大手電機メーカーでシステムエンジニア(SE)として数多くの製造業の在庫削減プロジェクトや3000億円の在庫削減に関わり、

100社以上のコスト削減を指導してきた在庫削減コンサルタントで「在庫削減」の基本的な知識や考え方を9限の授業形式でレクチャーした

世界一わかりやすい在庫削減の授業」(「ISOの本棚」でも紹介)の著者の

若井 吉樹氏が今回は、「コスト削減」をターゲットに説いている本を紹介します。

人を生かして利益をアップさせる」といった「コスト削減」のツボを

健康器具を主として扱う「ヘラス電器」の野口くん(主人公)が「コスト削減」の8限のレクチャーを受けるなかで

身の回りの「ムダ」を省き、それによって空いた時間やスペースをより効率的な形になるよう応用するといった生産管理的な視点から学んでいくというストーリー展開になっています

コスト削減には、ともすると、爪に火をともしたり、乾いた雑巾を絞ったりといった『ケチケチ経費削減』、さらには、リストラや工場の閉鎖といったマイナスイメージもありますが、本書では、そうでは無い「人を生かす」ためのコスト削減の方法を分かり易いストーリーで説いています。

<<ポイント>>

人を減らさずにコストを削減する実務的な方法についてストーリー形式で説く本

本書では、

「現場」を知ること、大きなムダに着眼する、現場の改善は、整理・整頓から

といったレクチャーにはじまり、

「経費」「仕入れコスト」「人のコスト」のなかでも

人のコスト」:『人を生かすコスト削減(利益改善)

に焦点を当て、

例えば、段取り時間を短く、こまめに、必要なものをつくる、ムダを削る、…。

「空き時間」を生かすといった作業効率の改善、「作業の標準化」。

苦しくなる前の改善の重要性、人を切らずに「人を生かす」コスト削減の秘訣。

といった『人を生かすコスト削減』の実践の切り口を現場視点から説いています。

本書:「世界一わかりやすいコスト削減の授業」です。

本書は、著者:若井 吉樹 氏にて、2010年6月にサンマーク出版より発行されています。

<<本書のエッセンスの一部>>

本書の帯には、以下のように書かれています。

経営者が社員に読ませたい教科書の決定版!

コスト管理のツボが3時間でみるみるわかる!

100社以上のコスト削減に関わってきた現場改善の超プロが教える、

人を生かして利益をアップさせる

とっておきのコツ。


本書のストーリーは、社員食堂で営業部門に所属する野口くんが同僚の藤井くんと「人員削減」にまつわる会話をしていたところ、営業本部長から二人が工場の管理部門への異動を命じられるいうプロローグから始まります。

本書では、「ヘラス電器」の野口くんが叔父さんが大将をつとめる居酒屋「のぼり坂」で居合わせた謎のおじさん:「コスト削減の先生」から宿題を含めて受ける8限の授業を通して、「コスト削減」に関するノウハウを学んでいくという展開になっています。

各時限の終わりでその時限で学んだことのまとめが分かり易い白抜きで2、3のポイントに集約され、要点がまとめられるとの構成になっています。

こういった構成は、ストーリー側に無理があったり、ともすると焦点がぼけたりしがちですが、本書では、とにかく分かり易く、適宜、イラストなどを含む図表が挿入されてイメージも「コスト削減」のヒントも具体的に掴みやすい構成になっています。

なお本書でいう「人を生かすコスト削減」というのは、

作業を効率化して2人の作業を1人でできるようにして、手が空いた1人を切るということではなく、他の現場に回して利益につながる形で力を発揮して貰うといった内容で社員のモチベーションも上げた状態で利益向上を図るといったものです

例えば、『「現場」を知らずしてコスト削減はできない』では、現場に足を運び気づき・考えたことを図表にまとめ問題点の見える化すること、「大きなムダ」からアプローチするという原則、「整理・整頓」が現場改善の第1ステップといった内容を具体的な居酒屋の大将の作業の観察などから具体的に提示されていきます。

  • 「動きやすさ」こそ最高の効率化」
  • 「新しくできたスペースをどう生かすか」

といった切り口から

  • 段取り時間を短く、
    こまめに、必要なものをつくる、
  • 「動作経済の原則」といったムダな動きをなくすための方策、
  • 改善のヒントとなる「ECRS(「Eliminate:なくせないか」、「Combine:一緒にできないか」、「Rearrange:順序の変更はできないか」、「Simplify:単純化できないか」)の原則」、
  • 一流の改善方法に学ぶ

といった重要なコスト削減の方法が説かれています。

  • 「空き時間」を生かしての互いの助け合いによる作業効率の改善、「標準作業」への手順の整理化。
  • 業績が好調だと改善しようという気になりにくいが、改善を行う時期は苦しくなる前に行うべし、また安易に人を切る会社は、優秀な人材も去り、顧客もやがて離れてしまうという状況をつくり兼ねない。
  • 外注の仕事を内製化で取り込む、表面的な原価に惑わされることなく全体のキャシュフローから考えることが大切。

といったことが分かり易い例を交えて説かれています。

本書では、

  • 整理・整頓の効用の確認、
  • まとめてつくると効率がよいのか、
  • 小さな動作が大きなメリットに、
  • 一流の動作を寿司職人から学ぶ、
  • 外注に依頼することの損失、
  • お金をかけずに利益を増やす、

などの切り口から、「人を生かすコスト削減」のツボを分かり易く分かり易く説いています。

<<本書で何が学べるか?>>

本書では、多くの組織でコスト削減に関わってきた現場改善のプロが、「人を生かして利益をアップさせる」とっておきのトヨタ生産方式を基軸とした「コスト削減」の基本的な知識や考え方を分かり易く解説しています

<<まとめ>>

本書は、現場視点からの生産管理的なコスト改善の基本と、コスト削減のヒントがストーリーを通して学べ製造業を中心としたビジネスパースンには、読んで頂きたい一冊です

なお本書の目次は、以下の内容です。
1限目 「現場」を知らずしてコスト削減はできない
2限目 できるだけこまめにつくろう
3限目 「ムダな動き」をなくせ
4限目 お互いに助け合えるしくみをつくる
5限目 結局、人を切る以外に方法はないのか?
6限目 「人を生かす」コスト削減の秘訣
7限目 価格の引き下げに挑戦する
8限目 人を大切にする会社 人に大切にされる会社

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昨今のような厳しい経済環境を勝ち抜く上で、「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)手法を軸としたコストダウン手法が有効であるとして、「実践の5S活動」についての考え方や進め方を基本から説いている本を紹介します。


本書の「はじめに」で企業がこの厳しい時代を勝ち抜くため「改善」を積極的に推進し、「コストダウン」、「顧客満足度の向上」を実現し、利益の増大をはかることが大切で、「コストダウン」追求の柱になるのが、「仕組み改善」による手法と述べた上で、『なぜ今、5Sなのか?』について以下のように述べています。


「仕組み改善」で見直した仕組みから効果的に成果(利益)を生み出すためには、モノの取り扱い面で、「5S活動」、管理の進め方の面で「目で見る管理」、ヒトの能力面で「多能工化」といった「基礎改善」の推進が不可欠です。

 とりわけ「コストダウンは5Sで育ち5Sで刈り取る」ともいえるほど5Sは、重要です。これまでのような「形の5S」ではなく「コストダウン」と「顧客満足度の向上」に役立ち勝つ抜くための「5S」でなくてはなりません。

 この目的のためには、「成果追求の5S」「徹底の5S」「習慣化(躾)の5S」を柱とする「実践の5S活動」が有効です。


<<ポイント>>


5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に基づく実践的なコストダウン取り組みの解説書


本書では、5Sコストダウン手法であると位置づけ、


  • 成果追求の5S
  • 徹底の5S
  • 習慣化の5S

を柱に 5S を実践・定着化させると同時に改善を行い、


経営効率の向上にもつなげるための手順について、


見開きの左側のページにイラスト・図表などを配して


分かり易く解説しています。


本書:「5Sによるコストダウンの進め方」です。


本書は、著者:吉原 靖彦氏にて、2009年9月に中経出版より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙カバーの下部及び表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。


「形だけ」ではもう勝ち抜けない

成果追求を徹底し、

習慣化することで

確実にコストダウンに

結びつきます!

5S活動はコストダウンの原動力』
     ↓
5S活動で職場が整備される
     ↓
経営資源4M(ヒト、設備、材料、方法)の質が向上
     ↓
PQCD(生産性、品質、コスト、納期)がレベルアップ(ムダの排除)
     ↓
労務費・材料費・経費が低減して コストダウン達成!


5S活動のポイント

  • モノの「整頓」の仕方
  • ヒトの「躾」の仕方
    -----を中心に、
    豊富な事例で徹底解説!

本書は、「今こそ5S活動で差をつける」と題して、これまでに行われてきた「形だけの5S」を脱して、これからは、コストダウンや顧客満足の向上に直接つながる「新5S活動」で『3K(工夫・改善・改革)活動』で生き残り、『5S』で勝ち抜き・生き残ると論じている序章にはじまり、第1章から第6章までの6章で構成されています。


見開きの2ページで、右側のページには、項目とその解説文が、左側のページには、イラストなどの図表を用いて図解で一目でわかるようにしているという構成になっています。


右側のページの上の欄外には、キーワードの簡単な解説があるという構成になっています。


また各章の終わりには、「勝ち抜く企業の5S活動」とのタイトルで、5S活動に関する「世界のトヨタは5Sでムダを徹底排除」などのトピックスが取り上げられています。


以下に章を追って概要を紹介します。


第1章では、「5Sなくして改善の成果は上がらない
と題して、コストダウン顧客満足度の向上で利益の増大化を図るのが改善活動とし、改善活動のなかで5Sはどのような位置づけを占めるのかを解説しています。


士気の高い人財が改善の源との話題にはじまり、「経営的要件」「人的要件」「管理的要件」の3つの要件を満たして強い企業ができると説いています。


さらに成果を得るための推進方策は、「基礎改善」と「仕組み改善」(「管理システム」と「物流システムの改善」)があり、「基礎改善」の柱になるのが5Sと説いています。


特に「基礎改善」は、PQCD生産性、品質、コスト、納期)を向上させるための改善で以下の3つの要素が基本となると説いています。


  1. 5S(モノの面からの基礎改善)
  2. 目で見る管理の改善(マネジメントの面の基礎づくり)
  3. マルチスキル化(ヒトの面の基礎づくり)

第2章では、「逆風でも利益を生む5Sによるコストダウン
と題して、確実に利益を増やしたいなら5S活動をベースとした仕組み改善とムダの排除によるコストダウンが投資が少なく利益の増大をはかれると説いています。


5S活動による「職場の整備(モノへの働きかけ)」により「企業の質」「経営資源の質」の向上が図れ顧客満足度アップコストダウンが狙えると説いています。


5S活動によるコストダウンのステップは、


  • 5Sで4Mの質が向上し、
  • PQCDが改善され、
  • 最終的に原価要素が低減できる

ようになると説いています。


第3章では、「コストダウン活動の基本を押さえる
と題して、原価要素を低減するためにどのようなことをすれば良いかを5Sとの関連で解説しています。


原価の構成図をもとに、原価要素別(「工数低減で労務費の削減」、「材料費の削減の切り口」「経費毎の特性を掴んでの削減」といった)に行うコストダウン活動を取り上げ5S活動が原価要素の低減にどのように貢献しているかとの関連を交えて詳細に解説しています


第4章では、「コストダウンに直結する5S実践法
と題して、5S活動を軸にしたコストダウンについての「生産性および品質の向上」、「コストや作業時間の低減」といった取り組みに関するモノに対する表示や保管などのツール関係の工夫(一目で識別できるカラー表示、歩行を減らす工具の手元化など)以下のような観点に関わる実践法を取り上げ、具体的な実践方法の事例解説を交えて解説しています。


  1. 道具立ての工夫(基本の考え方)
  2. 生産性を高めるためのムダ排除(位置の管理の充実で作業性を向上など)
  3. 整理整頓による品質向上(位置の管理の充実で品質を向上など)
  4. コスト削減(安全対策の充実で経費を削減など)
  5. 時間の短縮(流れの管理の充実で納期・リードタイムを改善など)

第5章では、「コストダウンをめざす5S導入法
と題して、5Sの定義、5Sの「モノ」と「ヒト」へのハタラキかけの再確認にはじまり、5S活動を進める上での進め方のポイントを解説しています。


以下の点を常に考えながら推進することが重要とし、良い成果を得るために計画的な展開の重要性と世間一般と同様に整理→整頓→清掃の順に進めるといい結果が出るとし、整理・整頓・清掃・清潔・躾の各推進ポイントと手順等を説いています。


  • 全社活動にする
  • ルールを明確化する
  • 定着化させること

第6章では、「躾で5Sを強化・維持する
と題して、5Sをつくりあげるのには時間が掛かっても、あっという間に崩れる恐れもあるので、特にマインド向上の中心を担う躾を推進し、5Sを継続させるための工夫等について説いています。


5Sが崩れる兆候、マンネリ化等を防ぐための5Sマインドの向上に関わる以下の取り組み、5Sルール、守りやすい5Sにする、破られない工夫等について実務的に解説しています。


  • 5S推進の仕組みの向上
  • 5Sマインドの向上
  • 5S技法の向上

<<本書で何が学べるか?>>


本書では、5Sについて成果追求を徹底し、習慣化することで確実にコストダウンできるとし、「成果追求の5S」「徹底の5S」「習慣化の5S」を柱とする、コストダウンを達成するための「実践の5S活動」の考え方や進め方を多数の具体的な事例を交え、イラストなどの図解により分かり易く解説しています


<<まとめ>>


本書は、製造業を中心に取り上げてはいますが、非製造業の方でも、改善、コストダウン、経営効率の向上などに関心があるビジネスパースンには、読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
序章 今こそ5S活動で差をつける
第1章 5Sなくして改善の成果は上がらない
1.強い企業の仕組みを押さえる
2.改善のフレームワークをつかむ
第2章 逆風でも利益を生む5Sによるコストダウン
1.5Sは利益を生む最善策
2.5Sが仕組みを成果に結びつける
3.5Sで直接コストダウンをはかる
第3章 コストダウン活動の基本を押さえる
1.コストダウン活動で原価要素を下げる
2.工数低減で労務費を下げる
3.材料費削減は所要量に注目する
4.経費ごとの特性をつかんで削減する
第4章 コストダウンに直結する5S実践法
1.道具立てに工夫で効果的に5Sを実現
2.5Sによるムダ排除で生産性を高める
3.整理・整頓して品質を高める
4.5Sでコストを削減する
5.5Sで時間を短縮する
第5章 コストダウンをめざす5S導入法
1.5Sで利益拡大をめざす
2.5S活動は計画的に展開する
3.5S導入の効果的な進め方
第6章 躾で5Sを強化・維持する
1.コストダウンは躾から
2.5Sルールがコストダウンを促進する
3.守りやすい5Sにする
4.破られない工夫をする






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コスト削減への、一番の近道は、「在庫削減」にあるとして、大手電機メーカーでシステムエンジニア(SE)として数多くの製造業の在庫削減プロジェクトや3000億円の在庫削減に関わり、100社以上のコスト削減を指導してきた在庫削減コンサルタントの著者:若井 吉樹氏が知っておくべき「在庫削減」の基本的な知識や考え方を9限の授業形式でレクチャーしている本を紹介します。


本書の「はじめに」で筆者は、在庫について以下のように述べています。


在庫は、「入荷と販売の差」が蓄積されたものです。

売れる以上に入荷(インプット)されれば、当然在庫は増えます。

販売(アウトプット)が伸びれば在庫は減ります。

そして、売れれば売れるほど、品切れを起こさないようにさらに在庫を増やそうとします。

ただし、ある日突然売れ行きがピタリと止まると、そこには山のような在庫が残ってしまうようになります。

 販売を伸ばしながら、同時に入荷に智恵を働かせ、品切れを起こさず余分な在庫を持たない。

こうした必要最低限の在庫を維持することが、理想の在庫の持ち方なのです。

(略)

この本では、そうした在庫削減のコツについて手順を踏まえた授業形式で説明していきます。

授業で学ぶ主なポイントは、次の4つです。

  1. なぜ在庫は増えるのか?
  2. 余分な在庫が、どんな問題を引き起こすのか?
  3. どのように”適正な在庫”の数を維持すればよいか?
  4. 在庫はどうやったら減らせるのか?

本書では、液晶テレビや健康器具を仕入れて販売する商社の「ヤマヅミ商事」を経営している「貝杉社長」が来期、5,000万円の利益を捻出しなければ、銀行からの融資もストップされるという状況で在庫削減の達人と呼ばれている「先生」からレクチャーを受けるとの展開で在庫削減の基本と考え方を学ぶというものです。


<<ポイント>>


キャッシュフローをよくするために知っておくべき「在庫削減」の基本的な知識や考え方を、わかりやすく体系的に説く在庫削減の入門本


本書では、


なぜ在庫は増えるのか?


余分な在庫はなぜ問題か?


適正な在庫の数を維持するには?


在庫削減のコツとは?


など手順を踏まえて9限の授業形式でわかりやすく解説しています。


本書:「世界一わかりやすい在庫削減の授業」です。


本書は、著者:若井 吉樹氏にて、2009年8月にサンマーク出版より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれています。


経営者が社員にもっとも読ませたい本はこれだ!

NECで3000億円の
在庫削減に関わり、
100社以上のコスト削減を
指導してきた著者が教える
みるみるキャッシュフローが良くなる方法。

在庫削減のツボが3時間でスラスラ読める!

経営者や経営幹部はもちろん、コンサルタント、
仕入れ担当者、小売り店長、税理士、中小企業診断士………
流通の現場に関わるすべての人が
一度は読んでおきたい入門書の決定版。


本書は、先生が9限の授業で「在庫削減」のレクチャーをするという構成になっています。


本書には、写真、イラストなどの図表が多数挿入され分かり易い解説となっています。


また授業の限の区切り毎にその授業でのまとめが集約されてありここでレビューできるようになっています。


また限目の区切りで、((これまでの成果))として、「ここまで減らすぞ目標」と「これだけ稼ぐぞ目標」というのを示しそこまでの成果を確認するようになっています。


それでは、本書の各限のレクチャーの内容について簡単に紹介します。


1限目では、「くさった在庫は捨てよう
と題して、メタボの内臓脂肪と在庫の対比の話題にはじまり、また生鮮食品だけでなく全ての商品は賞味期限があり在庫中に商品としての価値が下がり陳腐化していくことなど説いています。


また在庫の状態について自分の目で確認することが大切とし、在庫について「日数」の尺度として考えること、そして在庫のために生じるコストについて概算してみることなど解説しています。


とくに赤札作戦と5Sの「整理」の必要性を説き、『整理』が「貝杉社長」の宿題として課せられます。


2限目では、「売れているものと売れていないものを分けよう
と題して、コンビニ弁当の品切れの話題にはじまり、在庫は入荷と販売の数量で決まることを確認し、売れ行きを見ながら注文することが必要と説いています。


また注文については、商品毎に売上高を計算し、金額の高いものは手間をかけ、低いモノは手間を省いてと、取り扱い商品を区分し、以下の3つの方式などメリハリを付けた注文を説いています。


  • 予測方式(定期発注方式)
  • ボーダーライン方式(発注点方式)
  • ツーボックス方式(ダブルピン方式)

この限での「貝杉社長」の宿題は、『整頓』になっています。


3限目では、「売れる商品には手間をかけよう
と題して、売れる商品に適用する予測方式などの注文数の決め方の算出についての詳細解説をしています。


従来のやり方に比して、きめ細かな対応が可能な予測方式を採用することで、平均在庫数が44%減、最大在庫数で31%減など見込めることなど試算しています。


また『トヨタ生産方式』の「かんばん方式」(ただし、「かんばん方式」をするために必要な条件についても考察。)を採用すれば在庫削減はどのような効果が見込めるかを例を挙げて解説しています。


この限での「貝杉社長」の宿題は、『在庫数を減らす科学的予測のシミュレーションの実践』になっています。


4限目では、「売れ筋以外は手間をかけずにいこう
と題して、売れ筋以外の商品に適用する注文方式について解説しています。


売れている順分析のB分析区分になるの商品(ヤマヅミ商事の健康器具)の事例について「ボーダーライン方式」(予め決められたボーダーラインの量まで在庫が減った時点で予め決めておいた注文数を注文する)及び、売れている順分析のC分析区分に適用する「ツーボックス方式」(予め用意しておいた2つの箱にうち、片方の箱が空になった時点で決められた量を注文する方法。)による試算等を中心に解説しています。


5限目では、「トラブルに強い在庫削減の方法
と題して、ヤマヅミ商事で品切れが起こったという事象から入荷数や販売数の間違えた記録によって生じるトラブル等を避けるためにはどのようにすべきかを説いています。


正しいデータを掴むことの重要性とそのための留意ポイント、ボーダーライン方式の注文点等で在庫を見直しておくことが重要と説いています。


6限目では、「入荷条件の「当たり前」を見直す
と題して、注文方式を活用して過剰在庫を減らせた次のステップでさらなる在庫削減の切り口にどのような観点が必要かを説いています。


例えば、「注文から入荷までの日数を短くする」などの『注文の根本的なやり方を見直す』との観点、その際に取引先とネゴシエーションを進めていく上でのポイントを解説しています。


7限目では、「本当の売れ行きをつかもう
と題して、商品の性質に関係して途中に卸売業者や小売店などが介在するとエンドユーザーの本当の売れ行きがつかめないことになるので、最終消費者の本当の売れ行きをつかむことが必要と説いています。


また本当の売れ行きをつかむために「情報を買う」「間の在庫(流通在庫)を減らす」といった方法などを解説しています。


8限目では、「今までと違った形で在庫を持とう
と題して、さらなる在庫削減の手だてを考えるとし、注文・入荷とかの枠を超えての、シュークリーム、パソコンの例を取り上げての、ものづくりに踏み込んでの取り組みの切り口を取り上げて解説しています。


ものづくりに踏み込むと製造段階で各要素に区分できることになるんで商品の種類が枝分かれする前に在庫を持つことでBTOのように必要在庫や品切れのリスクを減らせることが見込めると説いています。


9限目では、「身近なコンビニに見る在庫削減
と題して、トヨタ生産方式は、スーパーマーケットからヒントを得たといったことを話題にしながら、コンビニの仕組みを時系列的に整理して、第1限目の授業から第8限目の授業までを復習をかねてレビューし、総括するという構成になっています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、トヨタ生産方式による「在庫削減」の基本的な知識や考え方についてわかりやすく体系的に商社の「ヤマヅミ商事」の在庫削減の問題に取り組むという授業形式で以下のような内容を説いています


  1. なぜ在庫は増えるのか?
  2. 余分な在庫が、どんな問題を引き起こすのか?
  3. どのように”適正な在庫”の数を維持すればよいか?
  4. 在庫はどうやったら減らせるのか?

入門書として気楽に読めて、読む進める中で、在庫管理のツボについて要領よく理解することができます。


<<まとめ>>


本書は、コスト削減,在庫削減に関心があるビジネスパースンには、読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
1限目 くさった在庫は捨てよう
2限目 売れているものと売れていないものを分けよう
3限目 売れる商品には手間をかけよう
4限目 売れ筋以外は手間をかけずにいこう
5限目 トラブルに強い在庫削減の方法
6限目 入荷条件の「当たり前」を見直す
7限目 本当の売れ行きをつかもう
8限目 今までと違った形で在庫を持とう
9限目 身近なコンビニに見る在庫削減






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原材料の相次ぐ値上げ。


そして、ますます激化するグローバルな競争環境の中、簡単に製品価格に転嫁してと言うわけにはいかない状況。


これまでも製造部門挙げて、乾いたぞうきんをなお絞り、かつ爪に火を灯して経費節減やコストダウンを進めて来ている。


もはや製造現場のみが改善活動で孤軍奮闘しても利益確保がままならないといった状況かと思われます。


それでも、企業が生き残り、さらに持続的に発展させていくためには、無責任にギブアップはできません。


いま、あらためて業務を総合的に見直し、全部門が連携してコストダウン活動を進める必要性が高まっています。


企業繁栄に関わる考え方の原則は、安岡正篤氏も何かの本で言っていたと思いますが、「根に返る」とのことで、いたずらに枝葉を伸ばしては駄目で、幹を逞しくし、根を深く養う、根に返ることが基本と思われます。


要は、コストダウンの原点:基本に立ち返り、そこをしっかりと養うことが今こそ大切と思われます。


本日は、利益を出すためのコストダウンの根っこの部分となる基本の解説からはじまり、各部門のコストの仕組みを把握し、連携させ、さらに一段上のコストダウンを実現させる手法を解説している本を紹介します。


本書では、コストダウンの根っこの部分の多様な考え方を教科書的に概観しています。


コストダウンの処方箋なるものは、まさに千差万別、そこで、この本で概観されている方法を自社向きにアレンジして活用するといった使い方が実務的。


<<ポイント>>


筆者がコンサルタントとして経験した約100社のコストダウン活動の基本を概観。


本書では、製造業のすべての業務について、そのコスト発生のメカニズムから、調達先開拓、原価企画といった実践まで、見開き2ページ展開でわかりやすく解説しています


本書:「利益を出す コストダウンがわかる本」です。


本書は、著者:堀口 敬 氏にて、2008年8月に日本能率協会マネジメント 出版情報事業 より発行されています。


利益を出す コストダウンがわかる本
日本能率協会マネジメント 出版情報事業
発売日:2008-08-20
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:35999

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙に本書の特長について以下のように書かれています。


  • コストダウンについての基礎知識が身につく
  • あらゆる業務のコスト発生の仕組みがわかる
  • 見える化など問題解決力がレベルアップする
  • 企業全体と各業務との関係がはっきりする
  • グループ活動の活性化に役立つ

本書は、11章から構成されています。各章の終わりに設けられたColumn欄では、「コストダウンと付加価値アップ」といったトピックスが取り上げられています。


「会社をお金の流れで見るとどうなるか」(1-1)といったタイトルに対して、見開きの2ページで解説されています。右側のページでは、その解説文が、左側のページでは、イラストなどの図表が掲載され、解説文を補完するという構成です。


第1章で、コストダウンの基本について、13項目。


第2章では、購買に関わるコストダウン活動について11項目。


第3章では、アウトソーシングによるコストダウンについて6項目。


第4章では、設計に絡むコストダウンが14項目。


第5章では、開発費用に関わるコストダウンが6項目。


第6章では、現場改善の取組によるコストダウンが15項目。


第7章では、在庫削減によるコストダウンが9項目。


第8章では、物流費のコストダウン手法を取り上げ4項目。


第9章では、間接業務のコストダウン手法が4項目。


第10章では、コストダウンのための管理手法の解説が8項目。


第11章では、精密機械業界(電気回路設計)から設備産業まで11業種のコストダウンの方法について11項目。


が取り上げられて解説されています。


<<本書で何が学べるか?>>


コストダウンに関わる「根っこ」となる基礎的な知識が整理されています


コスト発生のメカニズムとどこをボトルネックとして取り組むのが良いかとの着眼点が学べます


組織の各部門に関わるコストの全体的な位置づけが理解できます。


コストダウンのためのプロジェクトチーム等のモチベーションが向上できるかと思われます。


<<まとめ>>


本書は、製造業でコストダウンの基本をレビューしてみたいと考えておられるビジネスパースンには、お薦めです。


なお本書の概要目次は、以下です。
第1章 コストダウンの基本
第2章 購買によるコストダウン
第3章 アウトソーシングによるコストダウン
第4章 設計のコストダウン
第5章 開発費のコストダウン
第6章 現場改善によるコストダウン
第7章 在庫削減によるコストダウン
第8章 物流費のコストダウン
第9章 間接業務のコストダウン
第10章 コストダウンのための管理手法
第11章 業種別のコストダウン





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昨今の原油高等に伴う原材料費、エネルギー費、物流費等の高騰といった流れの中で、とくに製造業においての原価低減の活動は、ますます重要な経営活動となっています。


製造現場での原価低減の活動は、次元の異なる要素である消費者のニーズの多様化、グローバル化の進展、情報技術(IT)の進展、地球環境問題への対応などの変化する経営環境に適応できるための各種の革新を取り込みながらの活動となります。


一次方程式を解くように解が読めるというものでなく、非連続も含むかも知れない多次元方程式のように非常に複雑な要素(二律背反以上の多律背反というべきもの)について最適化を図ることが必要となっています。


このような背景のなかで原価低減を実現していく一つの方法論としては、従来から確立されてきた原価低減の基本手法を自組織にマッチした形で見直し、確実に現場に適用し、微分的であるかも知れないが達成できる策を着実に実施していき成果を積み上げていくという方法があります。


本日は、従来から確立されてきたオーソドックスな原価低減手法を実務的に目的別に解説している本を紹介します。


成果が得られるように大幅で抜本的な原価低減をするためにはどうすればよいのかを分かり易く解説しています。


その点から特に、個別的改善の実例よりも、全社的・全工場的に取り組むことを前提にし、その進め方ならびに各種技法や事例に重点を置いて解説しています。


また今後の企業のあり方、並びに経営活動等について、原価低減を通した視点からの展望も示唆しています。 


本書:「原価低減」です。


本書は、名古屋QS研究会の編集にて、2003年9月に 日本規格協会より発行されています。


同社の『実践 現場の管理と改善講座』の11巻になります。


本書は、10章から構成されています。


本文中には、イラストをはじめ多数の図表が挿入されており、分かり易い構成となっています。


また『ひとくちメモ』が挿入されていて、本文のキーワード(例えば、『ライフサイクル』等の)に関する解説があります。


また各種手法・技法に関係するフォーマットの例やその活用事例など多くの実務的な資料が添付されています。


1.では、「原価の仕組み
として、原価の意義から原価管理の確認にはじまり、原価引下げの狙いが利益増大とし、そのための原価管理の意味と低減の位置づけ、許容原価の考え方の適用の有効性などを解説しています。原価管理(コスト・マネジメント)について、「原価管理とは、利益管理の一環として、企業の安定的発展に必要な原価の引き下げ目標を明らかにすると共に、その実施のための方策を設定し、これの実現を図る管理活動」との定義にまつわる考え方などを解説しています。


2.では、「原価の構成要素
として、原価の構成要素を原価分析表に基づき原価費目毎に費用の内容等を解説し、次いで損益分岐点図の見方や作成手順、原価利益の算出などを解説し、ライフサイクルコストの考え方を解説し、その重要性を強調しています。


3.から5.までがコストダウンの活動について管理のサイクル(準備−実践−評価−修正−準備−実践…)というサイクルに基づく活動の『3.準備段階』、『4.実施段階』、『5.定着化、継続』といった区分で解説しています。


3.では、「準備段階ですること
として、
運営方針にまつわる考え方(トップダウンか、ボトムアップか/全員参加か、選抜チームか/ライン単独か、スタッフ込みか/日常業務か、「活動」か/個別テーマか、全般か)推進組織体制の組織(通常組織(職制)/独立組織/横滑り型組織/小集団(サークル)方式/プロジェクトチーム、タスクフォース/モデル職場方式)
現状把握と現状分析の手法(現場検索/グループディスカッション/原価計算と原価差異分析/ABC分析/指標比較分析/QC的解析/IE分析/MAP法)について解説しています。さらに目標の設定ににおいて特に留意すべき事項等について解説しています。


4.では、「実施段階ですること
として、原価低減の改善案について当面の対策として実施するか抜本的な対策として実地するかに始まり、グループディスカションなどのアイデアの出し方について、MAP法、QCストーリー、TPM(なぜなぜ分析)などにフォーマットの例など交えてついて解説しています。、さらに評価の位置づけから各段階での評価方法についてのポイント等を解説しています。


5 では、「改善活動の定着化、継続
として、コストダウンの活動を定着化させ継続させる仕組みや制度について例を挙げて解説しています。


6章以降については、各種技法を使っての原価低減の実例について解説するという構成になっています。


6.では、「製造原価の低減
として、ここでは原価低減の技法として、グループディスカッション/ IE(Industrial Engineering)/T-PM(Total Productivity Management)/JIT(Just in Time)/TPM(Total Productive Maintenace)/VA/VE(Value Analysis/Value Engineerig)/MAP法(宝探しの地図から由来した省エネに効力を発揮した原価低減手法)/TQMといった各技法について考え方からどのように実施するかについてその進め方のステップや手順等について、その活用事例を交えて解説しています。


7.では、「物流費の低減
として、物流費の改善の意義から、事業全体からの物流課題の位置づけ、工程内物流改善の考え方や物流改善手法、ロジスティクス検討への流れ、コスト低減の阻害要因と対策、さらに生産・販売リードタイムの減少対策といった観点から解説しています。


8.では、「購買部門での原価低減
として、購買業務の中味の分析に始まり、機能面、購買部門におけるコストダウン活動、さらにABC管理、MRP(Material Requirement Planning)について考え方から実例を交えてその技法を解説しています。


9.では、「これからの原価低減
として、多様化に伴う多品種化の増大、環境保護対策、グローバル化、物流関連コストの増大、情報技術の導入に関係した経営環境の変化に対応しながら原価低減手法との関係を展望しています。


10.では、「資料
として、原価低減の本書で解説した各種技法をまとめると共に、用語集にて本書で用いられたキーワードについて用語解説をしています。


過去から製造現場に適用され、成果を挙げてきた代表的なコストダウンのための手法・技法を取り上げその適用事例を交えて分かり易く解説しています。


製造現場において、ますますその重要度が高まっているコストダウンについて自社の現状を分析しながら有効と判断される手法については、実践していくのに参考となる基本的な手法・技法が目的視点でまとめられて解説されており、本書から実務的なヒントが多数得られることと思います。


原価低減 (実践 現場の管理と改善講座)
日本規格協会
名古屋QS研究会(編集)
発売日:2003-09
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:288860

なお本書の概要目次は、以下の内容です。
1. 原価の仕組み
1.1 原価の意義と原価管理
1.2 原価引下げの狙いと許容原価
1.3 原価管理の意味と原価低減
1.4 許容原価による原価管理
2. 原価の構成要素
2.1 原価の構成要素と最近の動向
2.2 利益計画のための損益分岐点図
2.3 ライフサイクルコストの考え方
3. 準備段階ですること
3.1 運営方針-いろいろなやり方
3.2 推進組織体制
3.3 現状把握と現状分析
3.4 目標の設定
4. 実施段階ですること
4.1 改善案の出し方、集め方
4.2 改善アイデアと実績の評価
5 改善活動の定着化、継続 
6. 製造原価の低減
6.1 グループディスカッション(全員の知恵で人件費20%削減)
6.2 IE
6.3 T-PM(可動率アップで在庫を半減、倉庫増設を不要に)
6.4 JIT
6.5 TPM
6.6 VA/VE
6.7 MAP(マップ)法(MAP法で省エネ40%達成)
6.8 TQM
7. 物流費の低減
7.1 物流及び物流改善の意義
7.2 事業全体としての物流課題
7.3 工程内物流改善の考え方
7.4 物流改善の手法
7.5 物流検討からロジスティクス検討へ
7.6 コスト低減の阻害要因と対策
7.7 生産・販売リードタイムの減少対策
8. 購買部門での原価低減
8.1 購買業務の内容
8.2 資材購買管理の機能
8.3 購買部門でのコストダウン
8.4 ABC管理
8.5 MRP(Material Requirement Planning)
9. これからの原価低減
9.1 多品種化生産対応
9.2 環境保護対策
9.3 グローバル化への対応
9.4 物流関連コストの低減
9.5 情報技術の導入
10. 資料
10.1各種技法
10.2用語解説




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