「伊達直人」等が贈ったランドセルなどのプレゼントの波紋は、善意の連鎖となって全国に拡散し、タイガーマスク現象とも言える社会現象になりました。


子供が児童擁護施設で暮らす理由として昨今では、貧困や両親との死別などの事象は減少し、逆に親などから虐待を受けた児童の入所がどんどん増えて多数を占めるという状況になっているようです。


そんな児童擁護施設で暮らす子供達が真に何を望んでいるのかは、そこの子供達と実際に接したりしてみないとわかりません。


けれどもおそらく見せるであろうランドセル等のプレゼントを前にしての無邪気で嬉しそうな笑顔を想像するだけでもこの社会の善意の輪も捨てたものでないと感じます。


「伊達直人」といった匿名を使うこと、そして贈り物がランドセルというモノであることも物心両面で良い選択肢であるように思います。


匿名ということは、特定の個人ではなく社会からの善意であることを子供が実感でき、またランドセルは、6年間、ほとんど毎日使う大切なものだからです。


贈られた施設の側からするとお金の方が良いのかも知れません。


しかしお金には、本来、きれい、きたないはないはずですが、日本人には、なにかお金は汚いものといった刷り込まれた先入観があるように思われます。


またお金の場合には、お金を受け取ったことの喜びは一過性ですぐにそれを忘れてしまうようにも思います。


モノではなく奉仕といった形での善意の提供もあります。


例えば、労働組合などが正月に訪問しての餅つき大会などよくやっています。


これまでに報道等で取り上げられなくとも継続して寄付などで隠れて支えてきた多くの人の善意もあります。


今回の動きが一過性に終わらず継続されるように願っています。


………。


ところで、今回の管内閣の改造で数ポイントほど支持率が上がったように報道されています。


世論調査というのはいつも胡散臭く感じるが、本当だろうかと疑問。


ところでこの政権の正当性は、どこにあるのか。


権力は人を変えるというが首相の椅子の座り心地はそんなに良いのだろうか。


前回の衆議院選挙では、国民は、マニフェストに賛同して民主党に政権を託した。


1年前の正月には、当時の管副総理兼内閣府特命担当大臣は、小沢邸での新年会で「小沢首相誕生に向けて」とか言って小沢氏にすり寄り乾杯の音頭を取っていたとのこと


ところが政権の座についてからは、手の平を返し脱小沢。 脱鳩山。


ここが管首相の「かん違い」のはじまりでないか。


小沢氏は強制起訴になり、裁判となるがこれまでの経緯から誰が考えても99.9%無罪が見えている。


余り意味のない裁判に無為な時間が費やされ、莫大な税金が無駄に投入されることになる。


管首相は、少し前は、「1に雇用、2に雇用、3に雇用」と言っていた。


けれども今年になると雇用の話題は知らぬ顔で「社会保障と税の一体改革」に命を賭けるとか,


無節操と変節を絵に描いたように言われてもほとんど信用できない。


民主党の新ポスターから小沢氏のカラーの強い「国民の生活が第一」が消えたとのこと。


増税路線で国民に痛みを求めるとなるとこのスローガンはまずいとのことか。


国民の審判を受けたマニフェストを修正路線にシフトするというのであれば、即刻解散して総選挙で国民に信を問うべき。


そうでないと政権の正当性に疑問が残る。


今の流れからいくと総選挙をすれば、民主党は、惨敗どころでなくほとんど消滅しかねないような状況。


内閣改造の目玉の与謝野馨氏の経済財政担当相への起用も何とも不条理。


国益のためしかるべき人物への三顧の礼とかは、あってもよい。


ただ与謝野馨氏は、自民党から立候補し、海江田氏と同じ選挙区で戦って敗れ比例復活した人物。


その「自民党」を離脱し、「たちあがれ日本」へ。


更に「たちあがれ日本」も離脱して。


官僚の得意とするわたりのごとく。


「類は、友を呼ぶ」


としてもこの変節:「君、忘れたもうことなかれ」。


衆議院におくってくれた自民党支持者を裏切っていることになる。


ここでも主権在民がないがしろにされている。


菅内閣は、改造しても、実際のところ、菅首相と岡田、仙谷、枝野の4氏でローテーションしているようにしか見えず、代わり映えはしない。


自ら人材の登用の範囲を絞ってしまっているようにみえるが、そんなに人材難なのだろうか。


これで数パーセント支持率が向上。


マスコミは、小沢氏には辛辣だが、管氏に対して極めて寛容なように見える。


これも不思議な点。



さて、余談が長くなってしまいましたが、…。


QMSの自動車業界向けのセクター規格で、製造業のパフォーマンス改善においても大いに役立つISO/TS 16949:2009(品質マネジメントシステム-自動車生産および関連サービス部品組織のISO9001:2008適用に関する固有要求事項)規格およびIATF承認取得ルール第3版に対応して、


その要求事項からコアツールまでを図解で分かり易く解説している本を紹介します。


<<ポイント>>


図解によりISO/TS 16949規格について網羅的に解説した一冊。


本書では、ISO/TS 16949に関して


  • 認証制度
  • 規格要求事項
  • 自動車業界の顧客志向に基づくプロセスアプローチ
  • プロセスアプローチ内部監査
  • コアツール(APQP、PPAP、FMEA、SPC、MSA)

を中心に図解により分かり易く解説しています。


本書:「図解 ISO/TS 16949の完全理解」です。


要求事項からコアツールまで」との副題が付いています。


本書は、著者:岩波 好夫 氏にて、2010年12月に日科技連出版社より発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書は、下記のように3部-12章から構成されています。


  • 第1部:「ISO/TS 16949 認証制度」(第1章~第3章)
  • 第2部:「ISO/TS 16949 要求事項の解説」(第4章~第8章)
  • 第3部:「ISO/TS 16949 コアツール」(第9章~第12章)

第1部の【認証制度】については、


  • ISO/TS 16949規格の到達目標

の解説にはじまり、


  • 適用範囲(製品、組織、除外)
  • TS規格の制定の経緯
  • IATFの役割
  • 認証までのプロセス(認証申請~認証取得)
  • 7種の関連規格
  • 2009改正のポイント
  • 自動車業界の顧客各社固有の要求事項
  • TSのプロセスアプローチ
  • タートル図とプロセスの分析
  • TSの内部監査
  • TSのシステム構築と運用のポイント

といったTS規格の基本的事項を多数の図表を交えて分かり易く解説しています。


第2部の【要求事項の解説】については、


第4章の「品質マネジメントシステム」から8章の「測定・分析・改善」まで条項番号順に


ISO9001の要求事項のポイント」と「ISO/TS 16949の追加要求事項のポイント」とを順番に解説しています。


とくに表を多用していて、要求項目のポイントについて、実施すべき「内容」を箇条書きで記載する等の要領でまとめてあり分かり易い解説になっています。


また重要部分は、ゴシックで強調するなどメリハリのついたものとなっています。


この表には、必要に応じて詳細内容も追加されたり、関連する帳票例を参照しながらの解説といった実務的な内容になっています。


第3部の【コアツール】については、


  • 先行製品品質計画(APQP)
  • 製品承認プロセス(PPAP)
  • 故障モード影響解析(FMEA)
  • 統計的工程管理(SPC)
  • 測定システム解析(MSA)

上記コアツールがどのようなものか等の基礎的事項を解説し、その具体的な実施要領、さらにISO/TS 16949の要求事項における位置づけ等について図表を多用し事例も交えて解説しています。


筆者のTS関連の解説書と重複した印象はありますが、ISO/TS16949の解説書としてTSに関わる関係者のニーズを満足させると思われる充実した内容となっています


<<本書で何が学べるか>>


本書では、ISO/TS 16949認証制度と自動車業界の顧客志向にもとづくプロセスアプローチ、プロセスアプローチ内部監査などの基本的事項、ISO/TS 16949:2009規格要求事項、APQP、PPAP、FMEA、SPCおよびMSAの5つのコアツールを中心に3部構成でISO/TS16949についての全貌を図解により、わかりやすく実務的に解説しています。


<<まとめ>>


本書は、ISO/TS 16949の認証を目指す自動車関連の組織の方々から自動車以外の製造業でISO9001を超えてそのパフォーマンスを更に向上させたいと考えている関係者までにお奨めのISO/TS 16949の解説書です。


なお本書の目次は以下の内容です。
第1部 ISO/TS16949認証制度
第1章 ISO/TS16949のねらいと認証制度
第2章 自動車業界のプロセスアプローチ
第3章 内部監査とシステム構築のポイント
第2部 ISO/TS16949要求事項の解説
第4章 品質マネジメントシステム
第5章 経営者の責任
第6章 資源の運用管理
第7章 製品実現
第8章 測定・分析・改善
第3部 ISO/TS16949のコアツール
第9章 先行製品品質計画(APQP)と製品承認プロセス(PPAP)
第10章 故障モード影響解析(FMEA)
第11章 統計的工程管理(SPC)
第12章 測定システム解析(MSA)
付録:用語の解説



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アメリカの中間選挙で下院では、民主党が大敗し、共和党が優位を占める結果となり、オバマ大統領も大幅な政権運営の見直しを余儀なくされる状態となっています。


アメリカでは、7月に国家予算編成の担当責任者だったピーター・オルザグが辞任し、9月には大統領経済諮問委員会の委員長だったクリスティーナ・ローマーも辞め、オバマ大統領の経済顧問だったローレンス・サマーズが年末に辞任するなどに象徴されるように失業など米国の経済状況が改善せず、オバマ大統領の人気が低下してきていることが原因とされています。


このような背景のもと米国の金融緩和策と関係して更なるドル安・円高の進行が懸念されています。


また11/13、14のAPEC首脳会議を控えて沖縄県尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像がインターネット上に流出する問題が発生しています。


こういう問題は、利する人が誰かを考察していくと像が見えてくるように思います。


かってない激動の大変化の時代が迫っているのは間違いがないように思います。


本日は、ISO/TS16949:2009規格の入門の解説書(2009規格の改定に対応した改訂2版:前著も「ISOの本棚」で紹介)を取り上げます。


筆者もそのまえがきで述べていますが、本書の初版が発行されたのは、5年前でその間に世界の自動車産業では今までにない様々な変化(「アメリカのビッグ3の衰退」、「中国の自動車生産台数世界一」、「韓国、タイ、インドの台頭」、「ハイブリッド車の普及と量産型電気自動車の開発・製造」、「トヨタ自動車の安全欠陥による史上最大級リコール」、「VWとスズキの提携、日産・ルノーとダイムラーの提携」etc)が生じています。


自動車部品サプライヤーチェーンのグローバル化により自動車部品メーカーでのISO/TS16949のニーズは、世界的に高まって来ています。


この規格は、自動車部品メーカーだけでなく他の製造業のQMSへの活用の価値が高い規格です。


<<ポイント>>


QMSの自動車セクター規格のISO/TS16949:2009規格の解釈と運用について丁寧に解説する入門書(第2版)。


本書では、


自動車産業と品質マネジメントシステム、


ISO/TS16949の認証制度、


ISO/TS16949の用語など含む基本の概説にはじまり、


ISO/TS16949:2009の要求事項のポイント解説を中心に


TSの内部監査とマネジメントレビューの肝について、


内部監査チェックリスト、コアツール(FMEA、SPC、MSA)の活用から、


自動車産業の社会的責任(CSR)とリコール問題にも


TSの観点から言及するなど、


ISO/TS16949:2009規格の解釈から運用等を


図解を交えて入門者向けに分かりやすく解説しています


本書:「よくわかるISO/TS16949 自動車セクター規格のすべて〈2009年版〉(第2版)」です。


本書は、著者:長谷川 武英氏にて、2010年9月に日刊工業新聞社から発行されています。



<<本書のエッセンスの一部>>


本書の第1版にあたるISO/TS16949:2002規格に対応した解説書の「よくわかるISO/TS16949 自動車セクター規格のすべて」では、9章から構成されていましたが、本書では、章が一つ減って8章となっています。


前著では、「顧客固有要求事項(COP)」について一つの章を割いていましたが、本書では、その解説が他の章に統合されています。


ISO/TS16949:2009固有要求事項の要点の解説だけでなく、全般的に見直しされていますが、内部監査とマネジメントレビュー、ISO/TS16949要求事項に対する内部監査チェックリスト、自動車産業の社会的責任(CSR)とリコールの章が特に強化され、充実した内容になっています


筆者が本書の読者層として想定している「経営層」、「管理責任者」、「実務者」、「新規参入企業」に向けて各章のはじめでその章の各層向けのおすすめ度というのを星のマークで示しているのも新しいところになります。


ISO/TS16949:2009 固有要求事項の解説に関しては、初版の場合と同様に規格本文の引用部分を枠囲みで示してあるが、IATFの著作権の関係から対訳本とは異なる筆者独自の表現になっています。


このスタイルもなかなか読み易いように思います。


また解説では、特にポイントとなる部分は、ゴシックで強調してまとめられています。


内部監査に関する箇所には、効果的な経営ツールとの観点からウエイトをおいて記載されています。


ISO/TS16949:2009の内部監査は、如何にあるべきか?


またその結果を受けてのマネジメントレビューは、どうあるべきか?


との考察に1章を割き、さらにTSの内部監査チェックリストにも1章を設けるとの構成になっているのも本書の特色となっています。


ちなみに内部監査チェックリストは、規格要求事項の条項番号毎にチェックポイントを表でシンプルな箇条書きでまとめており活用する側での便宜が考慮されたものとなっています。


自動車業界以外でも活用できる内部監査の効果的な手法についての解説が強化され充実しています。


またISO/TS16949:2009の認証を得るためのIATF認証取得ルール第3版に関しても詳解されています。


[日本の自動車業界とISO9000の歴史]といったコラム欄もあり参考になります。


またトヨタ車リコールの問題をTS規格の観点から考察している箇所などはユニークな内容となっています。


FMEAなどのコアツールの解説も初版に引き続き明快なものとなっています。


初版もそうでしたが、図表を多数交えて視覚的にも入門者が取っ付き易い解説となっています。


<<本書で何が学べるか>>


本書では、自動車セクター規格のISO/TS16949によるシステム構築から運用に関する基本的な知識を図表を交えて分かりやすく解説しています


ISO/TS16949:2009規格の全体像を学ぶには、格好の一冊です


自動車業界以外の製造業のQMSの改善に参考となる情報が織り込まれています。


<<まとめ>>


本書は、TS規格に関係する自動車部品サプライヤーチェーンの組織の管理責任者等の関係者以外にも経営者の方にも是非読んで頂きたい一冊です


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 自動車産業と品質マネジメントシステム  
1.1 Q・C・Dが重視される自動車産業と製品特性  
1.2 世界における日本の自動車部品産業  
第2章 ISO/TS16949の認証制度  
2.1 自動車産業固有の認証制度の歴史  
2.2 ISO/TS16949の枠組みと要点  
2.3 ISO/TS16949認証制度の特徴  
2.4 ISO/TS16949:2009の認証  
第3章 ISO/TS16949の基本  
3.1 基礎となる「品質マネジメントの8原則」  
3.2 ISO9004:2009(指針)のねらい  
3.3 品質マネジメントシステムの有効性  
3.4 プロセスアプローチ  
3.5 ISO/TS16949:2009ガイダンスマニュアル  
3.6 TSの到達目標  
3.7 適用範囲  
3.8 定義  
第4章 ISO/TS16949:2009固有要求事項の要点  
4.1 一般要求事項  
5. 経営者の責任  
5.6 マネジメントレビュー  
6. 資源の運用管理  
7. 製品実現  
7.2 顧客関連のプロセス  
7.3 設計・開発  
8. 測定、分析及び改善  
8.2.2 内部監査  
第5章 内部監査とマネジメントレビュー  
5.1 内部監査は効果的な経営ツール  
5.2 ISO/TS16949:2009で要求されている内部監査  
5.3 効果的な内部監査員の選定  
5.4 内部監査員の教育と力量  
5.5 効果的な内部監査アプローチ  
5.6 プロセスアプローチ型内部監査  
5.7 内部監査のテクニック  
5.8 有効な指摘  
5.9 暫定処置(封じ込め)、是正処置及びフォローアップ  
5.10 品質リスク予防の内部監査アプローチ  
5.11 内部監査プログラムの有効性  
5.12 マネジメントレビュー  
第6章 ISO/TS16949要求事項に対する内部監査チェックリスト  
4. 品質マネジメントシステム  
5. 経営者の責任  
5.6 マネジメントレビュー  
6. 資源の運用管理  
7. 製品実現  
8. 測定、分析及び改善  
8.2.2 内部監査  
8.5 改善  
第7章 品質コアツールの活用  
7.1 品質コアツールについて  
7.2 故障モード影響解析(FMEA)  
▲ケーススタディ:自動車のSFMEA  
7.3 統計的工程管理手法(SPC)  
7.4 測定解析(MSA)  
第8章 自動車産業の社会的責任(CSR)とリコール  
8.1 自動車のリコール  
8.2 リコール事例にみる問題分析  
8.3 リコールをISO/TS16949で検証する  
8.4 「品質マネジメント8原則」の実践と「内部監査」の活用  



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ISO/TS 16949 は、QMSのパフォーマンスの改善を目的とした自動車業界向けのセクター規格になります。

ベース規格のISO9001:2008規格の追補改正に伴ってISO/TS 16949:2009が発行されています。

世界でのISO/TS16949に基づく認証は、4万件を越え、さらに増加しています。

本書の「まえがき」でも筆者は、ISO/TS 16949 規格について以下のように言及しています。

ISO/TS 16949 の狙いは、不適合の検出ではなく、不適合(ムダ)の予防と製造工程のバラツキの低減にあります。

そのことからISO/TS 16949 は、自動車業界のみならず、あらゆる製造業における経営パフォーマンス改善のために活用できる規格といえます。』

ISO/TS 16949について少し触れるとこの規格は、ISOが発行するのではなく、IATF(International Automotive Task Force:国際自動車タスクフォース)が発行元になります。

またISO/TS 16949では、【プロセスアプローチ】(これは、品質8原則の一つになります。しかしこのプロセスアプローチをうまく運用している組織は、ISO9001でも少ないとされています。)が特に顧客(自動車メーカー)からの要求事項を起点とした「顧客志向プロセス」を中心に展開することが要求され、組織のQMSプロセスを以下の3つに分けてアプローチすることが推奨されています。

  • 顧客志向プロセス(COP:Customer Oriented Processes)
  • 支援プロセス
  • マネジメントプロセス

本書では、ISO/TS 16949の基本的な要求事項であるプロセスアプローチを内部監査に焦点を当て、ISO/TS 16949:2009規格に基づくシステムの構築と運用、内部監査の実施方法について図解により分かり易く解説しています

<<ポイント>>

TS要求の自動車業界の顧客志向に基づくプロセスアプローチISO/TS 16949内部監査を重点に図解により分かり易く解説している解説書

本書は、以下の2部構成となっています。

第1部:「ISO/TS 16949

第2部:「ISO/TS16949の内部監査

第1部では、ISO/TS16949のねらいの解説にはじまり、プロセスアプローチ、タートル図によるプロセスの分析、顧客志向プロセス/支援プロセス/マネジメントプロセスの分析例など解説しています。

第2部では、ISO 19011で示されている内部監査の実施手順から、適合性、有効性、及びプロセスアプローチ監査の手順。ISO/TS 16949の内部監査(計画、チェックリストなど)、また内部監査員に求められる力量について述べています。

本書:「図解 ISO/TS 16949 よくわかる自動車業界のプロセスアプローチと内部監査―2009年版対応」です。

本書は、著者:岩波 好夫氏にて、2010年8月に日科技連出版社より発行されています。

<<本書のエッセンスの一部>>

本書の表紙カバーの折り返し部に、本書で見込まれる対象読者について以下のように書かれています。

  • 自動車業界の品質マネジメントシステム規格ISO/TS 16949認証の取得を検討中の企業の方々。
  • ISO/TS 16949の基本的な要求事項であるプロセスアプローチの内容と実施方法について、理解したいと考えておられる方々
  • プロセスアプローチ監査技法について習得したいと考えておられる、ISO/TS 16949 および ISO 9001の内部監査員、審査員およびコンサルタントの方々
  • 品質保証と顧客満足だけでなく、品質、コスト、生産性などの経営パフォーマンスの改善のために、現在のISO/TS 16949 または ISO 9001 の品質マネジメントをレベルアップしたいと考えておられる企業の方々

第1部:「自動車業界のプロセスアプローチ」(第1章~第4章)及び第2部:「ISO/TS16949の内部監査」(第5章~第8章)の2部8章から構成されています。

また巻末に内部監査の手順書(付録1:内部監査規定)とISO/TS 16949及びISO 9001の用語を解説した用語集(付録2:用語の解説)との2点の付録が添付されています。

用語集では、定義というよりは分かり易い解説となっており、またISO/TS 16949に関係する用語は太字で強調して記載されています。

本書は、全体的に、QMS体系図、プロセス関連図、フローチャート、マトリックス図、プロセスフロー図、タートル図、オクトパス図、概念図などを含む各種の図表や内部監査プログラム、内部監査計画書、不適合報告書、内部監査報告書、是正処置報告書、内部監査プログラム統括報告書、内部監査チェックリスト、内部監査員のパフォーマンス評価表などの具体的な帳票事例等を交えて具体的で分かり易い解説となっています

なお上記の内部監査に関する帳票事例等は、内部監査規定で引用され、利用できる構成となっています。

第1部:「自動車業界のプロセスアプローチ」(第1章~第4章)では、

ISO/TS 16949のねらい」として

この規格の目的、到達目標、関連規格(「ISO/TS16949規格」、「ISO/TS16949ガイダンスマニュアル」、「レファレンスマニュアル」、「顧客固有の要求事項」、「IATF承認取得ルール」、「ISO/TS16949のSI、FAQ及びCBコミュニケ」、「ISO/TS16949審査員ガイド」ほか)の概要、ISO/TS 16949規格の2009年改正の概要などをまとめています。

また「プロセスアプローチ」に関して、

QMSのプロセス、適合性、有効性及び効率の違い、プロセスアプローチの目的、ISO/TS16949 規格のプロセスアプローチ要求の背景などを解説しています。

ISO/TS16949のプロセスアプローチ」に関して、

顧客志向プロセス/支援プロセス/マネジメントプロセスの区分からそれらの各プロセスのつながり、顧客志向プロセスに関わるオクトパス図、プロセス要求事項の関連図、プロセス名称とプロセスオーナー(責任者)、プロセスのインプット、アウトプット、プロセスの運用のために必要な物的資源(設備・システム・情報)、人的資源(要員、力量)、プロセスの運用方法(手順・技法)、及びプロセスの評価指標(監視・測定項目と目標値)の7つの要素で構成されるタートル図とタートル図を用いたプロセスの分析について解説しています。

自動車業界の各種プロセスの分析」について

顧客志向プロセス(8プロセス)/支援プロセス(3プロセス)/マネジメントプロセス(3プロセス)に区分される「マーケティングプロセス」から「顧客満足プロセス」までの14の各プロセスタートル図に基づく分析例を解説しています。

第2部:「ISO/TS16949の内部監査」(第5章~第8章)では、

最初に「内部監査の実施手順」について

ISO/TS16949(ISO9001)の内部監査の基本について、監査の目的と監査の原則に関わる監査の種類の解説にはじまり、ISO19011規格(品質・環境マネジメントシステム監査の指針)に沿った「監査プログラムの作成」から「監査プログラムの改善」までを含む内部監査の実施手順と各ステップの指針について帳票事例を交えて解説しています。

プロセスアプローチ監査」に関して、

適合性監査と有効性監査の違いを比較しながら、手順の適合性ではなくプロセスの成果の有効性部分の確認のための「プロセスアプローチ監査」についての手順をそのステップ、確認事項、チェックリストの作成などの点から解説しています。

また「ISO/TS16949の内部監査」に関して、

ISO/TS16949で求められている以下の3種類のプロセスアプローチによる内部監査についての監査の目的、監査の対象、監査の方法についてそれぞれの監査プロセスのタートル図など交えて解説しています。

  • 品質マネジメントシステム監査
  • 製造工程監査
  • 製品監査

最後に「内部監査員の力量」について、

ISO19011規格を参照しながら解説しています。

<<本書で何が学べるか>>

ISO/TS16949規格を対象にした要求事項や、コアツール等の解説書は幾つか発行されていますが、本書のように「プロセスアプローチ」に焦点を当てた解説書は少ないように思われます。

筆者による「プロセスアプローチ」をターゲットとした以下の書籍も参考になります。

また別の著者による以下の書籍も参考になります。

 本書では、改正された2009年規格に対応してISO/TS16949のプロセスアプローチに焦点をあて、豊富な図表を参照しながら自動車業界の顧客志向によるプロセスアプローチにもとづくシステムの構築と運用、および内部監査の実施方法を分かり易く入門者にもとっつきやすく解説しています

<<まとめ>>

自動車のサプライチェーンに関わる人に限らず製造業の方でISO/TS 16949プロセスアプローチによる内部監査に関心がある関係者には、本書は、お薦めの一冊です

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 自動車業界のプロセスアプローチ
第1章 ISO/TS16949のねらい
1.1 ISO/TS16949のねらい
1.2 ISO/TS16949関連規格
1.3 ISO/TS16949 2009年改正の概要
第2章 プロセスアプローチ
2.1 品質マネジメントとプロセス
2.2 プロセスアプローチ
第3章 ISO/TS16949のプロセスアプローチ
3.1 ISO/TS16949のプロセス
3.2 プロセスと要求事項
3.3 プロセスの分析(タートル図)
第4章 自動車業界の各種プロセスの分析
4.1 顧客志向プロセスの分析
4.2 支援プロセスの分析
4.3 マネジメントプロセスの分析
第2部 ISO/TS16949の内部監査
第5章 内部監査の実施手順
5.1 内部監査の目的と監査の原則
5.2 内部監査プログラム
5.3 内部監査の実施
5.4 内部監査プログラムの監視・レビューと改善
第6章 プロセスアプローチ監査
6.1 適合性の監査と有効性の監査
6.2 プロセスアプローチ監査の手順
第7章 ISO/TS16949の内部監査
7.1 ISO/TS16949の内部監査
7.2 品質マネジメントシステム監査
7.3 製造工程監査
7.4 製品審査
7.5 内部監査の計画とチェックリスト
第8章 内部監査員の力量
8.1 内部マネジメントシステム内部監査員の力量
8.2 ISO/TS16949の内部監査員に求められる力量
付録1:内部監査規定
付録2:用語の解説


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タートルチャート」(または、「タートル分析図」)は、ISO/TS 16949に基づく自動車産業のプロセスアプローチによるQMS実践の際に推奨されている有力なツール。

私の中では、このタートルチャートというのは、プロセスのマネジメントを有効に見える化するツールと考えています。

タートルチャート」(または、「タートル分析図」)の簡単な解説はこちら

プロセスのモデルとして、「中小企業のためのISO9001―何をなすべきか ISO/TC176からの助言」などで解説されている枠に囲ったプロセスに対して、左右にインプットの→とアウトプット←と上下に経営資源↓と監視・測定↑で示すシンプルなプロセスのマネジメントのモデルもありますが、

このタートルチャートでは、プロセスへの左右のインプットの→とアウトプット←は、同じですが、左上から『材料・設備(with what?)』、また右上から『力量、技能、教育・訓練(with who?)』が入り、左下から『方法・手順(how?)』が、また右下から『パフォーマンス指標、KPI(Maesures)』が矢印で入って、亀の頭としっぽ、4つの手足のような形に表現されます。

このタートルチャートは、当然ながらISO/TS 16949だけでなく、ISO9001のプロセスアプローチにも有効に活用できます。

ISO/TS 16949 プロセスアプローチ内部監査のノウハウ』(「ISOの本棚」でも紹介)の著作で知られる本書の筆者:沖本 一宏氏によると、「プロセスの明確な定義」がプロセスアプローチに基づくQMSの成功のために必要で、その上で「トップマネジメントの考え方」と「プロセスアプローチによる内部監査」がQMSの成功のキーであるとしています

タートルチャート」は、合理的なプロセスの定義書であるとして、「タートルチャート」を中心に効果的な「プロセスアプローチによるQMSの運用と内部監査の実施」方法を具体的な実例を交えて分かり易く解説している本を紹介します

<<ポイント>>

タートルチャート」を中心に効果的なプロセスアプローチによるQMSの運用と内部監査の実施を説いた解説書。

本書では、

なぜ今日QMSにおいて「プロセスアプローチ」が必要とされるか?

とのニーズの確認に始まり、

タートルチャート」を中心に据えたQMSとはどのようなもので、

そこで用いられる品質マニュアルはどういうものか、

を概観しています。

人事、財務、販売といったビジネスプロセスの質に焦点を向けたQMSの方法論を論じ、

とくに

タートルチャート」の活用に基づくプロセスアプローチの運用、

プロセスアプローチ内部監査をどのように行うか

などを実例を交えて分かり易く説いています。

本書:「タートルチャート活用によるプロセスアプローチの実践」です。

本書は、著者:沖本 一宏氏にて、2010年4月に日科技連出版社より発行されています。

<<本書のエッセンスの一部>>

本書の表紙カバーの折り返し部には、以下のように書かれています。

 本書は、合理的なプロセスアプローチの定義書である“タートルチャート”を中心に、効果的なプロセスアプローチによる品質マネジメントシステムの実践方法を具体的に事例を示しながら解説した。 「タートルチャートを使用するプロセスアプローチ」の進め方に改善しようと考えている組織が、その構成員や内部監査員を訓練する際の社内テキストとして活用してもらうことを期待している。 また本書は、ISO9000、ISO/TS 16949の品質マネジメントシステム運用の”マンネリ打破とチェンジ”に関心をもつ読者を対象としている。


本書は、5章から構成されています。

また巻末にかなりのページを割いて本書の解説を補完する以下の3つの付録が添付されています。

  • 付録1:用語集
  • 付録2:“読まれる”品質アニュアル事例
  • 付録3:内部監査ガイダンス

用語集は、本書で略号で使用されている(「ALC」~「spc」までの18語の)手法・技法・ツールの簡単な解説。

品質アニュアル事例は、自動車の生産、販売、サービスなど経営全般をカバーした筆者が推奨する”読まれるマニュアル”の雛形。

内部監査ガイダンスは、構築段階、実施段階、改善段階での内部監査のポイント(確認する内容、確認の仕方など)をガイダンスとして示したもの。

今、なぜプロセスアプローチか」について、昨今の経営環境の変化に迅速に対応できる意志決定、業務処理のスピードアップが課題となっているが、組織間の横方向への仕事の流れを重視するプロセスアプローチが解決策とし、そのための「タートルチャート」を中心とした本音で運用するQMSの変革の必要性を説いています。

次いで、「“今流”品質マネジメントシステム」について、「タートルチャート」を中心に据えたQMSはどのようなものになるかを品質マニュアルを例に挙げ、新入社員にも新規顧客にも読まれる品質マニュアルはどのようなものかを解説しています。

そして、「プロセスアプローチの実践」として、ISO 9001、ISO/TS 16949などの規格が意図していることとプロセスアプローチの基本となるプロセスの概念、顧客志向プロセスCOP)、さらにプロセスの定義の仕方からプロセスアプローチ、その実施ステップはいかにあるべきかを4.1項、「一般要求事項」のPDCAのモデルのステップを解説し、人事、財務、販売といったビジネスプロセスの質に焦点を向けたQMSの実践の方法論を解説しています。

またプロセスの定義を明確にする「タートルチャート」について、その意義から、作成方法、実施例を交えて詳解しています。

そして、「タートルチャート」以外のプロセス定義書として、筆者がプロセスアプローチのツールとして推奨している表形式でリストアップするプロセスの記述書に触れてフォームと製造プロセスでの例を示しています。

さらに「プロセスアプローチ内部監査」について、内部監査の重要性の確認にはじまり、プロセスアプローチ内部監査がどのようなものかの全体像をフローを交えて解説しています。

  • システム構築段階
  • システム実施段階
  • システム改善段階

の各段階毎に行うべきプロセスアプローチ内部監査の具体的な確認のポイント(【目的】、部門に対する確認項目、プロセスに関する確認項目)を解説しています。

またタートルチャートの管理項目を記載した「COPA監査ワークシート」の作成について、効果的でないとする規格逐条式の監査チェックリストとCOPA監査ワークシートの様式を比較し、その記入要領を解説しています。

ついで、「COPA監査ワークシート」の活用例と内部監査の結論のまとめについてワークシート事例、指摘事項表、指摘事項表/是正処置書の事例等を交えて具体的に解説しています。

<<本書で何が学べるか?>>

本書では、「タートルチャート」を軸に効果的な「プロセスアプローチによる品質マネジメントシステムの実践」方法について具体的な事例を交えて解説しています。

<<まとめ>>

本書は、タートルチャートを活用したプロセスアプローチの実践によるQMSの有効性の改善に関心があるISO9001、ISO/TS 16949の関係者には、是非、読んでいただきたい一冊です

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 今、なぜプロセスアプローチか
1.1 マネジングサイドウェイ(縦から横への変革)
1.2 コミュニケーションスキル
1.3 プロセスの定義
第2章 “今流”品質マネジメントシステム
2.1 “今流”品質マネジメントシステムの基本
2.2 品質マニュアルに対する規格要求
2.3”読まれる”品質マニュアル
2.4 「プロセスマップ」「プロセスリスト」「プロセス・ファンクション・マトリックス」
第3章 プロセスアプローチの実践
3.1 プロセスの概念
3.2 顧客志向プロセス(COP)
3.3 プロセスアプローチの準備
3.4 プロセスアプローチの実施ステップ
3.5 プロセスアプローチの実践
第4章 タートルチャート
4.1 タートルチャートの意義
4.2 タートルチャートの作成方法
4.3 タートルチャートの実施例
4.4 タートルチャート以外のプロセス定義書
第5章 プロセスアプローチ内部監査
5.1 内部監査の重要性
5.2 プロセスアプローチ内部監査の全体像
5.3 システム構築段階の内部監査
5.4 システム実施段階の内部監査
5.5 システム改善段階の内部監査
5.6 内部監査(COPA監査)のワークシートの作成
5.7 COPA監査ワークシートの活用例
5.8 プロセスアプローチ内部監査の結論
付録1:用語集
付録2:“読まれる”品質アニュアル事例
付録3:内部監査ガイダンス

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ゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラー、フォードの米国「ビッグスリー」の経営危機と米国政府による救済に向けての取り組みも手詰まりとなりつつあるといったニュースが連日、話題になっています。


ビッグスリーのトップが揃ってテレビに登場していますが、今日の状況を招いてしまった責任は、大きなものがあります。


また米自動車メーカー救済に向けての取り組みが就任を控えたオバマ政権最大のアキレス腱になるかと言われています。


世界最大の自動車メーカーとなったトヨタ自動車ですら、今期の営業利益は七割以上減る見通しと発表されています。


国内の自動車業界でも、減産や人員削減、工場閉鎖といった動きが広がってきています。


企業の社会的責任もないがしろに、最大の経営資源である人をモノのごとく処遇し、簡単に辞めさせるといった安易な打開策は罪悪とも言えます。


しかし厳しい環境を嘆いても状況は、変わらないし、また逞しく前向きにチャレンジしないと道は開けないので、何事にもへこたれず個人として力をじっくりと溜めておくことが肝心だと思います。


ISO/TS16949は、自動車産業で世界的に認められている唯一の品質マネジメントシステム(以降、QMSと略)規格で、ISO9001がターゲットとする顧客満足とQMSの有効性の改善に加え、品質、生産性、コストといった製造業のパフォーマンスの継続的な改善を対象としていることから従来の自動車業界のサプライチェーンに属する自動車部品メーカーに加えて、電子機器・部品メーカーや化学素材関係の企業での認証が増加しています


製造工程のロスの予防や製造工程のバラツキの低減がISO/TS16949の意図する点でもあるため自動車産業だけでなく製造業の質マネジメントの改善に活用できる規格として評価されているためと考えられます。


ISO/TS16949では、ISO/TS16949:2002(TS2)規格の要求事項以外に、顧客固有の要求事項があり、その中にコアツール(core tool)と呼ばれる米国「ビッグスリー」によって準備された参照マニュアルがAIAG(automotive industry action group:米国自動車産業アクショングループ)から発行されています


ISO/TS16949コアツールには、先行製品品質計画コントロールプランAPQP&CP)、製品承認プロセスPPAP)、故障モード影響解析FMEA)、統計的工程管理SPC)、測定システム解析MSA)の5種類が含まれます。


このコアツールは、ISO/TS16949:2002規格およびISO/TS16949規格の指針であるIATFガイダンスでも幅広くその適用が要求されています。


本日は、ISO/TS16949コアツールのなかで、とくに故障モード影響解析FMEA)、統計的工程管理SPC)、測定システム解析MSA)を取り上げ、最新版の参照マニュアルの内容を反映し、分かり易く図解で説明するとともにその実施事例を含めてその活用を解説している本を紹介します


<<ポイント>>


ISO/TS16949のコアツールのうち、故障モード影響解析FMEA)、統計的工程管理SPC)、測定システム解析MSA)の基礎の解説と実施方法の解説書


これまでにも故障モード影響解析(FMEA)、統計的工程管理(SPC)の参考書は多く発行されているが、これらの一般的な技法とISO/TS16949での要求内容は異なっており、また測定システム解析(MSA)の解説書は、ほとんど見あたらないとし、本書でコアツールが理解でき、活用もできるように解説しているとしています。


本書:「図解 ISO/TS16949 コアツールできるFMEA・SPC・MSA」です。


本書は、著者:岩波 好夫 氏にて、2008年11月に日科技連出版社より発行されています。


図解ISO/TS16949コアツールできるFMEA・SPC・
日科技連出版社
発売日:2008-11
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:283705

<<本書のエッセンスの一部>>


本書の表紙カバーの折り返し部には、本書のお奨め読者について以下のように書かれています。


  1. 自動車産業のビジネス・パスポートとなるISO/TS16949認証取得(審査登録)を検討中の企業の方々
  2. ISO/TS16949のFMEA、SPC、およびMSAの各コアツールについて理解し、自らそれらを実施できるようになりたいと考えておられる方々
  3. 一般的な品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001システムにおいて、FMEA、SPCおよびMSAの各コアツールを活用し、レベルアップさせたいと考えておられる方々

本書は、4章から構成されています。I


SO/TS16949コアツールについての概要の解説に始まり、2~4の各章で、FMEASPCMSAの順に各ツールの基礎、その特徴と概要、基本の手順の解説、実施事例を交えての図解解説といった形で、その使いこなし方法を解説しています


全体的に、プロセスフロー図、チェック表、ブロック図、グラフ、概念図などの多数の図表を交えて分かり易く解説しています。


また少し複雑な統計的な計算部分は、基本的にExcel関数を用いて実施されています。


また付録としてISO/TS16949コアツールでよく用いられる用語について「用語の解説」が添付されています。


ざっと概要を紹介します。


第1章では、「ISO/TS16949とコアツール
と題して、本書で取り上げている故障モード影響解析(FMEA)、統計的工程管理(SPC)、測定システム解析(MSA)の3つのコアツールについて、ISO/TS16949における位置づけや特徴について解説しています。また一般的に活用されている技法とISO/TS16949の要求上での相違点を解説しています。さらにISO/TS16949の認証審査に関するコアツール審査のポイントを審査での主な確認事項についてのチェック表など交えて解説しています。


第2章では、「FMEA故障モード影響解析
と題して、故障モード影響解析(FMEA)の基本とFMEAの実施方法を解説しています。とくに自動車用のベアリングの例を取り上げ設計FMEAおよびプロセスFMEAの実施手順を丁寧に解説しています。なおこのFMEAの解説では、最新版となる2008年8月改訂のFMEA参照マニュアル(第4版)が反映されています。


第3章では、「SPC統計的工程管理
と題して、「SPCとは」として、統計的工程管理(SPC)の工程変動の原因、統計的管理状態、工程能力、管理図の基本といった基礎的な事項からはじまり、X(エックスバー)-R管理図などの計量値管理図および計量値管理図の作成手順、工程能力評価、工程能力指数と不良率、損失関数などのSPC技法を解説しています。


第4章では、「MSA測定システム解析
と題して、「MSAとは」として、MSAがなぜ必要か、その目的、MSAの変動の種類とその原因といったMSAの基礎にはじまり、計量値のMSA手法について、安定性、偏りおよび直線性の評価、繰り返し性・再現性の評価(ゲージR&R)、さらに計数値のMSA手法としてクロスタブ(分割表)法について実施例を交えて測定システム解析(MSA)について解説しています。


<<本書で何が学べるか?>>


本書では、ISO/TS16949コアツールのなかで、とくに故障モード影響解析FMEA)、統計的工程管理SPC)、測定システム解析MSA)を取り上げ、最新版の参照マニュアルの内容を反映し、分かり易く図解で説明するとともにその実施事例を含めてその活用を解説しています


ツールは、活用してこそ、その効力が発揮されます。これらのコアツールについて、その手法を単に理解するだけでなく、実際に読者がこれらのコアツールを活用できるようにとの観点からよく配慮された構成になっています。


本書でのコアツールの解説は、ISO/TS16949だけでなく、自動車以外の製造業でのISO9001の深化の観点からも大いに役立つ内容です。


<<まとめ>>


本書は、その基礎から実務での活用手順までが具体的に解説されている分かり易いISO/TS16949コアツール故障モード影響解析FMEA)、統計的工程管理SPC)、測定システム解析MSA))の入門書と思います


なお本書の目次は、以下の概要です。
第1章 ISO/TS16949とコアツール
1.1 ISO/TS16949とコアツール
1.2 ISO/TS16949コアツールの特徴
第2章 FMEA故障モード影響解析
2.1 FMEAの基礎
2.2 FMEAの実施)
第3章 SPC統計的工程管理
3.1 SPCの基礎
3.2 管理図の基本
3.3 計量値管理図
3.4 計数値管理図
3.5 工程能力
第4章 MSA測定システム解析
4.1 MSAの基礎
4.2 計量値の測定システムの解析
4.3 計数値の測定システム解析








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ポカミス』は、人であるが故に起こしがちな「ぼんやり」とか「うっかり」とかから生じるミス。


ポカヨケ』は、とくにハードウェア上で有効なポカミスを防止する仕組みや設備のことを言います。


言い換えると『ポカヨケ』は、人のミスが原因で不良品を作ってしまったり、不良品を顧客のところに流出させてしまったりという不具合を防止するための仕組みで特に有効なハードウェア(機械的な仕組み)が『ポカヨケ』ということになります


一方、ISO/TS 16949:2002規格では、3.1.3項でポカヨケ(error proofing)について、以下のように定義しています。


不適合製品の製造を予防するための製品及び製造工程の設計・開発


この「不適合製品の製造を予防」との目的は、TS2の到達目標がサプライチェーンにおける欠陥予防とバラツキ及びムダの低減に重点を置いているためで、一般的な『ポカヨケ』が目標とする対象としては、上記の品質保証に加え、『ポカミス』から派生する設備保全(PM)、生産管理、安全なども含まれます。


また『ポカヨケ』は、トヨタ生産方式の基本概念の一つにも数えられています。

本日は、このポカヨケ』をテーマに、現場で個別に実践されている『ポカヨケ』の品質保証活動の中での位置付け、そして『ポカヨケ』の考え方、進め方について理論的に体系付けまとめて解説している本を紹介します


現場で工夫され、有効とされるポカヨケの仕組みの事例が図解で「ねらい」、「改善前」、「改善後」を対比して多数紹介されています。


またポカミス防止のソフト面からの対策となる職場管理面からの取組や、近年複雑化している業務における、人のミスに対応すべく、人間の本質から人間の行動を研究するというヒューマンファクターに関係する知見についても解説しています。


本書:「ポカヨケ」です。


本書は、名古屋QS研究会 の編集にて、2001年5月に日本規格協会から「実践 現場の管理と改善講座」(改訂版)の第4巻として発行されています。


本書は、9章から構成されています。内容は、多数のイラストなどの図表が挿入されていて分かり易い内容となっています。


1章では、「ポカヨケとは
として、ポカミスとは何かについて、人の特質との関係にはじまり、特に人は、何故ミスをするかについて「技能の問題」、「性格の問題」、「生理的な条件」、「感情の起伏による影響」などの分類から、日常生活でのポカミスとポカヨケの工夫の例などを解説しています。さらに製造でのポカミスとポカヨケについて、「記憶上のミス」などのエラーモードを分類し、『ポカヨケ』の5事例について、「ねらい」、「改善前」、「改善後」をイラストで比較し解説しています。


2章では、「品質保証活動とポカヨケ
として、品質保証活動のポカヨケの重要性について、工程能力調査活動、工程管理活動、ポカヨケの実施の3つの活動が重要と述べ、エアドライバーでボルト類の締め付け作業について、設計・評価段階と前記の3つの活動との関係を解説しています。また「再発防止のためのポカヨケ」において留意すべき取組の流れ、そして、管理手順と図面、QC工程表、検査基準、作業標準等に組み入れられたり、FMEAやFTAなどを事前に適用して行う「未然防止のポカヨケ」について概説しています。さらに「ポカミスの予測とポカヨケの設置」について、ワークシートの例や手順の解説も含めて、FMEA、FTA、QAマトリックスをそれぞれ、どのようにポカヨケの設置に適用し、品質保証レベルを改善していくかを解説しています。


3章では、「ポカヨケの考え方
として、製造品質のバラツキ要因と4Mとの関係、病原菌を不良品と見なしての4つの考え方による不良品の発生防止対策(「原因自体の除去」、「原因の影響の除去」、「計測と処置」(流出防止)、「診断と調節(治療)(予防管理)」について解説しています。また、それらの対策をポカヨケにどのように適用するかについて、「考え方」と「主な仕掛け(例)」とその「適用例」とについて表を用いて解説しています。


4章では、「ポカヨケの仕組みと例
として、ポカヨケの仕組みについて識別、警報装置、治具方式、連動方式、全数選別方式に分類し、それぞれの考え方に基づく工夫とポイントについて解説すると共に、各事例について「ねらい」、「改善前」、「改善後」のイラストを用いてどのような方法で実施するかを示しています。


5章では、「ポカヨケの標準化
として、ポカヨケの標準化の2つの側面(「ポカヨケの定着」と「ポカヨケの適正な運用」)を確認し、ポカヨケの標準化のステップについて解説しています。またポカヨケ装置の設計上の標準化の考え方とポイント、ポカヨケの水平展開などを解説しています。そして製造現場での標準化について、ハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアの3つの側面からの仕組み作りと教育・訓練が重要とし、またポカヨケの保守管理について、ポカヨケ装置の受入検査、定期検査、日常点検、更にポカヨケの使い方の留意点などを解説しています。


6章では、「ポカヨケの実施手順と事例
として、ポカヨケ実施上の7つの心構え、「手順1:ポカヨケの対象を明確にする」から「手順8:日常管理を徹底する」に至る基本手順を解説しています。さらにポカヨケの実施例として、A部品欠品対策の事例(多くの部品から構成されるキット製品Xを梱包・出荷する工程)をとりあげ、どのようにポカヨケを実施し、改善を進めるかとの事例を解説しています。


7章では、「ポカヨケ推進のための活動
として、ポカヨケ推進の仕組みについて製造部門と技術。品質保証部門との関係の体系図で示し、製品設計、生産技術、製造などの担当部署で進めるポカヨケの留意点及びQCサークル活動で進めるポカヨケの推進について解説しています。


8章では、「その他の分野のポカヨケ
として、生産職場の使命としてQ(品質)、C(原価)、D(量・納期)、S(安全)、M(士気)があるとの確認に始まり、これまでの章で解説した品質保証のためのポカヨケに加えて、設備保全(PM)、生産管理、安全の面で求められるポカミスを防止するためのポカヨケが必要とした上で、設備保全(PM)、生産管理、安全に関するポカヨケについて事例を交えてその留意点等について解説しています。


9章では、「ヒューマンファクターとヒューマンエラー
として、ポカヨケの仕組みを工夫する上で、人はなぜミスを犯すのか、人間の行動を本質から研究するヒューマンファクターとヒューマンエラーの理解が必要との観点からヒューマンファクターに関わるm-SHELモデルとの関連、スウェインやリーズンのヒューマンエラーの分類、さらにはヒューマンエラーの発生するメカニズム及びヒューマンエラーの事故防止対策などについて解説しています。


ポカヨケの書籍のjpg画像
日本規格協会
名古屋QS研究会(編集)
発売日:2001-05
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:147286
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 技能、性格、肉体的・精神的状態


なお本書の概要目次は、以下の内容です。
1 ポカヨケとは
1.1 ポカミスとは
1.2 製造でのポカミスとポカヨケ
2 品質保証活動とポカヨケ
2.1 品質保証活動におけるポカヨケの重要性
2.2 再発防止のポカヨケ
2.3 未然防止のポカヨケ
2.4 ポカミスの予測とポカヨケの設置
3 ポカヨケの考え方
3.1 製造における品質管理
3.2 ポカヨケの考え方
4 ポカヨケの仕組みと例
4.1 識別によるポカヨケ
4.2 警報装置によるポカヨケ
4.3 治具方式の工夫によるポカヨケ
4.4 連動方式の工夫によるポカヨケ
4.5 全数選別方式によるポカヨケ
4.6 ポカヨケを組み合わせた仕組み
4.7 ポカヨケを構成する機器
5 ポカヨケの標準化
5.1 ポカヨケを定着するための標準化
5.2 ポカヨケの作業標準
6 ポカヨケの実施手順と事例
6.1 ポカヨケ実施上の心構え
6.2 ポカヨケ実施の基本手順
6.3 ポカヨケの実施例−A部品欠品対策
7 ポカヨケ推進のための活動
7.1 ポカヨケ推進の仕組み
7.2 製品設計担当部署で進めるポカヨケ
7.3 生産技術担当部署で進めるポカヨケ
7.4 製造担当部署で進めるポカヨケ
7.5 QCサークル活動で進めるポカヨケ推進
8 その他の分野のポカヨケ
8.1 PMとポカヨケ
8.2 生産管理とポカヨケ
8.3 安全とポカヨケ
9 ヒューマンファクターとヒューマンエラー
9.1 ヒューマンファクターの必要性
9.2 ヒューマンファクターとヒューマンエラー
9.3 ヒューマンエラーの分類
9.4 ヒューマンエラーのメカニズム
9.5 ヒューマンエラーの事故防止対策






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  ISO/TS16949:2002の認証を取得する企業が我が国でも増加する傾向にあるようです


 自動車産業向けの品質マネジメントシステムの国際セクター規格であるISO/TS16949:2002規格(以降TS2と略)規格は、コアツールAPQPPPAPFMEASPCMSAなどを含む顧客レファレンスマニュアルへの対応)や顧客固有の要求事項への対応などの自動車業界独自の内容を含みその推進には、独自の力量が必要となります


 規格序文の0.5:「このTSの到達目標」においても、サプライチェーンにおける欠陥予防やバラツキ及びムダの低減などのパフォーマンスの継続的改善が挙げられているように自動車業界だけでなく、製造業にとっても活用できる規格となっています


 しかしながら一般にTS2は、規格要求事項の中身も複雑でその意味が分かり難いといわれています。


 確かにTS2に対するIATFのガイダンスなどもそっけないくらいにシンプルな構成となっており、またこれまでに発行されているTS2の解説書もIAOBのシビアな著作権対応への観点もあるかと思われますが、少し分かり難い構成となっているものが多いように思われます。


 本日は、このようなTS2規格の分かり易い解説書としてのニーズに応え、ISO/TS16949:2002(TS2)規格について、TS2規格の章構成に認証制度を加えた構成に沿って77問のQ&A並びに10問のワンポイントのQ&Aにより分かり易く解説している本を紹介します。

本書:「図解Q&A ISO/TS16949規格のここがわからない」です。


本書は、著者: 岩波 好夫氏にて、2007年10月に日科技連出版社 より発行されています。


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


Q&A形式のわかりやすい図解で、


自動車産業品質マネジメントシステムの


国際規格ISO/TS16949


「わからない」ところがわかる。


図解ISO/TS 16949シリーズの決定版!



 本書の77問の対象は、TS2の序章:「序文」から第8章:「測定・分析・改善」までに加えて、第9章は、「ISO/TS 16949 認証制度」となっています。


そこで、『Q1:ISO/TS16949のねらいはなにか?』~『Q77 第2段階審査では夜勤に関する審査も行われるのか?』がQ&A形式で解説されています。


ハッチングされボックスに入った質問事項(Q)に対して、原則、見開きの2ページでその回答文(A)が掲載され、次いでその重要点がポイントとして箇条書きなどでまとめられ、さらに関連の図表で補足するといった構成になっています


 TS2規格では、規格要求事項につて4ケタ項番号が付与されていますが、本書では、原則として2桁項番で、一部8.2項については、3桁項番として取り上げられています。


 また10問(『コアツールは要求事項か』など)のワンポイントのQ&Aでは、1ページで全てが収まる内容となっています。


 TS2規格に関係する用語についても、巻末に付録として添付されています。単にその定義をそのまま説明するということでなく、16ページにわたって分かり易く解説された内容が添付されています。


 本書は、ISO/TS 16949:2002の認証取得を考えておられる組織の方々は、勿論、製造業の組織でISO9001の範囲から更に踏み込んで品質に関わるパフォーマンスを向上させたいと考えておられる組織の方々までを対象にして、TS2規格の分かり難いとされる箇所をかみ砕いて明快に解説しており、お奨めの一冊と思います


図解Q&A ISO/TS16949規格のここがわからない
日科技連出版社
岩波 好夫(著)
発売日:2007-10
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:31201

なお本書の目次は、以下の内容です。
序章 序文
第1章 適用範囲
第2章 引用規格
第3章 定義
第4章 品質マネジメントシステム
第5章 経営者の責任
第6章 資源の運用管理
第7章 製品実現
第8章 測定・分析・改善
第9章 ISO/TS16949認証制度
付録 用語の解説




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 自動車業界向けの品質マネジメントシステムのセクター規格であるISO/TS16949:2002規格(以降TS2と略記)の要求事項の解説書が発行されていますので紹介します

 著者達の自動車メーカーでの実務経験や各種品質マネジメントシステムの審査経験をもとに、ISO9001を基礎としながら、TS2規格の要求事項についてどのように理解し、実践すればよいかといったエッセンスについて、多数のフローチャートや図を用いて、さらに実施例も交えて分かり易く解説しています。

本書:「ISO/TS16949要求事項の徹底理解」です。

「―自動車業界用品質マネジメントシステム―」との副題が付いています。

 本書は、須合 雄孝 氏ならびに大森 直敏 氏による共著で、TS研究会の編にて、2007年8月に日刊工業新聞社 より発行されています。

本書の「まえがき」で著者は、TS2の我が国での認証登録件数が大きく伸びていること

 更に欧米やとくに中国を中心としたアジア地区での認証登録件数が増加していることに伴って国内の設計などの支援部門でもTS2対応の必要性が増加していること。

 そして、自動車メーカーの品質、納期、コストに関する要求は、他の産業界よりも一段と厳しく、その方向にシフトしている。

 TS2認証取得で組織のQMSをさらに強固なものとし、企業の体質強化がニーズが大きくなっているとした上で、以下のように述べています。


ISO/TS16949:2002TS2)の到達目標の一つは「特にサプライチェーンにおける欠陥の予防、ならびにばらつきやムダの低減に重点を置いた、継続的改善をもたらす品質マネジメントシステムQMS)を開発すること」と定義されている。

また、キーワードとして「プロセスアプローチ」、「顧客満足度」、「QMSの継続的改善」、「パフォーマンスの改善」の4点が挙げられるが、TS2の特徴は、QMSの有効性を継続的に改善することと併せて、リコールにつながるような製品の欠陥や品質不良コストの削減など、品質パフォーマンスの向上を目指していることである。」

さらにTS2について、自動車に限らず製造業にとって取り組む価値の大きな規格であり、TS2への対応により確実な品質保証体制や、継続的改善につながるQMSを確立でき、品質パフォーマンスの改善や企業体質の強化にもつながるメリットのある規格であると強調しています。


本書は、3部から構成されています。

第?部では、「ISO/TS16949:2002への対応について
として、「ISO/TS16949:2002とは」からはじまり、「ISO/TS16949:2002要求事項の特徴」、「ISO/TS16949の認証取得による効果を出すためのポイント」、「ISO/TS16949:2002に取り組む際の重要なポイント」、「これからTS2認証取得をする組織への期待」といった項目で、とくにISO/TS16949規格が制定された背景、狙い、意図、認証取得する意義から今後の動向、とくにISO/TS16949:2002規格についての改定の特徴からその内容について解説しています。ISO9001:2000規格の特徴を整理した上で、QS-9000:1998との違いを比較しながら解説しています。


第?部では、「規格要求事項の詳細解説
として、TS2の「0.序文」から「8.5.3 予防処置」までの規格本文について、規格のベースとなるISO9001:2000の各要求事項(黒枠で囲っています。)の意図とポイント(ここには、TS2での追加点、差異なども含めて掲載されています。)、そしてTS2の補足要求事項(破線で囲い、網掛けしてあります。)のIATFのガイダンス等も参考にしながらの詳細な解説、さらにTS2に基づくQMS構築のポイントについてその留意すべきポイントや参考事例なども交えて解説しています。またTS2要求事項の概要を箇条書きで記載していますが、その詳細は、IAOBの著作権の制約から概要のみ取り上げたものとなっています。この解説には、フローチャートや図などでプロセスの内容および他のプロセスとの関係が分かり易くされています。また関連用語について「関連する用語の定義」の欄でISO9000:2000などを引用しながら解説しています。本書のメインになります。


第?部では、「ISO/TS16949:2002による品質マネジメントシステムの構築に向けて
として、TS2の認証取得に向けてのQMS構築の手順や重要なポイント、認証取得までのプロセス(タイムスケジュールやステップなど)について解説しています。


これからTS2の認証取得に取組もうとする組織の関係者だけでなくすでにTS2の認証を取得している組織の関係者、さらにはISO9001のグレードアップを目指している自動車業界に関係しない製造業の組織の関係者にも参考になるものと思われます。

ISO/TS16949要求事項の徹底理解―自動車業界用品質マネジメントシステム
日刊工業新聞社
須合 雄孝(著)大森 直敏(著)TS研究会(編さん)
発売日:2007-08
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:141019

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 ISO/TS16949:2002への対応について
1. ISO/TS16949とは
2. ISO/TS16949:2002とは
3. ISO/TS16949:2002要求事項の特徴
4. ISO/TS16949の認証取得による効果を出すためのポイント
5. ISO/TS16949:2002に取り組む際の重要なポイント
6. これからTS認証取得をする組織への期待
第2部 規格要求事項の詳細解説
まえがき
0. 序文
1. 適用範囲
2. 引用規格
3. 定義
4. 品質マネジメントシステム
5. 経営者の責任
6. 資源の運用管理
7. 製品実現
8. 測定、分析及び改善
第3部 ISO/TS16949:2002による品質マネジメントシステムの構築に向けて
1. ISO/TS16949:2002への移行に当たって
2. ISO/TS16949:2002認証取得までのプロセス)

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ISO/TS16949:2002について、

  • QS-9000(第3版)を取得していない組織で新たにISO/TS16949:2002の審査登録を目指す自動車業界の組織のガイドとして
  • 自動車業界のサプライヤーが取得済みのQS9000からISO/TS16949:2002へと移行を支援するガイドとして

AIAG(Automotive Industry Action Group:自動車産業行動委員会)が発行している本を紹介します。

本書:「ISO/TS16949:2002実践ガイド」です。

本書は、「Automotive Industry Action Group」(AIAG) の監訳で菱沼 雅博氏の翻訳により、2004年5月に日本規格協会より発行されています。

出版社による本書の概要の紹介文は、以下の通りです。

  •  QS-9000第3版とISO/TS 16949:2002との間で何が新規で、何が相違かを説明し、またプロセス監査を実施する方法に関する実践及び明確な戦略を提供する
  •  ISO/TS 16949:2002が、品質マネジメントシステムの開発及び改善について、いかにプロセスが顧客満足につながるのかを、またプロセスの有効性を評価し改善するための方法を明確にする
  •  本書により,“組織の品質マネジメントシステム(QMS)設計”に際し、適切な計画を活用することの重要性を再認識できる。 」

本書の構成は,約1/5が1.0~7.0として、概要から始まり、QS-9000(第3版)とISO/TS16949:2002規格との違いやプロセスアプローチと監査についての解説や、回避すべき落とし穴として予備審査、審査中や審査後の注意事項などについて解説をしています。

また残りがQS-9000(第3版)とISO/TS16949の対比表をはじめとした要点解説についてのAからMまでの付属書となっています。
例えば、付属書Jでは、「プロセスマッピングの例」との表題で、重要な概念である『タートル図』の考え方やその活用などについて解説しています。

aiagtsguide.JPG
日本規格協会
菱沼 雅博(翻訳)Automotive Industry Action Group(AIAG)(翻訳)
発売日:2004-05
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:187603

なお本書の目次は、以下の通りです。
AIAGの出版物
まえがき
謝 辞
1.0 概 要
2.0 “新規及び相違”は何か
 2.1 顧客志向プロセス
3.0 プロセスアプローチ/監査の説明
 3.1 プロセスアプローチのセクションから期待されること
 3.2 プロセスアプローチを用いる便益
 3.3 プロセスとは何か
 3.4 プロセスの構成要素
 3.5 プロセスアプローチ
4.0 品質マネジメントシステムの構築
 4.1 ステップ1−プロセスの明確化
 4.2 ステップ2−プロセスマッピング
 4.3 ステップ3−有効性
 4.4 ステップ4−監査
 4.5 ステップ5−審査登録機関への文書
5.0 ISO/TS 16949:2002実施のための戦略
6.0 審査登録プロセス
7.0 回避すべき落とし穴
附属書A−QS-9000第3版からISO/TS 16949:2002への対照表
附属書B−ISO/TS 16949:2002からQS-9000第3版への対照表
附属書C−プロセス特定ツール
附属書D−推奨研修
附属書E−IATF連絡先
附属書F−ISO/TS 16949:2002マニュアル
附属書G−熱処理工程の例
附属書H−品質マネジメントシステム監査
附属書I−製造工程監査
附属書J−プロセスマッピングの例
附属書K−登録審査/定期審査の計画指示書
附属書L−文書化戦略
附属書M−参考文献
AIAGについて
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ISO/TS16949:2002規格「品質マネジメントシステム-自動車生産及び関連サービス部品組織のISO 9001:2000 運用に関する固有要求事項」において3つの種類の監査が要求されています。

  • 8.2.2.1項 品質マネジメントシステム監査
  • 8.2.2.2項 製造工程監査
  • 8.2.2.3項 製品監査


しかもこれらのすべての監査は、プロセスアプローチを利用して実施しなければならないと要求されています。

また8.2.2.5項で内部監査員の資格認定については、『組織は、このISO/TS 16949:2002の要求事項を監査する資格を付与された内部監査員を持つこと(6.2.2.2参照)』と(すなわち、顧客要求事項を満たすことに配慮して資格認定することが)要求されています。


ISO/TS16949:2002規格(以降TS2と略)が要求するパフォーマンス向上のためのプロセスアプローチによる内部監査のノウハウについてわかり易く解説している書籍を紹介します。

TS2が目指しているものは、『欠陥予防、並びにばらつき及びムダの低減に重点を置いた継続的改善をもたらすQMS』ということになりますので、これは、TS2の関係組織だけでなく、ISO9001を推進している組織(製造業)のパフォーマンスの向上に大きく寄与できるはずのものということになります。

本書:「ISO/TS16949 プロセスアプローチ内部監査のノウハウ」です。
ISO9001実施組織のパフォーマンス向上に役立つ」と副題がついています。

本書は、著者:沖本 一宏氏(すでにこちらのブログでも紹介した「ISO/TS16949 構築・運用ガイド」などの著者でもあります。)で、2006年10月に日科技連出版社より発行されています。

本書の表紙の折り返し部には、『ISO/TS 16949:2002に対応したプロセスアプローチ内部監査の方法を紹介』との表題で以下のように書かれてあります。

「ISO/TS 16949:2002が要求するパフォーマンスを向上するためには、プロセスアプローチの方法が有効である。本書は、このプロセスアプローチによる内部監査の進め方をわかり易く解説している。

あらゆる製造業のパフォーマンス向上にも活用できる

本書で紹介する顧客指向のプロセスアプローチの方法は,ISO/TS 16949の『タートルチャート』を用いたものであるが,ISO9001を実施しているあらゆる製造業のパフォーマンス向上にも活用できる。」


本書は、6章からなります。

第1章では、「自動車産業はなぜISO/TS16949を要求するのか」との表題で、自動車産業に関わる安全・法規制、技術力・マネジメント力、TS2規格要求事項の12点の特徴などについて解説しています。

第2章では、「オートセクター・プロセスアプローチによる登録審査」との表題で、TS2審査の特徴、とくに顧客指向プロセスアプローチ(COP)審査について、その審査の流れについて解説しています。

第3章では、「内部監査の基本」との表題で、監査の位置づけ、ISO19011:2002「品質/又は環境マネジメントシステム監査のための指針」に準拠した内部監査プラン、内部監査の進め方、TS2 内部監査の特徴やポイントについて解説しています。


第4章では、「プロセスアプローチによる品質マネジメントシステム」との表題で、いまなぜプロセスアプローチか、QMSの構造、プロセスアプローチによる品質マニュアルの特徴、プロセスアプローチ、顧客指向プロセス(COP)などとプロセスアプローチの運用管理のための『タートルチャート』の活用について解説しています。

第5章では、「プロセスアプローチによる内部監査」との表題で、プロセスアプローチに基づく内部監査の進め方、留意点、監査ワークシートの作成、内部監査の指摘と是正処置の方法などについて解説しています。

第6章では、「コアツールの活用と内部監査のポイント」との表題で、APQP(新製品開発計画)、CP(コントロールプラン)、FMEA(潜在的故障モード影響解析)、MSA(測定システム解析)、SPC(統計的工程管理)、PPAP(量産開始申請手続)の各コアツールについての概要の解説と各コアツールの実施状況についての監査時の一般的なチェックポイントについて解説しています。

ISO/TS16949プロセスアプローチ内部監査のノウハウ―ISO9001実施組織のパフォーマンス向上に役立つ
日科技連出版社
沖本 一宏(著)
発売日:2006-10
発送時期:通常1~2週間以内に発送
ランキング:9453


なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 自動車産業はなぜISO/TS16949を要求するのか
第2章 オートセクター・プロセスアプローチによる登録審査
第3章 内部監査の基本
第4章 プロセスアプローチによる品質マネジメントシステム
第5章 プロセスアプローチによる内部監査
第6章 コアツールの活用と内部監査のポイント


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