環境経営
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トップ・マネジメントのための経営品質講座
早稲田大学ビジネススクール(経営専門職大学院)寺本 義也教授を中心に早稲田大学経営品質研究所による経営者やマネジャーやスタッフのための「経営品質向上プログラム」の解説書を紹介します。
ところで、「経営品質賞」は、我が国で1996年から創設されていますが、米国の「マルコム・ボルドリッジ国家品質賞」を範としたもので、企業体等の組織の経営の質を評価するもの。
「経営品質向上プログラム」は、組織が提供する製品やサービスの向上という視点に留まらず、継続的に持続的に良い価値を生み続ける組織をつくるために、経営の質をもっと高めようということが経営品質の基本的な考え方で、本書では、その具体的な実践方法を詳しく解説しています。
トップマネジメントが経営の価値や概念の体現者であり、ビジョンや戦略の実践者であることから、トップマネジメントが率先して『経営品質』についての理解を深めることがなにより重要として、トップマネジメントが経営品質向上の意義を多面的に捉え、実践する中から具体的な成果に結びつけるとの観点から書かれています。
本書:「トップ・マネジメントのための経営品質講座」です。
「意思決定への新たな視座」との副題が付いています。
本書は、寺本 義也先生の監修ならびに早稲田大学経営品質研究所 による編著にて、2006年7月に生産性出版より発行されています。
本書の帯には、本書の序章でも強調されている経営品質についての重要なポイントについて、以下のように書かれてあります。
「経営品質の核心は組織品質であり、
最終的には「経営者の質」で決まる。
経営者は単に組織をマネジメントするだけでなく、
組織の価値観を明確化し、それを内外のステイクホルダーに共有し、
実践させるためのリーダーシップを発揮しなければならない。」
本書は、10章から構成されています。2章から9章までの内容は、日本経営品質賞委員会が提供する『日本経営品質賞アセスメント基準書』のアセスメント基準のフレームワークに準拠したもので、2005年度の早稲田大学経営品質研究所の主催する特別研究会の研究活動の成果に基づくとのことです。
各章の末尾には、上記の研究会での会員と講師との間で交わされた質疑応答の内容が掲載されています。また本書の最後に各章に関係する詳細な参考文献も紹介されています。
序章では、「経営品質の理解と実践」
として、日本経営品質賞、マルコム・ボルドリッジ国家品質賞など日米の経営品質への取り組みの経緯から、経営品質に関わる今後の主要課題とその展望が示されています。
第2章では、「トップ・リーダーシップ」
として組織のトップマネジメントによるリーダーシップについて、経営環境の構造変化の流れのなかで、ビジネスモデルの構築と業務プロセスの革新という側面からとらえ、これからのリーダーシップのあり方などを論じています。
第3章では、「戦略的CSRマネジメントと社会貢献」
として、なぜいまCSRなのかに始まり、CSRについて「企業と社会とが健全な発展を遂げるために、企業が不祥事を起こさないようにすると共に、企業を取り巻く利害関係者に積極的に貢献する」との定義を提示し、企業の持つ社会性を企業活動においてどのようにとらえ、いかにマネジメントに取り込むかなどについて論じています。「CSRだけでは、飯は食えない。しかし、CSRなくして飯は食えない」との意味付けに提起をしています。
第4章では、「顧客起点のマーケティング戦略」
として、情報技術重視の伝統的なポジショニングベースの競争戦略の限界について、企業が顧客に対して一方的にリテンションを求める戦略から、同時に顧客が企業に対してパーティシペーションを求める戦略へと転換することが必要とし、その新たな資源性ベースの戦略の必要性、またどのように資源を見極め、そのように醸成すべきかなどを論じています。
第5章では、「経営戦略の本質」
として、勝ち残るために必要な経営戦略の本質について、歴史に学ぶとの観点から、ノモンハン事件、ベトナム戦争など軍事戦略の事例を中心に論じています。さらに戦略思考力をどのように強化するかといった観点も提示しています。
第6章では、「人的資源と高信頼性組織」
として、企業不祥事などの予測不可能な事態が発生したような場合にも適切に対処できる組織のあり方などを含めての高信頼性組織とそのための人材の育成と評価などについて論じています。
第7章では、「プロセス革新によるグローバル戦略」
として、米国型のグローバルスタンダードの限界について述べた上で、マネジメント指向から脱却し、コア機能、ロジスティクス機能、オペレーション機能を有機的にネットワークしたグローバル経営などの21世紀に相応しい独自の経営モデルの構築について解説しています。
第8章では、「情報マネジメント」
として、ビジネスを活動(Activity)の単位に細かく分類し、活動毎のコストを計算する手法である「ABC」(Activity Based Costing)およびそのABCをベースに、活動単位の分析を通してムダな活動を削減し、企業競争力の源泉となる活動に人的資源を継続的に集中させる管理手法の「ABM」(Activity Based Management)を活用して、業務改革や情報システム導入を確実に推進していく考え方を中心に解説しています。
第9章では、「財務的成果の測定と評価」
として、資本市場からの資金調達に関係して、企業は売上高や経常利益の規模だけで優劣が判定されるのではなく、稼ぎ出す価値の大きさによって評価されるとし、これからの日本企業は、株主価値をどのように高めていくべきかについて、財務的な成果の測定とその評価の観点から論じています。
第10章では、「米国における経営品質の最新事情」
として、米国におけるマルコム・ボルドリッジ国家品質賞に関わる現状の取り組みについて審査から企業における取り組みの状況などについて概観しています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
序章 経営品質の理解と実践
第2章 トップ・リーダーシップ
第3章 戦略的CSRマネジメントと社会貢献
第4章 顧客起点のマーケティング戦略
第5章 経営戦略の本質
第6章 人的資源と高信頼性組織
第7章 プロセス革新によるグローバル戦略
第8章 情報マネジメント
第9章 財務的成果の測定と評価
第10章 米国における経営品質の最新事情
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環境経営入門
最近、ノーベル賞の各賞の発表が相次いでありました。日本でも物理学賞でカーボンナノチューブの飯島先生が候補かとかが話題になっている間に、なんと2007年ノーベル平和賞にアル・ゴア前米副大統領と、国際組織の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が決定との報道が入ってきました。
ドキュメンタリー映画「不都合な真実」を通じて地球温暖化の危機を訴えてきたアル・ゴア前米副大統領および温暖化問題の影響などについて研究報告をまとめているIPCCがノーベル平和賞ということで環境問題が地球規模の安全保障の問題として広く認識されつつある中でこの受賞は、象徴的な意味合いがあるように思われます。
環境問題は、国境を超えて、二十一世紀の人類が直面する最大の脅威になっています。
一般的に我々を取り巻く環境問題には、急激な気候変動、オゾン層破壊など今回のノーベル平和賞の対象となった地球規模の問題から、地域の問題まで、多岐にわたる内容を含んでいます。今日、企業活動において、この環境問題についてどのように向き合ってマネジメントしていくかという環境経営の位置づけは、極めて重要なものになっています。
本日は、環境問題と環境経営の基礎について分かり易く解説している本を紹介します。
本書では、地球規模から地域の問題までの環境問題について、発生原因や対策を社会制度、経済システム、法体系などから検討し、私たちが「環境」をどのように捉え、それを管理(マネジメント)していくかについて解説しています。さらにISO14001などの環境マネジメントシステムとの関わりについても認証取得とか環境マニュアルの作成といった観点ではなく、企業活動や製品の関わりといった幅広い視点から解説しています。
本書:「環境経営入門」です。
「Environmental Management」との英文のタイトルがついています。
本書は、岡本 眞一先生の編著ならびに當間 政義先生および近藤 明人先生および嶋村 幸仁先生の共著にて、2007年9月に日科技連出版社より発行されています。
本書の「まえがき」で本書の位置づけについて、環境問題について汚染発生のメカニズム解明や対策技術などの理工学分野からのアプローチもあるが、社会制度、経済システム、法体系などの側面から検討する文科的アプローチを通して、「環境」をどのように捉え、それをマネジメントしていくかを示すものとしています。またISO14001について、従来、出版されている多くの書籍は、環境マニュアルの作成や受審対策のみに偏ったハウツーものが多いので、環境経済や環境会計などの企業が関わりをもつ多くのテーマについて、その背景の解説、企業の活動や製品を通じての環境との関わりを概説するとしています。
なお本書の一部の章では、岡本先生の前著:「環境マネジメント入門」(「ISOの本棚ブログ」でもすでに紹介)について関連箇所の記載は、最新の内容に見直した上で、改訂して記述しているとのことです。
本書は、10章から構成されています。環境マネジメントシステム教育のテキストとしての観点から章構成のつながりにも配慮され、環境問題や環境マネジメントシステムについてはじめてという方にも多くの図表なども用いて分かり易く配慮された内容となっていルと思います。また各章の終わりには、その章の理解のための問題が掲載されています。またその章に関係する参考文献が挙げられています。
第1章では、「環境とその管理」
として、「環境」の定義にはじまり、その社会的な側面にも焦点を当て、各種の環境問題とそのマネジメント(管理)について解説しています。
第2章では、「環境と経済」
として、企業経営において環境にまつわる利害関係者との各種の関わりが重要な位置づけになっているとその背景を解説した上で、環境と経済との関わりについて解説しています。
第3章では、「環境問題と経営」
として、環境問題にまつわる行政、家計、企業との環境主体の関係について、「環境へ配慮する」との意識と行動が重要と解説しています。企業の環境問題の3つの対策手法についても解説しています。
第4章では、「企業の環境経営」
として、企業の環境に配慮した経営では、どのような観点が重要か、環境経営の変遷からはじまり、企業行動のアプローチ、環境ビジネス、企業の環境管理に関わる組織などを取り上げて解説しています。
第5章では、「ISO環境マネジメントシステム」
として、ISO14001規格の特徴、マネジメントシステム認証制度、エコアクション21、エコステージ、KESなど中小企業向けの環境マネジメントシステムの動向などを解説しています。
第6章では、「環境会計」
では、環境会計は、企業内部で効果的な環境保全活動を実施し、利害関係者に環境配慮活動について理解を得るのに有効で、さらに環境保全活動の投資効果、環境改善の効果を定量化するのにも有効とし、環境会計の考え方、種類、応用について解説しています。
第7章では、「環境リスク管理と環境コミュニケーション」
として、化学物質の漏洩による土壌汚染など環境リスクの問題と、企業の環境に配慮した活動を利害関係者に理解して貰う環境コミュニケーションの代表的な手法から環境パフォーマンス評価(ISO14031規格による環境指標(EI)、環境状態指標(ECI)、環境パフォマンス指標(EPI)、マネジメントパフォーマンス指標(MPI)、オペレーショナルパフォーマンス指標(EPI))、環境リスクと評価、環境情報の開示などの概要について解説しています。
第8章では、「製品の環境配慮」
として、原材料の調達から、製造、使用、廃棄の製品の全ライフステージでの環境影響評価を行うツールとしてのライフサイクルアセスメント(LCA)について、解説しています。またELV、WEEE、RoHS、EuP、REACHなどのEUでの環境政策をはじめとした海外の環境規制、さらにISOなどの環境ラベル規格などの概要も解説しています。
第9章では、「環境マーケティング」
として、商品、流通チャンネル、価格、販売促進のいわゆるマーケティング・ミックスの4Pと環境配慮製品リサーチに関わる事例と支援ツールとの関係をはじめ、環境広告、グリーン購入などについて解説しています。
第10章では、「環境調和型社会の構築」
として、廃棄物政策について重点解説すると共に環境調和型社会の構築の観点からISO環境マネジメントシステムの目指すべき方向についても言及しています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 環境とその管理
第2章 環境と経済
第3章 環境問題と経営
第4章 企業の環境経営
第5章 ISO環境マネジメントシステム
第6章 環境経営
第7章 環境リスク管理と環境コミュニケーション
第8章 製品の環境配慮
第9章 環境マーケティング
第10章 環境調和型社会の構築
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環境経営・会計
地球温暖化など環境問題がじわじわと潜在的に一部で顕在化しながら進みつつある状況ながら、一度、経済活動の進展と共に快適で便利な生活上の恩恵を受けてしまうと今から時計を逆戻しして何年か前の時代の生活に戻るといったことは、極めて困難です。
昔、波動方程式で有名な量子物理学者のシュレディンガーが、生物について語った啓蒙書(岩波新書?)で、生物活動について負のエントロピーを食うのがその特徴と述べていたことを思い出しました。不規則性を測度とした熱力学の概念を生き物の世界に適用しているのを当時は、新鮮に感じました。
経済システムの中にエントロピーの増大の法則のようなものが潜んでいてなかなか経済と環境の両立という問題は、人類の知恵を結集し、新たな負のエントロピーの仕組みを創造していかないともはや立ち行かないゆゆしい課題となっているように思われます。
本日は、企業活動におけるこの環境と経済との両立といった視点に立って、環境経営の基本的な考え方から、これまでに提案されている具体的手法を企業経営のなかでいかに効果的に位置づけ、実践していくかまでを、実例を交えて分かり易く解説している本を紹介します。
本書:「環境経営・会計」です。
本書は、國部克彦先生ならびに伊坪徳宏先生、および水口剛先生による共著で、2007年3月に有斐閣より『有斐閣アルマSpecialized』一冊として発行されています。
本書の表紙の上記のタイトルの下に本書の内容について以下のように書かれています。
「地球環境と経済活動の両立は今世紀最大の課題といえます。
環境と経営を結びつける手段としての会計システムを軸に、企業内部での展開、
外部への情報発信、社会との関わりを体系的に解説した待望のテキストです。」
また本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「環境経営を「企業の隅々にまで環境への意識を浸透させた経営」と定義し、
その基本的な考え方から、さまざまな具体的手法を企業経営のなかでいかに
効果的に位置づけ、実践していくか、までを実際のケースを豊富に交えて解説する。
環境と経済の両立を考えるうえで必読の書。」
本書は12章から構成されています。第1章では、環境経営と会計システムの概論、第2~7章が企業内部のマネジメント、第8~12章がSRI、CSRなどに関する新しい動向も含め、企業外部への情報開示の問題の解説という構成になります。環境管理会計、外部環境会計、環境報告書、LCA、環境影響の統合化手法、環境効率などの手法が詳しく論じられています。各章の冒頭に「学習のポイント」が配置され、併せて重要なキーワードが章の冒頭に一括し掲載され、また各章に「Column」が挿入され、関連するトピックスが紹介されています。また各章末には、その章の内容の確認と発展させるための演習問題が添付されています。
第1章では、「環境経営と会計システム」
として、環境経営と環境会計との関係について、「環境経営とは何か」から始まり、マネジメント及び会計の視点からの見方、市場や社会の役割まで含め解説しています。
第2章では、「環境管理会計」
として、「環境管理会計とは何か」から、環境管理会計の国際的な動向、環境コストについて企業コストのみならず、ライフサイクルコストや社会的コストを含む広範囲の概念として示し、その具体的手法として、環境配慮型設備投資決定、環境配慮型原価企画、環境予算マトリックス、環境配慮型実績評価等の手法について解説しています。
第3章では、「マテリアルフローコスト会計」
として、環境管理会計手法の主要手法で、その基本は、マテリアル(原材料)のフローとストックを金額と重量で追跡し、廃棄物も加工の手間がかかった「負の製品」として計算する特長を備えたマテリアルフローコスト会計について解説しています。マテリアルフローコスト会計についての計算構造と伝統的な原価計算との違い、同会計についての企業会計での活用手法、手法としての発展可能性などを含めて解説しています。
第4章では「ライフサイクルアセスメント」
として、ライフサイクルアセスメント(LCA)の利用方法について解説しています。なぜ今、LCAなのかに言及した上で、その概要と一般的な手順について国際規格(ISO14042)をもとに解説しています。とくにLCAを構成する各ステップについてその実施手順とそこから得られる結果とその効果について重点解説しています。
第5章では、「環境影響の統合化手法」
として、物質比較型、Eco-scarcity法、JEPIX、問題比較型、エコインディケータ95、EPS、CVM、LIME、コンジョイント分析などの環境影響の統合化手法についてその概要と特長を総括して解説しています。とくに国内の環境条件を反映した統合化手法のLIME(Life-Cycle Imapct Assesment Method Based on Endpoit Modeling)について注目し重点解説しています。
第6章では、「ライフサイクルコスティング」
として、製品のライフサイクル全体の費用を計量するための技法であるライフサイクルコスティング(LCC)について、その意義、実施手順、分析方法などについて解説しています。さらにノートパソコンの実施例について詳細に解説しています。
第7章では、「環境効率とファクタ」
として、社会の持続的可能発展の代替指標としての環境効率と電子電気機器産業で活用されている環境効率の改善率のファクタについてその定義から企業における主な利用動向について解説しています。とくにファクタについて電気電子機器産業の主要な活用事例を解説しています。
第8章では、「環境情報開示と環境報告書」
として、ステイクホルダーからの理解を得るには不可欠な環境情報開示について、「政府への報告制度の利用」、「独立の環境報告書やサステナビリティ報告書の作成」、「既存の開示制度への環境情報の組み込み」について解説しています。とくに独立の環境報告書について環境省とGRIの二つのガイドラインについて解説しています。さらに環境情報の信頼性を確保する方法についても言及しています。
第9章では、「外部環境会計」
として、環境省の「環境会計ガイドライン」について、環境保全コスト、環境保全効果、環境保全対策に伴う経済効果の各要素について解説しています。さらに物量数値の貨幣換算の検討などを中心に環境会計の可能性と課題を取り上げ解説しています。
第10章では、「財務会計と環境問題」
として、投資家等に対して経営成績と財政状態を報告する財務会計について、その概要をの解説に続けて、土壌汚染やアスベスト問題、温室効果ガスの排出権取引などの環境問題を財務会計においてどのように取り扱うかなどを解説しています。
第11章では、「資本市場と環境問題」
として、企業の環境問題や社会問題への取組を評価して、投資行動に反映されてきた社会的社会的責任投資(SRI:Socially Responsible Investment)などに見られる環境経営を促進する資本市場の動きと企業行動について解説しています。
第12章では、「環境経営からCSR経営へ」
として、ヨーロッパを中心に政策面でも要求が強まりつつある環境経営に社会的問題への対応を追加したCSR経営について、企業やステイクホルダーにとって特に重要な事項を識別するための手法のステイクホルダー・エンゲージメントやマテリアリティについて重点解説すると共にCSR報告書、CSR会計についての現状と課題について解説しています。
環境経営の手法について、基本的な考え方から具体的な多くの実例を織り込み体系的にも整理され充実した内容で、分かり易く解説されており、環境経営や環境会計を学ぶ立場の人だけではなく、これを活用する立場にあるこの分野に関心を持つビジネスパーソンにもお奨めの一冊と思います。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 環境経営と会計システム
第2章 環境管理会計
第3章 マテリアルフローコスト会計
第4章 ライフサイクルアセスメント
第5章 環境影響の統合化手法
第6章 ライフサイクルコスティング
第7章 環境効率とファクタ
第8章 環境情報開示と環境報告書
第9章 外部環境会計
第10章 財務会計と環境問題
第11章 資本市場と環境問題
第12章 環境経営からCSR経営へ
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環境コミュニケーション入門
環境報告書の普及促進と信頼性向上のための制度的枠組みの整備や一定の公的法人(特定事業者)に対する環境報告書の作成・公表の義務付け等について規定している環境配慮促進法(「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」)などの背景のもと、我が国では、環境報告書、環境ラベリング、環境パフォーマンス評価、環境会計、ライフサイクル・アセスメント、環境マネジメントシステム、環境適合設計等に取り組む事業者が次第に増加してきています。
これらはいずれも、事業活動における環境への負荷を把握・評価し、時にはステークホルダーの理解と協力を得ながら、その削減のための対策を進める有効な手法となっています。
環境コミュニケーションについては、ISO14001:2004(JISQ14001:2004)でも、「4.4.3項 コミュニケーション」で『組織は、著しい環境側面について外部コミュニケーションを行うかどうかを決定し、その決定を文書化すること。外部コミュニケーションを行うと決定した場合は、この外部コミュニケーションの方法を確立し、実施すること。』 とし、組織の環境パフォーマンスなどの情報公開について組織にその判断を委ねています。またリスクコミュニケーションに関わる「4.4.7項 緊急事態への準備及び対応」の規定もあります。
環境コミュニケーションの指針規格として、ISO/TC207/WG4において作成されたISO14063:2006(2006年8月発行)規格について、JISへの取入れが検討され、この6月にJISQ14063:2007規格:「環境マネジメント-環境コミュニケーション-指針及びその事例」が発行されています。
この規格は、その1項 適用範囲において、『組織に対し,内部及び外部環境コミュニケーションについての一般的な原則,方針,戦略及び活動についての手引を提供する』ものと規定されています。
本日は、TC207/WG4に参加し、2001年以降、規格の作成に関わり、ISO/TC207/WG4国内委員会のメンバーでもある筆者がISO 14063(JIS Q 14063)の基本的考え方だけでなく、他分野への応用なども加え、環境経営の柱となる有効な外部コミュニケーションのあり方について解説している本を紹介します。
本書:「環境コミュニケーション入門」です。
「ISOガイドラインからの展開!」との副題が付いています。
本書は、吉澤 正 先生の編集にて、吉澤 正 先生ならびに後藤 敏彦 氏ならびに松本 清文 氏の共著にて、2007年6月に日本規格協会 より発行されています。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「有効な外部コミュニケーションのあり方に
興味のある方、悩みを抱えている方や、
新入社員教育用のテキストとしても最適!
- 環境コニュニケーション規格作成に携わった、専門家による 的確で実用的な一冊
- ISO 14063の基本解説だけであく、環境コミュニケーションに 定評あるキャノンの事例や他分野への応用等のやさしい解説も!」
本書は、5つの章から構成されています。
第1章では、「環境コミュニケーションの基礎知識」
として、『環境コミュニケーションとは』など10問のQ&Aが掲載され、環境コミュニケーションに関係する基本的な知識について分かり易く解説されています。
第2章では、「ISO14063の概要」
として、ISO14063規格について構成と特徴を紹介し、そこに織り込まれている基本的な考え方(5原則)、序文、適用範囲、用語及び定義、環境コミュニケーション活動を幅広いコミュニケーション活動のプロセスと位置づけ、そのプロセスの方針、戦略などについて、P-D-C-Aの流れで実践的な手引きやツールの紹介などを交えて解説しています。
第3章では、「キヤノンにおける環境コミュニケーション―経営に有効なコミュニケーション事例」
として、先進的な環境コミュニケーションの取組を実践してきたキャノンの環境コミュニケーションの考え方と各種の取組事例が紹介されています。
第4章では、「総合的マネジメントシステムへの環境コミュニケーションの展開」
として、品質、環境、労働安全衛生、情報セキュリティ、食品安全などのマネジメントシステム規格の現状と構造を解説し、全体的な経営管理システムの中に環境コミュニケーションプロセスをどのように組み込んだら良いかという考え方を解説しています。
第5章では、「CSRへの環境コミュニケーションの展開」
として、ISO14063をCSRに活用する観点から、CSRの二つの流れ、CSR―社会にかかわるアクターすべての関係性の見直しなど応用的な活動について解説しています。
なお付録として「ISO14000ファミリー規格内の参照表」「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言(仮訳)」が添付されています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章環境コミュニケーションの基礎知識(Q&A)
環境コミュニケーションとは/環境コミュニケーションの必要性/メリット/方法と環境報告書/情報・意見の活用/実践のステップ/効率的に効果をあげるには/CSRなどへの展開/ほか
第2章ISO 14063の概要
2.1 規格構成と特徴
2.2 序文、適用範囲、用語及び定義
2.3 環境コミュニケーションの原則
2.4 環境コミュニケーションのPDCA
第3章キヤノンにおける環境コミュニケーション−経営に有効なコミュニケーション事例−
3.1 情報開示−環境コミュニケーションの基礎
3.2 キヤノンの環境コミュニケーション活動
3.3 企業(組織)にとっての利害関係者との関係
第4章総合マネジメントシステムへの環境コミュニケーションの展開
4.1 マネジメントシステム規格の現状と構造
4.2 EMSへの環境コミュニケーションプロセスの組み込み
4.3 QMSとの統合
4.4 関係性マネジメントツールとしてのコミュニケーション
4.5 EMSのプロセスアプローチ
第5章CSRへの環境コミュニケーションの展開
5.1 CSRの二つの流れ
5.2 CSR−社会にかかわるアクターすべての関係性の見直し
5.3 企業の取組み
5.4 CSRとコミュニケーション
5.5 ステークホルダー・エンゲージメント
5.6 環境コミュニケーション規格のCSRへの応用
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環境経営のルーツを求めて
ISO14001の第1版が制定されてから10年が経過しようとしています。この間、2004年には第2版の改定が行われました。
1992年の6月に『地球サミット』(国連環境開発会議,UNCED:(United Nations Conference on Emvironment and Development))を成功させる目的で、世界のビジネスリーダー50名より成る【持続可能な開発のための産業界会議】(BCSD:(Business Council for Sustainable Development)が創設になっています。
BCSDが【持続可能な開発とは】について分析を進めていく過程で、環境マネジメントの国際標準化の考え方が提示され、BCSDがISOに依頼したのが発端で、環境マネジメント専門委員会(TC207)が設置された。 などと環境マネジメント関係の本には記載されています。
10年ひと昔と言いますが、ドッグイヤ-と呼ばれる変化がますます加速して進む状況となり、当時と比較して社会的な背景は、変化し、企業活動は、「環境」との関わりなしに立ち行かない状況になり、環境マネジメントシステムを導入する事業者も増加し、国内でも2万社(JABによる認証取得組織が18,000超組織ですので外資系認証取得も加味すると)は、越える状況で、継続的改善のスパイラルの取り組みの流れの中で、「これから将来に向けてEMSとどう関わっていくか」という観点が新たに重要視されてきています。
これからの進むべき道を明確にしていく上で、ISO14001の原点に戻り、今日までどのような道筋をたどってきたかについて総括してみることは、極めて意義あることと考えます。
このようなことを考えるのにぴったりの本を紹介します。
本書:「環境経営のルーツを求めて」です。
副題に「「環境マネジメントシステム」という考え方の意義と将来」と付けられてあります。
著者は、倉田 健児氏で、現在は、北海道大学の先生ですが、経済産業省で、多年にわたり技術政策、エネルギー政策、環境政策、個別産業政策などに関連した業務を進めてこられた人です。本書は、本年の4月に産業環境管理協会/丸善より発行されています。
『環境マネジメントシステムとはどのような考え方なのだろうか。この考え方はどのようにして生まれ、発展し、そして今に至っているのか。この考え方が社会に普及することは、その社会に対してどのような意義を持つのか。』について明らかしていくことが本書のテーマとなっています。
本書は、4部より構成されています。
第1部では、環境マネジメントシステムとは何かをめぐって問題提起がされています。
第2部と第3部では、本書の主題のテーマが展開されています。すなわち、環境マネジメントシステムという考え方は、歴史的にどのようにして生まれ、発展し、そして今日までに至っているのかが詳しく解説されています。
さらに第4部では、環境マネジメントシステムという考え方の普及が、社会に対してどのようなインパクトをもたらすのかを論じています。
また環境マネジメントから視点を少し拡げ、技術と社会との関わりといった視点で経済産業省の出身者らしい技術論が展開されています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 問題提起
第1章 環境マネジメントシステムとは何か
第2部 環境問題と社会
第2章 歴史的な流れ1−環境主義の台頭
第3章 歴史的な流れ2−環境監査の導入
第4章 地球環境問題の登場
第3部 環境マネジメントシステムの制度化
第5章 UNCEDでの議論
第6章 ISO14001の策定へ
第7章 枠組みが持つ意味
第4部 技術を律する枠組み
第8章 枠組みの普遍化
第9章 社会と技術の関わり合う問題へ
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