本書は、同じシリーズ:「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の3作目となります。


本書は、先の2作の総集編のような位置づけになっています。


環境問題の歪みがそのテーマになっています。


本書で、そのシリーズを簡潔するつもりと述べています。


<<ポイント>>


環境問題についてなぜウソがまかり通るのか」の本質に斬り込む


として筆者の論理を展開しています。


環境問題となるとどういうわけか両極端。


例えば地球温暖化についても、


一方は、今にも地球が壊れそうと危機を煽るもの。


他方は、地球温暖化などどこにも起こっておらずウソだとするもの


筆者の武田氏の論点は、一貫して後者に立脚しています。


本書では、地球温暖化循環型社会などにまつわる問題や矛盾を取り上げ、なぜウソがまかり通りつづけているのかという点などについてマスメディアがつくりあげている虚構、誤報との視点から論じています


本書:「環境問題はなぜウソがまかり通るのか3 」です。


本書は、著者:武田 邦彦 氏にて、2008年10月に洋泉社より発行されています。


環境問題はなぜウソがまかり通るのか3 (YosenshaPaperbacks(035)) (Yosensha Paperbacks 35)
洋泉社
発売日:2008-10-02
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:317
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 いいかげん、メディアは謝罪せよ
おすすめ度5 環境問題全般への疑問を投げかける良書

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙の下部および裏面および帯には、以下のように書かれています。


本書を象徴していてその内容がよく分かるように思います。


「古紙偽装」事件は、起こるべくして起こった。

「家電」リサイクルは、崩壊寸前だ。

ゆがんだエコロジーが地球環境をかえって悪化させている!!

温暖化はそれ程申告な危機ではない!

NHKをはじめマスメディアがつくりあげている挙行、誤報に真っ向から反論!

環境問題の歪みはどうして生まれたか?

手段であるべきリサイクルが目的化した構造から
CO2を主犯とみなす性急な温暖化対策の愚まで
まぜウソがまかり通りつづけているのか、その本質に迫る。
崩落する氷山、海に沈むツバル、ホッキョクグマの受難――
繰り返し放送されるこれらの温暖化トリック画像を
真に受けてはいけない。
被害を過大に見積もった科学者の一部とNHKをはじめとする
マスメディアが行った誇張された報道や誤報こそが
環境問題への誤った認識を植えつけた実行犯である!


本書は、「「なぜウソがまかり通るのか」の本質に斬り込む」としたIntroductionに続く、3つの章から構成されています。


第1章では、「地球温暖化が怪しい根拠はこれだけある」と題して地球温暖化を題材にその問題を論じ、第2章では、「矛盾だらけの循環型社会をいつまで取りつくろうのか」と題して、食の偽装問題も絡めて「古紙偽装」事件、「家電リサイクル」、いつも話題としているペットボトルのリサイクルの問題など論じています。


第3章では、「ウソがまかり通る本質とは何か 」と題して、これまでの環境問題の歴史を振り返り、被害を過大にも見積もった科学者の一部とマスメディアに関わる問題として、筆者の意見を述べています。


一般に、問題を解く方法として、演繹的手法と帰納的な手法があります。


数学を代表とする演繹的な理論の世界では、理論が間違っていることを証明するのに一つの反論があれば理論の間違いが証明できます。


しかし、環境問題のような多数のデータを総合して帰納的に結論を導いている世界では、仮にその一つのデータに仮説的な内容を含み若干の論理的な不十分を含んでいたとしてもそれはその論理的な帰結が誤っていることにはならないと思われます。


IPCCなどによる地球温暖化に関わる認識は、一部の科学者ではなく、多数の科学者の膨大なデータの検討から導かれた判断であると思います。


筆者の本は、素人でもわかりやすく、明快な論理で書かれています。


また確かに課題である問題点も取り上げられていると思います。


この筆者の前著は、累計50万部突破のベストセラーになりましたが、筆者自身がテレビに登場し、マスメディアで注目されたことがそのセールスにも影響していると思います。


今回、そのマスメディアに対して、『崩落する氷山、海に沈むツバル、ホッキョクグマの受難――繰り返し放送されるこれらの温暖化トリック画像』とメディアが国民を錯覚へと導き、環境問題の歪みを生じさせている元凶でかのように批判しています。


過去にマスメディアにもやらせ、誤報があったのは事実です。


しかし環境問題に危機意識を持って問題が致命的にならない前に予防していく観点からこのような報道は、適切で重要なことでは、ないかと判断しています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書により、環境問題に対する認識がより深められることは確実です。


筆者の論点をどのように判断するかは、読者の見識によります。


本書では、なぜ環境問題の歪みが生まれたかに焦点を当てたとのことですが、先のシリーズを総括的にまとめた印象で格別に目新しい論点が加えられてはいないように思います。


<<まとめ>>


「環境問題についてなぜウソがまかり通るのか」の本質に斬り込むとして、温暖化はそれ程深刻な危機ではなく、マスメディアがつくりあげている虚構、誤報に惑わされるなとのスタンスで地球温暖化、循環型社会に関わる課題を論じています。


なお本書の概要目次は、以下です。
Introduction「なぜウソがまかり通るのか」の本質に斬り込む
第1章  地球温暖化が怪しい根拠はこれだけある
第2章 矛盾だらけの循環型社会をいつまで取りつくろうのか
第3章 ウソがまかり通る本質とは何か




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地球温暖化に代表される環境問題は、エネルギーの生産・利用と密接に関わっています。


本日は、エネルギーと環境の双方に関する身近で関心の高い問題について50のテーマを選び、基本データ(図表)を示しながら平易に解説している本を紹介します。


本書:「エネルギーと環境の疑問 Q&A50」です。


数字でなっとく本質がわかる!」と頭に付いています。


本書は、著者:笠原 三紀夫 先生にて、2008年7月に丸善より発行されています。


数字でなっとく本質がわかる! エネルギーと環境の疑問Q&A50
丸善
発売日:2008-07-17
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:70171

本書の表紙の下部には、以下のように書かれています。


美しい地球を将来世代に……

重要テーマの基本数字の背景がよくわかる


昨今、環境問題をテーマにして、枝葉末節かと思われる一部を誇張して○○はウソだとする口調の本もありますが、問題のすり替えがあったり、怪しい論理の展開をしていたり、余り科学的なスタンスで書かれているとは思えないものが意外によく売れていたりするので驚きます。


エネルギーと環境となると直接イメージがわきやすい部分と風が吹けば桶やが儲かるのように現象が複雑なものが混在していてなかなか理解が困難になります。


個別に掘り下げた論理にこだわると全体が見えなくなってしまいます。


地面をどんどん掘っていくと穴の中で自分がどこにいるかわからなくなります。、


その意味で自分の中でエネルギーと環境を理解するとなると鳥のように全体像を俯瞰することと基幹となるポイントを詳細に理解することのバランスが必要だと感じています。


本書は、その意味からタイプを分けると、エネルギーと環境の全体像を俯瞰するタイプに属する本かと思います。


本書で採用しているQ&Aという手法は、それに向いていると思います。


本書では、目次の項で紹介している6つの章に分けて50問を取り上げています。


見開きの2ページで1テーマを取り上げ、図表で基本データを掲載し、理解しておきたい【要点】を枠囲みでまとめ、解説してあります。


ところでQ&Aで思い出すのが、「全国こども電話相談室」、「夏休み子ども科学電話相談」といった子供向けのラジオの番組です。


相談者の先生は、タレントも含めて、色々な発想の子供の率直な疑問に専門的用語もかみ砕いてたとえ話も巧みに解説していますが、いつも感心します。


本書もターゲットが中学生から大人までとのことで、分かり易くポイントにメリハリを付けて丁寧な解説となっています。


50問が多いか少ないかですが、恐らく取捨選択の中で環境とエネルギーに関わる最新の状況と問題点が選定されているのでより観点が明確化されているように思います。


なお本書のカバーと各章末の「ティータイム:地球を考えるための版画鑑賞」で村上房子氏の版画が掲載されています。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 エネルギー・環境を考えるために
1 SI単位とはどんな単位でしょうか?
2 TOE、ppm はどんな単位でしょうか?
3 地球とエネルギー・環境のかかわりは?
4 世界の人口、日本の人口はどうなるのでしょう?
5 20世紀の科学技術の進展が環境危機の原因か?
6 世界はどこまで近くになることができるのでしょうか?
7 世界の裏側の人も隣人となる情報社会とは?
第2章 エネルギーの現状と利用
8 エネルギーはどのように利用できるか?
9 エネルギー資源の現状と将来は?
10 世界のエネルギーの需給状況は?
11 日本のエネルギーの需給状況は?
12 化石燃料の特徴は?
13 石油はどのように利用されているのでしょうか?
14 ガソリンはなぜこんなに安いのでしょうか?
15 電気はどのように作られ、使われているのでしょうか?
16 便利な電気、どこまで伸びるのでしょうか?
17 日本ではなぜ東と西で周波数がちがうのでしょうか?
18 原子力発電では何が問題でしょうか?
19 新エネルギーとは何をいうのでしょうか?
第3章 エネルギー利用と大気汚染
20 大気はどのような構造をしているのでしょうか?
21 大気の安定・不安定とはどういうことでしょうか?
22 煙の形が違うのはなぜでしょうか?
23 公害を低減化する大気環境基準とは何でしょうか?
24 SO2による大気汚染はどのような状況でしょうか?
25 NOxによる大気汚染はどのような状況でしょうか?
26 浮遊粒子状物質による大気汚染はどのような状況でしょうか?
27 光化学スモッグはどのような状況でしょうか?
28 アセスメントとはどういう制度でしょうか?
29 中国の環境問題は今はどのような状況にあるのでしょうか?
第4章 エネルギー利用と地球環境問題
30 地球環境問題とは? その特色は?
31 地球温暖化はどうして起きるの?
32 温室効果ガスとはなんでしょう?
33 COP3の内容は?またその後の状況は?
34 地球温暖化:二酸化炭素の重さを実感できますか?
35 二酸化炭素の重さと体積を計算してみませんか?
36 世界各地で異常気象が、その原因は何か?
37 地球温暖化:数々の異常気象が
38 日本の酸性雨はどの程度でしょうか?
39 成層圏オゾン層の破壊は進んでいるのでしょうか?
第5章 地球の保全・改善を進めるための技術
40 減エネルギー意識、いかがでしょうか?
41 省エネルギー技術はなぜ重要なのでしょうか?
42 旬の野菜、エネルギーとどんな関係があるの?
43 これでも自動車の魅力は捨て切れませんか?
44 省エネのためのトップランナー方式とは何でしょう?
45 太陽光発電の導入はどのような状況でしょうか?
46 風力発電の導入はどのような状況でしょうか?
47 バイオマスの利用はどのような状況でしょうか?
48 ライフサイクルアセスメントによる環境評価
第6章 美しい環境、平和を築くために---戦争は最大の環境破壊
49 戦争は最大の環境破壊
50 戦争は最大の無駄なエネルギーの消費





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北海道洞爺湖サミットも終わりました。


その評価についてもまちまちながら、概ねのところ、『2050年までに温室効果ガスを50%削減するという長期目標を世界で共有していくこと』との方向付けは、あったとしても中国、インドや産油国など発言力を増す新興国の動きを無視できず、温暖化対策のみならず、世界的なインフレ懸念の元凶である原油・食料の高騰という緊急課題についても具体策は示せなかったとの辛口の評価が多いように思われます。


今回のサミットを契機に地球温暖化を中心とした環境問題に対する国民の関心が更に高まったことは間違いないように思われます。


環境問題についての関心は高まってはいますが、しかし環境問題の本質となるとなかなか複雑で、そこには政治、経済、人々の価値観、流行などが相互に関わるため、混乱し、誤った理解や対策が行われたりといった懸念を抱えています。


本日は、地球温暖化、エネルギー問題、水資源の枯渇、人口爆発など、複雑な環境問題について図表を用いてわかりやすく解説している本を紹介します。


本書では、環境問題についての歴史、ゴミとリサイクル、ローカルリスク、グローバルリスク、持続可能な開発などニュースで取り上げられているような身近な話題を取り上げながら国際政治やマスコミの問題点も指摘し、具体的なデータを示すことで、より世界的・長期的な視野で自ら考える視点について提案しています。


本書:「環境問題 (図解雑学)」です。


本書は、著者:安井 至 先生にて、2008年7月にナツメ社より発行されています。


同社の絵と文章で分かり易くテーマを解説する『図解雑学』シリーズの一冊になります。


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


「本当にモッタイナイものとは?

温暖化、エネルギー問題、水資源の枯渇、人口爆発 etc.

地球規模・長期的視野による理解だけが解決の糸口だ!」


本書の「はじめに」で環境問題は、○×や、0か100かといった選択では誤る。環境問題に最適な解を得ようとすると歴史的な推移を見たり、世界全体といった視点が重要であるといった視点やバイオエタノールの問題の複雑な背景を言及した上で、以下のように述べています。


「日本という国は、島国であるためか、地球全体の状況をしっかりと把握してから戦略をたてるという習慣に乏しい。それどころか、地球レベルでの状況をうまく把握することも苦手としている。地球温暖化対策は、経済問題、国際問題として積極的に取り組まないと国家的な損失になるだろう。」


本書は、項目別に区分された9章から構成されています。また原則として、項目についての解説は、見開きの2ページを用いて、左側のページでテーマと副題に続いてそのテーマの解説があり、右側のページに図表や写真などの関連情報が掲載されるという構成になっています。また3章以降の章の終わりには、コラムがあり、「ゴミ問題は、発生源から」などの関連するトピックスが取り上げてあります。1,2章の終わりには、テーマに関係する用語と注による解説があります。


1章では、「環境問題とは何か
として、環境問題の歴史(推移)等を振り返り、環境問題を解く本質は、リスクの削減とし、リスクに関係して、亜鉛を例としたローカルリスクへの対応の問題、人の健康リスク、グローバルリスクの増大の動向などを解説し、本書において取り上げている環境問題の地図として使う図としてまとめ、『環境問題の解がもつべき本質はリスクの削減』とする考え方をまとめて解説しています。この章は、本書の流れを概観するといった内容になっています。


2章では、「ローカルリスクの削減
として、所得格差を示すGini(ジニ)係数と公害発生との関連の解説に始まり、我が国の水質汚濁や大気汚染などに見るローカルリスクの推移、ダイオキシン問題、自動車排ガス規制、ディーゼル規制、RoHSとリスク管理、鉛に注目しての健康被害との関係、市民はなぜローカルリスクの大小を理解できないかといった点について、「リスクの大小に対するイメージがない」といった七つの理由を取り上げ、ローカルリスクについて適正に評価する考え方を解説しています。


3章では、「ゴミとリサイクル
として、 ゴミと経済活動のつながりについて各国の一人あたりのGDPと一般廃棄物の発生量などの相関を確認した上で、リサイクル、循環型社会と3R(Reduce、Reuse、Recycle)、国内の循環型社会に関わる関連法の概要、容器包装リサイクル法とその改正に関わる改善点と問題点、LCA(Life Cycle Assessment:ライフサイクルアセスメント)からの容器に対する視点、リサイクルに対する我が国とヨーロッパの方向性、ゴミ処理の理想型と問題点などの切り口でゴミとリサイクルの課題を解説しています。


4章では、「グローバルリスク
として、最初にここ20年の世界の出来事から以下の5つの地球環境メガトレンドとして分類し、これに対する予測→対策・取組みが必要と述べています。
(1.気候変動/地球温暖化、2.降水の変化による食糧供給限界、3.化石燃料の限界とエネルギー戦略、4.貧困の克服と人口抑制、5.持続可能な生産と消費)
さらに気候変動、地球温暖化問題に関して現象、なぜ温暖化するか、温室効果ガス、コンピュータによる気候モデルシミュレーション、IPCCのシナリオ、NIES(国立環境研究所)のシナリオ、温暖化の影響、極端な温暖化に伴う海洋大循環の崩壊といった事項を取り上げ解説しています。


5章では、「地球の限界
として、資源とエネルギー関連の問題について、再生可能エネルギーとしての太陽エネルギーの利用、水資源の枯渇・不足に関する問題、日本の水資源とバーチャル水、世界の食糧事情、魚介類の消費拡大、世界の食糧問題、バイオ燃料に見る食糧とエネルギーとの関係等の事項について解説しています。


6章では、「人間活動の大きさと資源枯渇
として、地球環境に与える負荷は人間活動によって影響するとし、「1.貧困と飢餓の克服」をはじめとした8つの国連ミレニアム開発目標(MDGs)を解説し、世界の人口予測、ウガンダを例としたアフリカの急激な人口増と出生率と乳児死亡率、MDGsの人口抑制効果、世界的なエネルギー消費量の動向、自動車の増加問題、化石燃料の限界と長期ビジョンなどの事項を取り上げて解説しています。


7章では、「技術による解決
として、我が国の省エネ技術の進捗状況、水素エネルギー利用の問題点と展望、未来交通手段の方向性を示す『More by Less』の考え方、エコプレミアム商品の考え方、プリウスのエコミレニアム商品としての評価、筆者が個人的にエコプレミアム商品と認定する6製品、エコプレミアムニッケル水素充電池といった事項について解説しています。


8章では、「解決法の模索
として、最初に持続可能な生産と消費に関わるヨハネスブルグWSSD(World Summit for Sustainable Development)の内容をMDGsと対比して解説しています。また所得格差と環境負荷の関係についての『環境クズネッツカーブ』、交通部門のCO2排出量対策、環境負荷に関しての発展段階とデカップリングの関係、地球共生型シナリオ、アフリカの問題と対策、ODA(政府開発援助)の増額の必要性、日本の人口減少と英語の必要性、未来社会を決めるのは各個人の選択にかかっているといった事項について解説しています。


9章では、「最終結論
として、環境問題の解決は、技術50で、人の心が50との問題提起にはじまり、環境教育、世界の持続可能型教育のUNDESD(国連持続可能な教育のための10年)、モッタイナイの考え方、3種のエコライフ、個人生活と温暖化、建物設計と環境、街づくりと交通システム、豊かさに関わる心の問題、家庭生活、企業の在り方などを解説しています。結びでは、「今の日本だけでなく、未来も見通して人間にとって何が問題か、幸せとは何か、を議論することが本来の環境問題の解決策だと思われる」と述べ、市民の役割として実現できそうな5つのステップの実践を提言しています。


今日、個人としても企業人としても避けて通れない環境問題について幅広い視点から環境問題の歴史にはじまり、ごみとリサイクル、ローカルリスク、グローバルリスク、持続可能な開発といった総括的な内容を体系的に、特に長期的視点から深く掘り下げ分かり易く解説されています。


ISO 14001:2004の4.4.2項に関わる一般教育資料についても本書から要所を抜粋して活用することができると思われます。


本書は、環境問題に関心を持つすべての人に是非とも読んで頂きたい一冊です。


環境問題 (図解雑学)
ナツメ社
発売日:2008-07-04
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:27863

なお本書の概要目次は、以下です。
1章 環境問題とは何か
2章 ローカルリスクの削減
3章 ゴミとリサイクル
4章 グローバルリスク
5章 地球の限界
6章 人間活動の大きさと資源枯渇
7章 技術による解決
8章 解決法の模索
9章 最終結論






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  リサイクル地球温暖化などに関わる環境保護運動について1992年に「環境保護運動はどこが、間違っているか?」を発行し、更に1995年には、文庫本(増補版)化して論じてきた著者が、本体の構成は、そのままに今回は、最新の情報を反映した注を書き加えた形で改めて発行された本を紹介します。


本書:「環境保護運動はどこが間違っているのか? 」です。


本書は、エントロピーの世界的オーソリティとして知られる著者:槌田 敦 先生にて、2007年6月に宝島社から宝島社新書の一冊として発行されています。


本書が再々発行に至った背景には、環境問題が世界的な関心事として注目され、アル・ゴアの『不都合な真実』や「環境問題は、なぜウソがまかり通るのか」などが注目を集めた等の背景があるように思います。



本書の帯には、以下のように書かれてあります。


 ウソを信じていては、あなたの善意がムダになる


  誰もが「地球にやさしい」と信じてきたリサイクル

  そして地球温暖化問題などに、いかに多くのウソがあるかを


  エントロピーの世界的オーソリティが明らかにした、


  環境問題に関心をもつ人にとって必読の名著!!




本書の構成は、著者との対話形式で解説が進められています。イラストなど図表等は、極めて少なく、対話がどんどん続いていきます。プロローグにありますが、「みんながエコロジカルな生活をすれば、ほんとうに地球は救えるのでしょうか?」という視点が本書のテーマとなっています。


本書では、例えば、以下のような論点について誤っていると指摘しています。間違っているので正解は、ということになります。



牛乳パックはリサイクルすべき

 (筆者の意見によれば)→牛乳パックは焼却場で燃やそう(第1章)



分別収集でゴミ問題は解決する

 (筆者の意見によれば)→分別収集運動でゴミの捨て場が枯渇する(第4章)



科学技術でエネルギー問題は解決できる

 (筆者の意見によれば)→どんな科学技術でもエネルギー問題は解決できない(第8章)




環境問題は、なぜウソがまかり通るのか」でも感じましたが、環境問題の常識とされているものについて、ある種の条件下でそれが外れているような論点を取り上げ、その常識はウソだと論じているような印象が本書でもあります。確かに数学などの論理の世界では、一つの例外を挙げれば、そのロジックは誤っていることになります。しかし環境問題のような要因が複雑な事象については、ある部分は、仮説と危機感のもと科学的な裏付けを片方で積み上げ、実証データを固め、事象の実態を明らかにしながら、手遅れにならないように同時に対策を進めていくという現実的な対応が必要かと思われます。


 科学的に環境問題を論じることには、異論はないのですが、環境問題に関する解決策の方向性の一部に矛盾が生じていたとしても、「その解決策の方向は意味がない。あるいはウソだ。」として全ての取組をご破算にして混乱させてしまうのではなく、その矛盾に対して知恵を集めて社会的なコンセンサスのもと継続的に改善しつつ環境問題の汚染の予防の取組を推進していくような姿勢が必要ではないかと感じています。


 世界的にもインパクトの大きい環境問題の取組には、社会的なコンセンサスつくりが大切で、その意味で本書のような論点は、重要だと感じています。


環境保護運動はどこが間違っているのか?
宝島社
槌田 敦(著)
発売日:2007-06
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:37488


なお本書の目次は、以下の内容です。
プロローグ みんながエコロジカルな生活をすれば、ほんとうに地球は救えるのでしょうか?
第1章 牛乳パックはゴミ焼却場で燃やそう!
第2章 リサイクルも環境を汚染する!
第3章 自然を豊かにする、本物のリサイクルはどこにあるのか?
第4章 分別収集運動でゴミの捨て場が枯渇する!
第5章 恐るべき毒物・有機塩素と放射能をどうするか?
第6章 自然食だけでは偏食の害でからだを壊す!
第7章 炭酸ガスによる地球温暖化説には政治がらみのインチキがある!
第8章 どんな科学技術でもエネルギー問題は解決できない!
第9章 エコロジー運動は個人の倫理から社会の倫理へ
第10章 環境問題に「毒物等物品税」を導入する
第11章 未来の世代への責任を果たすために
増補1 リサイクルも経済原則の中で行うべきです
増補2 誇るべき「びん回収システム」を壊してはなりません
増補3 分別は資源を使う前にするべきです
増補4 家電製品の廃棄問題にはレンタル制が有効です
増補5 洪水も砂漠化も防げます
増補6 生ゴミはそのまま自然に返すのが正しい処理法です
増補7 自然のサイクルに返せば廃棄物処分場は不要です






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  昨今、環境をとるかそれとも経済かという二律背反(トレードオフ)のような関係に環境に関わる問題が取り上げられますが、このような二律背反の矛盾があるときに乗り越えるのが技術で、我が国の環境問題を克服していく技術開発がこれからのライフスタイルのあり方と含めて大いに注目されるところです。


 本日は、環境問題経済の基本的な関係からその捉え方について最新の分析をベースとして、日本の環境政策や排出権取引、京都議定書など、地球環境を再生し、資源の有効活用を進める取り組み、さらにはポスト京都議定書に関わる新たな展望までを分かり易く解説している本を紹介します。


本書:「環境経済入門<第3版>」です。

本書は、著者:三橋 規宏先生にて、2007年9月に日本経済新聞出版社より日経文庫の一冊として発行されています。


1998年に第一版が発行されて以降、環境と経済との関わりについてその基本の考え方から枠組み、そして我が国の環境政策の概要について分かり易く解説するテキストとして広く読み続けられてきた文庫の第3版になります。


本書では、第2版から、新たに2章:「地球温暖化と経済活動」ならびに6章:「環境経済学の視点」が追加されるなども含めて、全体的に内容も改訂されています。


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


基本的考え方からポスト京都議定書まで!


地球環境を再生し、資源の有効利用を進める取組をやさしく解説


好評のロングセラー・テキストを大改訂



本書の「まえがき」で本書で力点を置いたポイントとして著者は、以下のように述べています。

「本書は、なぜ私たちが地球の限界に突き当たってしまったのか、ワンウェイ型の経済システムを円形の、別の言葉でいえば、循環型の経済システムに転換させるためにはどうしたらよいか、さらにそれを支える理論・考え方などについて、できるだけ体系的かつ簡潔に説明することに重点を置いています
(略)
この一冊を読めば、環境と経済の基本的な考え方や枠組み、日本の環境政策の現状が理解できるように工夫したつもりです。」


本書は、7章(1:「地球環境と経済」から終章:「資源循環型社会への道」まで)から構成され、まさに地球環境経済にまつわる理論・考え方から環境政策の現状までの全体像がしっかりと展望できるように解説されています。



各章の最初にその章に関するエッセンスが、3点の箇条書きで要約され、その章の意図している点が分かり易くまとめてあります。

また全般的に内容を解説するにあたり、多くの図表が用いられ分かり易い説明となっています。


さらに地球環境問題に関する「不都合な真実」や「スターン報告書」などの関連するトピックスなどが多数盛り込まれ、環境経済について体系的に学ぶのにお奨めの一冊です。


最終章の結びで筆者は、「資源循環型社会に向けての道」について、以下のように述べており印象的で、共感します。


「「不都合な真実」に目を逸らさず、真正面から真実に向き合う勇気、科学的知見を受け入れる度量、それに基づく先見性をもった行動こそが、持続可能な新しい地球文明を構築する道につながるのではないでしょうか。」




環境経済入門 第3版 (日経文庫 A 36)
日本経済新聞出版社
三橋 規宏(著)
発売日:2007-09
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:35096


なお本書の目次は、以下の内容です。
1.地球環境と経済
2.地球温暖化と経済活動
3.環境政策の歴史
4.環境関連諸法と物質循環
5.経済学からのアプローチ
6.環境経済学の視点
終章 資源循環型社会への道





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 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の前著は、25万部売れたとのこと。


前著は、こちらのブログでも紹介しましたが、人気のテレビ番組:「たかじんのそこまで言って委員会」の影響もあって注目を集め、環境問題について、単に報道されている情報をそのまま信じるということでなく、科学的なデータに基づく視点の重要性について警鐘を与えたインパクトのある内容でした


本日紹介するのは、その続編。


 著者によると今回の続編の執筆に至った背景は、昨今の「地球温暖化」に関する情報について客観的で正確でない情報が伝えられていないのではと感じたためとのこと。


 本書では、地球温暖化に関わる京都議定書の持つ政治性な背景からはじまり、また筆者が得意とするリサイクル問題についての前著で寄せられた意見などへの反論、環境行政を司る環境省の内実、さらに危機をあおりがちなメディア・バイアスの問題などをテーマにして、「エコ常識のウソ」について環境問題の本質を捉えるための視点を論じています。


本書:「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」です。


「The Lie of an Environmental Problem2」(環境問題の嘘2)との英文のタイトルが付いています。


本書は、著者:武田邦彦先生にて、2007年9月に洋泉社よりYosensha Paperbacks (029)としてペーパーバックにて発行されています。


本書の表紙にも結構センセーショナルでアジテートするような以下の言葉が記載されています。



・京都議定書は、「現代の不平等条約」だ!


・二酸化炭素を削減しているのは日本だけ?


・バイオ燃料は誰にとって好都合な燃料か?


・レジ袋削減とエコバッグ推奨運動は大間違い!


・リサイクルは「資源のムダ使い」「利権の温床」だ!


ますます膨らむ「環境バブル」「エコの空騒ぎ」に
「NO」を突きつける
!!



また本書の帯にも以下のように書かれています。


「前著の反論にも完全回答!


また目からウロコ!


まだまだこんなにある「エコ常識のウソ」」



本書は、前著よりもボリュームがアップしています。上に紹介した表紙の表裏ならびに帯の部分の言葉はかなり刺激的ですが、科学者として、「エコ常識の嘘について客観的なデータに基づき問題提起する」という基本スタンスに立っています。


本書は、「環境政策を疑え」とするintroductionにはじまり、5つの章から構成されています。


第1章では、「地球温暖化環境問題ではなく政治問題だ----二酸化炭素を削減しているのは日本だけ? 」
として、京都議定書に絡む政治的駆け引きの問題。「地球温暖化」にまつわる報道の適切でない点。「京都議定書」を遵守することの意味などの内容について地球温暖化が政治問題として利用される懸念について論じています。


第2章では、「バイオ燃料が世界の格差を拡大させる----バイオ燃料は誰にとって都合のいい燃料か? 」
として、バイオ燃料についても政策的な面からの背景について解説し、バイオ燃料自体が地球に優しい燃料かとし、バイオ燃焼は、必ずしも、燃焼させても二酸化炭素が増えない:「カーボンニュートラル」とは言い難いのではないかと問題提起しています。さらにバイオエタノールは、食糧が不足している発展途上国の人々を追い詰める決して「環境にいい」政策とは言えないのではとしています。とくに海外の政治的な戦略に対する我が国が取るべき選択肢について提示しています。


第3章では、「意味のないリサイクルを早く止めないか----みんな気付きはじめたリサイクルのムダ 」
として、リサイクルに関わる観念的な思いこみのようなものを排除し、リサイクルに関するムダを今一度、冷静に科学的に見直してみる必要性を説いています。


第4章では、「環境問題はどうして正しく伝わらないのか----環境省、専門家、メディアの抱える病理」
として、省庁間の縦割り行政ため横断的な環境問題の取組が進みにくいこと。専門家の「競争的研究資金」による縛りの問題。どうして事実と違う報道がされていますのかの背景。などの課題に切り込んでいます。


第5章 「〈対談〉武田邦彦×池田清彦 環境問題のここがヘン!----環境政策を疑い、監視せよ」
として、『環境問題のウソ』の著者との環境政策について科学的な観点から監視することの必要性について各種論点から対談をしています。本書の各章の論点のレビューするような内容になっています。


環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks (029))
洋泉社
武田邦彦(著)
発売日:2007-09-12
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:88
おすすめ度:4.5
おすすめ度3 温暖化問題の記述には「?」 
おすすめ度4 環境問題に対する分析と評価は的確なのだが
おすすめ度5 確かに、前作より充実
おすすめ度5 クールビズ? レジ袋の廃止? それは本当に環境のためか
おすすめ度5 金の動くところに利権がある,まさに政治問題


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 地球温暖化は環境問題ではなく政治問題だ
第2章 バイオ燃料が世界の格差を拡大させる
第3章 意味のないリサイクルを早くやめないか
第4章 環境問題はどうして正しく伝わらないのか
第5章 対談 武田邦彦×池田清彦 環境問題のここがヘン!





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「地球環境をこれ以上悪化させたくない、子供のために改善していきたい」という願いは今や地球全体で誰にとっても疑いなく共有されうる前提として話が進んでいる。これに反対したり、異説を唱えたりすることは変わりものだと思われたり、白い目で見られるため、非常に難しい状況になっている。

しかし、こうした地球にやさしいはずの環境活動が錦の御旗と化し、科学的な議論を斥け、合理的な判断を妨げているとしたらどうだろうか。環境活動という大義名分の下に、人々を欺き、むしろ環境を悪化させているとしたら−。」

これは、本書のInntoroduction:「環境問題が人をだます時」の冒頭の言葉を引用したもの。

 名古屋大学の工学部からこの4月1日に中部大学総合工学研究所 教授(副所長)で異動されていますが、「エコロジー幻想」、「リサイクル幻想」、「リサイクル汚染列島」、「リサイクルしてはいけない」などの著書で知られる武田 邦彦先生が環境問題について科学的観点から警鐘を鳴らしておられる本を紹介します。

こちらが武田 邦彦先生のホームページになります。

本書:「 環境問題はなぜウソがまかり通るのか 」です。

本書は、著者:武田 邦彦先生にて、2007年3月に洋泉社より発行されています。

洋泉社ペーパーバックスのシリーズの一冊になります。

本書の表紙には、汚れた地球を両手に抱えた写真が掲載されてありますが、そこには、以下のように書かれてあります。

「京都議定書ぐらいでは

地球温暖化は食い止められない。

ダイオキシンはいかにして

史上最悪の猛毒に仕立て上げられたか、

官製リサイクル運動が隠してきた非効率性と利益誘導の実態とは?」

またその下には、次のように書かれてあります。

「錦の御旗と化した「地球にやさしい」環境活動が、

往々にして科学的な議論を斥け、人々を欺き、

むしろ環境を悪化させている!」

さらに本書の帯には、次のように書かれてあります。

「たかじんのそこまで言って委員会」

環境戦争勃発中!   で話題騒然!

地球をめぐるもう一つの真実!?

本書は、第1章から第6章までの6つの章から構成されています。

第1章では、「資源7倍、ごみ7倍になるリサイクル」
として、ペットボトルのリサイクルについてかねてからのLCA的な観点から、ペットボトルのリサイクルで環境を汚している。分別回収した方がごみが増える? などペットボトルのリサイクルに資源を7倍使っていると問題提起しています。ペットボトルのリサイクルについて、そのほとんどがマテリアルリサイクルでなく、サーマルリサイクルで処理されている実態を提起し、ペットボトルを分別しても資源にはならないので、一般ゴミと一緒に燃やすのが適切との論を展開されています。ペットボトルのリサイクルより、自動車の量を減らす方が格段に環境にやさしく本質的などとしています。

第2章 では、「ダイオキシンはいかにして猛毒に仕立て上げられたか」
として、ダイオキシンは本当に猛毒なのか?を調査した結果、それほど毒性がないとし、かって撒かれていた農薬によって日本の水田のダイオキシンの量は、ベトナム戦争で散布された量の8倍あったとしている。このようなダイオキシン危険説についてつくられたダイオキシン騒動としてその反駁論を展開しています。さらに環境ホルモンが問題とされた背景や毒性の強いPCBをダイオキシン類として分類された背景などを取り上げています。

第3章では、「地球温暖化で頻発する故意の誤報」
として、地球温暖化騒ぎの元になったそもそもの仮想記事との新聞記事を紹介しています。また南極大陸の気温はむしろ低下していた。北極の氷が溶けて海水面が上がるという言説は、アルキメデスの原理から誤りであること。南極大陸の気温はむしろ低下していたなどを取り上げ、京都議定書ぐらいでは地球温暖化を防げないなどの論を展開し、「少しでも得しよう、お金を儲けようとはせすに、人生にもっと大事なこと-家族、友達、ゆったりした時間−そんなことを大切にしていれば、地球温暖化は自然消滅する」と論じています。

第4章 では、「チリ紙交換屋は街からなぜいなくなったのか」
とし、紙のリサイクルに対する先入観と誤解、森林資源破壊の元凶にされてしまった紙などから「紙のリサイクル」については民から官への逆転現象が起きているとし、環境問題が孕んでいる矛盾として、自分だけの健康が守られれば良いのかとマラリアとDDTとの関連について言及し問題提起しています。

第5章では、「環境問題を弄ぶ人たち」
として、「環境トラウマ」に陥った日本人として、本当の環境問題の一つは石油の枯渇である。石油が無くなれば、農業の生産性も著しく低下し、食糧問題にも発展するとしています。

 筆者の正義感が怒りの糾弾の言葉となって強い口調の展開になっていますが、「おわりに」に筆者が書いている。以下の言葉に強い共感を覚える。

「もっと心豊かで平和であり、真面目に着実に働く人が尊敬される牧歌的でシンプルな社会をもう一度つくり直すということに心をおいた方が余程、環境問題に向き合うと思う。」

環境問題はなぜウソがまかり通るのか
洋泉社
武田 邦彦(著)
発売日:2007-02
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:1
おすすめ度:4.0
おすすめ度5 バランス材として
おすすめ度3 まぁまぁおもろいけど
おすすめ度4 環境破壊はこまるけど、原始時代生活も困る。
おすすめ度5 コンキチ&ナターシャの絵本ナビ
おすすめ度3 官僚が行っているリサイクルの欺瞞を解き明かせ・・?!(;'Д`)ハァハァ

なお本書の目次は、以下の内容です。
Introduction 環境問題が人をだます時
第1章 資源7倍、ごみ7倍になるリサイクル
第2章 ダイオキシンはいかにして猛毒に仕立て上げられたか
第3章 地球温暖化問題で頻発する故意の誤報 
第4章 チリ紙交換屋は街からなぜいなくなったのか
第5章 環境問題を弄ぶ人たち 

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 環境庁の技官を経て、現在、大学の人間環境学部で教鞭をとる著者が、地球温暖化、環境ホルモン、電磁波、ガン、アトピー、狂牛病、水道水などの環境科学についての「専門家の常識」「理科系の常識」が一般の人たちに伝わっていないとの現状から、理科が苦手な人も含めて『環境の科学』の実態について解説している本を紹介します。

本書:「 環境問題の杞憂 」です。

本書は、著者:藤倉 良 先生で、2006年11月に新潮社より,新潮新書の一冊として発行されています。

本書の帯には、以下のように書かれてあります。

「地球温暖化、環境ホルモン、電磁波、

ガン、アトピー、狂牛病、水道水……

根拠なき不安を

打ち破る!」

「<、あれそんなに

悪くないじゃない!>>

日本は「世界一健康に良い国」

環境問題で寿命は縮まない

ガンもアトピーも増えていない

日本の国土は酸性雨に強い

水道水はもっとも「安全」な水」

また本書の表紙の折り返し部には、以下のように書かれてあります。

「「環境」に関する話題については、日常生活や健康に身近なテーマとして関心が高い一方で、驚くべき誤解や非常識が世間一般にまかり通っています。

一面的な悲観論に振り回されてストレスを溜めたり、不要な努力や出費を強いられたりするのは、なんともばからしい。

地球環境から健康器具まで、中学・高校レベルの科学知識で冷静に捉え直してみれば――。

意外にシンプルで「悪くない」環境問題の現実が見えてきます!」

本書の5章「環境の『常識』に惑わされない」で著者は、以下のように述べています。

「それでは、生活者としての私たちは、どうすればよいのでしょうか。

(略)

私個人は、地球温暖化が最大の脅威だと思っていますし、化石燃料の消費を抑える努力は全世界でやらなければいけないと思っています。

本書で触れることはできませんでしたが、国内では廃棄物をどうするかが重要な問題です。(略)

 けれども、「環境」に気を使いすぎるあまり、マスコミに時々出てくるあやしげな「危険情報」に惑わされ、ストレスを溜め込む必要はありません。(略)

 簡単に言えば、マスメディアで言われていることをそのまま鵜呑みにしない。

その情報源にまでさかのぼってみる。

行政の見解を調べてみる。

そのためにはインターネットは重要なツールであるということです。」

以上のように環境問題について科学的なデータに基づき冷静に判断することの重要性を説いています。

環境問題について環境科学の観点から考えるきっかけになる一冊と思います。

環境問題の杞憂
新潮社
藤倉 良(著)
発売日:2006-11-16
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:6058

なお本書の目次は、以下の通りです。まえがき
1、日本も捨てたものじゃない
日本は世界一健康に良い国である
日本はドイツ以上の環境大国である
日本の環境は年々良くなっている
悪いニュースばかり聞こえてくる理由
2、健康不安に打ち勝つ
環境ホルモンとはなんだったのか
風呂場は路上より危険である
環境問題で寿命は縮まない
ガンもアトピーも「増えて」いない
何が人をガンにするか
本当に気にすべき「食の安全」とは
電磁波が人体に与える影響
3、所詮は人が決めたこと
なぜフロンは禁止されたか
環境に関するふたつの基準
基準は気合いで決まる
ダイオキシン、ここまでなら大丈夫
環境基準を決める
水道水はもっとも「安全」な水である
4、暮らしやすい地球のために
地球は温暖化していない?
温暖化が寒冷化をもたらす?
災害への備えは金利で決まる
環境税は払いたくないことに効果がある
日本の国土は酸性雨に強い
5、環境の「常識」に惑わされない
江戸は環境都市ではなかった?
ディーゼル車vsガソリン車、合成洗剤vs石鹸
「環境にやさしい」とはどういうことか
規制の代償
環境科学はわからないことばかり
忘れてはならない費用対効果
あとがき

<<『環境問題の杞憂』に関するブログを読む>>

『環境問題の杞憂』
藤倉良、2006、『環境問題の杞憂』、新潮新書本書は、マスコミでエキセントリックに 取り上げられがちな環境問題について、改めて冷静にさまざまな立場で考え直そうと言う 趣旨で書かれている。 冒頭、日本人男女の平均余命の長さ(世界の長寿国であること ...
「環境問題の杞憂」
環境問題の杞憂/藤倉 良¥735Amazon.co.jp杞憂(きゆう)《中国古代の杞の人が天が 崩れ落ちてきはしないかと心配したという、「列子」天瑞の故事から》心配する必要の ないことをあれこれ心配すること。取り越し苦労。「―に終わる」 典型七公害は受益圏と ...
環境問題の杞憂
さらには著者の苦労とその足跡を高く評価したい一冊でもある。 にほんブログ村 本ブ ログ 書評・レビューへ. 人気blogランキングへ. 環境問題の杞憂, 環境問題の杞憂 藤倉 良新潮社 2006-11-16 売り上げランキング : 7662 Amazonで詳しく見る by G-Tools.
[books]環境問題の杞憂/ 藤倉良
ISBN:4106101920:image 要するに「マスメディアのは思いつきで、いいかげんで、扇情的」 ってことを嘆いている本。この手の本はけっこう好き。
[購書]『人権と国家』『環境問題の杞憂』『「お墓」の誕生』『沈夫人の ...
環境問題の杞憂. 環境問題の杞憂. 作者: 藤倉良; 出版社/メーカー: 新潮社; メディア: 新書. 「お墓」の誕生―死者祭祀の民俗誌. 「お墓」の誕生―死者祭祀の民俗誌. 作者: 岩田重則; 出版社/メーカー: 岩波書店; メディア: 新書. 沈夫人の料理人 4 (4) ...
11月15日の入荷本から。
●時事『環境問題の杞憂』 藤倉 良税込735円新潮新書/新潮社4106101920 環境問題に 関して言われていることには、根拠があいまいな、あるいは検証の不十分な「通説」が 多いのだというこの本は検証志向。 bk1 ●読むと書く 「書ける人」になるブログ文章 ...
新刊新書 新潮社2006年11月分
新潮新書『環境問題の杞憂』藤倉良『大奥の奥』鈴木由紀子『会議で事件を起こせ』山田 豊『伊勢発見』立松和平.

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環境問題が企業経営に与える影響はますます大きくなっています。特に地球環境問題は、誰もが被害者、誰もが加害者になりうる面を備えています。

最新の情報も取り込んで、環境問題について分かり易く解説している入門書を紹介します。

本書:「環境問題入門」です。

本書は、小林 辰男氏並びに青木 慎一 氏著で、本年の7月に日本経済新聞社から日経文庫ベーシックのシリーズとして発行されています。

筆者は、いずれも科学技術分野のジャーナリストです。

本書のまえがきには、以下のことが記載されています。

企業や消費者の環境問題への意識はかってなく高まっていますが、温暖化対策は遅々として進まず、事態は悪化の一途です。対策には豊かな生活を前提としたライフスタイルを変える必要があるのですが、人は一度享受した利便性や快楽を捨てられない動物です。しかし地球を沈没させないための対策は早ければ早いほど,地球号の乗組員である我々自身の痛みは小さくてすみます。「持続可能な生活スタイル」をいやでも考えなくてはならない時代です。
 この本が,我々の子供や孫の代に緑豊かな地球を残せる一助になれば,幸いです
。」

と本書で意図した目的を記載しています。

本書の裏表紙には、POINTとして,以下のように書かれてあります。

  • 企業にとっても一市民としても環境問題は,必須科目。多岐にわたるもんだいの本質をやさしく解説します。
  • 地球温暖化の現状と温暖化防止策を決めた京都議定書体制、排出権取引などの対策の最前線がよくわかります。
  • レジ袋の減量を推進する改正容器包装リサイクル法など、最新の法制度にも触れています。
  • 環境問題の現実をつかめるよう写真、図表を数多く盛り込みました。また、専門的な用語に関しては、コラム「用語解説」でしっかり学べます。

ポケットサイズの新書版なので、通勤や出張途中などに読みのに適しています。

ISO14001の関係からすると本書は、内容を抜粋して、最新の環境問題についての一般教育等のテキストを作成される際にも参考になると思います。

ベーシック環境問題入門
日本経済新聞社
小林 辰男(著)青木 慎一(著)
発売日:2006-07
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:93024

なお本書の目次は、以下の内容です。
プロローグ――チャート(全体の流れとポイント)
I 環境問題とは何か
 1 環境問題―誰もが被害者、加害者
 2 温暖化や大気汚染、被害は地球規模に
 3 加害者・被害者が明確だった公害
 4 公害克服は確実に進展
 5 急がれる環境問題への対応
II 止まらない地球温暖化
 1 増え続ける温暖化(温室効果)ガスの排出
 2 異常気象が頻発
 3 消える森林・生物の多様性
 4 人口爆発・経済成長が温暖化を加速
 5 京都議定書体制は崩壊の危機
III 地球温暖化防止と経済的手段
 1 京都メカニズムとは
 2 欧米勢が先行する排出権取引
 3 賛否両論の環境税
 4 温室効果ガスの削減は法規制より経済的手法が有効
IV 地球環境とエネルギー
 1 赤信号の6%削減
 2 頼れない原発
 3 主役になれない新エネルギー
 4 省エネルギーは世界一の水準
V 使い捨て社会から循環型社会へ
 1 急がれる循環型社会への移行
 2 リサイクルから3つの「R」へ
 3 進む技術革新
 4 コストの負担は誰が?
VI 強化されるリサイクル法制度
 1 バブル経済に伴う大量消費がリサイクルへの転換点
 2 進むレジ袋有料化――容器包装リサイクル法
 3 食品廃棄物の削減狙う――食品リサイクル法
 4 薄型テレビなども対象に――家電リサイクル法
 5 汚泥や「困難物」も再利用へ――建築リサイクル法  他
VII 企業・消費者の対応と役割
 1 環境をテコに競争力
 2 成功したフロン対策
 3 ゼロエミッション(廃棄物ゼロ)への挑戦
 4 温暖化対策に決め手なし
 5 環境は強力なブランドに
エピローグ――歴史から学ぶ
参考文献


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