ISO9001:2000(JSIQ9001:2000)規格の7.3項:「設計・開発」では、『レビュー』、『検証』、『妥当性確認』とチェックの関所が観点を変えて設定され、変更管理についてもシビアな管理が要求されています。


 これは、川上(すなわちオフライン)側で顧客の製品に対する要求事項と組織が提供する製品との大きなズレが生じ勝ちなためであり、製品に及ぼす川上(すなわちオフライン)側のインパクトが大きいためと考えられます。


 昨今の企業経営において設計・開発なども含めた間接部門の生産性の向上が課題とされています。


 また同業他社との競争優位を確立する上で、質の高い安定した製品を一気に市場に送り出すことが強く求められてきています


 品質工学は、タグチメソッド(Taguchi Methods)と呼ばれ、創始者は、田口玄一先生で、品質とコストの和を一つの経済的な尺度で評価することの重要性を説いて、その和の最小化(すなわち、企業側の論理ではなく、顧客側から見て企業の利益と顧客側の損失とがバランスするような経営)をすることを意図しています。


まさに設計・開発なども含めた間接部門の生産性の向上がターゲットとなっています。


そして間接部門とライン部門とがしっかりと連携し、品質工学が社内の共通基盤になっていれば、一気通貫の仕組みを通じて大きな成功が見えてくるように思われます。


 品質工学の分野としては、 開発設計段階(生産に入る前のオフラインでの品質工学)、 生産段階(生産のオンラインでの品質工学)、 MT法マハラノビス・タグチメソッド) がその体系になります。


本日は、品質工学の基本事項の柱として、オフライン対策のパラメータ設計オンライン対策の工程の診断と調節とを品質工学の入門者向けに分かり易く解説している本を紹介します。


本書:「ベーシック品質工学へのとびら」です。


本書は、田口 玄一 先生と横山 巽子 先生の共著にて、2007年9月に日本規格協会より発行されています。


 本書は、日本規格協会の通信教育コース『初心者のための品質工学入門』に採用されているテキストをベースに、実際の受講者から の質問事項等を考慮してより分かりやすく加筆修正されたとのことです。


本書の帯には、本書の意図している要点について以下のように書かれてあります。


品質工学の基本的考え方をわかりやすく説明


これから学ぼうとする技術者の社内教育に最適



本書は、10章から構成されています。各章の終わりには、その章の理解のための演習問題が添付されています。


第1章では、「品質工学概論
として、品質工学における品質とコストの考え方についてとくに品質を「その製品が出荷後に社会に与えた損失」との経済的な測度としての見方を取り、品質とコストの最小化が品質工学のターゲットとの品質工学の考え方の概要を解説しています。


第2章では、「生産現場における品質水準の評価と改善
として、品質水準の評価の仕方に関わる2乗和の分解の方法、変動・分散の期待値の定義とその意味の解説、分散分析表の作成、誤差分析などの基礎を解説しています。

 
第3章では、「SN比入門
として、入出力の関係をもつ動特性の2乗和の分解、動特性のSN比、その計算手順、望目特性のSN比、その他の静特性のSN比などについて計算例を挙げて解説しています。


第4章では、「機能性評価とSN比
として、設計段階で製品に要求されている機能だけでなく、機能を果たすために取られている技術的手段が、種々のノイズの下で安定して機能するかどうかを評価するための、機能性評価のためのSN比の計算について、誤差の調合と2乗和の分解、調合誤差がある場合の2乗和の分解とSN比、基準点比例式によるSN比などについて計算例を挙げて解説しています。


第5章では、「パラメータ設計入門
として、機能の安定性の改善、安定性の良い設計を進める方法として、成型の最適化の例について、SN比がよくなる制御因子の組合せ条件を見出すパラメータ設計の基本を解説しています。パラメータ設計の標準的な手順として、L18直交表による実験のわりつけ等を解説し、金型寸法と成型品寸法の関係式について、実際の型設計での収縮率の推定などを解説しています。またこの章の注で代表的な直交表、とくに3水準系について解説しています。


第6章では、「パラメータ設計による設計研究
として、機能の安定性の改善、安定性のよい設計を研究する方法としてのパラメータ設計の機能のバラツキをSN比で改善し、目標値への調整を後で行うような方法による2段階設計などの設計研究への応用について解説し、さらにテストピースによるスクリーン印刷の設計研究の事例について解説しています。


第7章では、「目的機能のSN比と合わせ込み
として、リニアな関係がない場合にも目的機能の特性を取り扱える標準SN比についてどのような機能性評価を行うかをアノード電流の機能性評価、スライディングによる水準値の設定、外側のわりつけとデータ、標準SN比の最適条件、目的機能へのチューニングといった事例について解説しています。


第8章では、「シミュレーションによるパラメータ設計
として、理論式やシミュレータによるシミュレーションを活用したパラメータ設計について、電源回路のパラメータ設計、プリンタカラーリボンのシフト機構の設計などの事例について解説しています。


第9章では、「計測誤差とSN比
として、計測分野に関するSN比の取扱を解説しています。計測器による計測誤差とSN比について、計測の誤差、計測分野のSN比に必要な3要素(校正式の種類、信号因子の取り方、誤差因子の取り方)、実物による信号因子の代表例、さらにサイレン用ホーンスピーカーの製造の事例を取り上げ、パラメータ設計による計測のSN比改善の手法などを解説しています。


第10章では、「製造工程の管理
として、オンライン品質工学による工程水準維持ならびに故障予防などの工程管理の概要と製品特性による工程管理、合格・不合格による工程管理、オンラインとオフラインなどについて解説しています。


品質工学の創始者によるMT法(マハラノビス・タグチ)を除いた品質工学についてこれから学ぼうとする技術者にまさに扉を開いてくれる教科書です。


ベーシック品質工学へのとびら
日本規格協会
田口 玄一(著)横山 巽子(著)
発売日:2007-09
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:16461


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 品質工学概論
第2章 生産現場における品質水準の評価と改善
第3章 SN比入門
第4章 機能性評価とSN比
第5章 パラメータ設計入門
第6章 パラメータ設計による設計研究
第7章 目的機能のSN比と合わせ込み
第8章 シミュレーションによるパラメータ設計
第9章 計測誤差とSN比
第10章 製造工程の管理





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  品質工学の手法について、初心者がわかりやすく学べるように、ウェブサイトからプログラムとデータをダウンロードして、バーチャル実験シミュレータにより、パラメータ設計法を体験しながら学ぶという座学と実習を組み合わせた方法で、難解といわれる品質工学を実務で活用できるように解説している本を紹介します。

本書:「バーチャル実験で体得する実践・品質工学」です。

本書は、越水 重臣氏と鈴木 真人氏の共著にて、2007年1月に日刊工業新聞社より発行されています。

本書の「まえがき」で筆者は、品質工学の手法を実務で使えるためには、座学と実務のギャップを埋める体験学習が必要とし、とくにその教材には、品質工学タグチメソッドの以下のエッセンスが全て含まれていることが必須と述べています。

  • 品質ではなく機能を評価する(静特性から動特性へ)
  • パラメータ設計で技術の機能限界を把握する
  • テストピースで実験を行う
  • 直交表を使い、利得の再現性を調べる
  • 適切なノイズを取り上げ、調合して実験を行う
  • 生データではなく、SN比と感度で評価する
  • 2段階設計によりチューニングする
  • 品質とコストのトレードオフをする


本書の「実践編」で紹介されている『バーチャル実験シミュレータ』とは、鈴木 真人氏がLabVIEWで開発したシミュレータでこのシミュレータを用いて実験し、その実験結果のデータをExcelを用いて品質工学に基づく解析をするというもの。

本書で用いる実験シミュレータは、本書で指定しているウェブサイトから無償でダウンロードできるようになっています。

以下のような操作画面となっています。

simulationgraph.gif

本書の構成は、第1部「解説編」および第2部「実践編」の2部構成となっています。

第1部では、品質工学の考え方から、パラメータ設計の手順、その理論の概要について解説し、第2部では、バーチャル実験シミュレータを用いて、静特性評価、動特性評価、過渡現象に関する動特性評価について解説するといった構成になっています。

第1部は、3章から構成されています。

第1章では、「品質工学の考え方」として、品質工学の概要ととくに本書で中心的に取り扱っているパラメータ設計の考え方などが分かり易く解説されています。

第2章では、「品質工学のパラメータ設計」として、パラメータ設計の詳細な手法について手順を追って解説しています。

第3章では、「品質工学におけるパラダイムシフト」として、開発の上流側での品質の作りこみと体コスト化を短期間で実施するという時代的なニーズに対応できる品質工学といった観点から品質工学の導入の重要性を解説しています。

第2部は、第4章から第8章までの4章から構成されています。

第4章では、「品質をはかる実験1(普通のエンジニアの仕事の進め方)」として、ソフトウェアのインストールからその使い方の解説に始まり、汚水処理装置について「バーチャル実験シミュレータ1による実験とデータ解析の活用の例題が提示されます。

第5章では、「品質をはかる実験2(ちょっと進んだエンジニアの仕事の進め方)」として品質工学による静特性評価として、汚水処理装置の構成要素についてパラメータをL18直交表に割り付けて実験を行い、望小特性によるSN比と計測値などを計算するデータ解析手法を解説しています。

第6章では、「機能性の評価 メインシステムの最適化」として、汚水処理装置をメインとサブシステムに分割し、捕集システムと凝集システムの複合となるメインシステムについて最適化を行うためにL18直交表に有効に割付でシミュレーション実験を行い、SN比、感度の解析を行い、さらに確認実験で最適性を評価する手法を解説しています。

第7章では、「サブシステムを含めた全体システムの最適化と過渡現象の解析」として、汚水処理装置のサブシステムの循環部の最適実験、確認実験とその解析、さらには全体システムの動特性による最適化の過渡現象の解析手法を解説しています。

バーチャル実験で体得する実践・品質工学
日刊工業新聞社
越水 重臣(著)鈴木 真人(著)
発売日:2007-01
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:91104

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 解説編
 第1章 品質工学の考え方
 第2章 品質工学のパラメータ設計
 第3章 品質工学によるパラダイムシフト
第2部 実践編
 第4章 品質をはかる実験1(普通のエンジニアの仕事の進め方)
 第5章 品質をはかる実験2(ちょっと進んだエンジニアの仕事の進め方)
 第6章 機能性の評価 メインシステムの最適化
 第7章 サブシステムを含めた全体システムの最適化と過渡現象の解析


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「一流の経営者に向かって書け。
この言葉が本書の出発点であった。
品質工学会会長の稲生武氏のアドバイスである。つまり本書は、企業経営者や組織管理者を対象とした品質工学の解説書である。」

との「まえがき」の言葉ですが、本日は、品質工学の専門用語の使用を避けつつ、高品質を達成するには、また高品質を生み出し続ける技術体質に変革するには、などの技術戦略的な視点から書かれた品質工学の解説書を紹介します。

本書:「技術にも品質がある」です。

品質工学が生む革新的技術開発力」との副題がついています。

本書は、著者:長谷部 光雄 氏で、2006年2月に日本規格協会より発行されています。持ち運びにも便利な新書版となっています。


本書の表紙の帯には、以下のように書かれてあります。

高品質を生み出し続ける技術体質の確信

モノ作り立国日本を再生させる

技術開発力とは

また本書の帯の裏面には、本書の発刊の序を寄せられている株式会社リコーの桜井代表取締役の以下の言葉が紹介されています。

「TQCからTQMへの発展に相当する活動が技術開発分野においても必要であると言うのが本書の問題提起である。

しかし、その展開はまだ不十分である。

それは技術そのものに対する理解がボトルネックになっているからである。」

本書で印象に残った箇所を紹介します。

発刊の序の言葉ですが、以下のように書かれてあります。

「日本の品質管理の西堀栄三郎氏は、常々、以下のようなことを言われていたそうである。

『検査課の強大な会社ほど、品質は良くない』
『スタッフと称する部門に多くの人たちがいるところほど、能率は上がっていない』
『作業標準や諸規定の設定のやかましい会社ほど、だらしない作業をしている』」

こちらは、本文からです。

「標準時間は、一番短いのでいい。これは。トヨタ生産方式を中心になって作り上げた、大野耐一氏の言葉である。(略)実は、一番短い時間で出来た人のやり方が一番楽なやり方なのだ。それより長い時間がかかる人は、何かしら余分な動きをしていることになり、その部分を改善すればもっと楽に作業ができるようになる。というのがその理由である。」

もはや作業の効率化や管理指標の追求などの「プロジェクトX」的な手法ではなく、実質を重視する「ためしてガッテン」的な認識が、世界の潮流になりつつあるのだ。技術の本質であるアートの心を取り戻す技術マネジメントが、これからは求められているのではないだろうか

品質工学の3原則
1.原因を追究してはいけない。
2.品質にこだわってはいけない
3.ばらつきを大きくしなさい

本書は、経営者や組織管理者とありますが、モノづくりに関わる全ての人にお勧めしたい内容の本と思います。

技術にも品質がある―品質工学が生む革新的技術開発力
日本規格協会
長谷部 光雄(著)
発売日:2006-02
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:49412
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 非常に参考になりました。

なお本書の目次は、以下の内容です。
序 章 品質工学が提起していること
第1章 技術の空洞化
 空洞化の背景
 効率化が空洞化を生み出す
 空洞化を防止する方法
 開発ステップ全体を見直せ
 コラム  指導者を育てる教育とは
第2章 品質工学の基本思想
 技術力の差が分水嶺
 重要な点はユーザーによる評価
 創造主だからできる未然防止
 社会的責任の意味
第3章 品質工学の三原則
 見落とされていた当たり前の視点
 三原則
 三原則とは、ツールの使い方
 コラム  対象を抽象化する
第4章 合理性を追求する品質工学の方法論
 合理的な機能性評価
第5章 創造力を引き出す品質工学の方法論
 未病の段階で治すのが肝要
 頑強制
 機能の考え方
 付加する機能の例
第6章 問題点を浮き上がらせる品質工学の方法論
 オンライン品質工学と損失関数による可視化
 複雑系を解くMT法
終 章 経営価値の革新


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タグチメソッド(:別名「品質工学」は、田口玄一博士が開発した製品設計や・工程管理を行う上で、品質を経済的に作り込むためのアプローチならびに手法を言います。

すなわち、システムの機能のばらつきを効率的に評価することで、システムの品質を最適化する技術の体系といわれています。

タグチメソッドは、その体系に以下のような内容を含んでいます。

  • 直交表を使っての品質問題が発生しにくいロバスト(堅牢)なパラメータ設計を提供します。またパラメータ設計を行った後の、コストを考慮した許容差設計の方法も提供します。
  • また工程の管理では、検査を含めた品質管理に必要となる費用と、品質不良により発生する費用とのバランスをとって、総合的なコストを低下させる損失関数を使うオンライン品質工学も提供しています。
  •  さらには、異常判定やパターン認識のためのMTS(マハラノビス・タグチシステム)法もこれに含まれます。

しかしながら、タグチメソッドは、わかりにくく、初心者には取っつきにくく、敷居の高いものになっています。

このようなタグチメソッドを習得する良い方法は、身近な人に教えて貰うことですが、それができない場合は、タグチメソッドを適用している実務的な事例集や演習問題などを中心とした実務的な学習書に沿って、内容をトレースしてみながら、しっかりと学びつつ、自分の仕事に展開して実行してみることと思います。

なかなかそのような学習書は、ありませんでしたが、そのような目的に合致すると思われる書籍が発行されていますので、紹介します。

本書:「実践タグチメソッド」です。
「事例と演習でわかるタグチメソッドの使いどころ」との副題になっています。

本書は、鷺谷 武明氏、土居 雅幸氏、深澤 宏著氏、増田 雪也氏、守谷 敏氏、山本 桂一郎氏の共著で渡部 義晴氏の編著により、2006年6月に日科技連出版社より発行されています。

本書の裏表紙には、以下のように書かれてあります。

  • 本書は、本書は、タグチメソッドの活用に悩む実務者のために書かれたタグチメソッド実践の手引書である。
  • 実際の業務でタグチメソッドを活用する際のポイント・注意点を経験豊富な著者らによる10の事例をもとに解説している。
    例えば、『プレス打抜き加工における加工条件の最適化』、『簡便な実験装置を用いた潤滑油の機能性評価』、『用紙走行性に影響を与える用紙特性のMTシステムによる検討』などが取り上げられています。)
  • 事例は「パラメータ設計」、「機能性評価」、「MTシステム」、「損失関数」、「オンライン品質工学」のタグチメソッドの代表的な5つの手法を網羅。タグチメソッドが体系的に学べるようになっている。
  • さらに活用するうえで実際に技術者が直面する問題を演習問題として掲載している。演習問題では、必要な数値計算のほか、タグチメソッドの考え方も学べるようになっている。これらの問題の解説部分はすでにタグチメソッドを活用している人にとっても参考になる。
31733158.JPG
日科技連出版社
渡部 義晴(著)
発売日:2006-06
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:20047

なお本書の目次は、以下のような内容です。
序章 タグチメソッド概論
第1章 パラメータ設計による最適化1 プレス打抜き加工における加工条件の最適化
第2章 パラメータ設計による最適化2 切削加工における加工条件の最適化
第3章 パラメータ設計による最適化3 めっきにおける加工条件の最適化
第4章 パラメータ設計による最適化4 口紅生産工程における成形条件の最適化
第5章 機能性評価1 簡便な実験装置を用いた潤滑油の機能性評価
第6章 機能性評価2 乾電池の機能性評価
第7章 MTシステムによる診断・予測1 用紙走行性に影響を与える用紙特性のMTシステムによる検討
第8章 MTシステムによる診断・予測2 TS法によるゴルフの獲得賞金予測
第9章 損失関数と許容差設計
第10章 オンライン品質工学
付録1 Excelで実践タグチメソッド
付録2 ゼロ点比例式と1次式のSN比の計算式
付録3 タグチメソッドに関する情報の入手先リスト

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一般的に難解でとっつき難く、敷居が高いと思われてきた品質工学タグチメソッド)についてかゆいところに手の届く要領で分り易く解説している入門書を紹介します。

従来は入門と銘打ってあっても、いざ紐解いてみると実際には、看板と違って、品質工学の基礎知識がないと読みこなせないような内容のものが多かったかと思われます。

その意味で本書は、従来の名前だけの入門書とは、一線を画しているかと思います。

本書:「はじめての品質工学」です。
副題に「初歩的な疑問を解決しよう」とあります。

本書は、著者:矢野 耕也氏で、2006年3月に日本規格協会から発行されています。
「やさしいシリーズ16」となります。

本書の帯には、こんな方に読んで頂きたいとあります。

  1. 品質工学に興味はあるけれど、何から取り掛かればよいのか分らない。
  2. 品質工学に触れたことはあるが、基本がよくりかいできず、失敗したことがある。
  3. "基本機能”、”信号因子”など独特の意味をもつ用語の意図をつかみたい。

本書では、

  1. 直行表を使ったパラメータ設計(オフライン品質工学)
  2. 損失関数を使ったオンライン品質工学
  3. MT(マハラノビス・タグチ)システム

の順で説明が進められます。最後にQ1:「品質工学を一言で言うと?」からQ30:「MTシステムは何に使うのですが?」までのQ&Aが掲載され、一般にいだきやすい疑問に応えるといった構成となっています。

はじめての品質工学―初歩的な疑問を解決しよう
日本規格協会
矢野 耕也(著)
発売日:2006-03
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:15777

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 オフライン品質工学
 1.1 わからないことがわかならい
 1.2 果てしない条件の組合せ
 1.3 多数の条件をうまく組み合せる
 1.4 おいしいコーヒーの淹れ方
 1.5 パラメータ設計のおさらい
 1.6 積極的に誤差を取り入れよう
 1.7 なぜ直交表を使うのか?
 1.8 パラメータ設計の活用術
 1.9 品質を相対的に比べる
第2章 オンライン品質工学
 2.1 製造段階で活躍する品質工学
 2.2 品質とは何か,損失とは何か
 2.3 消費者の損失を計算してみよう
 2.4 今までのメーカの考え方は何が問題か
第3章 MTシステム
 3.1 複数の測定結果を一つの値で評価する
 3.2 新しいパターン認識の技術
 3.3 ひらがなを判読する
 3.4 目に見えるものから診断まで
第4章 迷ったときのQ&A 30
  Q1  品質工学を一言でいうと?
  Q2  実験計画法とは何が違うのですか?
  Q3  直交表の使い方も違うのですか?
  Q4  品質工学を使うメリットは何ですか?
  Q5  何をもって実験の成否を見極めるのですか?
  Q6  品質工学はどのようなものに応用できるのでしょうか?
  Q7  パラメータ設計とは何ですか?
  Q8  パラメータ設計では何ができるのでしょうか?
  Q9  パラメータ設計の有利な点は何でしょうか?
 Q10 パラメータ設計からどんな結果が導かれるのでしょうか?
 Q11 なぜデータを2乗するのですか?
 Q12 SN比は何を意味しますか?
 Q13 SN比のよいところは何ですか?
 Q14 SN比はどのように応用できるのですか?
 Q15 SN比にはどういう種類があるのでしょうか?
 Q16 直交表とは何でしょうか?
 Q17 なぜ直交表はL18を使うのがよいのでしょうか?
 Q18 因子の種類を教えてください。
 Q19 それぞれの因子の使い方を教えてください。
 Q20 ロバスト設計とは何ですか?
 Q21 基本機能とは何ですか?
 Q22 損失関数とは何ですか?
 Q23 損失の定義がよくわかりません。
 Q24 許容差設計とは何ですか?
 Q25 マハラノビスの距離とは何ですか?
 Q26 MTシステムとは何ですか?
 Q27 マハラノビスの距離の違いは何を意味しますか?
 Q28 MTシステムのマハラノビスの距離と,従来使われてきた判別関数のマハラノビスの距離は,何が違うのですか?
 Q29 MTシステムを適用するときには何が必要ですか?
 Q30 MTシステムは何に使うのですか?



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