消費者課題】については、「製品情報の提供で消費者に安心感を」など8項目が取り上げられ企業の事例も交えて解説されています。
  • コミュニティ参画および開発】については、「少子化時代に欠かせない次世代育成」など6項目が取り上げられ企業の事例も交えて解説されています。

第3部では、「用語解説
と題して、あいうえお順に「ILO宣言」、「アファーマティブ・アクション」、……、「労働者派遣法」といった用語について解説しています。


本書では、全社を挙げて取り組むべき課題となっているCSRの取り組みについて日本のリーディングカンパニーは、どのように取り入れ、消費者からの信頼獲得につなげているのかといった事例(「企業不祥事防止に取り組むNECのコンプライアンスの実践」、「多様な人材を活用するパナソニックの外国人採用プラン」、「ベネッセでのワークライフバランスの取り組み」、「水資源を守るため森林保全活動を行う飲料会社」、「下請け先との公正な取引を進めるオムロンの従業員教育」、「交通安全教室を行うトヨタ自動車」、「カンボジアでの学校建設事業を展開するイオン」…ほか)が満載されています。


本書は、このようなCSRの先進企業の活動事例から用語及びISO 260007つの中核主題の解説も含めてハンディな新書サイズで通勤時間などを利用してCSRについて学ぶのにも最適です


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、これからの時代の企業のブランド価値に関わるCSRについてのISO 26000の概要、関連キーワードなど基礎的事項と先進企業の活動事例などをイラストなどの図解を含め分かり易く解説しており、CSRについての基本的事項をしっかりと学ぶことができます


またISO 26000の発行に備え、企業が社会的責任の実践に取り組む際の手引書・テキストとして活用できる内容になっています


<<まとめ>>


CSRについての関心の如何に関わらずこれからの時代に企業人として知っておくべきCSRの基本の理解のためにビジネスパースンの方には、読んで頂きたい一冊です


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 CSRの基本
1. CSRって何?
2. CSRの7つの中核主題
3. どうしてCSRが必要なの?
第2部 企業におけるCSRの実践
1. 組織統治
2. 人権
3. 労働慣行
4. 環境
5. 公正な事業慣行
6. 消費者課題
7. コミュニティ参画および開発
第3部 用語解説






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CSRの入門書である『CSR入門−企業の社会的責任とは何か』(日経文庫)(「ISOの本棚」でも紹介)の著者が、改めてCSR(企業の社会的責任)をテーマに取り上げ、10年先を見たCSR(企業の社会的責任)について俯瞰し、CSRの本質を論じている本を紹介します。


「まえがき」で、本書の趣旨は、以下の点と言及しています。


  1. CSRについて、「コンプライアンス」、「ガバナンス」、「リスクマネジメント」、「法令に沿った環境対応」といった基本部分にとどまらず、「貧困の撲滅」、「生態系・生物多様性の保護」、「先進国の消費の在り方の再考」なども踏まえて、俯瞰的にとらえる必要がある。
  2. CSRの遂行には、CSRを統合化するマネジメント・システムが重要であり、統合化なくしてはCSRによる企業/国家の競争優位は達成できない。
  3. CSRの遂行は、一部門や専門家に任せる事柄ではない。企業経営のなかに、CSRを取り入れなければ対応に遅れをとり、企業間の競争に負けるだけではなく、日本企業、日本国そのものの地盤沈下につながる。

本書では、『「CSR=企業の社会的責任」という言葉が使われて久しいが、その解釈はあいまいで今日では、単に企業の宣伝として使われているケースも多い』と述べた上で、CSRの全体像を俯瞰的に概観しながら、マネジメント・システムのあり方、生物多様性の関連情報としてバイオミミクリー(生物から学ぶモノづくり)、CSRと先進国の消費のあり方、イギリスのCSR事情、新たな消費動向に対する優位性を高めるCSRの在り方といった内容について解説しています。


本書:「進化するCSR」です。


「企業責任」論を超えた〈変革〉への視点 」との副題が付いています。


本書は、著者:岡本 享二 氏にて、2008年7月にジェイアイピーエムソリューション より発行されています。


進化するCSR―「企業責任」論を超えた〈変革〉への視点
ジェイアイピーエムソリューション
発売日:2008-07
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:24813
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 自分なりの「CSR論」を進化させていくための良書です

本書の帯には、以下のように書かれています。


「CSR入門(日経文庫)」の著者が語る

10年先を見た

CSRの俯瞰と本質」


本書は、JIPMソリューションの月刊誌『プラントエンジニア』に「進化するCSR」として連載されたのが本書の発刊の契機となったとのことです。


「一寸先は、闇」というのが政治の世界とか言われますが、社会的な動向についてもなかなか先のことは、予見し難いものです。


先を予見するための方法論としては、一般には、過去の歴史から学ぶこととか、現在に萌芽している兆候を感受性鋭く把握するとか、近似した現象から類似性を掴む、原理原則に立ち返ってあるべき論を考える、先進事例を徹底分析し外挿してみるなどの各種の方法が考えられます。


筆者は、このような難しい側面について、日米欧のCSRについてその背景と違いについて比較したり、金融界がリードするCSRに関わるSRI(Socially Responsible Investing:社会的責任投資)やPRI(Principles for Responsible Investing:責任投資原則)等の動向を分析したり、生物や生態系の仕組みからバイオミミクリーを応用する視点に立脚したり、マネジメントシステムの重要性を強調し、統合化したCSRへの展望、イギリスでのCSRからCR(Corporate Responsibility) 、そしてSD(Sustainable Development)への変遷の経緯などを論じ、CSRの方向性とあるべき像を説得力を持って描き出しています。


ところで、CSRについては、ISO(国際標準化機構)でも、SR(Social Responsibility:組織の社会的責任)に関する第三者認証を目的としないガイダンス規格のISO 26000について2009年11月の発行を目指して推進中です。(日本規格協会のウェブサイトでは、SR(社会的責任)の国際標準化活動の経緯について紹介しています。)


本書では、上記のISOの動向については、特に触れてはおりません。


本書は、CSRについて幅広い視点から概観しており、CSRの全体像がわかるだけでなく、ある程度のCSRの将来の方向性を推測することができるように思います。


本書は、CSRに関心があるビジネスパースンにお薦めの一冊です。


なお本書の概要目次は、以下の内容です。
第1章 CSR(企業の社会的責任)全体像
第2章 CSRの基本部分「コーポレートガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメント、法令に沿った環境対応」
第3章 金融界がリードするCSR ーSRIからPRIへー
第4章 生物から学ぶバイオミミクリー(Biomimicry)
第5章 CSRと先進国の消費のあり方
第6章 競争優位をもたらすCSRからみたマーケティング考
第7章 統合化したCSR
第8章 日本のCSRの将来を予感させるイギリスのCSR事情
第9章 CSRは社会の変革点
第10章 進化するCSR年表




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  地球温暖化など環境問題がじわじわと潜在的に一部で顕在化しながら進みつつある状況ながら、一度、経済活動の進展と共に快適で便利な生活上の恩恵を受けてしまうと今から時計を逆戻しして何年か前の時代の生活に戻るといったことは、極めて困難です

 昔、波動方程式で有名な量子物理学者のシュレディンガーが、生物について語った啓蒙書(岩波新書?)で、生物活動について負のエントロピーを食うのがその特徴と述べていたことを思い出しました。不規則性を測度とした熱力学の概念を生き物の世界に適用しているのを当時は、新鮮に感じました。

 経済システムの中にエントロピーの増大の法則のようなものが潜んでいてなかなか経済と環境の両立という問題は、人類の知恵を結集し、新たな負のエントロピーの仕組みを創造していかないともはや立ち行かないゆゆしい課題となっているように思われます。

 本日は、企業活動におけるこの環境と経済との両立といった視点に立って、環境経営の基本的な考え方から、これまでに提案されている具体的手法を企業経営のなかでいかに効果的に位置づけ、実践していくかまでを、実例を交えて分かり易く解説している本を紹介します。

本書:「環境経営・会計」です。

本書は、國部克彦先生ならびに伊坪徳宏先生、および水口剛先生による共著で、2007年3月に有斐閣より『有斐閣アルマSpecialized』一冊として発行されています。


本書の表紙の上記のタイトルの下に本書の内容について以下のように書かれています。

地球環境と経済活動の両立は今世紀最大の課題といえます。

環境と経営を結びつける手段としての会計システムを軸に、企業内部での展開

外部への情報発信、社会との関わりを体系的に解説した待望のテキストです。」

また本書の帯には、以下のように書かれてあります。

環境経営を「企業の隅々にまで環境への意識を浸透させた経営」と定義し、

その基本的な考え方から、さまざまな具体的手法を企業経営のなかでいかに

効果的に位置づけ、実践していくか、までを実際のケースを豊富に交えて解説する。

環境と経済の両立を考えるうえで必読の書。」


本書は12章から構成されています。第1章では、環境経営会計システムの概論、第2~7章が企業内部のマネジメント、第8~12章がSRI、CSRなどに関する新しい動向も含め、企業外部への情報開示の問題の解説という構成になります。環境管理会計外部環境会計環境報告書LCA環境影響の統合化手法環境効率などの手法が詳しく論じられています。各章の冒頭に「学習のポイント」が配置され、併せて重要なキーワードが章の冒頭に一括し掲載され、また各章に「Column」が挿入され、関連するトピックスが紹介されています。また各章末には、その章の内容の確認と発展させるための演習問題が添付されています。


第1章では、「環境経営と会計システム
として、環境経営環境会計との関係について、「環境経営とは何か」から始まり、マネジメント及び会計の視点からの見方、市場や社会の役割まで含め解説しています。


第2章では、「環境管理会計
として、「環境管理会計とは何か」から、環境管理会計の国際的な動向、環境コストについて企業コストのみならず、ライフサイクルコストや社会的コストを含む広範囲の概念として示し、その具体的手法として、環境配慮型設備投資決定環境配慮型原価企画環境予算マトリックス環境配慮型実績評価等の手法について解説しています。


第3章では、「マテリアルフローコスト会計
として、環境管理会計手法の主要手法で、その基本は、マテリアル(原材料)のフローとストックを金額と重量で追跡し、廃棄物も加工の手間がかかった「負の製品」として計算する特長を備えたマテリアルフローコスト会計について解説しています。マテリアルフローコスト会計についての計算構造と伝統的な原価計算との違い、同会計についての企業会計での活用手法、手法としての発展可能性などを含めて解説しています。


第4章では「ライフサイクルアセスメント
として、ライフサイクルアセスメントLCA)の利用方法について解説しています。なぜ今、LCAなのかに言及した上で、その概要と一般的な手順について国際規格(ISO14042)をもとに解説しています。とくにLCAを構成する各ステップについてその実施手順とそこから得られる結果とその効果について重点解説しています。

第5章では、「環境影響の統合化手法
として、物質比較型Eco-scarcity法JEPIX問題比較型エコインディケータ95EPSCVMLIMEコンジョイント分析などの環境影響の統合化手法についてその概要と特長を総括して解説しています。とくに国内の環境条件を反映した統合化手法のLIME(Life-Cycle Imapct Assesment Method Based on Endpoit Modeling)について注目し重点解説しています。


第6章では、「ライフサイクルコスティング
として、製品のライフサイクル全体の費用を計量するための技法であるライフサイクルコスティングLCC)について、その意義、実施手順、分析方法などについて解説しています。さらにノートパソコンの実施例について詳細に解説しています。


第7章では、「環境効率とファクタ
として、社会の持続的可能発展の代替指標としての環境効率と電子電気機器産業で活用されている環境効率の改善率のファクタについてその定義から企業における主な利用動向について解説しています。とくにファクタについて電気電子機器産業の主要な活用事例を解説しています。


第8章では、「環境情報開示と環境報告書
として、ステイクホルダーからの理解を得るには不可欠な環境情報開示について、「政府への報告制度の利用」、「独立の環境報告書やサステナビリティ報告書の作成」、「既存の開示制度への環境情報の組み込み」について解説しています。とくに独立の環境報告書について環境省とGRIの二つのガイドラインについて解説しています。さらに環境情報の信頼性を確保する方法についても言及しています。


第9章では、「外部環境会計
として、環境省の「環境会計ガイドライン」について、環境保全コスト、環境保全効果、環境保全対策に伴う経済効果の各要素について解説しています。さらに物量数値の貨幣換算の検討などを中心に環境会計の可能性と課題を取り上げ解説しています。


第10章では、「財務会計と環境問題
として、投資家等に対して経営成績と財政状態を報告する財務会計について、その概要をの解説に続けて、土壌汚染やアスベスト問題、温室効果ガスの排出権取引などの環境問題を財務会計においてどのように取り扱うかなどを解説しています。


第11章では、「資本市場と環境問題
として、企業の環境問題や社会問題への取組を評価して、投資行動に反映されてきた社会的社会的責任投資SRI:Socially Responsible Investment)などに見られる環境経営を促進する資本市場の動きと企業行動について解説しています。


第12章では、「環境経営からCSR経営へ
として、ヨーロッパを中心に政策面でも要求が強まりつつある環境経営に社会的問題への対応を追加したCSR経営について、企業やステイクホルダーにとって特に重要な事項を識別するための手法のステイクホルダー・エンゲージメントマテリアリティについて重点解説すると共にCSR報告書CSR会計についての現状と課題について解説しています。


環境経営の手法について、基本的な考え方から具体的な多くの実例を織り込み体系的にも整理され充実した内容で、分かり易く解説されており、環境経営や環境会計を学ぶ立場の人だけではなく、これを活用する立場にあるこの分野に関心を持つビジネスパーソンにもお奨めの一冊と思います。

環境経営・会計
有斐閣
國部 克彦(著)
発売日:2007-03
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:83184

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 環境経営と会計システム
第2章 環境管理会計
第3章 マテリアルフローコスト会計
第4章 ライフサイクルアセスメント
第5章 環境影響の統合化手法
第6章 ライフサイクルコスティング
第7章 環境効率とファクタ
第8章 環境情報開示と環境報告書
第9章 外部環境会計
第10章 財務会計と環境問題
第11章 資本市場と環境問題
第12章 環境経営からCSR経営へ

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 環境報告書の普及促進と信頼性向上のための制度的枠組みの整備や一定の公的法人(特定事業者)に対する環境報告書の作成・公表の義務付け等について規定している環境配慮促進法(「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」)などの背景のもと、我が国では、環境報告書、環境ラベリング、環境パフォーマンス評価、環境会計、ライフサイクル・アセスメント、環境マネジメントシステム、環境適合設計等に取り組む事業者が次第に増加してきています

 これらはいずれも、事業活動における環境への負荷を把握・評価し、時にはステークホルダーの理解と協力を得ながら、その削減のための対策を進める有効な手法となっています

 環境コミュニケーションについては、ISO14001:2004(JISQ14001:2004)でも、「4.4.3項 コミュニケーション」で『組織は、著しい環境側面について外部コミュニケーションを行うかどうかを決定し、その決定を文書化すること。外部コミュニケーションを行うと決定した場合は、この外部コミュニケーションの方法を確立し、実施すること。』 とし、組織の環境パフォーマンスなどの情報公開について組織にその判断を委ねています。またリスクコミュニケーションに関わる「4.4.7項 緊急事態への準備及び対応」の規定もあります。

 環境コミュニケーションの指針規格として、ISO/TC207/WG4において作成されたISO14063:2006(2006年8月発行)規格について、JISへの取入れが検討され、この6月にJISQ14063:2007規格:「環境マネジメント-環境コミュニケーション-指針及びその事例」が発行されています。

 この規格は、その1項 適用範囲において、『組織に対し,内部及び外部環境コミュニケーションについての一般的な原則,方針,戦略及び活動についての手引を提供する』ものと規定されています。

 本日は、TC207/WG4に参加し、2001年以降、規格の作成に関わり、ISO/TC207/WG4国内委員会のメンバーでもある筆者がISO 14063(JIS Q 14063)の基本的考え方だけでなく、他分野への応用なども加え、環境経営の柱となる有効な外部コミュニケーションのあり方について解説している本を紹介します。

本書:「環境コミュニケーション入門」です。

ISOガイドラインからの展開!」との副題が付いています。

本書は、吉澤 正 先生の編集にて、吉澤 正 先生ならびに後藤 敏彦 氏ならびに松本 清文 氏の共著にて、2007年6月に日本規格協会 より発行されています。

本書の帯には、以下のように書かれてあります。

有効な外部コミュニケーションのあり方に

興味のある方、悩みを抱えている方や、

新入社員教育用のテキストとしても最適!

  • 環境コニュニケーション規格作成に携わった、専門家による 的確で実用的な一冊
  • ISO 14063の基本解説だけであく、環境コミュニケーションに 定評あるキャノンの事例や他分野への応用等のやさしい解説も!」


本書は、5つの章から構成されています。

第1章では、「環境コミュニケーションの基礎知識
として、『環境コミュニケーションとは』など10問のQ&Aが掲載され、環境コミュニケーションに関係する基本的な知識について分かり易く解説されています。

第2章では、「ISO14063の概要
として、ISO14063規格について構成と特徴を紹介し、そこに織り込まれている基本的な考え方(5原則)、序文、適用範囲、用語及び定義、環境コミュニケーション活動を幅広いコミュニケーション活動のプロセスと位置づけ、そのプロセスの方針、戦略などについて、P-D-C-Aの流れで実践的な手引きやツールの紹介などを交えて解説しています。

第3章では、「キヤノンにおける環境コミュニケーション―経営に有効なコミュニケーション事例
として、先進的な環境コミュニケーションの取組を実践してきたキャノンの環境コミュニケーションの考え方と各種の取組事例が紹介されています。

第4章では、「総合的マネジメントシステムへの環境コミュニケーションの展開
として、品質、環境、労働安全衛生、情報セキュリティ、食品安全などのマネジメントシステム規格の現状と構造を解説し、全体的な経営管理システムの中に環境コミュニケーションプロセスをどのように組み込んだら良いかという考え方を解説しています。

第5章では、「CSRへの環境コミュニケーションの展開
として、ISO14063をCSRに活用する観点から、CSRの二つの流れ、CSR―社会にかかわるアクターすべての関係性の見直しなど応用的な活動について解説しています。

なお付録として「ISO14000ファミリー規格内の参照表」「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言(仮訳)」が添付されています。

environcomm.jpg
日本規格協会
吉澤 正(編さん)
発売日:2007-06
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:104635


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章環境コミュニケーションの基礎知識(Q&A)
 環境コミュニケーションとは/環境コミュニケーションの必要性/メリット/方法と環境報告書/情報・意見の活用/実践のステップ/効率的に効果をあげるには/CSRなどへの展開/ほか
第2章ISO 14063の概要
 2.1 規格構成と特徴
 2.2 序文、適用範囲、用語及び定義
 2.3 環境コミュニケーションの原則
 2.4 環境コミュニケーションのPDCA
第3章キヤノンにおける環境コミュニケーション−経営に有効なコミュニケーション事例−
 3.1 情報開示−環境コミュニケーションの基礎
 3.2 キヤノンの環境コミュニケーション活動
 3.3 企業(組織)にとっての利害関係者との関係
第4章総合マネジメントシステムへの環境コミュニケーションの展開
 4.1 マネジメントシステム規格の現状と構造
 4.2 EMSへの環境コミュニケーションプロセスの組み込み
 4.3 QMSとの統合
 4.4 関係性マネジメントツールとしてのコミュニケーション
 4.5 EMSのプロセスアプローチ
第5章CSRへの環境コミュニケーションの展開
 5.1 CSRの二つの流れ
 5.2 CSR−社会にかかわるアクターすべての関係性の見直し
 5.3 企業の取組み
 5.4 CSRとコミュニケーション
 5.5 ステークホルダー・エンゲージメント
 5.6 環境コミュニケーション規格のCSRへの応用
 

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「利は、元にあり」とは、昔からの商売の格言で仕入れの重要性を説いたものです。

今日では、購買の活動は、グローバルに拡大しています。

CSRサプライチェーンマネジメント』とは、サプライヤーに対して,CSRに関する調達基準(行動規範)を提示し、その遵守状況をモニタリングする一連のプロセスの中で、サプイヤーのCSR意識を啓発し、サプライチェーンに潜在するCSRリスクを低減することを目的として,PDCAサイクルを運用し、その継続的な取り組みを通してリスクの顕在化を防ぎ、自社製品の社会的信頼をアピールすることで、サプライチェーン全体の価値を向上させるマネジメントの仕組みです

 本日は、このCSRサプライチェーンマネジメントについてわが国で最初に取り上げた解説書を紹介します。

本書:「グローバルCSR調達」です。

サプライチェーンマネジメントと企業の社会的責任」との副題がついています。

本書は、藤井 敏彦 氏ならびに 海野 みづえ氏の編著にて、冨田秀美氏、鈴木均氏、西面和巳氏、武田倫世氏、矢口哲三氏、寺田良二氏、大石貴子氏、足立直樹氏、満田夏花氏、桑山三恵子氏の10人の各分野の専門家が執筆者として参加し、2006年10月に日科技連出版社より発行されています。

本書の帯には、以下のことが書かれてあります。

調達こそ、

CSR経営のカギである。

CSRサプライチェーン

マネジメントの全て!」

本書の表紙の折り返しで、本書の内容について以下のように紹介されています。

「欧米の先進的多国籍企業ではCSR(企業の社会的責任)をより徹底させるために、

サプライチェーンまでCSRの取り組みを拡大する動きが強まっている。

 たとえば、発展途上国にある調達先の不祥事を見過ごすことが、企業にとって大きなリスクとなる時代がそこまできているのだ。

 日本でも本格的な取り組みが始まったCSR調達の基礎知識、そして最前線での取り組みを最強の執筆陣が徹底解説する。」

本書は、7章から構成されています。

第1章では、「調達とCSR」と題して、「CSR調達」、「CSRサプライチェーンマネジメント」と呼ばれる潮流について、CSRの変化、サプライチェーンの変化、企業のリスク認識の変化の観点から俯瞰しながら、CSR要請事項について説明し、さらに資源採取のCSRについても概観しています。

第2章では、「CSR調達の国際規格およびイニシアティブ」と題して、SA8000や電子業界サプライチェーンにおける行動規範、ISO26000(社会的責任規格)、情報開示のためのGRI(Grobal Reporting Initiative)ガイドラインの中のCSR調達に関する内容などが解説されています。

第3章では、「CSR調達を実践する企業事例」として、リーバイ・ストラウス、ミズノ、イオン、ソニー、NEC、資生堂などのCSR調達の事例が紹介されています。

第4章では、「原材料調達におけるサプライチェーンマネジメント」として、先進的な取り組みを進める日本製紙グループ、ユニリーバなどの事例が紹介されています。

第5章では、「CSRサプライチェーンマネジメントの導入、実行」として、行動規範とモニタリングを中心としたCSRに関するサプライチェーンマネジメントを想定し、調達企業が仕組みを構築するステップをPDCAサイクルの順を追って解説しています。なお,この章では、「監査」(会計界における監査は、保証業務の1種類とのことで、CSR調達で実施する監査は、保証業務に相当しないことからこの章では「モニタリング」と呼んでいるとのことです.) 

第6章では、「サプライヤー、調達企業の悩みどころと対応方法」として、調達側だけでなくサプライヤーにも視点をおいて、行動規範の遵守に関してサプライヤーが直面する問題点、矛盾、解決策などが提示されています。また日本国内の工場での注意点やCSR調達への対応の必要性についても説かれています。

第7章では、「グローバル経営とCSRサプライチェーンマネジメントの将来」として、将来においてCSR調達に関して留意すべき視点として、人事政策におけるグローバルな視点等が取り上げられ、多国籍企業がグローバル化を図る上での考察などが提示されています。

グローバルCSR調達―サプライチェーンマネジメントと企業の社会的責任
日科技連出版社
藤井 敏彦(著)海野 みづえ(著)
発売日:2006-10
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:95563

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 調達とCSR
1.1 CSR調達とは
1.2 グリーン調達からCSR調達へ
1.3 サプライチェーンとCSR調達
1.4 CSR調達を行わないことによるリスク
1.5 CSR調達の要求事項
1.6 原材料調達におけるCSR配慮
第2章 CSR調達の国際規格およびイニシアティブ
2.1 政府のCSR調達
2.2 CSR調達にかかわる各種の枠組み
2.3 CSR全般の規格
第3章 CSR調達を実践する企業事例
3.1 リーバス・ストラウス
3.2 ミズノ
3.3 イオン
3.4 ソニー
3.5 NEC
3.6 資生堂 
第4章 原材料調達におけるサプライチェーンマネジメント
4.1 原材料調達の先行事例
4.2 原材料調達マネジメントでの実践のポイント
第5章 CSRサプライチェーンマネジメントの導入、実行
5.1 CSRサプライチェーンマネジメント
5.2 基本計画
5.3 サプライヤーのための行動規範の策定
5.4 対象サプライヤーの選定
5.6 サプライヤーのモニタリング
5.7 活動結果の評価と見直し
5.8 情報開示
5.9 モニタリング型マネジメントの今後     
第6章 サプライヤー、調達企業の悩みどころと対応方法
6.1 調達側の行動規範に従いCSR要求事項を実践する
6.2 サプライヤーとしての取り組みの流れ
6.3 大きなリスクを伴う項目、難しい項目
6.4 日本国内で監査を受ける際に注意すべき事項の例
6.5 CSR対応による顧客拡大
第7章 グローバル経営とCSRサプライチェーンマネジメントの将来
7.1 モニタリング型から連携型マネジメントへ
7.2 グローバルな人材戦略の展開
7.3 サステナブル・サプライチェーンの構築
7.4 日本が拓くCSRサプライチェーンマネジメントの将来


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 個人情報保護に関連して、昨今、急速に普及が高まったシュレッダーによる幼児事故が問題になっています。

エレベータ事故、給湯器の一酸化炭素中毒事故の際の企業の対応が消費者の不信を招いたのもつい最近の出来事でした。

このような社会背景のもと、企業経営の主要な課題としてCSRに対する重要性の認識が高まってきています。

これまでにCSRの専門部署を設置している企業数も100社に及ぶとされています。

 企業の不祥事が頻発するなかで、企業の「利益」の追求と企業活動における法令順守(コンプライアンス)、環境保護、人権擁護、労働環境、消費者保護などさまざまな社会的責任:「CSR」の実践の両立が企業の持続的発展にとって不可欠な要件となってきているためです。

CSRについて基礎から解説している入門書を紹介します。

本書:「CSR入門」です。
本書には、「―「企業の社会的責任」とは何か― 」との副題が付けられてあります。

本書の著者は、岡本享二 氏で、2004年12月に日経文庫のシリーズとして日本経済新聞社より発行されています。

本書の表紙の折り返し部分には、以下の通り書かれてあります。

  • CSRは、多分野にまたがり、とらえづらい考え方です。その本質を、環境問題やコンプライアンスなど、さまざまな面から丁寧に解き明かしていきます。
  • 日本より進んでいるヨーロッパをはじめ、アメリカ、アジアといった海外での取り組みを紹介します。
  • 企業へのアンケート調査や先進事例のケーススタディをもとに、日本の現状を明らかにします。
  • 社内へのCSRの浸透のさせ方を、トップのリーダーシップ、組織のつくり方など具体的に解説します。
CSR入門―「企業の社会的責任」とは何か
日本経済新聞社
岡本 享二(著)
発売日:2004-12
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:16035
おすすめ度:4.5
おすすめ度3 本当に「CSR」を考えるなら…
おすすめ度3 CSRという概念が、いろいろな方面から説明してあります
おすすめ度5 地球の未来を明るくする一冊
おすすめ度5 熱いメッセージが込められている
おすすめ度5 CSR入門から学ぶ

本書は、CSRのこれまでの経緯からCSRの本質は何か、更には、CSRの将来展望までを含むCSRの全体像について図表を多用し、これまでこの分野に馴染みが無かった人にも分かり易く解説しています

なお本書の目次は、以下の内容です。
[I] 「CSR(企業の社会的責任)」とは何か
 1 社会・環境問題への取り組みが企業価値で重要に
 2 持続可能性をもたらすCSR
 3 メセナ、企業倫理、環境経営からの発展
 4 CSRの実践内容と社会・市場との関係による変化
 5 江戸時代の「商家の家訓」や「庶民の生活」から学ぶ
 6 CSRと生物多様性・生態系保護との関係
[II] なぜCSRが求められているのか
 1 日米の有力企業で不祥事が続発
 2 SRI(社会的責任投資)の拡大
 3 グローバル化が求める環境・社会への配慮
 4 情報技術の発達
 5 科学的データで明白になった地球環境の悪化
 6 生物多様性・生態系を守る
[III] 世界中で進むCSRの導入
 1 世界に見るCSRの地域的特徴
 2 ヨーロッパ――CSRをリードするイギリス
 3 アメリカ――企業が主体となって展開
 4 アジア・オセアニア――日本がCSR推進のリーダーに
 5 CSRに取り組む諸団体
[IV] 動き出した日本の取り組み
 1 産業界――各企業の自主性・多様性を尊重
 2 行政官庁――研究会などの立ち上げ
 3 学術研究界――CSR普及の役割を担う
 4 民間組織――独自の活動を展開
[V] 日本企業のCSR導入事例
 1 アンケート調査から見た企業の全体動向
 2 企業別の特徴とCSR報告書概要
[VI] 企業におけるCSR組織の策定と展開
 1 経営トップのリーダーシップの必要性
 2 CSRの本質の理解
 3 全社を統括するCSR組織の策定
 4 日本IBMの事例
 5 情報技術(IT)の有効活用
 6 ステークホルダーとのコミュニケーション
 7 「哲学⇔知識⇔行動」の実践
 8 新しい試み――GLN(グローバル・リーダーシップ・ネットワーク)の例
[VII] 21世紀に花開くCSR
 1 マーケティングのあり方――企業と消費者の攻防
 2 非財務情報(環境・社会)の重要性とCSRの多様な見方
 3 CSRの本質を見極める
 4 21世紀への提言――パラダイム・シフトを喚起するCSR
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CSR企業の社会的責任Corporate Social Responsibility)についての定義、考え方は、CSRをめぐる世界的な関心の高まりをうけて色々と提示されています。

「組織が人々、地域社会及び社会に恩恵をもたらす形で経済、社会及び環境問題に取り組むためのバランスのとれた方法」(ISO 報告書  仮定義)

「責任ある行動が持続可能な事業の成功につながるという認識を、企業が深め、社会・環境問題を、自発的に、その事業活動及びステークホルダーとの相互関係に取り入れるための概念」(欧州委員会)

「企業が、法律遵守にとどまらず、企業自ら、市民、地域及び社会を利するような形で、経済・環境・社会問題においてバランスのとれたアプローチを行うことにより、事業を成功させること」(経済産業省)


「「社会的責任経営」とは様々なステークホルダーを視野に入れながら、企業と社会の利益を高い次元で調和させ、企業と社会の相乗効果を図る経営のあり方」(経済同友会)

「経済・社会の重要な構成要素となった企業が、自ら確立した経営理念に基づいて、企業を取り巻くステークホルダーとの間の積極的な交流を通じて事業の実施に努め、又その成果の拡大を図ることにより、企業の持続的発展をより確かなものとするとともに、社会の健全な発展に寄与することを規定する概念」(経済産業省  報告書)


このCSRについての分かり易い入門書を紹介します。

本書:「 CSR入門 」です。

本書は、著者が小野 桂之介先生で2004年12月に日本規格協会より発行されています。

同社の「やさしいシリーズ13」になります。

最初に「CSRことはじめ」として、このシリーズに共通のQ&Aが掲載されています。「Q1:そもそもCSRとは何を意味するのですか?」から「Q11:ISOがCSRに関する規格を検討していると聞きました。いずれはISO 9000やISO 14000のような審査登録制度(認証制度)がスタートするのでしょうか?」までのQ&Aを通して、最初にCSRの全体像がつかめるように構成されています。

さらにCSRの定義やこれまでの経緯やISOの動向、企業においてこれからCSRについてどのように取り組むべきかの考え方を提示しています。

さらに最終章において4問のQ&Aが示され、本書をトリガーにして更に勉強するためのガイドなどが示されています。

以上のような構成で「CSR(企業の社会的責任)とは何か」、「 なぜ、今CSRなのか」、「企業においてCSRをどのように捉え、対応していけばよいのか」などが多くのイラストも含む丁寧な説明によって分かり易く理解できるように工夫されています。

CSR入門
日本規格協会
小野 桂之介(著)
発売日:2004-12
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:77977
おすすめ度:4.5
おすすめ度4 学ぶべきは考え方。
おすすめ度4 CSRの基本を平易に解説した本
おすすめ度5 CSRの重要ポイントを押さえた分かりやすい一冊
おすすめ度5 誰にでも理解できる良書
おすすめ度5 誰にでも理解できる良書

なお本書の目次は、以下の内容です。
はじめに
第1章 CSRことはじめ:読者と著者のQ&A
Q1 そもそもCSRとは何を意味するのですか?
Q2 「社会と良好な関係」という場合の「社会」とは、具体的に何を意味するのですか?
Q3 「ステークホルダー」という言葉も新聞その他でよく目にしたり聞いたりしますが、具体的に何を意味する言葉ですか?
Q4 なぜ、いまCSRという特別な言葉まで掲げて議論しなければならないのでしょうか?
Q5 新聞やビジネス誌などを見ていると、CSRのほかにSRとかOSRといったよく似た用語を目にしますが、これらはCSRとどのように違うのですか?
Q6 「サステナビリティ」という言葉も似たような文脈でよく目にしますが、CSRとはどのような関係にあるのでしょうか?
Q7 CSRと関連する記事でSRIという言葉もよく見ます。CSRとの関係も含めて説明してください。
Q8 多少現実論になりますが、CSRに取り組むと、企業としてどんなメリットが期待できるのでしょうか?
Q9 CSRから期待できるメリットは、不祥事の防止だけですか?
Q10 ステークホルダーの間に企業経営者が守るべき優先順位というのはあるのでしょうか?
Q11 ISOがCSRに関する規格を検討していると聞きました。いずれはISO 9000やISO 14000のような審査登録制度(認証制度)がスタートするのでしょうか?
第2章 CSRの沿革と現状
2.1 CSRの定義
2.2 これまでの経緯と現状
2.3 国際機関等が策定した規格・ガイドライン
2.4 ISOの動向
2.5 SRI(社会的責任投資)について
第3章 企業におけるCSRと今後の展望
3.1 CSR的企業理念と行動
3.2 CSR推進に向けた専門部署のあり方
3.3 CSR専門部署の活動内容
3.4 企業の立場から見たCSRの効用
3.5 CSR会計
第4章 これからの企業経営とCSR
4.1 企業が担う責任とCSR
4.2 CSR型企業経営の姿
4.3 企業パーソナリティ
4.4 企業ブランドとCSR
4.5 ベンチャービジネスとCSR
4.6 理想と現実のギャップを埋める努力
4.7 CSRとミッション経営
第5章 CSRの実現に向けて:読了後のQ&A
Q1 CSRを組織に導入する際、特に留意すべきポイントはどのようなことでしょうか?
Q2 私たちの会社でこれからCSRレポートを作ろうとする場合に、何を参考にしたらよいのでしょうか?
Q3 CSR経営を行うためには、やはりCSRの専門部署を設置しなければいけませんか?
Q4 自社でCSRを実践する準備のために、さらに詳しくCSRについて理解を深めたいと思うのですが、どのように勉強していったらよいでしょうか?
参考 CSR関連ウェブサイト一覧

本書でも触れられていましたが、その後のISOの動向ですが、2008年にガイドライン規格(要求事項規格ではありません)のISO26000が発行されることが決定されています

スウェーデンとブラジルがこの規格検討ワーキンググループ「WG SR」の共同議長国に選出されています。 (ISOでは、SRとしております)

なおISOでは、2005年2月からSRに関わるウェブサイトを開設しております最新のSRに関するISOの情報が入手できます

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