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黄金の扉を開ける賢者の海外投資術
金融の世界でもWeb2.0と同じことが起こっているとして、「金融2.0」時代に「経済的独立」を手に入れ、自分の人生は自分で選択するとの観点から、グローバルなお金の増やし方を説いている本を紹介します。
その表紙の折返し部には、以下のように書かれています。
『賢いものだけが手にできるお金と自由
自由に生きるためには、ひとは経済的に独立していなくてはならない。そのためには、会社にも国家にも依存せずに、自分と家族を守るだけの経済的な基盤を築くしかない。「リタイアメント」とはすなわち、経済的独立を手に入れることなのだ。』
これは、筆者の橘 玲 氏も創設メンバーの一人でもあった「海外投資を楽しむ会」の考え方そのものになるが、本書は、その10周年企画として、これまで培ってきたノウハウをまとめたものとのこと。
本書は、資産運用をテーマに書かれているが、本書の執筆の契機は、冒頭のWeb2.0と同じ”革命”が金融の世界でも起こっていて、その大きなインパクトを伝えたかったとのこと。
本書:「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」です。
本書は、著者:橘 玲 氏にて、2008年3月にダイヤモンド社 より発行されています。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「日本がダメでも大丈夫
個人投資家は、プロを超えられる
これがグローバルなお金のふやし方だ」
本書は、著者による前著:「臆病者のための株入門」の上級者版とのこと。
ちなみに前著の「臆病者のための株入門」では、初心者向けパフォーマンス/リスクを考慮した投資法として、以下の3つの投資法のメリットを生かし、デメリットをカバーした組み合わせ投資等を説いていました。
- (デートレードを含めた)トレーディング
-
- (パフェット流投資法としての)個別株長期投資
-
- (経済的に最も正しい)インデックス投資
本書では、前著で取り上げていなかったリスキーなデリバティブやエマージング投資の内容も盛り込んでいます。
なぜ海外投資か?ということですが、日本国内に職を持ち、将来に渡って稼ぐという人的資本(サラリーマン債権)を持っているという立場を前提にしているからで、リスクの軽減のための分散投資の原則からポートフォリオを適正に保つためとしています。
投資は、リスクから利益を売る行為なので、損失を被ることは避けがたいとして、重要なことは、最大損失を管理することとリスクを分散することと述べ、家族や仕事などの守るべきものがある場合には、投資リスクは、自己破産しない程度に留めるべしと述べています。
本書の概要を簡単に紹介します。
第1章では、「究極の投資VS至高の投資」
として、人的資本を担保に、金融資産にレバレッジをかけて世界市場に投資することをプライベートバンクに勝てる「究極の投資」として、300万円の貯金のサラリーマンが富を築ける可能性論を展開しています。
第2章では、「誰もがジム・ロジャースになれる日」
として、新興諸国の”エマージング投資”の大衆化の流れについて、ベトナム株での成果、ADR(米国信託証券)、GDR(国際預託証券)などを取り上げて解説しています。
第3章では、「ミセス・ワタネベの冒険」
として、ギャンブル性が高く手軽に不労所得が得られる為替FXを取り上げ解説しています。
第4章では、「革命としてのヘッジファンド」
として、ヘッジファンドを取り上げ解説しています。とくに従来の株式・債券など現物資産を運用対象としたヘッジファンドから先物・オプションなどのデリバティブを対象としたコストが安く、レバレッジもかけやすいヘッジファンドについて、金融工学の原則などを引きながら解説しています。
第5章では、「タックスヘイブンの神話と現実」
として、タックスヘイブンの歴史的な経緯を振り返るとともにその現状がどのような状況にあるかを解説しています。
第6章では、「人生設計としての海外投資」
として、マネーがボーダレスに効率よく資産運用できる理想の地を目指すように、個人も軽々と国境を越え、人生設計を最適化できる時代だとしています。筆者のかねてからのテーマである『永遠の旅行者』の考え方がここでは、強調されています。
終章では、「億万長者になるなんて簡単だ」
として、自由に生きるためには、人は経済的に独立していることが必要で、「リタイアメント」とは、経済的独立を手に入れることと述べています。
説得力に満ちたロジックの展開のもと、クールで知的な海外投資論が展開されています。金融リテラシーを磨く勉強になります。
サブプライムローン問題に端を発した米国の金融不安、急激な円高・ドル安、日本株価の低迷などの環境下にありますが、これから国際金融市場がどのように変化していくのかが極めて不透明になっています。
生きている限り、リスクをゼロとすることは不可能ですが、金融リテラシーをしっかりと持ち、リスクを見積もり備えられる視点を持つことは、人生設計において必須のものとなってきています。
こういった本は、そこから答えを求めるべきものではなく、方程式の立て方のロジックを学ぶものと思います。方程式の境界条件や初期条件によって答えが異なるため答え自体には、余り意味がないと思われるからです。
本書で、金融商品についての投資のリスクとパフォーマンスに関わる明快なロジックの展開を通して方程式の立て方を学ぶことができ大いに参考になります。
合法的であっても税をコストとみなし回避しようとの方向性の部分については、税は、社会貢献との考えとその使われ方の不透明さの現状から賛否どちらとも言い難く少し複雑な気持ちになります。
ランダムウォークを超えて
現在起きている様々な事象の解説
具体的な手法に特化しています。
「金融2.0」時代突入、個人投資家必読の書
サラリーマンは仕事自体が投資である
なお本書の概要目次は、以下の内容です。
序章 さよならプライベートバンカー
第1章 究極の投資VS至高の投資
第2章 誰もがジム・ロジャースになれる日
第3章 ミセス・ワタネベの冒険
第4章 革命としてのヘッジファンド
第5章 タックスヘイブンの神話と現実
第6章 人生設計としての海外投資
終章 億万長者になるなんて簡単だ
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