ISO 9001の2008年改訂に対応してISO 9001の入門書の「これだけは知っておきたい 完全図解 ISO9001の基礎知識126」(「ISOの本棚」でも紹介)が改訂されています。
この本は、ISO 9001 規格の品質マネジメントシステム(以降、QMSと略)の基礎知識について、1テーマについて1ページで、イラストや図表チャートを用いた「完全図解」により体系的に解説してある入門書です。
ISO 9001規格について、初めて接するが良く分らない。
しかしながら今更、人にも聞きにくいというような人のニーズに応え、
ISOとは何かからQMS構築、認証取得の手順などを一目でわかるようして分り易く解説しています。
<<ポイント>>
ISOに初めて接する人にも完全図解にて分かり易く解説しているISO9001の入門書。
本書では、
- ISOとは何か
- 審査登録の仕組み
- QMSの基本の考え方
- ISO9001:2008規格要求事項の解説
- システム構築のポイント
- 内部監査の進め方
に至るまでの126の基本知識について、1テーマ1ページにてイラストと図表チャートとを融合させた「完全図解」で解説しています。
本書:「これだけは知っておきたい 完全図解ISO9001の基礎知識126―第2版 2008年改正対応」です。
本書は、著者:大浜 庄司氏にて、2009年8月に日刊工業新聞より発行されています。
<<本書のエッセンスの一部>>
本書は、8章から構成されています。
以下章を追って概要を紹介します。
第1章では、「ISOとは国際規格を制定するところ」
と題して、ISOとは何かの理解にはじまり、ISOの組織、国際規格と国家規格、マネジメントシステム規格の種類、ISO9000ファミリー規格の誕生と現在までの経緯、ISOのTS176委員会の活動と役割、ISO9000ファミリー規格と自動車、航空宇宙、電気通信、医療用具などのセクター規格との関係といったテーマを取り上げ解説しています。
第2章では、「認定・認証制度とは適合性を検証し認定・認証するしくみ」
と題して、認定・認証制度とはどのような仕組みかといった事項等を取り上げ解説しています。
認定制度、認証制度の仕組みと概要、認証機関の選定の仕方と申請から認証に至る手順、認証機関で審査できる認証範囲、認証機関による審査の種類とその概要、更には認証取得によるメリット、どのような業種の組織がこれまでに認証を取得しているか等を解説しています。
第3章では、「組織は顧客要求事項を満たす製品を提供する」
と題して、組織が顧客に製品を提供する上で行うべきことと発生してくる問題の解決の方法を解説しています。
組織は顧客要求事項を満たす製品を提供するするには、経営者から担当者まで業務(プロセス)を分担すればよいかを定め、管理することが必要で、その管理する仕組みがQMSと説いています。
また製品のQ・C・D(品質・価格・納期)の3要素、製品品質の4つの品質側面、PDCAサイクル、問題点の検出と改善活動、問題解決の手順、QC手法の活用などを取り上げ解説しています。
第4章では、「品質マネジメントシステムの基本を知る」
と題して、QMSとはどのようなものかといった点について解説しています。
『マネジメント』、『品質マネジメント』等の用語の理解にはじまり、品質マネジメントの8つの原則について、2項目ずつ解説しています。
また文書化の役割、文書の種類とその違い、「プロセス」、「プロセスアプローチ」の意味、製造業と建設業のQMS体系、「製品」という用語の意味する内容といったQMSの基本を解説しています。
第5章では、「ISO9000ファミリー規格の構成を知る」
と題して、コア規格(ISO9000、ISO9001、ISO9004、ISO19011)とその他の規格、技術報告書TR、技術仕様書TS、小冊子から構成されるISO9000ファミリー規格の基礎概念、からISO9001を重点に各コア規格の概要等について解説しています。
第6章では、「ISO9001規格の要求事項の解釈を知る」
と題して、ISO9001:2008(JISQ9001:2008)規格の要求事項について全体像の解説からはじまり、PDCAの関わり、序文(0.1項)から8.5.3項までの条項番号順に、1ページ1条項について解説し、
またこの章の終わりに、「製品実現のプロセス」のフロー図とQMS構築の手順をまとめています。
テーマの解説についての構成は、図を上段に配して、趣旨を示すサブ表題を併記し、規格要求事項をそのまま記載するのではなく、その意図するところについて口語式の読み物風の表現で解説しています。
また重要な用語については、ISO9000:2005(JISQ9000:2006「基本及び用語」)から定義を引用し解説してあります。
第7章では、「品質マネジメントシステム構築・運用成功の秘訣」
と題して、組織がISO9001規格に基づくQMSを構築し、運用する手順等のポイントを解説しています。
ISO9001の構築・運用の基本の流れ、ISO9001の要求事項と部門責任のマトリックス、組織の長の役割、部門がQMS構築・運用において実施すべき事項、認証を取得するのに必要な費用、ISO9001の導入から認証取得までの手順、トップの導入決意、認証/登録の範囲の決定、キックオフ、推進体制、プロジェクト・事務局の役割、推進計画の立案のポイント、推進計画の例、認証機関の選定と申請、ISO9001関連教育の実施、業務の現状把握、システム構築の進捗管理、文書体系の確立、マニュアル・システム文書の作成、運用と必要な記録、受審準備、審査を受けるといった各事項について解説しています。
第8章では、「内部監査の基本を習得する」
と題して、内部監査とはどのようなものか、また内部監査はどのように実施するか等の基本を解説しています。
内部監査の手順の解説にはじまり、監査プログラムの策定、監査の準備、現地監査の実施の要領、監査所見と最終会議、監査報告書、フォローアップまでの活動について、
監査に関わる関係者の役割、監査、監査基準、監査証拠などの用語の意味など交えて解説しています。
<<ISO 9001:2008の関係書籍>>
「ISOの本棚」のブログですでに紹介した以下のような『ISO 9001:2008』に関する本がありますのでご参照下さい。
-
ISO9001:2008(JIS Q9001:2008)要求事項の解説}
-
ISO9001新旧規格の対照と解説
-
対訳ISO9001:2008(JIS Q9001:2008) 品質マネジメントの国際規格
-
新ISO9001わかりやすい解釈
-
2008年版対応 ISO9001規格のここがわからない
-
ISO9000入門 改訂版―2008年改正対応
-
2008年改正対応 ISO 9001本審査問答集
-
審査員が教えるISO9001実践導入マニュアル
-
取る前に読む本ISO9001編 2008年版対応
-
ISO 9001:2008 内部監査の実際
-
ISO9001新・解体新書―2008年版対応
-
図解ISO9001早わかり 2008年12月最新改訂版完全対応
-
ISO9001内部監査指摘ノウハウ集〈2008年改正対応〉
-
ISO9001内部品質監査の実務知識早わかり(改訂4版)
-
現場視点で読み解くISO9001:2008の実践的解釈
-
最新版 図解でわかるISO9001のすべて
<<本書で何が学べるか?>>
本書は、これから取得に取り組む組織を対象に企画されたと思われますが、ISO9001の認証をすでに取得している組織にとってもISO9001の全体が分かり易い解説で示されてありますのでこの内容を抜粋して新人教育用のテキストや自部門の仕事に関係するプロセスについての規格要求事項のポイントを改めて見直すための参考資料等として活用できる内容です。
<<まとめ>>
本書は、ISO9001に取り組む際の最初の入門書として、またQMSにおける新人教育用のテキスト等の目的にお薦めの一冊です。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ISOとは国際規格を制定するところ
第2章 認定・認証制度とは適合性を検証し認定・認証するしくみ
第3章 組織は顧客要求事項を満たす製品を提供する
第4章 品質マネジメントシステムの基本を知る
第5章 ISO9000ファミリー規格の構成を知る
第6章 ISO9001規格の要求事項の解釈を知る
第7章 品質マネジメントシステム構築・運用成功の秘訣
第8章 内部監査の基本を習得する
これだけは知っておきたい 完全図解ISO9001の基礎知識126 第2版
(広告)