ジャスト・イン・タイムは、自働化とともにトヨタ生産方式を形成する二本柱の一つ。


トヨタ生産方式を理解する上では、ジャスト・イン・タイムについて理解しておくことが必要である。


ジャスト・イン・タイムの入門書を紹介します。


「トコトンやさしいトヨタ生産方式の本」などのトヨタ生産方式に関する著作や経営・改善指導、ISO指導などのコンサルタント活動で知られる著者;藤井春雄が、必要なものを必要なときに必要なだけ、各工程に供給するジャスト・イン・タイムの考え方を、各事例を交えながらわかりやすく解説しています


本書の「はじめに」で筆者は、トヨタ生産方式ジャスト・イン・タイムに関して以下のように述べています。


「『トヨタ生産方式』の考え方であり技術的なものの基本は、今から100年前に世に出ている米国で開発されたIE(Industrial Engineering)理論である。

 それを自動車産業の生産工程に合わせ、またわが国の国民性に合わせたものとして、独自の方式に成長させた。

 いわゆる米国のモノマネでない独自方式として発展させたのであるが、その特異性とは“ムダの徹底排除による造り方の合理性の追求”と言える。

 その造り方の合理性の基本となる理念とも言うべきものが、豊田佐吉翁の自働化の考え方であり、豊田喜一郎氏のジャスト・イン・タイムである。

 この2本柱(ジャスト・イン・タイム自働化)は手段でなく、基本的な考え方であり、これを目指してムダ取りを行い、利益創出での企業発展を目的とするものである。

 企業が製品を造るときの「あるべき姿;理想状態」は、事業の三要素である“人・設備・もの”がムダなく付加価値を高める働きだけがされることである。

ところが実際には、この理想状態にほど遠く、ほとんどの企業で付加価値の比率は、人で1割、設備で3割、もので5割程度であると大まかに推測できる。

 そこで、これらをいかに理想状態に近づけることができるかが、企業発展の最重要課題として位置づけされる。

理想状態を徹底的に追求し、さまざまな考え方、手法を生み出した結果、目指すところであり、基本的な考え方となるのが『ジャスト・イン・タイム』である。

 『ジャスト・イン・タイム』は、必要なものを必要なときに必要なだけ、各工程に供給できることである。

 そのためには、人・設備・ものを3ム(ムダ・ムラ・ムリ)なく、効果的に活用する仕組みづくりが必要である。

 そこで、この本の執筆にあたって、トヨタ生産方式の基本である2本柱の中で、最も大きな影響があり重要な「ジャスト・イン・タイム」の考え方を今回は取り上げ、各事例を交えながら分かりやすく解説することとした。」


<<ポイント>>


トヨタ式生産方式の柱の『ジャスト・イン・タイム』についての事例を交えた解説書。


本書では、


ジャスト・イン・タイムとは何か」といった基本の解説にはじまり、


多品種少量生産との適合性、


工程の流れ化」「必要数でタクト決め」「後工程取引り


といった事項から


多数の具体的な事例解説を交えて


ジャスト・イン・タイム』について解説しています。


さらにトヨタ生産方式の重要なキーワードについても解説しています。


本書:「よくわかる「ジャスト・イン・タイム」の本」です。


本書は、著者:藤井 春雄氏にて、2009年9月に日刊工業新聞社より、『ナットク現場改善シリーズ』の一冊として発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書は、7章から構成されています。


現場写真からイラスト、フロー図などの多数の図表が挿入され、全体的に見てわかるようにも配慮された分かり易い解説となっています。


また各項目毎にその項の要点を『ここがキーポイント!』として、2~3行程度の箇条書きで枠囲みされてまとめてあるのも親切です。


さらに本文の解説に登場する「工程別能力表」/「標準作業票」/「標準作業組合せ票」/「時間観測用紙」の各様式が付録として巻末に記載されています。


以下に章を追って概要を紹介します。


第1章では、「ジャスト・イン・タイムとは何か
と題して、『「ジャスト・イン・タイム」の言われ』との解説から始まり、「ジャスト・イン・タイム」(以降で、JITと略)の概要の解説となっています。


ちなみに『ここがキーポイント!』では、JITの考え方を最初に以下のようにまとめています。


  • <後工程>必要な特に、必要なものを前工程に取りに行く
  • <前工程>引き取られたものを、指示された分だけ造る

本章では、「JITとはちょうど間に合うこと/トヨタシステムの基本は限量経営/ 後工程引取りで、現場に主権を持たせる/JIT実現のための生産基盤の整備/」といった流れで、『JITとは、各工程が人間の自律神経の役割をし、「生産指示」及び「倉庫」をなくすことを考えた仕組みである』とまとめています。


第2章では、「なぜジャスト・イン・タイムは多品種少量生産に適しているのか
と題して、JITは、他品種少量・短納期を求める社会のニーズに合致して最低の在庫で顧客の必要なときに短期間で供給することで、在庫管理費用と在庫廃棄ロスとを最低にするという生産方式と説いています。


社会の要求する企業環境の変化を考察し、7つのムダ(「造りすぎのムダ」「手持ちのムダ」「運搬のムダ」「加工そのもののムダ」「在庫のムダ」「動作のムダ」「不良を造るのムダ」)を徹底的に省くことが在庫を持たない短納期生産につながるとし、JITの生産のニーズがますます厳しくなると説いています。


JITの基本原則は、以降の第3章~第5章で解説する以下の3点と説いています。


  • 流れ化(一個流し)
  • タクト決め(少人数化など)
  • 後工程引取り(かんばんなど)

第3章では、「工程の流れ化
と題して、仕入れから生産・納入までものが滞留することなくスムースに流れるような仕組みをつくるとの観点からの工場の物流についてのフロー図と工程分析をもとにした改善の手法について解説しています。


流れが澱むところを見つけての改善、レイアウト変更が容易な設備化などから、平準化生産、加工リードタイム短縮、一個流し、同期化、多工程持ち(一人数台持ち)、多能工化、工程順の設備配置、ものの流れの整流化設備、小ロット化(段取り改善)といった流れ改善の考え方を解説しています。


第4章では、「必要数でタクト決め
と題して、どのくらいの時間で製品1個をつくらなければならないかという時間制限であるタクトの決め方と標準作業と少人化について解説しています。


タクトタイムは、お客様が決めるもので日々変化するが、1日の生産ラインの稼働時間を1日の生産必要数で割って決められる。


またトヨタ式生産方式では、ムダのない作業方法で効率生産を行うために誰もが同じようにできる「手本」を作成し、これを標準作業と言っているが、決められた工程で必ず作成される「タクトタイム」「作業順序」「標準手持ち」の3つを含む標準作業に基づく改善手法について解説しています。


標準作業の3票とされる「工程別能力表」「標準作業組合せ票」「標準作業票」の作成の手順について解説しています。


第5章では、「後工程取引り
と題して、JITによるかんばん方式運搬について解説しています。


生産方式には、「押し出し方式」と「引取(引張り)方式」があるとし、引取方式のかんばん方式について発展の経緯からかんばんの役割と特徴を概観し、かんばんの種類、かんばん運用ルールとルール違反、電子かんばんとも呼ばれるe―かんばんへの進化までを解説しています。


さらに運搬方法について、時代を経ての改善を振り返り、各種運搬方法について比較し、トヨタ生産方式の「定量不定時運搬方式」について、「ハイヤー方式」「タクシー方式」等を解説しています。


第6章では、「事例で見るジャスト・イン・タイム
と題して、「1 オフィス用品の通信販売事業:必要なものやサービスを迅速かつ確実にお届けする」から「26 医療事務:ファイルの2S」までの26件の業界別のJITに基づく改善事例が掲載され、解説されています。


事例1~11までが、見開きの2ページで、最初に事例の効果を象徴した事例のタイトルに続き、数行でのその活動の概要の紹介、さらに導入事例の成果のポイントについて解説されるという構成になっています。


また事例12からは、1ページで「テーマ」「JITのねらい」に続き、改善前(課題・問題点)/改善後(改善内容、効果)を表で対比して解説するという構成になっています。


第7章では、「トヨタ生産方式の重要用語
と題して、トヨタ生産方式の「強い基盤」(『トヨタの基本理念』など8語)、「管理・監督者の育成」(『管理・監督者のリーダシップ』など8語)「7つのムダと問題発見」(『問題発見と解決』など8語)「考え方の基本」(『動くと働く』など8語)「その他の用語」(『効率と能率』など8語)の40の用語について解説しています。


解説は、1ページ1用語で、「分類」、「タイトル」、「用語解説」との流れとなっています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、必要なものを必要なときに必要なだけ、各工程に供給するトヨタ生産方式の柱のジャスト・イン・タイム(JIT)の考え方を具体的な例を挙げながら分かり易く解説しています


また各産業分野別のJITに基づく改善事例とトヨタ生産方式に関わる関連用語についても解説しています。


<<まとめ>>


製造業とかの業種に関係なく、現場改善のJITに基づく考え方に関心がある人には、本書は、是非、読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ジャスト・イン・タイムとは何か
第2章 なぜジャスト・イン・タイムは多品種少量生産に適しているのか
第3章 工程の流れ化
第4章 必要数でタクト決め
第5章 後工程取引り
第6章 事例で見るジャスト・イン・タイム
第7章 トヨタ生産方式の重要用語






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我が国の労働生産性は、米国及びユーロ圏と比較して著しく低いことが問題視され、特に、卸・小売業、運輸業などの非製造業の生産性が低いことからその改善が急務とされています。


製造現場では、既に大きな成果を上げているトヨタ生産方式について非製造業分野(小売、サービス、医療、金融、自治体など)でもその効果が認識され、これらのサービス産業等でも適用され、成果が挙がったとの多数の事例が伝えられています。


本日は、経験豊かなコンサルタント集団が、トヨタ生産方式の概要・考え方・技法・ムダの改善ポイント等について解説すると共に非製造業への多くの適用事例を収集・検討し、非製造業におけるトヨタ生産方式の導入・活用のポイントを分かり易く解説している本を紹介します。


本書:「図解よくわかる 非製造業もトヨタ生産方式」です。


本書は、トヨタ生産方式を考える会(著者:澤田 善治郎 先生、藤井 春雄 氏、河瀬 雅英 氏、岡田 貞夫 氏、三浦 恭治 氏) の編集にて、2008年6月に刊工業新聞社より発行されています。同社の「今日からモノ知りシリーズの『B&Tブックス』」の一冊になります。


本書は、「図解よくわかる」とあるように見開きの2ページで左側のページには、イラストや概念図や写真を含めた図表が、右側のページには、その項目の解説分がという構成で読みやすい構成になっています。


特に右側のページについては、一番右に表題に続いて、その下に副題があり、2段組で本文の解説があり、その一番下には、その項目のポイントが2,3の箇条書きでまとめられているという構成になっています。


本書の流れとしては、澤田 善治郎 先生、藤井 春雄 氏の「はじめに」に続いて、序章で「トヨタ生産方式の概要」が2項目で整理されています。


第1章では、トヨタ生産方式の基本的な考え方と各種技法の解説が23項目についてあります。


第2章では、サービス産業の変革の必要性などが11項目でまとめられています。


第3章では、業種別のムダの改善ポイントの6項目の解説があります。


第4章では、業種毎のトヨタ生産方式を活かしての各種の26の事例が紹介・解説されるという構成になっています。


序章~3章の終わりには、「コーヒーブレイク」として、関連するトピックスが取り上げられています。また本書の終わりには、引用・参考文献として多数の文献が紹介されています。


本書の第1章で取り上げられている考え方・技法の主要項目は、以下の内容です。


  • 経営者の役割(強い企業、良き企業風土、強い現場力)

  • 強い現場を支える基盤(お客様第1主義、人間性尊重、人づくり、リーダーシップ、問題解決能力、基本の徹底、変化への対応(改善)、徹底したムダ取りによる原価低減、現場・現物、ジャスト・イン・タイム、自働化)

  • TPS(Toyota Production System:トヨタ生産方式)の経営技法(工程の流れ化、小ロット生産、必要数でタクト決め、後工程引き取り方式、品質のつくり込み、省人化と小人化、改善は5Sから、小集団活動、5つのなぜ)

また事例で取り上げられている業種には、食品(1)、小売り(8)、サービス(2)、医療・介護(5)、自治体(2)、郵便(1)、金融・保険(4)、建設(2)、営業(1)との構成になっています。


本書は、トヨタ生産方式(TPS)の考え方・技法から、非製造業へのTPSの取り込みにおける留意ポイント、各業種におけるTPSの活用事例などが図解で分かり易く、解説されています。非製造業でトヨタ生産方式に関心のあるビジネスパースンには、是非、読んで頂きたい一冊です


図解よくわかる非製造業もトヨタ生産方式 (B&Tブックス)
日刊工業新聞社
トヨタ生産方式を考える会(編さん)
発売日:2008-06
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:32961

なお本書の目次概要は、以下の内容です。
はじめに
序章 トヨタ生産方式の概要
1. トヨタ生産方式の基本
2. トヨタ生産方式の体系
第1章 トヨタ生産方式の考え方・技法
1. 経営者の役割
2. 強い現場を支える基盤
3. トヨタ生産方式の経営技法
第2章 サービス産業の変革
1. 低迷するサービス産業の生産性
2. サービス産業はなぜ変われないか
3. サービス産業はどうすれば変われるか
4. サービスづくりは人づくり
第3章 [業種別]ムダの改善ポイント
1. ムダとは
2. サービス業[調理・食堂]
3. サービス業[ーパー・食品加工]
4. サービス業[物流]
5. 事務業務
6. 病院・高齢者福祉事業
第4章 [事例]トヨタ生産方式を活かす
1. 食品・惣菜加工 ロックフィールドのジャスト・イン・タイム惣菜加工
2. 小売りスーパー イトーヨーカ堂の改善と業務改革
3. 小売りスーパー ユニーによる改善の横展開
4. 小売り・生協 4Sから始めたトヨタ生協の改善
5. 小売り・バッグ ルイ・ヴィトンのリーン生産方式
6. 小売り・アパレル グローバルに展開するインディテクスのSCM戦略
7. 小売り・アパレル ローコスト経営で成長を続ける”しまむら”
8. 小売り・古書販売 ネットオフのネット販売の効率化
9. 小売り・農産物 葉っぱで田舎おこしの”いろどり”
10. サービス・施設 観光旅館の生産性向上
11. サービス・クリーニング 成果を上げたクリーニング業での現場改善
12. 医療と介護・病院 日本一の「かかりつけ医」をめざしたいせでしたクリニック
13. 医療と介護・病院 電子カルテで情報の共有化を進めた大病院
14. 医療と介護・病院 米国病院での医療ミスの削減
15. 医療と介護・病院 米国病院での血液検査の改善
16. 医療と介護・老人ホーム 特別養護老人ホームの作業の「見える化」
17. 自治体・市役所 岐阜県各務原市役所の行財政改革
18. 自治体・県庁 岩手県庁における行政品質向上運動
19. 郵便 ムダを徹底排除し生産性向上を進めた郵便局
20. 金融 「ゼロ」ベースで業務を見直す中京銀行
21. 金融 急拡大したトヨタファイナンスに改善文化の環境
22. 保険 簡易生命保険の収益構造の改善
23. 保険 あいおい損保の保険営業活動の改善
24. 建設 中部国際空港建設におけるトヨタ流源流管理
25. 建設 平成建設の職人集団内製化システム
26. 営業 トヨタ生産方式が根づく自動車販売店




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