OHSAS 18001:2007 規格では、リスクアセスメントについて以下のように定義しています。


危険源から生じるリスクを評価するプロセスで、かつ、既存のすべての管理策の妥当性を考慮し、リスクが受容可能であるか否かを決定するもの

また労働安全衛生法第28条の2項において、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置」として、

製造業や建設業等の事業場の事業者は、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務


とされ、その適切かつ有効の実施のために、厚生労働省から「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が公表されています。


とくに危険性又は有害性等の調査」との用語は、ILO(国際労働機関)等において「リスクアセスメント(risk assessment)」等の用語で表現されているものであることとされています。


OHSAS18001:2007 規格の4.3.1項「危険源の特定、リスクアセスメント及び管理策の決定」の要求事項に関わる手順を確立し、妥当なリスクアセスメントを実施するとなるとなかなか難しい面があります


本書の「はじめに」でリスクアセスメント適正評価に関わる課題について以下のように述べています。


  1. .死亡災害が多発している作業でも、その危険性が十分に評価されていないものがある。特に作業の難易度が低いと死亡災害が多発していてもリスクが低く評価される場合がある
  2. 災害受傷程度の重大性は、自らの過去の経験だけをよりどころにリスクを見積もる傾向があり、グループメンバーの一人が経験した最も重大な災害に従いがちで、適性評価とは言えないおそれがある。
  3. リスクを適性に評価するためには科学的根拠が必要になるが、既往の労働災害データ分析は個別作業まで踏み込んでらず、その活用には限界がある。

スタートになるリスクアセスメントを間違えてしまうと管理策もマネジメントシステムも意味が無くなってしまいます。


本書の筆者らは、平成16年から平成18年に発生した我が国の建設業の死亡災害を対象に調査し、作業別等に分析し、土木工事建築工事のそれぞれについて建設現場におけるリスクアセスメントの実施の際に役立てることが出来るように特に重篤度が高い作業等を抽出・整理されたとのこと。


また最近工事量が増加しているリフォーム工事を対象に、典型的なリフォーム災害工事特有事故を抽出し、その特徴と共に安全対策の方向性について示したとのこと。


本日は、建設工事に関わる安全リスクに関して死亡災害の徹底分析をもとに重篤度の高い作業等を抽出・整理し事例と共に解説している本を紹介します。


<<ポイント>>


建設リスクアセスメントの実施に参考となる死亡災害の徹底分析で重篤度の高い作業等を抽出・整理している本


本書では、


建設現場における適切なリスクアセスメントの実施の観点から


平成16年-18年に発生した日本の建設業の死亡災害を分析し、土木工事建築工事に分けて、イラストと解説文を交えて特に重篤度が高い作業等を抽出・掲載しています


例えば、土木工事については、現場共通から、仮設工事、土工事、躯体工事等、職業性疾病・過重労働、特定工事関連作業、その他といった項目に区分して解説しています。


測量、写真撮影、除雪作業、人力による小運搬、現場内の人の移動等での思わぬ重篤災害の発生についても取り上げています。


また、リフォーム工事特有の災害や、行政施策から学ぶ労働災害防止策についても収録しています。


本書:「建設現場のリスク適正評価ガイド [重篤度評価編]」です。


本書は、高木 元也 氏の編著にて、2009年10月に労働調査会より「安全衛生選書」の一冊として発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれています。


本邦初!建設リスクの本質を解明!

  • 死亡災害の徹底分析で重篤度の高い作業等を抽出・整理。
  • 「人的余裕がない」「方法がわからない」小規模事業者向け。
  • 測量、写真撮影、除雪作業、人力による小運搬、現場内の人の移動等での思わぬ重篤災害も!
  • 自社の少ない災害事例の活用分析やベテラン社員の経験頼りだけではリスク過小評価の落とし穴に!

リスクアセスメントに本当に役立つ本!


本書は、5章から構成されています。


ざっと章を追って概要を紹介します。


第1章では、「リスク適正評価ガイドについて
と題して、本書が提供しているようなリスク適性評価ガイドがなぜ必要かといった点の解説にはじまり、リスク適性評価に役立つ労働災害分析データ分析の設定条件を解説しています。


リスクアセスメント適正評価に関わる課題として紹介した3点の問題点に集約される実態調査の内容を詳細に解説しています。


また筆者らが行った建設会社の安全担当者へのアンケート(908件の有効回答数)の労働災害発生状況認識度調査の結果を分析し、死亡災害データと認識にズレが生じていることを示し、本書のようなガイドの必要性を確認しています。


また労働災害データ分析の設定条件についてどのようにして実施したかを解説しています。


第2章では、「土木工事編(特に重篤度が高い作業等)
では、平成16年から18年に発生した土木工事の死亡災害について死亡災害分析に基づく特に重篤度が高い作業を抽出・整理して解説しています


最初に「土木工事編:特に重篤度が高い作業等一覧」にまとめてあります。


以下のような作業項目に区分してあります。


A:現場共通(8項目:01重機の移動等)

B:仮設工事(土止め支保工組立・解体作業は除く)(1項目:01仮設の足場・橋・揚重機等設置・解体作業)

C:土工事(8項目:01立木の伐採・伐倒、草刈り等作業など)

D:躯体工事等(9項目:01基礎工関連作業など)

E:職業性疾病・過重労働(3項目:01熱中症など)

F:特定工事関連作業(6項目:01ダム工事関連作業など)

G:その他(2項目:01除雪作業など)


ここでの解説は、例えば、


A:現場共通では、


A01:『重機の移動等(トラック等による運搬作業含む(67人)』とのタイトルに続き、
「その全体的な解説文」、「重機の移動等による死亡災害の内訳」をまとめた表、


前記の表で「重機走行中等、重機が転倒・転落等」(死亡者数24人)など数項目が取り上げられているが、取り上げられた作業についての事故が発生した状況の解説、一部にイラストも含む、さらに事例解説が事故例毎に箇条書きで順次解説されるという構成になっています。


第3章では、「建築工事編(特に重篤度が高い作業等)
では、平成16年から18年に発生した建築工事の死亡災害について死亡災害分析に基づく特に重篤度が高い作業を抽出・整理して解説しています。


最初に「建築工事編:特に重篤度が高い作業等一覧」にまとめてあります。


また以下のような作業項目に区分してあります。


A:現場共通(14項目:02クレーン・ドラグショベル等による荷上げ・荷下ろし等作業ほか)

B:仮設工事(土止め支保工組立・解体作業は除く)(1項目:01足場組立・解体作業)

C:土工事(6項目:02掘削作業ほか)

D:躯体工事等(8項目:02型枠組立・解体作業ほか)

E:仕上げ工事(8項目:02塗装作業ほか)

F:建築設備工事(2項目:01電気通信作業ほか)

G:建物解体工事等(1項目:建物解体作業)

H:職業性疾病・過重労(3項目:02一酸化炭素中毒・溶剤中毒等)

I:その他(1項目:01台風被害に伴う復旧作業)


本書の解説の構成は、2章の【土木工事編】と同様です。


第4章では、「リフォーム工事特有災害について
では、リフォーム市場が拡大し工事量が増加している背景から典型的なリフォーム工事の災害や特有の災害を明確にし、リフォーム工事における安全対策上の課題と今後の対策方向について考察しています。


リフォーム工事特有の災害の抽出について、平成7年から平成17年までの11年間のリフォームに関わる工事を段階を踏んで抽出し、発生状況をまとめると共に分析しています。


災害種類別に転落・墜落、飛来・落下、倒壊、クレーン等、自動車等乗り物全般、建設機械等、電気、爆発・火災、取扱い・運搬等、その他の区分でまとめています。


転落・墜落が約7割を占めています。


次いで電気が8%強となっています。


また災害件数が10件以上である18種類の災害とリフォーム工事特有災害とし、その災害例、特徴などを解説しています。


さらに安全対策の方向について考察し、発生頻度が高い典型的リフォーム事故の「1、屋根の踏み抜きに墜落災害」など5件について施工方法、作業手順の確立と労働災害リスクの洗い出しが重要としています。


第5章では、「行政施策等から学ぶ労働災害防止対策
では、建設業特有の労働安全施策について厚生労働省「第11次労働災害防止計画」など解説しています。


この章では、「第11次労働災害防止計画」に加え、「厚生労働省「建設業における総合的労働災害防止対策」/リスクアセスメントに関する法律、指針/建設業労働災害防止協会「建設労働災害防止規程」/国土交通省「建設工事事故防止のための重点対策の実施について」/労働安全衛生総合研究所の建設安全に関する取組み」について解説しています。


<<本書で何が学べるか?>>


書では、建設業の現場作業に関わるリスクアセスメントに役立つように平成16年から18年に発生した我が国の建設業の死亡災害を分析し、土木工事建築工事に分けて、特に重篤度が高い作業等をまとめ抽出・掲載しています。


さらにリフォーム工事特有の災害と行政施策から学ぶ労働災害防止策も収録し、解説しています。


とくに小規模事業者には、役立つ内容となっています。


<<まとめ>>


建設業でOHSAS18001など労働安全に関わる仕組みを強化しようとされる組織の関係者の方には、本書は読んで頂きたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 リスク適正評価ガイドについて
1.リスク適正評価支援の必要性について
2.リスク適正評価ガイド(重篤度評価編)の必要性
3.労働災害データ分析の設定条件
第2章 土木工事編(特に重篤度が高い作業等)
第3章 建築工事編(特に重篤度が高い作業等)
第4章 リフォーム工事特有災害について
1.リフォーム市場の拡大
2.リフォーム工事特有の労働災害発生状況
3.リフォーム工事特有災害の分析
4.典型的なリフォーム工事特有災害 
5.リフォーム工事特有災害の安全対策の方向
第5章 行政施策等から学ぶ労働災害防止対策
1.厚生労働省「第11次労働災害防止計画」
2.厚生労働省「建設業における総合的労働災害防止対策」
3.リスクアセスメントに関する法律、指針
4.建設業労働災害防止協会「建設労働災害防止規程」
5.国土交通省「建設工事事故防止のための重点対策の実施について」
6.労働安全衛生総合研究所の建設安全に関する取組み


にほんブログ村 本ブログへ



(広告)


日程から、お客さまの声で評価の高かった人気温泉宿を検索


楽天トラベル株式会社


「ISOの本棚」ページのトップへ!



RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク

労働安全衛生法関係の諸規制は、「複雑で分かりにくい」といわれています。


ところでOHSAS18001:2007(労働安全衛生マネジメントシステム)規格の4.3.2項:「法的及びその他の要求事項」では、以下のように要求されています。


組織は、組織に適用される法的及びその他の要求事項を特定し、参照できる手順を確立し、実行し、維持すること

 組織は、組織が同意した法的及びその他の要求事項がOH&Sマネジメントシステムを構築し、実行し、維持する際に確実に考慮に入れること。

 組織は、この情報を最新のものに維持すること。

 組織は、組織の管理下で働く人々及びその他の利害関係者に、法的及びその他の要求事項についての適切な情報を伝達すること。」


OHSAS18001:2007に基づくOH&SMSの活動では、『適用される法的及びその他の要求事項を特定し、参照できる手順』の確立・実行・維持が要求されています。


便覧(安全衛生法令要覧〈平成21年版〉)を参照したり、ネットで厚生労働省の法令情報安全衛生情報センターを調査したりと労を尽くして、一覧表などにまとめ上げたとしても、さらに『この情報を最新のものに維持する』との【法的及びその他の要求事項】の最新情報のウオッチングによるメンテナンスをしっかりと行うことが必要です。


 労働安全衛生関連の諸規則の詳細は、法律、政令、省令、告示などにより重層的に規定され、複雑な体系となっています。


OHSMSに取り組んでいるか否かに関係なく、組織の安全衛生担当者にとっては、自組織の事業場に適用される諸規制を十分に理解しておくことが必要ですが、しかしながら、なかなかその活動は簡単なことではなくなっています


そのようなニーズに答えるのが本書のような法令早見表です。


本書は、改訂11版になりますが、本書では、安衛法関係の諸規制を項目別に整理し、「ひと目で分かる一覧表」に編集し、まとめてあります


<<ポイント>>


安衛法関係の諸規制を項目別に整理し、「ひと目で分かる一覧表」にまとめた本


本書の「はしがき」で編者は、以下のように述べています。


「本書は、安全衛生担当者が常にそばに置き、必要に応じて参照していただくことを念頭に、「複雑でわかりにくい」とされている安全衛生法令に関する諸規制を、項目毎にひと目でわかる一覧表の形にまとめたものです

改訂11版は、原則として、平成21年3月31日現在の労働安全法令をもとに編集しています。」


本書:「安全衛生法令早見表(改訂11版)」です。


ひと目でわかる規制一覧」との副題が付いています。


本書は、労働調査会出版局の編集にて、2009年6月に労働調査会より発行されています。


安全衛生法令早見表―ひと目でわかる規制一覧
労働調査会
労働調査会出版局(編集)
発売日:2009-06
発送時期:通常2~4週間以内に発送
ランキング:63355

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙裏面の下部には、以下のように書かれています。


本書の特徴

複雑でわかりにくい安衛法関係の諸規制を項目ごとに、

ひと目でわかる一覧表に編集。

すべての安全衛生担当者に役立つ実務必携書。


本書は、5章から構成されています。


赤黒の2色刷で見やすく構成されています。


章を追って概要を紹介します。


第1章では、「安全衛生管理体制に関する措置
と題して、安全衛生に関して管理体制が要求されている事項をまとめています。


安全委員会設置基準(令8条)から衛生推進者(則12条の2)に至る各種安全衛生管理体制に関わる「業種別の安全衛生管理体制の規制一覧」にはじまり、


  • 『統括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者、産業医』の「安全衛生管理体制選任者一覧」、
  • 『統括安全衛生管理者』などの「安全衛生管理体制選任者一覧<建設・造船現場>」
  • 「元方事業者・特定元方事業者の講ずべき措置」、
  • 『発破の作業の業務』など資格等の必要な業務一覧、
  • 『第1種衛生管理者免許』など「免許試験一覧」、
  • 『木材加工用機械』などの【作業前・作業中】の「作業主任者の職務一覧(主として製造業)」、
  • 『地山の掘削』などの【作業前・作業中】の「作業主任者の職務一覧(主として建設現場)」、
  • 『プレス作業』などの「作業主任者の必要な業務一覧」、
  • 『安全委員会』など「安全衛生委員会規制一覧」

がまとめてあります。


第2章では、「手続き等に関する措置
と題して、以下の手続き関係義務が求められている事項がまとめてあります。


  • 『4.つり上げ荷重3トン以上(スタッカー式クレーンにあっては1トン以上)のクレーンを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするとき』などの44種の「計画の届出義務一覧」
  • 『塔:3.高さが300メートル以上の塔の建設の仕事』などの「計画届の参画者資格一覧」

さらに「報告・届出事項一覧」/「作業計画及び施工計画の必要な作業一覧」/「保存書類一覧」/「調査・記録の必要な作業一覧」/「安全衛生特別教育訓練一覧」/「特別教育一覧」がまとめてあります。


第3章では、「現場作業における安全管理措置
と題して、現場の作業について安全管理に対する措置が求められている事項がまとめてあります。


  • 『車両系荷役運搬機械』などの「作業指揮者の選任が必要な事項一覧」
  • 『車両系建設機械』などの「誘導者の配置が必要な作業一覧」
  • 『安衛法及びこれに基づく命令の要旨』などの「労働者等への周知義務一覧」

さらに 「表示・掲示すべき事項一覧」/「合図の必要な作業一覧」/「立入禁止が必要な場所一覧」/「悪天候時及び地震後の作業規制一覧」/「組立図の必要な作業一覧」/「監視人の配置が必要な作業一覧」がまとめてあります。


第4章では、「機械・設備に関する安全措置
と題して、機械・設備の安全について規定されている事項がまとめてあります。


  • 『移動式クレーン(つり上げ荷重3トン以上)』などの「特定機械等に関する規制一覧」
  • 『ボイラー 製造許可』などの「特定機械等の規制一覧」
  • 危険有害な機械設備としての『アセチレン溶接装置のアセチレン発生器』など「構造規格を具備すべき機械等一覧」

さらに「定期自主検査等が必要な機械等一覧」/「化学設備等の規制一覧」/「機械等の安全措置一覧」/「トンネルの警報設備等、避難訓練一覧」がまとめてあります。


第5章では、「労働衛生に関する措置
と題して、健康診断から有機溶剤規制など労働衛生に関する規定をまとめています。


  • 『雇入れ時又は配置替え時の健康診断』などの「健康診断管理一覧」
  • 『産業医の選任』などの「産業医の活用等健康管理一覧」

さらに、「作業環境測定規制一覧」/「有機溶剤規制一覧」がまとめてあります。


<<本書で何が学べるか?>>


本書は、複雑でわかりにくい労働安全衛生法関係の諸規則について体系的に項目別にしてひと目でわかる一覧表にまとめ編集してあり、安全衛生の関係者の実務に役立つ構成となっています


<<まとめ>>


安全衛生関係者には、本書は、手元に置いておきたい一冊です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 安全衛生管理体制に関する措置
第2章 手続き等に関する措置
第3章 現場作業における安全管理措置
第4章 機械・設備に関する安全措置
第5章 労働衛生に関する措置
1.健康診断管理一覧
2.産業医の活用等健康管理一覧
3.作業環境測定規制一覧
4.有機溶剤規制一覧





にほんブログ村 本ブログへ


「ISOの本棚」ページのトップへ!



RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク

OHSAS 18001:2007(Occupation health and safety management systems−Requirements:「労働安全衛生マネジメントシステム−要求事項」)は、すでに2007年7月に発行されています。


この規格についての日本規格協会による邦訳版(対訳)が発行されていましたが、価格が2万数千円と高額でした。


OHSAS 18001:1999、18002:2000の日本語版と解説書の「OHSAS 18001・18002労働安全衛生マネジメントシステム−対訳と解説」は、2003年3月に発行され、労働安全衛生マネジメントシステム(以降OHSMSと略)の関係者の必携本としての位置づけになっていました。


上記の書籍の改訂版となるOHSAS 18001:2007の日本語版と解説書が発行されていますので紹介します。


本書では、OHSAS 18001のガイドライン(指針)規格のOHSAS 18002:2008規格の発行が遅れている背景もあって、前著と異なり、OHSAS 18002を外して、OHSAS 18001:2007規格のみで解説の形式は、対訳式でなく、最初に日本版訳と次いで英語、さらに解説との流れで構成されたスタイルとなっています。


<<ポイント>>


労働安全衛生マネジメントシステム規格の基本書”OHSAS日本版”の決定版


本書の表紙カバーの折返し部で監修の吉澤 正委員長が述べていますが、本書は、


OHSASを発行した国際的連合組織のOHSASプロジェクトグループへの日本からの出席メンバー、関連の学識者、各種業界の方々を含め(財)日本規格協会内に結成された”OHSAS日本版作成委員会”の執筆による日本語版とのこと。


本書:「OHSAS18001:2007労働安全衛生マネジメントシステム―日本語版と解説」です。


本書は、吉澤 正先生の監修、ならびにOHSAS 日本版作成委員会の和訳ならびに岡本 和哉氏、雫 文男氏、豊田 寿夫氏、平林 良人氏、吉澤 正氏による解説執筆にて2008年9月に日本規格協会より発行されています。


OHSAS18001:207<日本語版>の書籍のjpg画像
日本規格協会
発売日:2008-09
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:15099

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


OHSASプロジェクトグループ参加者ほかによる

解説書の決定版!

規格、関連資料も豊富に掲載


本書は、第1章から第3章までで構成される【解説編】と『OHSAS 18001:2007(「労働安全衛生マネジメントシステム―要求事項(日本語版)」』の【規格編】とからなります。


また巻末には、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」などの5つの付録が添付されています。


ざっと概要を紹介します。


【解説編】では、


第1章では、「OHSAS 規格の意義
と題して、マネジメントアプローチの必要性とその浸透状況に始まり、OHSMSとマネジメントシステムの意義、そしてOHSAS規格のOHSAS 18001:2007規格への改定の趣旨ならびに特徴が解説されています。またOHSAS 18001:2007規格に盛り込まれているOHSMSの原則や特徴について、とくに「参加および協議」「リスクアセスメント」のポイントを取り上げて解説しています。


第2章では、「逐条解説
として、「OHSAS規格の和訳」次いで「英語原文の引用」、そして、旧版からの「主な変更部分」と「要求事項のポイントの解説文」といった流れで、OHSAS 18001:2007規格について逐条に解説しています。本章が本書のハイライト部分になります。


第3章では、「OHSAS 規格の活用
として、ILO-OSH ガイドラインとOHSAS 18001規格との関わりから、OHSAS規格を用いた認証制度、ISO 9001:2000、ISO 14001:2004との統合的活用のための用語、プロセスの関連などOHSAS 規格の活用の周辺情報を取り上げ解説しています。


【規格編】では、
OHSAS 18001:2007 労働安全衛生マネジメントシステム―要求事項(日本語版)が掲載されています。


<<本書で何が学べるか?>>


まさにOHSAS 18001:2007規格:労働安全衛生マネジメントシステム規格の基本書”OHSAS日本版”の決定版です。


<<まとめ>>


本書は、文字通り、OHSAS 18001:2007規格に関わりがある関係者の必携書です。


なお本書の目次は、以下の内容です。
 【解説編】
第1章 OHSAS 規格の意義
1.1 OH&Sマネジメントシステムの意義
1.2 旧版からの主要な改訂とその意図
1.3 OH&Sマネジメントシステムの原則と特徴
第2章 逐条解説
序文
1項:適用範囲 
2項:参考出版物
3項:用語及び定義
4項:OH&Sマネジメントシステム要求事項
第3章 OHSAS 規格の活用
3.1 ILO-OSH ガイドラインとOHSAS 18001
3.2 認証制度の状況 
3.3 安全の国際規格
3.4 全体的なマネジメントシステムでのOHSASの位置づけ
【規格編】
OHSAS 18001:2007 労働安全衛生マネジメントシステム―要求事項(日本語版)
付属書A
付属書B
【付録】
付録1 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針
付録2 危険性又は有害性等の調査等に関する指針について(通称:リスクアセスメント指針)
付録3 危険性又は有害性等の調査等に関する指針について(施行通達)
付録4 参考法令等一覧
付録5 参考規格一覧




にほんブログ村 本ブログへ



(広告)


高品質ワークチェア


価格据え置き(大)


「ISOの本棚」ページのトップへ!



RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク

ヒューマン・エラーとされる些細な人為的なミスが、航空機、鉄道、船舶、医療現場、原子力発電所などでの大事故の原因となっている事例も多い



「『ヒューマンエラー(失敗)』は、その予測も予防も完全には、不可能である」とした上で、


人はなぜエラー(失敗)をおかすのか


エラー(失敗)にはどのような種類があって、それぞれのエラーは、どのような性質を備えているか


それらのエラー(失敗)を防いで大きな事故に至らないようにするためにはいかなる対策を講ずるべきか


などヒューマン・エラーについて科学的に分かり易く解説している本を紹介します。


ヒューマン・エラーに関わるエンジニアリングの分野は、広範囲で、人間工学、システム工学、認知工学、安全工学、生産管理関連分野等と深く関連していますが、本書は、上記の分野を俯瞰的に睨んだ幅広い視点から書かれています。


本書:「ヒューマン・エラーの科学」です。


失敗とうまく付き合う法」との副題が付いています。


本書は、著者:村田 厚生 先生にて、2008年3月に日刊工業新聞社より発行されています。


「まえがき」で筆者は、「人はなぜエラーをするのかと疑問を抱いている方」、「更には、エラーや事故の問題に対して大きな責任を有する現場の作業者、管理者、経営者」の問題解決に役立つようにとの観点から本書の執筆に至った旨を記載しています。


本書は、5章から構成されています。本文では、イラスト、モデルスキーム、概念図、フロー図や、各種の図表を用いて分かり易く解説されています。また途中に「コラム」の欄を設け、関連するトピックスを取りあげ解説しています。


以下に各章の概要を簡単に紹介します。


第1章では、「人はどれだけエラーをしやすいか
として、大量モルヒネ投与の医療事故、チェルノブイリ原発事故の事例について人間はいかにエラーをおかしてしまいやすいのかを解説しています。さらに実際の作業現場でのエラーの発生比率のデータの発生確率を不信頼度として表したデータやハインリッヒの法則などから人のエラーのしやすさ、またどんな分野でエラーをおかすかについて、生産現場のエラーから美浜原発事故までの各分野でのエラーの種類について解説しています。エラーを重大な事故につなげないためにもヒューマン・エラーに対する科学的な知識の学習が必要不可欠と結んでいます。


第2章では、「なぜ人はエラーをおかすのか
として、ヒューマンエラーの典型的な理由を「(1)人間と機械との関係やインターフェースが不十分な場合」~「(6)知識不足・経験不足によりエラーを生じさせてしまう場合」と区分して、それぞれについて順に解説しています。さらにいろいろな原因が重なって大きな事故を起こすことについて航空機の事故事例を解説しています。さらにヒューマン・エラーの背後要因が複合的に作用する場合について、「Man」、「Machine」、「Media」、「Management」の4Mを取り上げて解説しています。


第3章では、「エラーにもいろいろある
として、ヒューマン・エラーについて、例えば統計学的な第1種の過誤(いわゆるあわてものの誤り)と第2種の過誤(いわゆるぼんやりものの誤り)など体系的に分類してその性質について幅広い視点から解説し、次に前記の分類に基づいて幾つかの事故事例について、ヒューマン・エラー分析を実施し、重大事故にヒューマンエラーがどのように関与していているかを提示しています。


第4章では、「どうすれば「エラー=事故」にならずにすむか
として、先の第2章、第3章のヒューマン・エラーの典型的な理由とヒューマン・エラーの体系的な分類について、「エラー=事故」にならないためにどのようなヒューマンエラーへの配慮が必要かを解説しています。例えば、人間−機械系の設計においては、設備・環境要因を考慮すること、人間工学に基づいた設計、認知工学に基づいた設計などヒューマン・エラー対策の考え方について解説しています。「人間はエラーをするもの」を出発点として、生産現場のエラー防止について、エラー防止の考え方等を解説し、「社会文化・安全文化・組織文化」といった総合的なアプローチからトップマネジメントによる意志決定の重要性などを強調しています。


第5章では、「安全教育は感情に訴えかけろ
として、事故防止の観点から、第4章で解説された「人間−機械系の考え方に基づくヒューマン・エラー防止」、「社会文化・安全文化・組織文化」と共に「リスクマネジメント」が必要不可欠な3つのアプローチであると述べ、「リスクマネジメント」の考え方を基軸とした事故防止について解説しています。認知のバイアすがあれば、誤った意志決定によるリスクを犯す行動や(意図的な)不安全につながるとして、そのための適切なリスク評価の観点から感情面を重視した安全教育の必要性を強調し、そのための教育のポイントを解説しています。また生産現場で行われているKYT(危険予知トレーニング)を市民全体、設備等を管理する組織で取り入れることの必要性を説いています。さらに地域コミュニティ・自治体・政府によるエラー・事故防止活動が事故の防止に対する潜在的な防衛能力を高めるものと述べています。


人は何故エラー(失敗)をおかすのか、そもそもエラーにはどのような種類があり、それぞれは、どのような性質を有するのかなどを、科学的に分かりやすく解説しています。


エラーを防いで大きな事故に至らないようにするための考え方から対策、さらに重要な感情面に注目した安全教育のポイントなど解説されています


組織でOHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)などのリスクマネジメントを実施・運用されていたり、関心のある方から、万が一、事故が発生した場合には、その事故の発生に対して大きな責任を有する現場の作業者、管理者、経営者までの皆様方には、読んで頂きたい一冊です



ヒューマン・エラーの科学の本の画像.jpg
日刊工業新聞社
村田 厚生(著)
発売日:2008-03
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:191113


なお本書の目次は、以下の概要です。
第1章 人はどれだけエラーをしやすいか
 1.1 重大事故の背景
 1.2 人間はどのくらいエラーをしやすいか
 1.3 どんな分野でエラーをおかしているか
 1.4 エラーを重大な事故につなげないために
第2章 なぜ人はエラーをおかすのか
 2.1 人間と機械の不適切な関係 人間-機械系が起こすエラー
 2.2 人間の認知能力には限界がある
 2.3 人間の心理はそもそも間違い易くできている
 2.4 疲労が原因と案るエラー
 2.5 組織としての誤った行動・文化が原因のエラー
 2.6 知識不足・経験不足が起こすエラー
 2.7 いろいろな原因が重なって大きな事故を起こす
 2.8 ヒューマン・エラーの背後要因が複合的に作用する場合
第3章 エラーにもいろいろある
 3.1 どんなタイプのエラーもゼロにはできない
 3.2 原因から見たヒューマン・エラーの分類
 3.3 結果としてみたヒュ−マン・エラー
 3.4 チームエラー
 3.5 事故事例からみるヒューマン・エラー分析
第4章 どうすれば「エラー=事故」にならずにすむか
 4.1 人間-機械系の設計のポイント
 4.2 人間ー機械設計に認知工学をどう取り込むか
 4.3 疲労やストレスに配慮した機器・作業の設計
 4.4 エラーのタイプ・性質ごとにみたエラー対策のポイント
 4.5 背後要因からみたエラー対策
 4.6 「人間はエラーをするもの」を出発点とする
第5章 安全教育は感情に訴えかけろ
 5.1 リスク・マネジメントに必要なリスク評価
 5.2 人間はどのくらいリスクに対していい加減か
 5.3 意思決定と感情の関わり
 5.4 ヒューマン・エラーと不安全行動の関わり
 5.5 感情面に注目した安全教育のポイント
 5.6 起こりうるエラーや事故を察知する能力を開発しよう
 5.7 地域コミュニティ・自治体・政府によるエラー・事故防止活動






にほんブログ村 本ブログへ


「ISOの本棚」ページのトップへ!



RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク

  労働安全衛生に関する災害分析の方法から対策の立て方の詳細な手順までの種々の実務的な手法や実例を紹介している本を紹介します。


 とくにOHSAS18001なども含めての労働安全衛生マネジメントシステムの構築・推進に不可欠で最も重要な資料と思われる各種の作業標準(一般作業標準、治工具取扱い作業標準、運搬作業標準など)とチェックリスト(機械工場の職場点検チェックリストから建設下請け協力会社チェックリスト?など16種)や労働安全衛生年間計画の作り方等について写真や図表などにより実務的に解説しています


特に点検表方式チャート方式の表の事例が多数掲載されていますので、それらは、そのまま現場で用いることができるかと思われます。


本書:「安全管理マニュアル」です。

安全衛生担当者の実務テキスト」との副題がついています。

本書は、労働調査会出版局の編著にて、労働調査会より2003年5月に改訂2版として発行されています。本書は、20冊のシリーズ化されている同社のMATE BOOKSの?になります。初版は、1999年です。

本書の裏表紙に本書の利用法として内容紹介のような形で以下のことが書かれてあります。

「第1部では、災害分析の方法か

ら対策の立て方まで、種々の手法

や実例を紹介した。点検表方式

チャート方式を多く採用したため、

そのまま現場でチェックしたり、

書き込んで利用することができる

 第2部と第3部では、安全管理に

不可欠で最も重要な資料である

業標準チェックリストを紹介。

第4部では、年間計画の作り方を

紹介。ノウハウが簡単に分かり、

事業場独自の利用の作成に役立つ。」

本書は、4部から構成されています。

第1部では、「災害の分析法と対策の立て方
として、災害発生時の処理手順から、いずれもチェックリスト等を用いての特性要因表を用いる分析法、不安全行動の分析法、設備導入時の事前評価、6S職場の認定制度、災害分析・対策樹立事例など災害分析の方法から対策の立て方までの手法が紹介され、解説されています。


第2部では、「作業標準の作り方と実例
として、作業標準作成時の手順、作業標準作成の進め方、見直し・点検、異常処置作業標準、非定常作業の安全管理などの標準化について解説した上で、作業標準の実例として、一般作業標準(一般心得、整理整頓等作業標準など5つの作業標準)、治工具取扱い作業標準(一般心得、ハンマー作業標準など6つの作業標準)、運搬作業標準(一般心得、重量物取扱い作業標準など6つの作業標準)が掲載されています。


第3部では、「チェックリストの活用法と実例
として、職場点検の種類、チェックリストの作り方の解説に続けて、職場点検の進め方として、管理監督面のチェックリストの解説と共に安全衛生活動状況チェックリストなど12のチェックリストの実例が掲載されています。


第4部では、「安全衛生計画(年間)の作り方
として、計画の意義およびその作成方法について解説されています。


参考資料として、「?労働安全マネジメントシステムに対する指針」、「?労働安全マネジメントシステムに対する指針について」が添付されています。さらに巻末付録として、労働安全衛生マネジメントシステムのポイントがチャートにまとめられ掲載されています。

安全管理マニュアルの本の概観JPG像
労働調査会
労働調査会(著)労働基準調査会=(著)
発売日:2007-07

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 災害の分析法と対策の立て方
 ・災害発生時の処理手順
 ・特性要因の分析
 ・特性要因の簡易分析法
 ・不安全行動の分析法
 ・災害コストの算出法
 ・類似災害再発防止対策
 ・設備導入時の事前評価
 ・建設工事計画の事前審査
 ・高年齢者の安全対策
 ・安全衛生監査制度
 ・6S職場の認定制度
 ・災害分析・対策樹立事例
第2部 作業標準の作り方と実例
 ・作業標準作成時の手順
 ・作業標準作成の進め方
 ・作業標準の見直し・点検
 ・異常処置作業の標準化
 ・異常処置作業の安全確認
 ・点検・修理作業の標準化
 ・異常処置作業標準
 ・非定常作業の安全管理
 ・一般作業標準
 ・治工具取扱い作業標準
 ・運搬作業標準
第3部 チェックリストの活用法と実例
 ・職場点検の種類
 ・チェックリストの作り方
 ・職場点検の進め方
第4部 安全衛生計画(年間)の作り方
 ・計画の意義
 ・計画の作り方

にほんブログ村 本ブログへ


(広告)

Office 2007

マイクロソフトライセンスセンター

「ISOの本棚」ページのトップへ!



RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク

 ISO9001ISO14001OHSAS18001ISO13485ISO/TS16949ISO22000ISO/IEC27001などの複数のマネジメントシステムについてこれまで組織の内部事情などによりばらばらに運用してきたマネジメントシステムをより経営ビジョンや目標と密着した形態でシームレスに統合して運用したいと考えておられる組織の人は、多いのではないかと思います。当然ながら統合審査を受審すれば、審査費用も安くなることになります。

 組織内でその思いをもって努力され、統合マネジメントシステム(以降IMSと略記)を構築され、成果を挙げておられる組織も多くあります。

 このようなIMSを構築するためどのように進めたら良いかという組織のニーズに応えてその指針となるようなIMSの本は、比較的少ないように思います。

 本日は、組織内で幾つかのマネジメントシステム事務局等を経て経験豊かな著者が企業とマネジメント・システムの関わり、IMSの作り方、統合マニュアル、品質・環境マニュアルなど、IMSのイロハから奥の手までをIMS構築者の視点から解説している本を紹介します。

本書:「図解 ISO統合マネジメントがわかる」です。

ILOガイドライン/厚生労働省指針対応」との副題がついています。

本書では、IMSとしてISO9001:2000、ISO14001:1996、OHSAS18001:1999の統合を取り上げています。

本書は、著者:鈴木 信吾氏で、2001年10月に技術評論社より発行されています。

残念ながら本書は、絶版となっているようです。

 また本書の中でも少し触れていますが、本書の発行以降にISO14001規格は、第二版に改定されていますが、統合マニュアルの一部には、第二版の規格に対応しての修正が必要ですが、本書のIMS構築の考え方等のその他の部分については、そのまま適用できる内容となっています。

本書の「まえがき」で著者は、以下のように述べています。大いに共感できる言葉です。

「『われわれ規格ユーザーは、審査を意識しすぎたマネジメントシステムを運用しているのではないだろうか?

 定期審査を繰り返しながら、企業で活動している私の率直な感想である。
諸般の事情から認証を取得し維持する必要があるのも事実だろうが、認証したからといって、登録証が事業の成功を保証するものではない。
(略)
 マネジメントシステムの原則は、対象とする活動(品質、環境、安全衛生など)に関係なく共通である。本来一つの仕事を、管理体制の都合などからバラバラにマネジメントするのは本末転倒である。

 本書は、ビジョンや経営目標の達成を目指し、実務者が使いやすいシステムを追求した成果をまとめたものである。結果、マネジメントシステムの統合に到達した。私は、人の創造性と活力を生かす統合マネジメントシステムを提唱する。」

本書は、Chapter1から4までの4つのChapterから構成されています。

Chapter1では、「企業とマネジメント・システム」として、IMSの役割、ISOマネジメントシステムについての基本用語や考え方、またマネジメントシステムを船に例えてビジョン指向のマネジメントシステムの筆者の考えを述べています。


Chapter2では、「統合マネジメント・システムの作り方」としてISO他の規格統合化の方向性、環境マネジメントシステム、労働安全衛生マネジメントシステム、品質マネジメントシステムの概要について解説した上で、IMSの構築について、その考え方、具体的な進め方、構築の要点、構築ステップの例の順に詳しく解説しています。

Chapter3では、「統合マニュアル」として、統合マニュアルを作成する手順について、全体的なPDCAサイクルを重視して、マニュアルを策定する方法で、どちらかといえばISO14001をベースにIMSを構築する方法を解説しています。このChapter3が本書の中心になります。具体的には、ISO9001:2000、OHSAS18001:1999、ISO14001:1996の各規格の各要求事項について、その項目の意図する内容の解説から、規格が求めるもの、組織においてそれに対応する具体的な手順等について、統合マニュアルにどのように反映すべきかを分かり易く解説しています。

Chapter4では、「品質/環境マニュアル」として、Chapter3とは違って、ISO9001の品質マニュアルをベースにISO14001を統合した例が紹介されています。

imsbook1.jpg
技術評論社
鈴木 信吾(著)
発売日:2001-10
ランキング:587655


なお本書の目次は、以下の内容です。
はじめに
Chapter1 企業とマネジメント・システム
1-1 統合マネジメント・システムの役割
・企業活動と品質、環境、労働安全衛生マネジメント
・企業の成長とマネジメントの課題
・統合マネジメント・システムの役割
・PDCAを回す経営ツール
1-2 ISOマネジメント・システム
・マネジメントの共通言語としてのISO
・マネジメント・システムの定義
1-3 ビジョン指向のマネジメント・システム
・シンプルなシステムを
・船はどこへ行くか
・本章のまとめ
Chapter2 統合マネジメント・システムの作り方
2-1 規格統合化の動向
・ISOのGMS構想
・AS/NZS 4581
・企業・組織の選択肢
2-2 規格の概要
・環境マネジメント・システム
・労働安全衛生マネジメント・システム
・品質マネジメント・システム
2-3 マネジメント・システム統合の考え方
・マネジメント・システムの流れ
・手順の統合レベル
2-4 統合の進め方
・トップの強い意志
・事務局の統合
・改造か新設か
・統合マニュアル・サンプルの利用
2-5 統合マネジメント・システム構築の要点
・現状からの離脱
・文書化の程度
・メリハリのあるシステムを
2-6 マネジメント・システム構築ステップの例
・構築ステップ例
・敵を知る
・己を知る
・監査に何を期待するかを決める
・マネジメント・システム構築と運用
・継続的改善
Chapter3 統合マニュアル
3-1 統合マニュアルの作成
・マニュアルを作る意味
・規格が要求するもの
・統合マニュアルのサンプル
3-2 マネジメント・システムの目的
・目的を書くねらい
・リーダーシップとマネジメント
・プロセス指向
・自前のマネジメント・システム
3-3 適用範囲、用語の定義
・様々なマネジメントと統合の度合い
・現実的な注意事項・適用除外
・用語の定義の重要性
3-4 統合マネジメント・システムの概要
3-5 方針
・方針の作り方
・方針の取り扱い
3-6 体制
・社員の参画
・責任と権限
・内部監査の責任・権限
・管理責任者
3-7 法的及びその他の要求事項
・規格の要求するもの
・現実な対応
3-8 環境側面
・環境側面とは
・著しい環境側面の決定
3-9 リスク・アセスメント
・リスク・アセスメントの目的
・リスク・アセスメントの実際
3-10 目標、計画(マネジメント・プログラム)
・規格の要求するもの
・企業の求めるもの
3-11 運用管理
・重点管理の発生源対策
・手順書は一つ
・重要な管理ポイントを明確にする
・文書化の程度
・供給者、請負者
・要員に必要な能力の明確化
3-12 緊急事態への準備及び対応
・品質の緊急事態という視点
・緊急度合いに応じた連絡先を決めておく
・テストの意味
・規格の要求するもの
3-13 製品実現の計画
・現状をそのまま文書化し補強する
・環境、労働安全衛生の組み込み
3-14 顧客関連のプロセス
・要求事項の決め方で製品が決まる
・顧客要求の変化
・顧客の定義
3-15 設計・開発
・チームを作る
・製品の環境側面
・設計技術者の能力
3-16 購買
・規格が要求するもの
・購買上の重点課題を可視化する
3-17 製造及びサービス提供
・規格が要求するもの
・工程設計の重要性
・工程設計の検証
3-18 監視機器及び測定機器の管理
・監視測定のポイント
3-19 測定、分析及び改善
・概要
・改善項目の見つけ方
・統計的手法
3-20 顧客満足
・顧客満足度の監視方法
3-21 内部監査
・内部監査の統合
・内部監査の基準
・内部監査員の要請
・内部監査の組織
・内部監査の総括報告
3-22 プロセスの監視及び測定
3-23 製品の監視及び測定
3-24 社内、市場の品質状況に関する監視及び測定
3-25 環境、労働安全衛生に関する監視及び測定
3-26 目標に関する監視及び測定
3-27 不適合品の管理
3-28 データの分析
3-29 継続的改善
3-30 是正処置・予防処置
・是正処置と予防処置
・是正処置の引き金
・予防処置の引き金
3-31 マネジメント・レビュー
3-32 資源の提供
3-33 訓練、自覚及び能力
・規格の要求するもの
・教育・訓練のニーズ
・能力確保のための処置
・有効性の評価
・ILOガイドラインでの訓練
3-34 コミュニケーション
・規格の要求するもの
・現実的な対応
3-35 インフラストラクチャー
3-36 作業環境
3-37 文書、記録の管理
・規格の要求するもの
・統合システムの文書
Chapter4 品質/環境マニュアル
4-1 目的
4-2 マネジメント・システム
4-3 経営者の責任
4-4 資源の運営管理
4-5 製品の実現
4-6 測定、分析、および改善
参考文献


(広告)

Office 2007

マイクロソフトライセンスセンター

「ISOの本棚」ページのトップへ!



RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク

 労働安全マネジメントシステム(以降OHSMSと略)について、厚生労働省では、平成11年4月30日に「労働安全マネジメントシステムに関する指針」を公表し、事業者がOHSMSを構築して行う自主的活動を推進を図ってきています。

 この指針について、平成17年11月に労働安全衛生法が改正され、危険性または有害性等の調査等の実施(リスクアセスメントの実施)が義務化された背景から、平成18年3月10日に見直されています。

 この法改正により、労働安全衛生法に第28条の2として、危険性または有害性等の調査の実施などが事業者の努力義務として規定され、同項の規定に基づき「危険性または有害性等の調査等に関する指針」が制定されております

 本日は、OHSMSを構築する際に、リスクアセスメントの実務を担当する人を対象に、その実務のための必要な知識等を得られることを意図して、発行された本を紹介します。

本書:「厚生労働省指針に対応した労働安全衛生マネジメントシステム リスクアセスメント担当者の実務」です。

本書は、「リスクアセスメント担当者研修用テキスト」との副題がついています。

 本書は、中央労働災害防止協会の編集により、2006年8月に中央労働災害防止協会より発行されています。

前著の労働安全衛生法の改正に伴う、改定の第二版になります。

 基本的に厚生労働省の指針もOHSAS18001規格のもととなったBS8800と同じ源流を参照して制定された背景があります。

 組織において、OHSMSの構築の取り組みの中で、危険・有害要因を特定するための手法としてのリスクアセスメントに関わる箇所が最大のハイライト部になります。

本書では、リスクアセスメントの具体的な手順の決め方、方法、実施体制等をわかり易く、実務的に解説しています
 
OHSAS18001関係のリスクアセスエントについての参考書は、比較的、少ないように思います。OHSAS18001の認証を目指される組織の人にとっても本書は、役立つと思われます

本書は、3部から構成されています。
第1部は、『総論』との表題で、第1章は、OHSMSの概要が、第2章では、リスクアセスメントの考え方から定義、その実施手順、手法の応用、KY活動との関連などが記載されています。
第2部は、『リスクアセスメントの立ち上げ時の準備(導入)』との表題で、第3章ではリスクアセスメントの実施体制、第4章では、リスクの見積・優先度の設定の方法、第5章では、リスクアセスメントの実施要領書の作成、見直し、周知までを記載しています。

第3部は、『リスクアセスメント実施時の準備から職場の改善まで(運用)』との表題で、第6章でリスクアセスメントの準備段階(危険性又は有害性に関する情報収集と整理さらに段階的なリスクアセスメントの実施など)について解説しています。第7章では、リスクアセスメントの実施(運用)で危険性又は有害性の特定からリスクの見積、優先度の設定、リスクの除去・低減措置の検討と実施の詳細が解説されています。
第8章が、記録、第9章がリスクの管理について注意点などを解説しています。

厚生労働省指針に対応した労働安全衛生マネジメントシステム リスクアセスメント担当者の実務―リスクアセスメント担当者研修用テキスト
中央労働災害防止協会
中央労働災害防止協会(編集)
発売日:2006-08
発送時期:通常1~2週間以内に発送
ランキング:84518

なお本書の目次は以下の内容です。
第1部 総論
 第1章 労働安全衛生マネジメントシステムの概要
 第2章 リスクアセスメントの基本)
第2部 リスクアセスメントの立上げ時の準備(導入)
 第3章 リスクアセスメントの実施体制
 第4章 リスクの見積り・優先度の設定の方法
 第5章 リスクアセスメント実施要領書の作成と見直し
第3部 リスクアセスメントの実施時の準備から職場の改善まで(運用)
 第6章 リスクアセスメントの準備段階
 第7章 リスクアセスメントの実施(運用)
 第8章 記録
 第9章 リスクの管理
付録
・労働安全マネジメントシステムに関する指針
・危険性又は有害性等の調査に関する指針
・機械の包括的な安全基準に関する指針
・リスクアセスメント担当者(製造業等)研修実施要領


(広告)

Adobe Web Bundleはデザインから開発、メンテナンスまですべてに対応できるトータルパッケージです

LicenseOnline Adobe製品ストア

「ISOの本棚」ページのトップへ!



RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク

ISO9001とISO14001との両方の規格認証を取得する組織が増えたこともあって、組織内のISO等に関係するマネジメントシステムを統合化して運用したいとのニーズを持っておられる組織も多いのではないかと思われます。

 すでにISO9001-ISO14001-OHSAS18001ISO9001-ISO/TS16949-ISO14001などについて、例えば、マニュアルも一本化し、目標管理の運用の仕組みをうまく統合してマルチマネジメントシステムIMS:インテクレーテッド・マネジメントシステム)を運用・維持しておられる組織も時々見かけます。

 マニュアルの一本化とまでは、いかなくても文書管理、教育訓練、内部監査、マネジメントレビューなどの共通部分については、下位文書となる規定類や帳票などの統合化を図っておられる組織は、多いように思います。

 統合化の対象マネジメントシステムとしてISO9001、ISO14001、OHSAS18001などに加えて、ISO9001のセクター規格であるISO13485、ISO/TS16949、JISQ9100、ISO22000、ISO13485ISO/IEC27001、JISQ15001などとの組み合わせの統合が考えられます。いずれもPDCAサイクルをベースとする目標管理の仕組みです。

なお運用次第でしょうが、統合のメリットは、より経営と直結したマネジメントシステムの運用がやり易くなり、マネジメントシステムのパフォーマンスが一層向上することがあるかと思われます。

紹介するのは、本書:「よくわかるマルチ統合マネジメントシステムの作り方」です。

著者は、黒柳 要次氏, 小峰 豊 氏, 山井 裕志 氏, 西岡 亮 氏で、イーエムエスジャパンの編集により2004年4月に日刊工業新聞社から発行されています。

よくわかるマルチ統合マネジメントシステムの作り方 よくわかるマルチ統合マネジメントシステムの作り方
黒柳 要次 小峰 豊 山井 裕志

日刊工業新聞社 2004-04
売り上げランキング : 296292

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 本書による統合は、ISO9001とISO14001(1996年版ですが、考え方は、2004年版にも十分適用できると思われます)を中心に、OHSAS18001、HACCP、ISMSなどとの統合計画からマルチマネジメントシステムの構築までの手順とそれに関係するノーハウを分り易く解説しています。ケーススタディとして、印刷会社と食品会社の例が取り上げられています。

 統合マネジメントシステムの事例として、シックスシグマ、ISO9001、ISO13407(「人間中心設計プロセス」)、JISZ9920(「苦情対応MS」:自己宣言)、ISO14001、ECS2000(「倫理法令順守マネジメントシステム」:自己宣言)、BS7799ISMS)、JISQ15001についてのIMS構築を推進された組織の取り組みが簡単に紹介されています。

統合マネジメントモデルとして、ISO9001とISO14001との統合マニュアルの例が示されています。

なお本書の目次は、以下です。
第1章 組織とマネジメントシステム規格
第2章 統合マネジメントシステムの必要性
第3章 統合マネジメントシステムの基本的な仕組み
第4章 統合マネジメントシステムとCSR
第5章 統合マネジメントシステムの構成
第6章 統合マネジメントシステムの構築方法
第7章 ケーススタディ
第8章 統合マネジメントシステムにおける審査
第9章 統合マネジメントシステム事例紹介
第10章 統合マネジメントマニュアル・モデル
資料編 (規格の動向/ISO9001のチェック事例)


(広告)

エコ割WEBなら、座席指定が可能!

ANAエコ割_エコ割は安心・お得メリットがいっぱい!236*60

「ISOの本棚」ページのトップへ!



RSS twitter livedoorクリップ Buzzurl Google Bookmarks delicious Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマーク はてなブックマーク

Google 翻訳
Categories
運営者情報
track word
Profile
旅行なら
<

簡単検索
全国のホテルをあなた
好みで検索できます。
■日程
チェックイン
チェックアウト

■1部屋あたりのご利用人数
大人
小学校高学年
小学校低学年
幼児
(食事・布団付)
幼児(食事のみ)
幼児(布団のみ)
幼児
(食事・布団不要)

■部屋数 部屋

■宿泊料金の範囲
■地域を選択する
  
QRコード
QRコード
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ
RSS


【このページをRSSリーダーに登録する!】
Googleに追加
My Yahoo!に追加
livedoor Readerに追加
はてなRSSに追加
goo RSSリーダーに追加
Bloglinesに追加
Technoratiに追加
PAIPOREADERに追加
newsgatorに追加
feedpathに追加

track feed ISOの本棚

  • seo